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第三章後編『やっとついた?アストロデクス王国!』
第二十話 押して押されて押し返せ(4)
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暗雲立ち込める天気の中、双子竜が実穂を乗せて飛び立つ。
向かうは悪魔が異形と化した化け物の元、双子竜は化け物の触手一本一本の先が赤く光っている事に気が付いた。
赤い光は収束し、無数の細い光線がカーブを描きながら双子竜めがけて降り注ぐ。
(沢山飛んできた………《森羅万象》)
実穂は脳内でスキルの名前を呟き、目の前に大量のブランクウィンドウを出す。
それと同時に視界を魔力専用へと変えた。
(………あの光線って飛ぶ方向を魔力で指定してるんだ………そうしないと光がバラけちゃうとか?………って! そんな事考えてる場合じゃないね! 《リンク》!)
実穂は双子に《リンク》して、実穂が見た情報の中で光線のルートだけを双子竜に送った。
(ありがと! 実穂!)
(回るからしっかり捕まってて!)
双子竜はルートの隙間を見つけると、その間を縫う様に回転しながら加速した。
付近を光線が通り、時には実穂を掠めそうな程に近い物もあった。
そんな光線地帯を過ぎると、化け物は既に次の光線をチャージしていた。
(………っ! 隙間が無い!)
(………一応行けそうな所はあるけど………)
今度は固めるかの様にルートが表示され、ヨウタは焦る。
一ヶ所だけ隙間は空いているが、そこを通ると実穂に当たってしまう。
少し後退しようと双子竜が頭を上げようとした時、実穂は杖を構えた。
(あの隙間を通って!)
(えっ? でも………)
(………実穂が大丈夫って言うなら大丈夫! 行こ!)
実穂の提案にヨウタが困惑するが、インカにそう言われ、隙間に向けて加速した。
「名前は………光を圧縮してするから………よし! これだね!《シャインボム》!」
隙間の場所に《エレメンタルウォール》と同じ素材で出来た大きめの球が出現する。
(二人共! 目を瞑って通って!)
双子竜が目を瞑ったのを実穂が《リンク》越しに感じ取ると、実穂は球の外装だけを解除した。
すると内部で圧縮された光の魔力が解放され、全方位に大量の光の魔力が飛び散る。
そんな閃光の中を双子竜は突き進む。
このままだと実穂は光線によって消されてしまうが、そんな様子は無かった。
それ所か実穂の周りの光線は全て消えていた。
(………ふぅ、ルートを作ってる魔力が闇っぽかったから光で消せるかなー? って思ったけど………上手く行って良かったよ)
化け物は次の光線をチャージ中なので、双子竜は加速して少しでも距離を詰めようとする。
その間、実穂はふと気になりライトに《リンク》を繋いだ。
(ねぇ、ライト)
『どうしたの?』
(インカとヨウタの《神竜化》ってどの位保つの?)
『ふむ………最大五分、大技を打ったらそこで終了だね、それ以上は器が保たない』
その言葉に、実穂は驚く。
そして《リンク》先を双子に変え、実穂は二人に言った。
「チャンスは一度きりだよ! 頑張ろう!」
それを聞いた双子は、さらなる加速と言う返事で答えた。
その結果、数秒で竜魔法の射程範囲内まで入る事ができた。
化け物はその事を感じ取ったのか、光線をチャージしながら目元に触手を集める。
(あれは避けても多分薙ぎ払いみたいな攻撃くるかも!)
(どうする!? 実穂!)
実穂はその極太光線に、ルートが無い事に気付いた。
(有効そうなのは光の魔力………それを圧縮するのまでは《シャインボム》と同じで………それであの光線まるごと消すのは無理………というより光線は闇属性じゃ無さそう………)
実穂はふと触手を見て、気が付いた。
(あの触手、魔力で作られてる? 闇属性の筈だけど………何かおかしいから多分神力も混ざってる………でも!)
実穂は《森羅万象》でルート観測するのを止め、その分のウィンドウを触手にダメージを与えられる最大効率の位置の計算へと変更をした。
化け物の周りに、数十個の透き通った光の球が実穂にだけ見えた。
「二人共! 悪魔が光線を撃ったらすぐに上に移動して! そして怯んだら大技を叩き込んで!」
((わかった!))
双子竜は口元に竜属性の魔力と、神力を集める。
それと同時に化け物のチャージが止まり、極太光線が発射される。
それを見て双子竜は上方向に全速力で飛んだ。
「《マルチシャインボム》!」
実穂は《森羅万象》による演算で出された設置場所に《シャインボム》を出現させて外装を解除する。
いくつもの圧縮された光の魔力が直撃し、極太光線を支える触手の下四分の一が焼け爛れる。
勿論それだけで千切れたり消えたりはしなかったが、光線が少し下向きにずれた。
そのお陰で双子竜は光線の射程から外れ、上を取る事が出来た。
「二人共! やっちゃって!」
双子竜の口元が輝く。
その輝きを吐き出す様に口を開け、二人は叫んだ。
『『《ツインエッジブレス》!』』
白と黒のブレスが螺旋状に放出され、まるでダンスを踊る様に回転しながら化け物の頭上へ命中する。
「《シャインボム》!」
化け物が極太光線から強引に離脱させた触手で光線を撃ってくるが、双子竜に当たるルートを全て実穂が消す。
『グルァァァァァァァッルァァァッァァ!?』
化け物が耳をつんざく様な悲鳴を上げる。
ブレスが当たった箇所から何かが黒い霧となって抜けていく。
そのままブレスと化け物の攻防は続き、ついに………化け物の体をブレスが貫いた。
『グギャァァァァァァッ!』
化け物は断末魔を上げながら形を失っていくが、ボトボトと溶け落ちる体が下で集まろうとしているのを実穂は見つけた。
「させない!」
実穂はライトとラキトから預かった宝玉をそこ目掛けて投げた。
宝玉は外れる事無く溶け落ちた化け物へと当たり、砕け散った。
その破片が当たりに散り、化け物の集合が止まったかと思うと、逆に化け物だった物が物凄い勢いで吸収されていく。
その姿は嬉々として集合していた先程とは違い、まるで吸収から逃げている様だった。
そんな化け物たちは全て吸収され、その中心地だった場所には一つのどす黒い宝玉が転がっていたのだった。
「………やったね! 二人共! 倒せたみたいだよ!」
実穂が二人に声を掛けるが、双子竜はゆっくりと傾くと光を放って二人の子供の姿へ戻ったのだった。
「あっ」
実穂は『そういえばそうだった………』と思い《エリアテレポート》を使用しようとする。
しかし、それは発動しなかった。
「えっ!? 悪魔は倒した筈なのに!?」
実穂と双子は大空から落下していく。
実穂はとりあえず双子だけでも守ろうと双子の手を繋いだ時、急に落ちる速度が減った。
「実穂! 大丈夫よ!」
下には美堀とクルミ、ラキトとライトが居て、その近くに空いたままのワープホールが浮いていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「助かったよ………」
「私が予めここにワープホールを出す様に言ってて助かったわね」
少し疲れた様子の実穂に、美堀がハグをする。
………多分今なら逃げられないと思ったからだろう………。
「あって良かった簡易魔法陣」
「兄ちゃん一時期大量に量産してたもんな」
ラキトに背負われたライトは、相変わらず力無い様子で口調だけ嬉しそうだった。
インカとヨウタは力を使いすぎたのか寝ていて、クルミが様子を見ている。
「………あれ? そういえば実穂、何で《エリアテレポート》を使わなかったの?」
ライトが不思議そうな口調で問う。
「使わなかったんじゃなくて使えなかったの………もう悪魔は倒した筈なのに………」
「えっ、それって………はっ!」
美堀はふと殺気を感じ取って背後に手を回した。
その攻撃によってブレスレットに回した魔力は全て削り取られたが、ギリギリ射線をずらす事は出来た。
「貴様らっ!」
その攻撃が飛んできた方向には、羽はボロボロで腕も片方しか無く、全身から血の様な何かを吹き出している悪魔が居た。
「よくも………よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもっ! この俺に傷を付けてくれてなぁぁぁぁぁぁっ!?」
悪魔は片腕を真上に掲げた。
すると全身から吹き出ている血の様な物がそこへ集まり、一本の太い槍を形作った。
「死ねぇぇぇぇぇぇっ!」
悪魔が槍を投げる。
そのスピードは早く、投げる時に腕がぶれて見える程だった。
ラキトが対応しようとするが、間に合う筈も無く無慈悲に実穂に向かって飛んでいく。
槍はそのまま飛んでいき、実穂の頭を消し飛ば………さずに止まっていた。
「ほう、我の友人の仲間を殺すと言うのかの?」
槍は一瞬で色を失い、ボロボロと崩れていく。
「まぁ正確に言うと………友人兼育ての親の仲間、と言った所かの?」
その槍の先に居たのは………魔王国女王兼二代目魔王《失色》のデモン ディープレッドその人だった。
「何だ貴様! 俺の邪魔をすると言うのなら………貴様も死ね!」
「断る」
悪魔が光線を乱れ射つが、その全ての色が無くなりパラパラと崩れ落ちた。
「ふとライトの気配が無くなったかと思い、最後にライトが居た所に向かうが当にそこはもぬけの殻、ライトの痕跡を辿おうにも魔力を封じられているのか途中で途切れている………さらに謎の振動により出口が塞がれ出られなくなったかと思えば上の方でなにやら巨大な物が暴れている………この様な事態が重なり、今我はかなり起こっているのじゃ」
「さ、災難だったねぇ」
「ライトは黙っておれ」
「はい」
死んだ目で淡々と話し続ける魔王は悪魔を見て、微笑んだ。
「ストレス発散の相手位には………なってくれるだろう?」
「ヒッ!?」
悪魔は飛んで逃げようとするが、羽がボロボロで飛べず、走って逃げようとするが逃亡先の足元の色が一瞬で消えた。
「何故逃げるのか………今から我が直々に相手をしてやろうと言うておるのに………」
「やめっ! 止めろ!」
魔王がコトコトと足音を立てながら歩く度に、その地面の色が消えていく。
「止めろじゃと? 誰に向かって口を利いておるのか………」
魔王は転んで無様な姿で後退りする悪魔の前に立ち、微笑んだ。
「少し、教育が必要な様じゃのう?」
「止めてくれっ! いやっ! 止めてくださいっ! 何でもするっ! 何でもするから命だけはっ!」
「断る」
魔王は悪魔の顔を掴んだ。
「止めっ………て………………」
悪魔から色が抜けていき、完全に白くなった後にパラパラと崩壊していった。
………これで、悪魔は完全に消滅したのだった。
向かうは悪魔が異形と化した化け物の元、双子竜は化け物の触手一本一本の先が赤く光っている事に気が付いた。
赤い光は収束し、無数の細い光線がカーブを描きながら双子竜めがけて降り注ぐ。
(沢山飛んできた………《森羅万象》)
実穂は脳内でスキルの名前を呟き、目の前に大量のブランクウィンドウを出す。
それと同時に視界を魔力専用へと変えた。
(………あの光線って飛ぶ方向を魔力で指定してるんだ………そうしないと光がバラけちゃうとか?………って! そんな事考えてる場合じゃないね! 《リンク》!)
実穂は双子に《リンク》して、実穂が見た情報の中で光線のルートだけを双子竜に送った。
(ありがと! 実穂!)
(回るからしっかり捕まってて!)
双子竜はルートの隙間を見つけると、その間を縫う様に回転しながら加速した。
付近を光線が通り、時には実穂を掠めそうな程に近い物もあった。
そんな光線地帯を過ぎると、化け物は既に次の光線をチャージしていた。
(………っ! 隙間が無い!)
(………一応行けそうな所はあるけど………)
今度は固めるかの様にルートが表示され、ヨウタは焦る。
一ヶ所だけ隙間は空いているが、そこを通ると実穂に当たってしまう。
少し後退しようと双子竜が頭を上げようとした時、実穂は杖を構えた。
(あの隙間を通って!)
(えっ? でも………)
(………実穂が大丈夫って言うなら大丈夫! 行こ!)
実穂の提案にヨウタが困惑するが、インカにそう言われ、隙間に向けて加速した。
「名前は………光を圧縮してするから………よし! これだね!《シャインボム》!」
隙間の場所に《エレメンタルウォール》と同じ素材で出来た大きめの球が出現する。
(二人共! 目を瞑って通って!)
双子竜が目を瞑ったのを実穂が《リンク》越しに感じ取ると、実穂は球の外装だけを解除した。
すると内部で圧縮された光の魔力が解放され、全方位に大量の光の魔力が飛び散る。
そんな閃光の中を双子竜は突き進む。
このままだと実穂は光線によって消されてしまうが、そんな様子は無かった。
それ所か実穂の周りの光線は全て消えていた。
(………ふぅ、ルートを作ってる魔力が闇っぽかったから光で消せるかなー? って思ったけど………上手く行って良かったよ)
化け物は次の光線をチャージ中なので、双子竜は加速して少しでも距離を詰めようとする。
その間、実穂はふと気になりライトに《リンク》を繋いだ。
(ねぇ、ライト)
『どうしたの?』
(インカとヨウタの《神竜化》ってどの位保つの?)
『ふむ………最大五分、大技を打ったらそこで終了だね、それ以上は器が保たない』
その言葉に、実穂は驚く。
そして《リンク》先を双子に変え、実穂は二人に言った。
「チャンスは一度きりだよ! 頑張ろう!」
それを聞いた双子は、さらなる加速と言う返事で答えた。
その結果、数秒で竜魔法の射程範囲内まで入る事ができた。
化け物はその事を感じ取ったのか、光線をチャージしながら目元に触手を集める。
(あれは避けても多分薙ぎ払いみたいな攻撃くるかも!)
(どうする!? 実穂!)
実穂はその極太光線に、ルートが無い事に気付いた。
(有効そうなのは光の魔力………それを圧縮するのまでは《シャインボム》と同じで………それであの光線まるごと消すのは無理………というより光線は闇属性じゃ無さそう………)
実穂はふと触手を見て、気が付いた。
(あの触手、魔力で作られてる? 闇属性の筈だけど………何かおかしいから多分神力も混ざってる………でも!)
実穂は《森羅万象》でルート観測するのを止め、その分のウィンドウを触手にダメージを与えられる最大効率の位置の計算へと変更をした。
化け物の周りに、数十個の透き通った光の球が実穂にだけ見えた。
「二人共! 悪魔が光線を撃ったらすぐに上に移動して! そして怯んだら大技を叩き込んで!」
((わかった!))
双子竜は口元に竜属性の魔力と、神力を集める。
それと同時に化け物のチャージが止まり、極太光線が発射される。
それを見て双子竜は上方向に全速力で飛んだ。
「《マルチシャインボム》!」
実穂は《森羅万象》による演算で出された設置場所に《シャインボム》を出現させて外装を解除する。
いくつもの圧縮された光の魔力が直撃し、極太光線を支える触手の下四分の一が焼け爛れる。
勿論それだけで千切れたり消えたりはしなかったが、光線が少し下向きにずれた。
そのお陰で双子竜は光線の射程から外れ、上を取る事が出来た。
「二人共! やっちゃって!」
双子竜の口元が輝く。
その輝きを吐き出す様に口を開け、二人は叫んだ。
『『《ツインエッジブレス》!』』
白と黒のブレスが螺旋状に放出され、まるでダンスを踊る様に回転しながら化け物の頭上へ命中する。
「《シャインボム》!」
化け物が極太光線から強引に離脱させた触手で光線を撃ってくるが、双子竜に当たるルートを全て実穂が消す。
『グルァァァァァァァッルァァァッァァ!?』
化け物が耳をつんざく様な悲鳴を上げる。
ブレスが当たった箇所から何かが黒い霧となって抜けていく。
そのままブレスと化け物の攻防は続き、ついに………化け物の体をブレスが貫いた。
『グギャァァァァァァッ!』
化け物は断末魔を上げながら形を失っていくが、ボトボトと溶け落ちる体が下で集まろうとしているのを実穂は見つけた。
「させない!」
実穂はライトとラキトから預かった宝玉をそこ目掛けて投げた。
宝玉は外れる事無く溶け落ちた化け物へと当たり、砕け散った。
その破片が当たりに散り、化け物の集合が止まったかと思うと、逆に化け物だった物が物凄い勢いで吸収されていく。
その姿は嬉々として集合していた先程とは違い、まるで吸収から逃げている様だった。
そんな化け物たちは全て吸収され、その中心地だった場所には一つのどす黒い宝玉が転がっていたのだった。
「………やったね! 二人共! 倒せたみたいだよ!」
実穂が二人に声を掛けるが、双子竜はゆっくりと傾くと光を放って二人の子供の姿へ戻ったのだった。
「あっ」
実穂は『そういえばそうだった………』と思い《エリアテレポート》を使用しようとする。
しかし、それは発動しなかった。
「えっ!? 悪魔は倒した筈なのに!?」
実穂と双子は大空から落下していく。
実穂はとりあえず双子だけでも守ろうと双子の手を繋いだ時、急に落ちる速度が減った。
「実穂! 大丈夫よ!」
下には美堀とクルミ、ラキトとライトが居て、その近くに空いたままのワープホールが浮いていた。
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「助かったよ………」
「私が予めここにワープホールを出す様に言ってて助かったわね」
少し疲れた様子の実穂に、美堀がハグをする。
………多分今なら逃げられないと思ったからだろう………。
「あって良かった簡易魔法陣」
「兄ちゃん一時期大量に量産してたもんな」
ラキトに背負われたライトは、相変わらず力無い様子で口調だけ嬉しそうだった。
インカとヨウタは力を使いすぎたのか寝ていて、クルミが様子を見ている。
「………あれ? そういえば実穂、何で《エリアテレポート》を使わなかったの?」
ライトが不思議そうな口調で問う。
「使わなかったんじゃなくて使えなかったの………もう悪魔は倒した筈なのに………」
「えっ、それって………はっ!」
美堀はふと殺気を感じ取って背後に手を回した。
その攻撃によってブレスレットに回した魔力は全て削り取られたが、ギリギリ射線をずらす事は出来た。
「貴様らっ!」
その攻撃が飛んできた方向には、羽はボロボロで腕も片方しか無く、全身から血の様な何かを吹き出している悪魔が居た。
「よくも………よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもっ! この俺に傷を付けてくれてなぁぁぁぁぁぁっ!?」
悪魔は片腕を真上に掲げた。
すると全身から吹き出ている血の様な物がそこへ集まり、一本の太い槍を形作った。
「死ねぇぇぇぇぇぇっ!」
悪魔が槍を投げる。
そのスピードは早く、投げる時に腕がぶれて見える程だった。
ラキトが対応しようとするが、間に合う筈も無く無慈悲に実穂に向かって飛んでいく。
槍はそのまま飛んでいき、実穂の頭を消し飛ば………さずに止まっていた。
「ほう、我の友人の仲間を殺すと言うのかの?」
槍は一瞬で色を失い、ボロボロと崩れていく。
「まぁ正確に言うと………友人兼育ての親の仲間、と言った所かの?」
その槍の先に居たのは………魔王国女王兼二代目魔王《失色》のデモン ディープレッドその人だった。
「何だ貴様! 俺の邪魔をすると言うのなら………貴様も死ね!」
「断る」
悪魔が光線を乱れ射つが、その全ての色が無くなりパラパラと崩れ落ちた。
「ふとライトの気配が無くなったかと思い、最後にライトが居た所に向かうが当にそこはもぬけの殻、ライトの痕跡を辿おうにも魔力を封じられているのか途中で途切れている………さらに謎の振動により出口が塞がれ出られなくなったかと思えば上の方でなにやら巨大な物が暴れている………この様な事態が重なり、今我はかなり起こっているのじゃ」
「さ、災難だったねぇ」
「ライトは黙っておれ」
「はい」
死んだ目で淡々と話し続ける魔王は悪魔を見て、微笑んだ。
「ストレス発散の相手位には………なってくれるだろう?」
「ヒッ!?」
悪魔は飛んで逃げようとするが、羽がボロボロで飛べず、走って逃げようとするが逃亡先の足元の色が一瞬で消えた。
「何故逃げるのか………今から我が直々に相手をしてやろうと言うておるのに………」
「やめっ! 止めろ!」
魔王がコトコトと足音を立てながら歩く度に、その地面の色が消えていく。
「止めろじゃと? 誰に向かって口を利いておるのか………」
魔王は転んで無様な姿で後退りする悪魔の前に立ち、微笑んだ。
「少し、教育が必要な様じゃのう?」
「止めてくれっ! いやっ! 止めてくださいっ! 何でもするっ! 何でもするから命だけはっ!」
「断る」
魔王は悪魔の顔を掴んだ。
「止めっ………て………………」
悪魔から色が抜けていき、完全に白くなった後にパラパラと崩壊していった。
………これで、悪魔は完全に消滅したのだった。
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