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第一部 冴えない婚約
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「でも、あれだよね。陛下は、リベイエ王国との婚儀を御望みだし‥‥‥さて、どうしたものかな? ところで、エバンス」
悩む王太子殿下は国王陛下の懐刀に質問する。
「なんでしょう、殿下」
アルバートは言いづらそうに言葉を発っした。
「あのさ、この学院には、王妃様や側妃様がたの五人の王子王女がいるでしょう? 僕が長男、アシュリーが二男‥‥‥三男のルシアード大公公子もいるわけでしょう? ルシアードは僕より数か月だけ遅く産まれただけで、あれは文武両道だし、智謀にも長けている。まあ、少しだけ悪の華を好むところがあるけどね」
「悪の華、でございますか?」
君がなにをいまさら言うかなあ、そう言ってアルバートは笑う。
「我がシェス王国の外交で、その手を鮮血にそめてきたエバンス卿がそれを聞くのかい?」
これは困ったことを聞かれた。
そうエバンス卿はまた汗をかく。
この王太子殿下はある意味、そこが知れない。
「では、ルシアード様も外交に長けている、と?」
「まあ、それよりはなんだろう?文字通り、悪の華かなー貴族にしかできない権力と金銭で、この学院の悪事というか多くの貴族子弟子女の弱味を握ろうとしているみたいだけどね? その意味では、竜公女のエリス様などはお気に召さないようで、ルシアードのことを、卑怯者なんて叫んでるけど。ルシアードが王になれば、僕はいいと思うよ?」
「殿下‥‥‥ならばなぜ、王位争奪戦に名乗りなど?」
うん? あ、これはしまったな。そんな顔をアルバートはする。
「だって、双子の弟のアシュリーは片足が不自由で、左眼が見えない。龍王様は五体満足な人間、もしくは竜族や亜人たちしか認めないってそんなお考えだから、アシュリーが無事に生きのこれる保証なんてないでしょう? それなら僕が国王になれば、守ってやれるじゃない。まあ、お会いしたこともない神様だけど」
この御方はどこまでも愚物をつらぬきたいらしい。
その裏には、これだけの見識があるのに。
エバンス卿は国王候補として名が上がっている数名の、誰の後ろ盾になるかを決めかねていた。
各大臣に、公爵・候爵。軍部。
そして、法王猊下の治める神殿の大神官。
そのどれもが、ここでの会話で名前が上がっていない第四王子、ロンデル伯爵を推そうをしている。
正妃の子であり、母親はブランシェ辺境国の隣で同じく林業と鉱山の国、アジェス男爵家の出身だ。
男爵家といっても、そこはシェス王家の飛び地だから、統括するのはアルバートの国になる。
両側から挟撃もできるし、まだ誰も国をなのっていない、エゼア大陸のザラン平原の覇者になることもできる。この大陸の中央平原を手にすればそれはそのまま、大陸最強にもなりうるのだ。
「殿下、では第二王子のためだけに継承権争いに?」
アルバートは寂しそうに笑う。
「だって、僕らは庶子。それも、陛下がたまたまお忍びで立ち寄った夜の酒場の夜の女からの産まれた子だよ? 側室になっても母上は王城からはるか離れた、東の離宮に住まわされ、しかもそこは‥‥‥リベイエ王国の国境線付近ときてる。つまり、いつ死んでもいい側室ということだろ? 違うかな、エバンス。僕はね、弟と母上だけを守りたい。家族だけが大事なんだよ。父上の愛なんて知らないからね」
「なるほど、お母様であるアルセーニ男爵夫人のことも含めてですか」
そう、エバンスはため息をつく。
それだけの理由で国王候補に名乗りを上げるなんて。とんでもない王子様だと。
「殿下が名乗りをあげられたことで、国境線沿いの離宮に兵を配備する口実ができましたな。第一王子から第三王子、そして第一、第二王女。その五人が集まるこの賢者の都ハグーンはシャーニー学院こそが異常に思えますな。このエバンスには‥‥‥」
「まあね、だってここの学院は竜公国とルケード大公国の共同運営だからね。おかげでほら」
そう言い、アルバートは窓の外を指差す。そこにははるかな天空から睥睨できる、大海に大陸、天上の星の大海を望むことが出来た。
悩む王太子殿下は国王陛下の懐刀に質問する。
「なんでしょう、殿下」
アルバートは言いづらそうに言葉を発っした。
「あのさ、この学院には、王妃様や側妃様がたの五人の王子王女がいるでしょう? 僕が長男、アシュリーが二男‥‥‥三男のルシアード大公公子もいるわけでしょう? ルシアードは僕より数か月だけ遅く産まれただけで、あれは文武両道だし、智謀にも長けている。まあ、少しだけ悪の華を好むところがあるけどね」
「悪の華、でございますか?」
君がなにをいまさら言うかなあ、そう言ってアルバートは笑う。
「我がシェス王国の外交で、その手を鮮血にそめてきたエバンス卿がそれを聞くのかい?」
これは困ったことを聞かれた。
そうエバンス卿はまた汗をかく。
この王太子殿下はある意味、そこが知れない。
「では、ルシアード様も外交に長けている、と?」
「まあ、それよりはなんだろう?文字通り、悪の華かなー貴族にしかできない権力と金銭で、この学院の悪事というか多くの貴族子弟子女の弱味を握ろうとしているみたいだけどね? その意味では、竜公女のエリス様などはお気に召さないようで、ルシアードのことを、卑怯者なんて叫んでるけど。ルシアードが王になれば、僕はいいと思うよ?」
「殿下‥‥‥ならばなぜ、王位争奪戦に名乗りなど?」
うん? あ、これはしまったな。そんな顔をアルバートはする。
「だって、双子の弟のアシュリーは片足が不自由で、左眼が見えない。龍王様は五体満足な人間、もしくは竜族や亜人たちしか認めないってそんなお考えだから、アシュリーが無事に生きのこれる保証なんてないでしょう? それなら僕が国王になれば、守ってやれるじゃない。まあ、お会いしたこともない神様だけど」
この御方はどこまでも愚物をつらぬきたいらしい。
その裏には、これだけの見識があるのに。
エバンス卿は国王候補として名が上がっている数名の、誰の後ろ盾になるかを決めかねていた。
各大臣に、公爵・候爵。軍部。
そして、法王猊下の治める神殿の大神官。
そのどれもが、ここでの会話で名前が上がっていない第四王子、ロンデル伯爵を推そうをしている。
正妃の子であり、母親はブランシェ辺境国の隣で同じく林業と鉱山の国、アジェス男爵家の出身だ。
男爵家といっても、そこはシェス王家の飛び地だから、統括するのはアルバートの国になる。
両側から挟撃もできるし、まだ誰も国をなのっていない、エゼア大陸のザラン平原の覇者になることもできる。この大陸の中央平原を手にすればそれはそのまま、大陸最強にもなりうるのだ。
「殿下、では第二王子のためだけに継承権争いに?」
アルバートは寂しそうに笑う。
「だって、僕らは庶子。それも、陛下がたまたまお忍びで立ち寄った夜の酒場の夜の女からの産まれた子だよ? 側室になっても母上は王城からはるか離れた、東の離宮に住まわされ、しかもそこは‥‥‥リベイエ王国の国境線付近ときてる。つまり、いつ死んでもいい側室ということだろ? 違うかな、エバンス。僕はね、弟と母上だけを守りたい。家族だけが大事なんだよ。父上の愛なんて知らないからね」
「なるほど、お母様であるアルセーニ男爵夫人のことも含めてですか」
そう、エバンスはため息をつく。
それだけの理由で国王候補に名乗りを上げるなんて。とんでもない王子様だと。
「殿下が名乗りをあげられたことで、国境線沿いの離宮に兵を配備する口実ができましたな。第一王子から第三王子、そして第一、第二王女。その五人が集まるこの賢者の都ハグーンはシャーニー学院こそが異常に思えますな。このエバンスには‥‥‥」
「まあね、だってここの学院は竜公国とルケード大公国の共同運営だからね。おかげでほら」
そう言い、アルバートは窓の外を指差す。そこにははるかな天空から睥睨できる、大海に大陸、天上の星の大海を望むことが出来た。
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