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第二章 難航するギルド開設と黒い翼の姫君
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「良い匂いだね」
のっそりとリッカが影から鼻先だけを突き出して来た。
茜からすれば毎回、スカートの中身を見られている気分だからそれはあまり嬉しくない。
「なによ、あんたも食べるの?」
わざとそう誘っておいて、彼の鼻先に熱くなったどんぶりを当てるなどとあまりにも非人道的行為を平気でやってのける様はまるでー‥‥‥。
「熱いっ!?
なんて酷いことをするんだよ、この魔女は!?」
「あら、そんなところからのんびりといい眺めを見ているからよ?
少しでも欲情した、黒狼様?」
そんな会話が嫌味の応酬となり、二人の間でされている様は周囲からすれば面白くもあったが‥‥‥
「茜、魔女なの!?」
シェイディアはまだ釜の中で茹でられながら、そんな一言を叫んでいた。
へ?
見て分からない?
このマントに杖、そしてとんがり帽子。
帽子の根元に巻かれた色は――青。
その意味が示すものはただ、一つ。
「嘘‥‥‥青色の帽子の魔法使いって、最高位の魔導士、賢者、魔法使い、精霊使いなんかに与えられるもんじゃないの??
なんでそんな偉い‥‥‥」
「あのね、それはこの世界の法則でしょ?
わたしが習ったのはここじゃないから詳しいことは知らないわよ。
少なくとも、この色は――師匠がくれた色だから」
師匠?
この世界じゃない。
そのキーワードに、改めてアイニスは茜に監視の目をやるようになる。
彼女は、本当に安全なの、アッシュ?
ここにはいない自分の契約者に、光の精霊女王は心でそう問いかけていた。
気楽なものはシェイディアくらいで、
「でもー‥‥‥魔法使いって魔族だし、魔族は地下にいるんだよ普通。
それに、神も精霊も魔族は喜ばない。
何より、魔法は妖精や精霊の力を食べて成長するからー‥‥‥」
そして、二人の視線はアイニスに。
え?
まさか、わたしを食べるの?
誰が?
あ、やっぱり‥‥‥???
「その黒狼に食べ‥‥‥させる気、なの!?」
と、アイニスは慌てて逃げようとするがそこにはいつの間にかリッカが大きく口を開けて待っていた。
「あ‥‥‥ああ、やっぱり――!?」
「ないから、ね?」
「はい?」
「ボクはそんな誰かを食べたりしません」
「あ、そう‥‥‥なら、ラーメンいかが?」
「うん、ありがとうございます。アイニス。
誤解されているようだけど、茜は魔女だけど人間だし、まだ見た目通り若いし。
何より、彼女は魔法を使うけどそれは、この世界のものとは違うから。
すぐに誤解されるのは悲しいな」
リッカは牛のように巨大な狼なのに、もっている雰囲気はのんびりしていてまるで羊が変化したかのような雰囲気を持っていた。
その空気が場の雰囲気を温和にしたのか、誤解って怖いよね。
そう呟く彼の言葉はみんなに受け入れられていた。
「誤解ね、でも、茜のやってることは‥‥‥」
アイニスが苦笑しながらシェイディアの入れられている大鍋を見ている。
リッカが病気なんです、許してやってください。
そう言い、茜にその尾を踏まれるまでに数秒かからなかった。
「相変わらずひどいねえ、君は。
まあ、知覚神経を麻痺させればいいだけなんだけどね?」
「あんたねえ、仮にも契約主に毎度、毎度、その物言いはないでしょ!?
だいたい、単なるマールで終わらせるつもりが、台無しじゃない!?」
「それは僕のせい?
そもそもこの世界に来るべき理由があいまい過ぎたんじゃない?
あ、それは僕の責任か‥‥‥」
茜はため息をついた。
だって、その理由は明確で。
「タカヒロとわたしが渋谷で、それまでの冒険を終わらせてようやく普通の世界に戻れるって時にあんたが、半ば無理矢理‥‥‥さらったんじゃないの?
ねえ、リッカさん?」
「それは否定できない」
「なら、あんたはアイニスとその古き契約の主っていう、マキナの線を追いなさいよ。
わたしはー‥‥‥」
「茜は?」
知らない。
そう言い、茜はそっぽを向いてしまう。
これまで知らなかった純粋な愛を向けられたことをいまは楽しみたかった。
問題はその後に考えたい。
そう思っていたからだった。
のっそりとリッカが影から鼻先だけを突き出して来た。
茜からすれば毎回、スカートの中身を見られている気分だからそれはあまり嬉しくない。
「なによ、あんたも食べるの?」
わざとそう誘っておいて、彼の鼻先に熱くなったどんぶりを当てるなどとあまりにも非人道的行為を平気でやってのける様はまるでー‥‥‥。
「熱いっ!?
なんて酷いことをするんだよ、この魔女は!?」
「あら、そんなところからのんびりといい眺めを見ているからよ?
少しでも欲情した、黒狼様?」
そんな会話が嫌味の応酬となり、二人の間でされている様は周囲からすれば面白くもあったが‥‥‥
「茜、魔女なの!?」
シェイディアはまだ釜の中で茹でられながら、そんな一言を叫んでいた。
へ?
見て分からない?
このマントに杖、そしてとんがり帽子。
帽子の根元に巻かれた色は――青。
その意味が示すものはただ、一つ。
「嘘‥‥‥青色の帽子の魔法使いって、最高位の魔導士、賢者、魔法使い、精霊使いなんかに与えられるもんじゃないの??
なんでそんな偉い‥‥‥」
「あのね、それはこの世界の法則でしょ?
わたしが習ったのはここじゃないから詳しいことは知らないわよ。
少なくとも、この色は――師匠がくれた色だから」
師匠?
この世界じゃない。
そのキーワードに、改めてアイニスは茜に監視の目をやるようになる。
彼女は、本当に安全なの、アッシュ?
ここにはいない自分の契約者に、光の精霊女王は心でそう問いかけていた。
気楽なものはシェイディアくらいで、
「でもー‥‥‥魔法使いって魔族だし、魔族は地下にいるんだよ普通。
それに、神も精霊も魔族は喜ばない。
何より、魔法は妖精や精霊の力を食べて成長するからー‥‥‥」
そして、二人の視線はアイニスに。
え?
まさか、わたしを食べるの?
誰が?
あ、やっぱり‥‥‥???
「その黒狼に食べ‥‥‥させる気、なの!?」
と、アイニスは慌てて逃げようとするがそこにはいつの間にかリッカが大きく口を開けて待っていた。
「あ‥‥‥ああ、やっぱり――!?」
「ないから、ね?」
「はい?」
「ボクはそんな誰かを食べたりしません」
「あ、そう‥‥‥なら、ラーメンいかが?」
「うん、ありがとうございます。アイニス。
誤解されているようだけど、茜は魔女だけど人間だし、まだ見た目通り若いし。
何より、彼女は魔法を使うけどそれは、この世界のものとは違うから。
すぐに誤解されるのは悲しいな」
リッカは牛のように巨大な狼なのに、もっている雰囲気はのんびりしていてまるで羊が変化したかのような雰囲気を持っていた。
その空気が場の雰囲気を温和にしたのか、誤解って怖いよね。
そう呟く彼の言葉はみんなに受け入れられていた。
「誤解ね、でも、茜のやってることは‥‥‥」
アイニスが苦笑しながらシェイディアの入れられている大鍋を見ている。
リッカが病気なんです、許してやってください。
そう言い、茜にその尾を踏まれるまでに数秒かからなかった。
「相変わらずひどいねえ、君は。
まあ、知覚神経を麻痺させればいいだけなんだけどね?」
「あんたねえ、仮にも契約主に毎度、毎度、その物言いはないでしょ!?
だいたい、単なるマールで終わらせるつもりが、台無しじゃない!?」
「それは僕のせい?
そもそもこの世界に来るべき理由があいまい過ぎたんじゃない?
あ、それは僕の責任か‥‥‥」
茜はため息をついた。
だって、その理由は明確で。
「タカヒロとわたしが渋谷で、それまでの冒険を終わらせてようやく普通の世界に戻れるって時にあんたが、半ば無理矢理‥‥‥さらったんじゃないの?
ねえ、リッカさん?」
「それは否定できない」
「なら、あんたはアイニスとその古き契約の主っていう、マキナの線を追いなさいよ。
わたしはー‥‥‥」
「茜は?」
知らない。
そう言い、茜はそっぽを向いてしまう。
これまで知らなかった純粋な愛を向けられたことをいまは楽しみたかった。
問題はその後に考えたい。
そう思っていたからだった。
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