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第四章 真紅の魔女ミレイアとの邂逅
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また、だ‥‥‥
アリスティアの心は一気に悲しみに占拠されていく。
つぅっと一筋の暖かいものが頬を流れて行くのを、妻となった少女は感じていた。
笑顔のままに溢れ出るそれを見て、夫となった少年ははっ、となっている。
ああ、まあやってしまったんだ、僕は。
そう理解するのに、長い時間は必要なかった。
もう、この場所から出よう。
彼女も――僕からは離れていた方がいい。
母親がそうしたように、誰も家族はいらない。
双子の弟ですら、一線を置いていたのだから。
「待ち‥‥‥なさいよ」
上体を起こしてさっさと床から出ようとした時。
アルバートは否定の声と共に、再び、ベッドの上に押し倒された。
人間の身では、本気になった魔族の身体能力には勝てない。
成す術もなく、彼はそれに従っていた。
「おい、何をしている――、やめろ!!
やめてくれ‥‥‥頼む‥‥‥」
「嫌よ。
こんな魔眼なんかなくっても、片目なんか無くても。
どうでもいいわ。
先にこっちからそれが宿ったこの左眼をえぐりとってやる」
アリスティアは自分の左眼の内側に指先を入れ込んで待機していた。
なにを甘いことをだらだらと言ってるのよ、あんたは!!
片方の手で、アルバートは頬を張られていた。
これまで受けた誰よりも、母親から受けた悲しみの殴打よりも‥‥‥それは彼の心に響く一撃だった。
「やめてくれ、やめろ―――!!!!」
頼む、頼むからやめてくれ‥‥‥君にだけは。
君だけは――
「君だけは何?!
またやったわね、アルバート?
あれだけ、わたしは隠しごとをやめてね、全部、打ち明けてね。
そうお願いして、ここまで来たのに。
ええ、ついてきたのはわたしの決めたことよ。
リアルエルム様の転送なんて関係ない。あれこそ、単なる通過点。
二人の人生の始めまりの儀式に過ぎないわ。
でも、あなたには何を言われているのか理解できてないようだから――
この目を捧げて、その心に刻ませてあげる」
「何を刻めって言うんだよ、アリスティアは‥‥‥!?」
「妻を、このわたしをよ。
信じ切れていない、あなたの情けない姿が一番、腹が立つ!!」
更に指先を押し込むアリスティアは自分に容赦なく行動していた。
それは、暗殺兵器として育てられた冷たさを自らに向けたもの。
体の一部を無くしてそれで彼が救われるなら‥‥‥なにを捧げてもこの少女には構わなかった。
アルバートはそれを必死になってやめさせようとその身体にしがみつく。
大事な存在に、そのどこか一部だけでも欠けさせてなるものか、とー‥‥‥。
そして、彼は気づくのだ。
アリスティアの心は一気に悲しみに占拠されていく。
つぅっと一筋の暖かいものが頬を流れて行くのを、妻となった少女は感じていた。
笑顔のままに溢れ出るそれを見て、夫となった少年ははっ、となっている。
ああ、まあやってしまったんだ、僕は。
そう理解するのに、長い時間は必要なかった。
もう、この場所から出よう。
彼女も――僕からは離れていた方がいい。
母親がそうしたように、誰も家族はいらない。
双子の弟ですら、一線を置いていたのだから。
「待ち‥‥‥なさいよ」
上体を起こしてさっさと床から出ようとした時。
アルバートは否定の声と共に、再び、ベッドの上に押し倒された。
人間の身では、本気になった魔族の身体能力には勝てない。
成す術もなく、彼はそれに従っていた。
「おい、何をしている――、やめろ!!
やめてくれ‥‥‥頼む‥‥‥」
「嫌よ。
こんな魔眼なんかなくっても、片目なんか無くても。
どうでもいいわ。
先にこっちからそれが宿ったこの左眼をえぐりとってやる」
アリスティアは自分の左眼の内側に指先を入れ込んで待機していた。
なにを甘いことをだらだらと言ってるのよ、あんたは!!
片方の手で、アルバートは頬を張られていた。
これまで受けた誰よりも、母親から受けた悲しみの殴打よりも‥‥‥それは彼の心に響く一撃だった。
「やめてくれ、やめろ―――!!!!」
頼む、頼むからやめてくれ‥‥‥君にだけは。
君だけは――
「君だけは何?!
またやったわね、アルバート?
あれだけ、わたしは隠しごとをやめてね、全部、打ち明けてね。
そうお願いして、ここまで来たのに。
ええ、ついてきたのはわたしの決めたことよ。
リアルエルム様の転送なんて関係ない。あれこそ、単なる通過点。
二人の人生の始めまりの儀式に過ぎないわ。
でも、あなたには何を言われているのか理解できてないようだから――
この目を捧げて、その心に刻ませてあげる」
「何を刻めって言うんだよ、アリスティアは‥‥‥!?」
「妻を、このわたしをよ。
信じ切れていない、あなたの情けない姿が一番、腹が立つ!!」
更に指先を押し込むアリスティアは自分に容赦なく行動していた。
それは、暗殺兵器として育てられた冷たさを自らに向けたもの。
体の一部を無くしてそれで彼が救われるなら‥‥‥なにを捧げてもこの少女には構わなかった。
アルバートはそれを必死になってやめさせようとその身体にしがみつく。
大事な存在に、そのどこか一部だけでも欠けさせてなるものか、とー‥‥‥。
そして、彼は気づくのだ。
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