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第三章後編『やっとついた?アストロデクス王国!』
エピローグ それぞれの日常
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短めのエピローグですが………二十話で力尽きたとでも思っておいてください
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ライトが狂信者達に攫われ、生け贄にされかけた事件から一日後。
森はボロボロになり、悪魔が異形と化した影響で一部の魔法使い達が寝込んだ事以外はすっかり元通りの日常となった。
そんな中、いつも通りの魔王城の中では………
「何故なのじゃ………」
魔王様が拗ねていた。
「何故我はあんなに不運だったのか………何故なのじゃ?」
「いや、僕に言われても………」
頬を膨らませながらそう愚痴る魔王様を足に乗せ、返答を返すのはライト スターダスト。
昨日帰ってすぐに魔法とスキルを使えなくする封印を解いた後、ぐっすり一日寝込んだので今は万全の状態だ。
この二人が何故こんな状態になっているのかを簡単に表すと………『親に甘えたくなった魔王様』だ。
正確には心配かけたお詫びに『全員に何か一つだけ言う事を聞いてあげる』と言ってしまったのだ。
「酷くないか? お主を助けに行ったら誰も居なくて………それを馬鹿にするかの如く野良スライムがピョンピョン跳ねて………」
「災難だったねぇ」
ちなみにライトと魔王様は身長がほぼ同じなので、他からは子供同士のじゃれあいにしか見えない。
「そこからやっと見つけたと思ったら何故かやられかけてて………それにお主、体の殆どの臓器が壊れてたらしいではないか………スキルが使えないと言う事は《五感操作》も使用不可だったのじゃろう?」
「あー………まぁ痛いのは慣れてるし………神経が切れてからはほぼ何も感じなかったよ」
ライトに魔王様のジト目が突き刺さる。
「………ほら、何をしておるのじゃ? 今日は一日一緒に居てくれるのじゃろう? 頭位撫でんか」
「はいはい」
ライトは魔王様の頭を撫でようと手を上げるが、それを魔王様が止める。
「え? 何?」
「………手袋を外すのじゃ」
「それはちょっと………」
ライトがどうにか手袋のまま撫でようと力を入れるが、《身体強化》してない体じゃ魔王の力に勝てるわけ無く、ピクリとも動かなかった。
「………お主、"あれ"を心配しておるのじゃろう? 心配いらん。 もし"あれ"が起こったとしても自力で抜け出せるわ」
魔王様の純粋な瞳がライトを見つめる。
ライトは溜め息を吐いてから、手袋を外した。
「………お主、白いのぅ」
「顔以外出してないんだから当たり前でしょ」
ライトが頭を撫で始めると、魔王様は気持ち良さそうに目を瞑る。
それを隠れてた光海が記録に残す。
そんな平和? な時間は、魔王様の寝息が聞こえ始めるまで続いたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
所変わってアストロデクス王国。
ここは化け物の余波も無く、町へのスタンピードも被害はほぼ無かったので、いつも通り平和な日々が続いていた。
「タッチです」
「わぁ! 捕まっちゃった………」
「クルミちゃん速ーい!」
ぽかぽかとした陽気で、太陽の光が暖かい昼。
実穂と美堀は孤児院の子供達と元気に遊ぶクルミと双子の姿を見守っていた。
「平和だねー」
「そうねー」
アイテムボックスに入っていたランチマットを広げ、ゆったりと寛いでいる二人は、物凄くゆるい雰囲気を醸し出していた。
「しんとうめっきゃくすれば………何だっけ?」
「ひもまたすずし………じゃなかった?」
そんな二人の後ろには、クルミの視線から逃れる様にインカとヨウタが明らかにキツそうな姿勢で隠れていた。
「ここならクルミには見つからないし、見つかったらすぐに逃げれる、完璧な隠れ場所!」
「さらに丁度木陰だから涼しい!」
ドヤ顔の双子を暖かい目で見る実穂と、実穂をジーっと見つめる美堀にクルミが気付いたのか、一瞬で二人の後ろへと移動してきた。
「あっ、二人共タッチです」
「あぁっ! 見つかっちゃった!」
「あぁっ! バレた!」
クルミに連れていかれる双子は何だか楽しそうで、前よりも生き生きとしている。
「これで全員見つけましたよー」
「じゃ今度は私が鬼! いーち!」
孤児の一人が元気よく手を上げる。
そして伏せて数字を数え始めた。
それを合図に皆が一斉に隠れ出す。
ある子は木の影に、ある子は丘の下に、そして双子は………また実穂と美堀の後ろに。
こうしてこの平和な時間は孤児達の門限まで続くのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さらに所変わって魔王国の森の中。
そこには大勢の人が何かを調べて回っていた。
「ゼロロ様! 南地区の地形データ収集完了しました!」
「ご苦労様ですー。 じゃあこのデータをあちらの魔法組の方まで持っていってくださーい」
「了解です!」
部下らしい女の人に指示を出している、のんびりとした雰囲気漂うお姉さん………ゼロロは地図のウィンドウを出すと、森の南地域と書いてある場所に丸を書いた。
「うーん………今日中に終わりますかねー?」
ゼロロはフライチップを飛ばし、別のウィンドウにその映像を表示させた。
『《アムベンクメント》!《ディグ》!』
そこに表示されていたのは、荒れた森の土を魔法によって平らに慣らし、そこに木を植えている一人の魔法使いの姿だった。
「このペースなら十分間に合いそうですねー」
ゼロロはウィンドウを全て閉じると、地形データをまだ集め終わってない北に向かって歩き始めた。
「それにしてもマスター、あんな約束して大丈夫なんでしょうか?」
ゼロロはライトの『何か一つだけ言う事を聞く』発言を思い出していた。
「まぁ私は保留にして大事な時に使いますが………光海様が心配ですねー」
さほど心配そうでは無い口調でそう言うと、森に隠されていたバイクに跨がった。
「さて………」
ゼロロが鍵を回すと、エンジンがブルルルルッ! っと音を慣らし始める。
それと同時にゼロロのおっとりとした感じは消え去り、一瞬にして別人の様になった。
「ヒャッハーッ! かっ飛ばすぜぇぇぇ!」
そして彼女は森の中へ消えていったと言うとかなんとか………。
後日、森の修復をしていた魔法組からバイクがうるさいと苦情が来るのは言うまでも無かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」
ライト「どうも皆さんこんにちは、ライト スターダストです」
ディメン「今回少ねぇな?」
ライト「まぁ被害者とかほぼ居なかったし………加害者全滅したし?」
ディメン「そういやラキトはどうしたんだ?」
ライト「魔法組に混ざって撤去作業してる」
ディメン「あぁ………次回は勇者サイドだな」
ライト「久しぶりだねぇ」
ディメン「だな………今回はこの小説を読んでくれてありがとな」
ライト「誤字脱字やストーリー矛盾等がありましたらご報告の方をお願いします」
ディメン「それでは皆さん」
ディメン&ライト「さようなら」
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ライトが狂信者達に攫われ、生け贄にされかけた事件から一日後。
森はボロボロになり、悪魔が異形と化した影響で一部の魔法使い達が寝込んだ事以外はすっかり元通りの日常となった。
そんな中、いつも通りの魔王城の中では………
「何故なのじゃ………」
魔王様が拗ねていた。
「何故我はあんなに不運だったのか………何故なのじゃ?」
「いや、僕に言われても………」
頬を膨らませながらそう愚痴る魔王様を足に乗せ、返答を返すのはライト スターダスト。
昨日帰ってすぐに魔法とスキルを使えなくする封印を解いた後、ぐっすり一日寝込んだので今は万全の状態だ。
この二人が何故こんな状態になっているのかを簡単に表すと………『親に甘えたくなった魔王様』だ。
正確には心配かけたお詫びに『全員に何か一つだけ言う事を聞いてあげる』と言ってしまったのだ。
「酷くないか? お主を助けに行ったら誰も居なくて………それを馬鹿にするかの如く野良スライムがピョンピョン跳ねて………」
「災難だったねぇ」
ちなみにライトと魔王様は身長がほぼ同じなので、他からは子供同士のじゃれあいにしか見えない。
「そこからやっと見つけたと思ったら何故かやられかけてて………それにお主、体の殆どの臓器が壊れてたらしいではないか………スキルが使えないと言う事は《五感操作》も使用不可だったのじゃろう?」
「あー………まぁ痛いのは慣れてるし………神経が切れてからはほぼ何も感じなかったよ」
ライトに魔王様のジト目が突き刺さる。
「………ほら、何をしておるのじゃ? 今日は一日一緒に居てくれるのじゃろう? 頭位撫でんか」
「はいはい」
ライトは魔王様の頭を撫でようと手を上げるが、それを魔王様が止める。
「え? 何?」
「………手袋を外すのじゃ」
「それはちょっと………」
ライトがどうにか手袋のまま撫でようと力を入れるが、《身体強化》してない体じゃ魔王の力に勝てるわけ無く、ピクリとも動かなかった。
「………お主、"あれ"を心配しておるのじゃろう? 心配いらん。 もし"あれ"が起こったとしても自力で抜け出せるわ」
魔王様の純粋な瞳がライトを見つめる。
ライトは溜め息を吐いてから、手袋を外した。
「………お主、白いのぅ」
「顔以外出してないんだから当たり前でしょ」
ライトが頭を撫で始めると、魔王様は気持ち良さそうに目を瞑る。
それを隠れてた光海が記録に残す。
そんな平和? な時間は、魔王様の寝息が聞こえ始めるまで続いたのだった。
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所変わってアストロデクス王国。
ここは化け物の余波も無く、町へのスタンピードも被害はほぼ無かったので、いつも通り平和な日々が続いていた。
「タッチです」
「わぁ! 捕まっちゃった………」
「クルミちゃん速ーい!」
ぽかぽかとした陽気で、太陽の光が暖かい昼。
実穂と美堀は孤児院の子供達と元気に遊ぶクルミと双子の姿を見守っていた。
「平和だねー」
「そうねー」
アイテムボックスに入っていたランチマットを広げ、ゆったりと寛いでいる二人は、物凄くゆるい雰囲気を醸し出していた。
「しんとうめっきゃくすれば………何だっけ?」
「ひもまたすずし………じゃなかった?」
そんな二人の後ろには、クルミの視線から逃れる様にインカとヨウタが明らかにキツそうな姿勢で隠れていた。
「ここならクルミには見つからないし、見つかったらすぐに逃げれる、完璧な隠れ場所!」
「さらに丁度木陰だから涼しい!」
ドヤ顔の双子を暖かい目で見る実穂と、実穂をジーっと見つめる美堀にクルミが気付いたのか、一瞬で二人の後ろへと移動してきた。
「あっ、二人共タッチです」
「あぁっ! 見つかっちゃった!」
「あぁっ! バレた!」
クルミに連れていかれる双子は何だか楽しそうで、前よりも生き生きとしている。
「これで全員見つけましたよー」
「じゃ今度は私が鬼! いーち!」
孤児の一人が元気よく手を上げる。
そして伏せて数字を数え始めた。
それを合図に皆が一斉に隠れ出す。
ある子は木の影に、ある子は丘の下に、そして双子は………また実穂と美堀の後ろに。
こうしてこの平和な時間は孤児達の門限まで続くのだった。
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さらに所変わって魔王国の森の中。
そこには大勢の人が何かを調べて回っていた。
「ゼロロ様! 南地区の地形データ収集完了しました!」
「ご苦労様ですー。 じゃあこのデータをあちらの魔法組の方まで持っていってくださーい」
「了解です!」
部下らしい女の人に指示を出している、のんびりとした雰囲気漂うお姉さん………ゼロロは地図のウィンドウを出すと、森の南地域と書いてある場所に丸を書いた。
「うーん………今日中に終わりますかねー?」
ゼロロはフライチップを飛ばし、別のウィンドウにその映像を表示させた。
『《アムベンクメント》!《ディグ》!』
そこに表示されていたのは、荒れた森の土を魔法によって平らに慣らし、そこに木を植えている一人の魔法使いの姿だった。
「このペースなら十分間に合いそうですねー」
ゼロロはウィンドウを全て閉じると、地形データをまだ集め終わってない北に向かって歩き始めた。
「それにしてもマスター、あんな約束して大丈夫なんでしょうか?」
ゼロロはライトの『何か一つだけ言う事を聞く』発言を思い出していた。
「まぁ私は保留にして大事な時に使いますが………光海様が心配ですねー」
さほど心配そうでは無い口調でそう言うと、森に隠されていたバイクに跨がった。
「さて………」
ゼロロが鍵を回すと、エンジンがブルルルルッ! っと音を慣らし始める。
それと同時にゼロロのおっとりとした感じは消え去り、一瞬にして別人の様になった。
「ヒャッハーッ! かっ飛ばすぜぇぇぇ!」
そして彼女は森の中へ消えていったと言うとかなんとか………。
後日、森の修復をしていた魔法組からバイクがうるさいと苦情が来るのは言うまでも無かった。
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ディメン「どうも皆さんこんにちは、あとがき担当のディメンだぜ」
ライト「どうも皆さんこんにちは、ライト スターダストです」
ディメン「今回少ねぇな?」
ライト「まぁ被害者とかほぼ居なかったし………加害者全滅したし?」
ディメン「そういやラキトはどうしたんだ?」
ライト「魔法組に混ざって撤去作業してる」
ディメン「あぁ………次回は勇者サイドだな」
ライト「久しぶりだねぇ」
ディメン「だな………今回はこの小説を読んでくれてありがとな」
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