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聖女、皇帝陛下と対決する 5
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手に手に武器を手にした一部の市民たちが皇族の残る塔へと向かうさまを見て、他の市民もまたそれに続いた。
この帝都での不遇、圧政、人類の盟主と謳いながらその内実は、国は傾き始めていた。
その一端が、レオン皇太子のあの暴言と行動にもでていたのかもしれない。
皇族は‥‥‥あまりにも、民をないがしろにし過ぎていた。
その怒りが、津波の恐怖に呼び覚まされ、伝播していく。
不安は人から人へと伝わるのだ。
その波は津波のように大きなうねりとなり、最後に残っていた数名の忠義心の厚い衛士たちを殴り殺すことになる。
彼らは皇帝夫妻を取り囲み、応援しようとしたレオン皇太子はさんざんに殴られて‥‥‥
虫の息だった。
それは皇帝夫妻も変わらない。
多くの民衆の怒りを呼び覚ましたのがあの津波だったとはいえ――
これが現実だった。
「陛下、聖女様を売ったのはその殿下だ。
もう最高神様の怒りは収まらないですよー‥‥‥」
誰もが地に飢えた顔をしていた。
彼らが犠牲になれば、それであの津波が消滅する?
そんな考えはなかった。
「みんな、死ぬんです。
陛下、わしらと神の怒りを受けましょうや?
だが――」
暴動を主導した男が生きているかどうかわからない皇太子を連れだした。
「この息子の始末は陛下。
それに皇妃様。
三人の命で償っていただきてえ。
その後、みんなであの津波に呑まれて死にましょう?」
さあ、潔く御自害を。
そう彼は皇帝夫妻に剣を渡す。
皇帝はもうなにも言うことはなかった。
レオン皇太子が、アリスを奴隷商人に売り飛ばしたあの時から‥‥‥
この皇帝はいずれはこの国は破綻すると、そんな気がしていたからだ。
「それもさもありなん‥‥‥」
妻を見、息子を見、そして、彼は剣を鞘から引き抜く。
民衆の前で自害する皇帝、か。
それもまた、新たな人類の変化を起こすよい起爆剤になるよもしれん。
彼が覚悟を決めた時だ。
「さて、それは困るな。
誰も、そのような命。
欲してはおらんのでな」
そんな声がその空間に響き渡った。
誰だ!?
そんな声が上がる中で津波はやすやすと帝都をのみこんでいく。
しかし、不思議なことにそれは海水ではなく。
幻影のような水の精霊の集まりだった。
「誰かと問われてもな。
さあ、おいき。
アリス」
その声と共に、あの時。
奴隷商人に売られたはずの聖女候補がその場に舞い降りた。
そして、人の目に明るすぎるほどの眩しい存在が彼女の側に寄り添っている。
「まさか‥‥‥エリアル様――!!??」
正体を察した皇帝の一言が、民衆のざわめきを大きくした。
ふふん、とその光の主は笑いそして、皇帝に歩み寄る。
「このような無粋なもので死なれても困るのだ。
その皇太子もな。
まあ、癒しなどする気はないが。
皇帝よ、人類は強大になり過ぎた。
最高神の聖女を道具として扱われるのいささか他種族が不利益を被るのでな。
守護をやめるぞ、よいな。
これからは、人類は人類のみで生きるがいい。
神の恩寵よりも、知恵とその見識を生かしなさい。
ああ、アリス。
言いたいことがあったのだな。
奴隷制度だ。
廃止してもらおう。それだけだ」
あとは自らで決めるがいい。
それだけを言い、エリアルは去っていった。
後に残されたアリスとレオン、そして、皇帝夫妻。
その価値が必要でなくなったことを知った民衆の怒りは‥‥‥四人へと向かった。
歴史に記されているのはここまでである。
この帝都での不遇、圧政、人類の盟主と謳いながらその内実は、国は傾き始めていた。
その一端が、レオン皇太子のあの暴言と行動にもでていたのかもしれない。
皇族は‥‥‥あまりにも、民をないがしろにし過ぎていた。
その怒りが、津波の恐怖に呼び覚まされ、伝播していく。
不安は人から人へと伝わるのだ。
その波は津波のように大きなうねりとなり、最後に残っていた数名の忠義心の厚い衛士たちを殴り殺すことになる。
彼らは皇帝夫妻を取り囲み、応援しようとしたレオン皇太子はさんざんに殴られて‥‥‥
虫の息だった。
それは皇帝夫妻も変わらない。
多くの民衆の怒りを呼び覚ましたのがあの津波だったとはいえ――
これが現実だった。
「陛下、聖女様を売ったのはその殿下だ。
もう最高神様の怒りは収まらないですよー‥‥‥」
誰もが地に飢えた顔をしていた。
彼らが犠牲になれば、それであの津波が消滅する?
そんな考えはなかった。
「みんな、死ぬんです。
陛下、わしらと神の怒りを受けましょうや?
だが――」
暴動を主導した男が生きているかどうかわからない皇太子を連れだした。
「この息子の始末は陛下。
それに皇妃様。
三人の命で償っていただきてえ。
その後、みんなであの津波に呑まれて死にましょう?」
さあ、潔く御自害を。
そう彼は皇帝夫妻に剣を渡す。
皇帝はもうなにも言うことはなかった。
レオン皇太子が、アリスを奴隷商人に売り飛ばしたあの時から‥‥‥
この皇帝はいずれはこの国は破綻すると、そんな気がしていたからだ。
「それもさもありなん‥‥‥」
妻を見、息子を見、そして、彼は剣を鞘から引き抜く。
民衆の前で自害する皇帝、か。
それもまた、新たな人類の変化を起こすよい起爆剤になるよもしれん。
彼が覚悟を決めた時だ。
「さて、それは困るな。
誰も、そのような命。
欲してはおらんのでな」
そんな声がその空間に響き渡った。
誰だ!?
そんな声が上がる中で津波はやすやすと帝都をのみこんでいく。
しかし、不思議なことにそれは海水ではなく。
幻影のような水の精霊の集まりだった。
「誰かと問われてもな。
さあ、おいき。
アリス」
その声と共に、あの時。
奴隷商人に売られたはずの聖女候補がその場に舞い降りた。
そして、人の目に明るすぎるほどの眩しい存在が彼女の側に寄り添っている。
「まさか‥‥‥エリアル様――!!??」
正体を察した皇帝の一言が、民衆のざわめきを大きくした。
ふふん、とその光の主は笑いそして、皇帝に歩み寄る。
「このような無粋なもので死なれても困るのだ。
その皇太子もな。
まあ、癒しなどする気はないが。
皇帝よ、人類は強大になり過ぎた。
最高神の聖女を道具として扱われるのいささか他種族が不利益を被るのでな。
守護をやめるぞ、よいな。
これからは、人類は人類のみで生きるがいい。
神の恩寵よりも、知恵とその見識を生かしなさい。
ああ、アリス。
言いたいことがあったのだな。
奴隷制度だ。
廃止してもらおう。それだけだ」
あとは自らで決めるがいい。
それだけを言い、エリアルは去っていった。
後に残されたアリスとレオン、そして、皇帝夫妻。
その価値が必要でなくなったことを知った民衆の怒りは‥‥‥四人へと向かった。
歴史に記されているのはここまでである。
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