インペリウム『皇国物語』

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episode3 人と魔の狭間に

98話 紅剣黒き頂

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 朝日が昇り始めようとしているドラストニア中部の前線。夜明けと共やって来るのは希望の朝ではなく不吉の予兆と足音。緑萌える大地が風で揺れ動きあたかも大海を思わせる。暗雲の中からやって来る黒い影がまるで津波のような勢いで押し寄せてくる。数にして五万は下らない魔物の大群。魔物の影が見え始めたと同時に展開されていた陣形は行動を開始する。

「よし、作戦開始だ」

 ラインズの号令と共に部隊は各個動き出す。榴弾砲の準備がなされ、初手で榴弾の雨を食らわせる。展開された陣形で囲い込むように中央部まで引き付けてからの一斉掃射と単純な包囲網だが後方部隊が襲撃を受け撤退となれば正面から迎え撃つ展開に切り替える。滞りなくいけば彼らの目的の『もの』を引き付けることができる運びとなっている。
 後方の榴弾砲部隊では魔物を可能な限り前線へと追い込む。報告によれば予想よりも数が多く足並みがばらけ始めた影響で横に広がりつつあり第一波と思われる大群以降は中央部から外れて広がりを見せると予想される。
 第一波の後方と思われる群れに対して射撃を開始。広がりを見せていた群れは中央へと寄るようにかたまり、その隙に榴弾砲を各個撃ちこむ。命中した魔物の一帯は赤い爆破と爆音に包まれ次々と吹き飛んでいく。難から逃れようと前方へと向かっていく魔物。途中はぐれた魔物が何頭か部隊へと向かってくるものの小銃部隊で問題なく迎撃、追い込み自体は順調に事が運ぶ。何かあれば左右の展開している先行も兼ねた遊撃部隊が中央への追い込みを行う。
 こうしてイヴ達後方の支援部隊の第一の役目は全うし、後を迎撃部隊に託す。一通り仕事は上々に済み一息ついている彼女らの元へ報せが舞い込んでくる。

「隊長、先遣の報告ではすでに魔物を襲いだし合流しているようです。そのせいか群れが拡散しつつあると」

 報告を聞いたイヴは少し考え「……早すぎる」と答える。下手をすればこちらに到達する前に群れが広がりすぎて正面からの迎撃切り替えに移行せざるをえない。魔物の数の大幅な減少が確認されればまた展開も変わるが、あの大群が移動しながら減るなんてことも彼らがアテにしてる『もの』でもそれは叶わない。報告だけは前線の迎撃部隊へ向かわせてひとまずは様子をみると告げる。一抹の不安が過るも彼女は第二波の魔物の群れがやって来るであろう南に視線を向け続けていた。

 そして前線の迎撃部隊、正面に位置する北部を主力として東南、西南に配置され囲い込むように各個榴弾砲が狼煙を上げるように放たれる。正面から囲い込むように放たれた榴弾の着弾と共に爆炎がたちまち立ち上る。東南と西南からも榴弾を撃ちこまれ後方も総崩れとなり、前も後ろ灼熱の炎に包まれる。となると左右から逃げ延びようとする魔物が掻い潜るが遊撃部隊として展開していた左右の騎兵隊が迎え撃つ。
 一際力強さを感じられる白い馬体に跨り、小銃ではなく得物の大槍を片手に白き鎧の騎士が駆け抜ける。
「行くぞ…『嵐龍』」と自身の愛馬に囁き、ドラストニアの御旗を掲げて迎撃態勢に出る紫苑の騎兵隊。西からは紫苑、東では小銃騎兵で構成されたポットンの先行遊撃部隊が逃げ場を求めてやってきた魔物を迎える。
 美しく輝く白き鎧と白き馬体は向ってくる魔物を次々と返り討ちにし、その力強さは抜きん出ている。愛馬の馬体より大きな躯体の魔物の突進に対しても横から槍で一突き、そのまま片手で持ち上げ叩きつけるというマディソンのような屈強さを存分に発揮し力で制す。そして飛び掛かってくる小柄の蜥蜴型の魔物に対しては体を捻らせてアーガストのように機動力や柔らかさを持って敵の力を利用し反撃に転じる。主力の榴弾砲の存在も相まって僅か十数分で魔物は壊滅状態となり、第一波に対する作戦は成功を収める。

「なんとか成功しましたな。補給は手早く済ませろ」

 久方ぶりの戦闘に普段は冷静な彼の腹心を務めているモリアヌスも高揚している。紫苑も僅かに声色が上がっているものの冷徹に次の迎撃に備える。榴弾砲の活躍で自分たちの技術を活かせる場がなくなってしまったことに寂しさのようなものを感じながら戦場を見渡していた。しかし紫苑は「自分たちの役目がないことに越したことはない」と言葉にする。たとえ魔物相手でも命を奪うことに対していい思いは抱けない。意志に反した行動であったのならなおのことだと―…。
 だが同じ戦場にいても全く異なる思想の元動いている者たちもいる。ポットン達の元にもイヴ達と同様に報せが届き受ける。

「御曹司、魔物の展開が酷く分散する恐れがあるかと思われます」

「そっちに行って直接迎撃する方が良いか?」

「…得策ではないでしょうね。しかしそれに紛れて妙なのが」

 魔物を食い荒らす魔物。これが意図したことが偶然か否か、ポットンは疑問を感じていた。彼も遊撃部隊は副長に任せて自身は数名を率いて後方部隊へと戻っていく。

 そしてその後方部隊では報告通り魔物の群れが分散しこのままでは後方部隊毎飲み込む勢いで第二波が迫っているがその数が第一波の時とは比較にならない規模であった。

「報告! 第二波の足並みが崩れた影響か第三波と合流した模様!」

「この数の異様さはそれが原因か…! 十万か…あるいはそれ以上…」

 王都までの距離がまだあるためか当初報告されていた三十万の半分にまでは減少しつつあるもあくまで確認された数値でしかない。今から体制を立て直す余裕もない。このまま飲まれるよりは数を減らすために後方も可能な限りの迎撃をすることで本隊の負担を減らすことに注力すべきと副長は彼女に進言。作戦変更を報せるために防衛線部隊へ赴こうとする伝令だったがイヴはそれを止める。

「作戦はこのまま実行、榴弾砲で大群の左右を責め立てて! 気休めだけど…やらないよりはマシね」

 そのためポットン達の後方部隊にも呼び掛けるようすぐに伝令を走らせる。その後、誘導役が先陣の魔物たちを中央部へと誘うのだが―…。

「誘導とは……しかし何を囮に使うと言うのです?」

がここにいるじゃない」

 イヴは足の速そうな黒い馬体を選び出し、自ら跨って囮役を買って出る。後方部隊の指揮権を副長に譲渡して自身は魔物の群れの中へと飛び込んでいった。
 副長の制止を振り切り彼女は魔物の大群へと突き進む。緊張した面持ちで迫る大群へと突っ込みその隙間を縫うように馬を走らせる。その中で一際目立つ大型の肉食地竜種が確かに魔物を食い荒らしていた。地竜種はこの地方で『暴君』と呼ばれており、絶対的な捕食者として君臨。大きな頭部相応の大牙がずらりと生え揃い、強靭な後ろ足で地面を抉るようにその巨体を揺らす暴力的な走り。その地竜が数十頭も群れの内側にもぐりこんだことで外へと広がりつつあった。
 群れの内部に入り込んでいる暴竜の意識をこちらに逸らして内側から外側へと誘導し、彼女は再び群れの中へと舞い戻る。反対側でも同じように暴竜を外側へ誘導し大群を囲い込む形を作り出す。
 更なる魔物全体の広がりを縮小させるために魔物すべての意識を自分自身へと向けるために彼らの目の前を横切り挑発する。

 大群の中を人間と馬が駆けていくと嫌でも目立ち、彼らの意識はそちらへと傾いていく。俊足の馬体を活かして徐々に先頭へと突き抜けていく。魔物には剣で応じながらも黒馬を巧みに操り躱していく。群れを抜けて先頭に立つと魔物たちは彼女へと敵視を向けていき徐々に群れも中央へと収束していく。頃合いを見計らって彼女は信号弾で合図を送り出す。
 内側へと集まったことで数十もの『暴君』が両脇を囲むようにしたことで群れも中央へと密集。互いにぶつかり合い、もつれて転倒していく魔物たち。そうした魔物がおこぼれを狙うかの如く後続の暴竜達の餌食となっていく。榴弾による砲撃でさらに左右を責め立てて中央へと絞る。

「これで数が減らせればいいけど…」

 イヴは思いのほかうまく機能した誘導に安堵しつつも実際はかなり無茶な単騎での敢行に肝を冷やしていた。大群の誘導は成功し、群れを突き放すようにイヴは離脱していくが車輪型へと形態変化させる魔物が彼女を追撃。手持ちの剣では歯が立たず、回避に専念。

「あれは…イヴ殿!」

その様子に気づいた紫苑。そして彼の声に応えるように部隊は動き出す。誘導し離脱しようにもできずにいる彼女の救援へと向かうべく魔物の群れに向かって隊列を組む。さらに反対側から銃撃が飛び数体の魔物に対して外殻を上手くすり抜けて防御の手薄な腹部に命中したことで転倒。ポットン達が彼女の行動に気づき援護として加勢。紫苑の部隊も加わりイヴの助太刀に入る。

「王女殿下! このまま援護いたします」

 彼ら騎兵部隊の援護もあって遂に砲撃地帯へと到達。
 一方前線の榴弾砲部隊は群れの中に混じる彼らの姿を確認し、砲撃を止めていた。このまま放てば彼らにも被害が出る恐れがあるため、すぐに離脱するように信号弾で合図を送るが上空を『黒い影』が横切る。

「な…なんだアレは…?」

 兵達は動揺の色を見せるがその『影』は彼らに見向きもせずまっすぐと群れに向かっていく。
 離脱準備が完了したイヴ達は射線軸上、爆撃地帯から各個分散するように離脱していこうとしたその時であった。上空より群れに向かって猛進してくる影。それは滑空するように群れへと正面から激突。そのまま力任せに群れを地面ごと抉りとっていく。
 同時に榴弾砲を発射する合図が出され鉄火が放たれる。地表はさらに爆炎に包まれ再び炎上。離脱で爆撃地帯から離れていたとはいえ馬体ごと爆風で吹き飛ばされるイヴ達。耳鳴りのようなものが鳴り響き外界の音が遮断される感覚に襲われる。
 目を開けて入り込んできたのは炎上する大地の上で暴竜達が魔物たちを貪り、奪い合いをしている影が浮かび上がる。あの車輪のような固い外殻で覆われていた魔物も外殻ごと岩を砕くような音を立てて食らいついている。

 すぐに覚醒に努めようと頭を押さえて首を横に振る彼女の耳に入り込んでくる聞いたこともないような低く恐ろしい咆哮で一気に目が覚める。
 その咆哮の元へ目をやると先ほど上空から襲い掛かってきた魔物が暴竜目掛けて襲い掛かる姿であった。自慢の顎を用いて、黒い魔物の屈強な腕に食らいつくが無理矢理にも顎をこじ開けられそのまま腕の力だけで叩きねじ伏せられてしまう。暴竜は叩きつけられながらももがいて抵抗するがさらに一撃魔物の振り下ろした腕の叩きつけをまともに食らい動かなくなった。

 徐々に煙の中から浮かび上がったその魔物の姿―…。黒い体表、白色がかった腹部に発達した四肢。特に上半身は人間のような印象をつける。そして背面から逆立った剣のように滑らかな曲線を描く黒色から徐々に『深紅』へ変化するような色合いの鱗。それは頭部や腕にも見られまるで剣の山にも見えるような容姿。その剣のような鱗から生えてくるように両肩を覆い隠すような両翼を持つ。力強い何かの波動のようなものを感じさせるその魔物は仕留めた暴竜の首筋を食らうと今度はイヴの方へと視線を向けて威嚇するようににじり寄ってきた。
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