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第一章 失われた竜使い
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王太子殿下には補佐をする人間が必要だ。
天空大陸から地上へと向かう床が自動式に昇降する天空回廊の中で、そうエンバス卿は考えていた。
あの御方こそ王に相応しい。
商人のように損得で動くのも悪くはない。
しかし、最後に立つのはやはり王としての器と人間性だ。
自身も王国内で領地の中でだけは王を名乗ることを許されている。
彼は、王という立ち位置がどういうものかをよく理解していた。
しかし、ふと気づいてみると天空大陸を訪れた前と後とでは‥‥‥。
第四王子に対する認識が大きく変わった自分がいた。
「もしかして、第一王子それとも第四王子。
どちらかには大きく臣民の心を操る何かがあるのではないか?
いやー‥‥‥」
第一王子だけの言葉だけで動いて良いものか?
彼が語ったメアリージュン王女やその周囲。
特に自国の王女たちに関してエンバス卿が受けている報告と何もかもが真逆ではないか。
ーー長女のイニス、二女のロシナンテ。
あの二人はメアリージュンにべったりだからなあ。
ほら、イニス姉様はもう学院出る年齢だからね。
あの言葉が思い起こされる。
五つの魔眼を操る王位経験者?
どこかの魔法使いや魔族が、シェス王国の崩壊をもくろんでいるのかもしれない。
魔眼を五つも操る人間など、耳にしたことがない。
あるとすれば、それをこの世に送り出した伝説の賢者シルド・エシャーナ公爵くらいだ。
それももう、千年以上むかしの話になる。
「逆を言えば自分から婚約破棄を言い出すあたりが‥‥‥。
外部の人間の仕業とも考えにくい。
しかし、いまさら戻る訳にもいかんな」
天空大陸こと賢者の都ハグーンへは誰でも出入りが可能だ。
ただ、シャーニー学院への出入りはそうそう簡単にはいかない。
今回は王命という大義名分があったから可能になったが。
「困ったものだ。
出来ることをするのみ、か。
まずは、アルバート殿下とメアリージュン王女の婚約の話を翌週までに済ませねば」
どうしてこうも、外交につく人間に王族は無理難題を押し付けるのか。
メアリージュン王女の悪評を探そうにも、この十年。
彼女はあの学院にいるのだから‥‥‥
エンバス卿はアルバートの言った、天空の牢獄、という言葉がまさしくここにはお似合いだ。
そう思った。
夕刻。
地上よりは陽がながいこの天空大陸にも夜は訪れる。
夏場であってもマイナスに近い気温にさい悩まされる。
そのため、都市全体と泡状の力場で覆いそこに蓄えた熱を還流することで年中同じ気温を保つ仕組みだ。
それでも、一歩屋外にでれば薄着だと肌寒さを感じる今日この頃。
アルバートと弟のアシュリーは二人一組で同じ部屋を兼用している。
いま、外部からその部屋に侵入しようとする不埒者が一人、いや一匹?
いや‥‥‥一竜。
オルゲード竜公国公女エリスのその人? その竜である。
天空大陸から地上へと向かう床が自動式に昇降する天空回廊の中で、そうエンバス卿は考えていた。
あの御方こそ王に相応しい。
商人のように損得で動くのも悪くはない。
しかし、最後に立つのはやはり王としての器と人間性だ。
自身も王国内で領地の中でだけは王を名乗ることを許されている。
彼は、王という立ち位置がどういうものかをよく理解していた。
しかし、ふと気づいてみると天空大陸を訪れた前と後とでは‥‥‥。
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「もしかして、第一王子それとも第四王子。
どちらかには大きく臣民の心を操る何かがあるのではないか?
いやー‥‥‥」
第一王子だけの言葉だけで動いて良いものか?
彼が語ったメアリージュン王女やその周囲。
特に自国の王女たちに関してエンバス卿が受けている報告と何もかもが真逆ではないか。
ーー長女のイニス、二女のロシナンテ。
あの二人はメアリージュンにべったりだからなあ。
ほら、イニス姉様はもう学院出る年齢だからね。
あの言葉が思い起こされる。
五つの魔眼を操る王位経験者?
どこかの魔法使いや魔族が、シェス王国の崩壊をもくろんでいるのかもしれない。
魔眼を五つも操る人間など、耳にしたことがない。
あるとすれば、それをこの世に送り出した伝説の賢者シルド・エシャーナ公爵くらいだ。
それももう、千年以上むかしの話になる。
「逆を言えば自分から婚約破棄を言い出すあたりが‥‥‥。
外部の人間の仕業とも考えにくい。
しかし、いまさら戻る訳にもいかんな」
天空大陸こと賢者の都ハグーンへは誰でも出入りが可能だ。
ただ、シャーニー学院への出入りはそうそう簡単にはいかない。
今回は王命という大義名分があったから可能になったが。
「困ったものだ。
出来ることをするのみ、か。
まずは、アルバート殿下とメアリージュン王女の婚約の話を翌週までに済ませねば」
どうしてこうも、外交につく人間に王族は無理難題を押し付けるのか。
メアリージュン王女の悪評を探そうにも、この十年。
彼女はあの学院にいるのだから‥‥‥
エンバス卿はアルバートの言った、天空の牢獄、という言葉がまさしくここにはお似合いだ。
そう思った。
夕刻。
地上よりは陽がながいこの天空大陸にも夜は訪れる。
夏場であってもマイナスに近い気温にさい悩まされる。
そのため、都市全体と泡状の力場で覆いそこに蓄えた熱を還流することで年中同じ気温を保つ仕組みだ。
それでも、一歩屋外にでれば薄着だと肌寒さを感じる今日この頃。
アルバートと弟のアシュリーは二人一組で同じ部屋を兼用している。
いま、外部からその部屋に侵入しようとする不埒者が一人、いや一匹?
いや‥‥‥一竜。
オルゲード竜公国公女エリスのその人? その竜である。
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