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尻尾をつけたメス犬たち
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「さて。
メス豚リオ。
どう?
集計終わった??」
と、後ろをふりかえり、ゆきは資料の集計を任せているリオを呼んだ。
最近は語尾に名前をつけてもらえるのが嬉しいのか、リオは即答で出来ました!
と、大きな返事をする。
「ふーん、まあ、使えるならいいか」
そういやうちのメス犬、メス豚には何か足りない気がする。
最近、ゆきはそう思うようになっていた。
「なんだろ?
あれ読んでからだよね?」
と、適当に通販で仕入れたSM雑誌をパラパラと眺め見ていた時に何かを感じたのだ。
何かが足りない、と。
「さて、何かな?
ねー、メス犬‥‥‥ああ、めんどくさいな。
さやか、こっちおいで」
「はい、御主人様」
まだ7頭も奴隷がいると、メス犬なになに、と呼ぶのがめんどくさくなる。
「あれ、この名札、まだつけてるんだ?
化膿しないように管理してる?」
中には金属アレルギーのペットがいるかもしれないから。
と、ゆきはホストに入れあげて借金が返せず、奴隷に堕ちた元女医のさやかに全頭の健康管理を任せている。
「いまのところは大丈夫です。
まあ、あれだけはーー」
と、さやかが指差す先にはリオがいる。
まえに散歩させた時に、鼻輪を自分からつけていた。
面白いから、左乳首に貫通させたピンにちょっとした重し代わりになる鎖をつけてやった。
そして、その鎖の先にフックをつけて鼻輪に引っ掛けている。
顔を動かす度に快感なのか痛みなのか。
どちらかわからないが、リオは少しばかり顔を歪めていた。
「まあ、あれは変態だから。
ほっといていいでしょ」
とゆきは突き放す。
どうも最近、リオに対するゆきの扱いが、どんどん加虐を増している気がさやかはしていた。
だがそれを指摘すると、自分がその対象になるような気がして何も言えなかった。
この御主人様、ゆきはその気になれば、平気で麻酔もなしにーー
メスで腹を切り開き、素手で臓器をいじって痛みを加えることくらいしそうな気がしたからだ。
「あ、それでさ、さやか。
あんた、これどう思う?」
と、ゆきの手にはSM雑誌。
主に愛好家たちが、自分の奴隷の目線なしの裸体や、公園、街角などでの露出風景。
大勢の男性との性行為などが写真で投稿されている。
さやかはそれらを興味深そうにめくっていくが、どうもいま一つ反応が悪い。
「あんまり、好きそうじゃなさそうね?」
とゆきが聞くと、
「好き、嫌いではないのですが‥‥‥」
ん?
とゆきは不思議そうな顔をする。
「じゃなに?」
「あの、御主人様。
御主人様とのお散歩などはとても楽しいですし、このーー」
と乳首を貫通している名札を指差して言う。
「これも、御主人様に身体を捧げているという意味では、とても満足をしております。
ただーー」
「ただ?」
「この雑誌にあるような主従関係になったことが、その。
申し訳ございません、御主人様お一人ですので。
妄想は致しますが、経験として問われますと‥‥‥」
と、すまなさそうにするさやかの頭をゆきは撫でてやる。
リオの羨ましそうな視線を無視しながら。
「あー、そういうことね。
じゃあ、あんたの妄想でいいわ。
どう、こんなことされたい?」
こんなこと?
その雑誌にあるものは種類が多すぎて、さやかには意図が掴めない。
仕方ないから、端から答えていく。
「この、性器へのピアスは羨ましいです。
でも、形が変わることを御主人様が望まれるかどうかがわかりません。
こちらの屋外、公園やどこかのコンビニでの露出。
これは、正直、怖いです。
それに露出の性癖が‥‥‥申し訳ございません。
わたしにはありません。でも、御主人様がその身体を晒してこい、と。
それで御満足頂けるのでしたら、御命令に従います。
こちらの、アナル拡張やアナルへの腕入れは御主人様と奴隷ともにそのーー」
と、さやかはゆきを見て、言いづらそうにする。
「いいわよ、言いなさい」
「は、はい。
衛生的かつ、肛門筋の問題からあまり‥‥‥。
その、年齢が高齢になった時に、障害を起こす恐れが高いと思います。
ただーー」
「ただ?」
「性行為や、バイブレーション程度の挿入でしたらまだ許容範囲化と‥‥‥」
「まあ、元女医の見地からってことね。
他には?」
「はい、二穴責め、乳首や性器への鞭打ち、ロープでの縛りはーー」
「縛りは余程うまくしないと、神経節や関節、死に至る可能性がある。
窒息プレイなんかもそうよねー‥‥‥あと、この寝とられとか乱交か」
うーん、とゆきは頭を捻る。
「その辺りは、性病の可能性が高いかとーー」
「まあ、そうよね。
どうにも男側の満足を満たしてるだけの気がする投稿が多いのよねえ‥‥‥」
あ、とゆきの目はイライアとリオに向かう。
「そういえば、こいつらは元御主人様がいたっけ。
でも、イライアは最近、ようやく薬が抜けてきたぐらいだし。
まともな扱いはされてない。
で、メス豚は‥‥‥ねーリオこっちおいで」
と呼ぶと、メス豚リオは四つん這いになり喜んで駆け寄ってくる。
「あーもう、股をわたしの足に擦りつけるんじゃない!」
と、デスクの上に置いてある乗馬用の鞭を一つ、太ももにくれてやる。
「あうっー」
と叫ぶがそこにあるのは、恍惚とした表情。
「あんたにはお仕置きがそのまま、御褒美だもんね‥‥‥」
呆れてしまうゆきの、リオの愛液で濡れたあしを、もう一頭のメス犬みきがタオルでふき取る。
「なに?
あんたも欲しいの?
その名札を打とうか?」
と、羨ましそうにみていたみきが、貫通の時の痛みを思い出したのか慌てて後ずさる。
「まったく。
うちの犬たちは扱いが大変だわ‥‥‥で、リオ。
これ見てどうなの?」
と、さやかが見ていた雑誌を渡す。
リオの返事は即答だった。
「これは、SMではございません、御主人様」
と。
「え?
違うの?
どう違うの???」
「これは商業的な目的と、それに感化された主従のストレスのはけ口かと思われます」
ストレスのはけ口?
「説明」
「はい、御主人様。
SMとは本来、秘密が大原則です」
「うん?
秘密?」
「はい、信頼と申しますか。
もし、社会人同士で主従関係を築く場合、根底には社会人としてのお互いの生活がありますので」
ああ、とゆきは理解する。
「それを守れないのはSMの定義から外れるってこと?」
「外れるとは申しませんが、危ういラインを踏むか踏まないかで。
ここに出ている主従関係の方々は危険を犯されております。
それも、御自身で。
ですので、秘密裡に二人だけの世界の中で背徳感を味わいながらーー」
ふーん、興味深い、とゆきは思う。
「それを共有しつつ、信頼を高め合い、奴隷は主人の喜びの為にすべてを捧げる。
それが本来のSMではないかと‥‥‥生意気を申しました。
申し訳ございません」
ポンポン、と片手で鞭をゆきが扱うから、怒りを買ったかとリオは誤解したらしい。
「いいのよ、まあ、それなりに理解できたから」
と、言うと、左乳首のまだつけて間もない名札に当たらないように、乳房を何度か鞭打ってやる。
「はっ、はぐうううう…‥!!!」
と嬉しいのか痛いのか。
悩むような声を出すが、下の口から愛液が漏れているところを見ると喜んでいるのだろう。
「ま、御褒美ね。
さて、じゃあ、お前はもういいわ。
今日の患者は、みき、カルテ」
と、リオを足置き代わりに踏みつけてゆきは言う。
奥の方で他のメス犬たちの会話がゆきの耳に入ってくる。
「最近、本当に女王様らしくなられましたね‥‥‥」
「ばか、次はわたしたちに来るわよ」
見た目は若いその二人は、高校生にしか見えない。
「さおり、りさ。
聞こえてるわよ?」
「はっはい」
「申し訳ございません‥‥‥」
「最近、あんたたちに目が向いてなかったっけ。
そういえば。
みきー」
と助手を呼ぶ。
「はい、御主人様」
と呼ばれたメス犬がやってくる。
ゆきは彼女に持っていた鞭を与えて指示を下す。
「これで適当に、名札に当たらないように‥‥‥めんどくさいな。
下あたり叩いておいて。
あークリトリスに当てないようにね。とれたら困るから」
と軽く言うその声が本当に女王様のように、さおりとりさには聞こえる。
みきもまた、多少はほかのメス犬を躾けるのが楽しそうな顔しておりーー
「ほら、手を頭の後ろ。
足、太もももっと開いて!!!」
と、言いながら数発では済まない数を叩いていく。
「みきーほどほどにやんなさいよ。
あとから、処置大変だからってあーあ‥‥‥」
さおりとりさのおしゃべりコンビは痛みに耐えかねて失禁し、しゃがみこんでいた。
「もー、この程度でこうなってどうすんのよ。
みき、その足元の片付けたら今度はお尻、好きにしていいわよ」
そんな、おしゃべりコンビが顔面蒼白になりそうな、ことをゆきは平気で言いつける。
「そっそんな、お待ちをーーー」
「お、お許しを、御主人様!?」
そう二匹が願い出ても、ゆきは素知らぬ顔をする。
「あんたたちの教育係はみきとさやかに任せるわ。
まあ、跡残さない程度にやんなさい。
わたしに服従するまでね」
と、ゆきは妖艶に微笑むのだった。
そして、二頭の苦悶の声を聞きながら、さやかに問いかける。
「ねえ、ならあれかな?
散歩はまた行くとしてーー」
その言葉にさやかは顔を輝かせる。
「この前の散歩の時にアナルに入れた、釣り針みたいなのあったわよね?
あれは内臓に悪そうだしなあ。
あ、これいいじゃん。
どう思う?」
と、示したのは通販のーー
「猫か犬の尾ですか。
しかもプラブとバイブレーション機能付き。中の長さ‥‥‥20cm」
「注文しといてね、1セットずつ。
来たら、それずっとつけさせるから」
笑顔で命じるゆきに、かしこまりました、とさやかは言うがーー
やはり、御主人様は進化なされている‥‥‥
と、笑顔の裏の狂気に、奴隷としての期待感を人間としての恐怖を感じずにはいられなかった。
翌週。
それらの品が届き、全員がグリスを塗ったものを挿入されていく。
そのまま夕方まで過ごした時、まともに立てていたのはメス豚リオだけだったーー
メス豚リオ。
どう?
集計終わった??」
と、後ろをふりかえり、ゆきは資料の集計を任せているリオを呼んだ。
最近は語尾に名前をつけてもらえるのが嬉しいのか、リオは即答で出来ました!
と、大きな返事をする。
「ふーん、まあ、使えるならいいか」
そういやうちのメス犬、メス豚には何か足りない気がする。
最近、ゆきはそう思うようになっていた。
「なんだろ?
あれ読んでからだよね?」
と、適当に通販で仕入れたSM雑誌をパラパラと眺め見ていた時に何かを感じたのだ。
何かが足りない、と。
「さて、何かな?
ねー、メス犬‥‥‥ああ、めんどくさいな。
さやか、こっちおいで」
「はい、御主人様」
まだ7頭も奴隷がいると、メス犬なになに、と呼ぶのがめんどくさくなる。
「あれ、この名札、まだつけてるんだ?
化膿しないように管理してる?」
中には金属アレルギーのペットがいるかもしれないから。
と、ゆきはホストに入れあげて借金が返せず、奴隷に堕ちた元女医のさやかに全頭の健康管理を任せている。
「いまのところは大丈夫です。
まあ、あれだけはーー」
と、さやかが指差す先にはリオがいる。
まえに散歩させた時に、鼻輪を自分からつけていた。
面白いから、左乳首に貫通させたピンにちょっとした重し代わりになる鎖をつけてやった。
そして、その鎖の先にフックをつけて鼻輪に引っ掛けている。
顔を動かす度に快感なのか痛みなのか。
どちらかわからないが、リオは少しばかり顔を歪めていた。
「まあ、あれは変態だから。
ほっといていいでしょ」
とゆきは突き放す。
どうも最近、リオに対するゆきの扱いが、どんどん加虐を増している気がさやかはしていた。
だがそれを指摘すると、自分がその対象になるような気がして何も言えなかった。
この御主人様、ゆきはその気になれば、平気で麻酔もなしにーー
メスで腹を切り開き、素手で臓器をいじって痛みを加えることくらいしそうな気がしたからだ。
「あ、それでさ、さやか。
あんた、これどう思う?」
と、ゆきの手にはSM雑誌。
主に愛好家たちが、自分の奴隷の目線なしの裸体や、公園、街角などでの露出風景。
大勢の男性との性行為などが写真で投稿されている。
さやかはそれらを興味深そうにめくっていくが、どうもいま一つ反応が悪い。
「あんまり、好きそうじゃなさそうね?」
とゆきが聞くと、
「好き、嫌いではないのですが‥‥‥」
ん?
とゆきは不思議そうな顔をする。
「じゃなに?」
「あの、御主人様。
御主人様とのお散歩などはとても楽しいですし、このーー」
と乳首を貫通している名札を指差して言う。
「これも、御主人様に身体を捧げているという意味では、とても満足をしております。
ただーー」
「ただ?」
「この雑誌にあるような主従関係になったことが、その。
申し訳ございません、御主人様お一人ですので。
妄想は致しますが、経験として問われますと‥‥‥」
と、すまなさそうにするさやかの頭をゆきは撫でてやる。
リオの羨ましそうな視線を無視しながら。
「あー、そういうことね。
じゃあ、あんたの妄想でいいわ。
どう、こんなことされたい?」
こんなこと?
その雑誌にあるものは種類が多すぎて、さやかには意図が掴めない。
仕方ないから、端から答えていく。
「この、性器へのピアスは羨ましいです。
でも、形が変わることを御主人様が望まれるかどうかがわかりません。
こちらの屋外、公園やどこかのコンビニでの露出。
これは、正直、怖いです。
それに露出の性癖が‥‥‥申し訳ございません。
わたしにはありません。でも、御主人様がその身体を晒してこい、と。
それで御満足頂けるのでしたら、御命令に従います。
こちらの、アナル拡張やアナルへの腕入れは御主人様と奴隷ともにそのーー」
と、さやかはゆきを見て、言いづらそうにする。
「いいわよ、言いなさい」
「は、はい。
衛生的かつ、肛門筋の問題からあまり‥‥‥。
その、年齢が高齢になった時に、障害を起こす恐れが高いと思います。
ただーー」
「ただ?」
「性行為や、バイブレーション程度の挿入でしたらまだ許容範囲化と‥‥‥」
「まあ、元女医の見地からってことね。
他には?」
「はい、二穴責め、乳首や性器への鞭打ち、ロープでの縛りはーー」
「縛りは余程うまくしないと、神経節や関節、死に至る可能性がある。
窒息プレイなんかもそうよねー‥‥‥あと、この寝とられとか乱交か」
うーん、とゆきは頭を捻る。
「その辺りは、性病の可能性が高いかとーー」
「まあ、そうよね。
どうにも男側の満足を満たしてるだけの気がする投稿が多いのよねえ‥‥‥」
あ、とゆきの目はイライアとリオに向かう。
「そういえば、こいつらは元御主人様がいたっけ。
でも、イライアは最近、ようやく薬が抜けてきたぐらいだし。
まともな扱いはされてない。
で、メス豚は‥‥‥ねーリオこっちおいで」
と呼ぶと、メス豚リオは四つん這いになり喜んで駆け寄ってくる。
「あーもう、股をわたしの足に擦りつけるんじゃない!」
と、デスクの上に置いてある乗馬用の鞭を一つ、太ももにくれてやる。
「あうっー」
と叫ぶがそこにあるのは、恍惚とした表情。
「あんたにはお仕置きがそのまま、御褒美だもんね‥‥‥」
呆れてしまうゆきの、リオの愛液で濡れたあしを、もう一頭のメス犬みきがタオルでふき取る。
「なに?
あんたも欲しいの?
その名札を打とうか?」
と、羨ましそうにみていたみきが、貫通の時の痛みを思い出したのか慌てて後ずさる。
「まったく。
うちの犬たちは扱いが大変だわ‥‥‥で、リオ。
これ見てどうなの?」
と、さやかが見ていた雑誌を渡す。
リオの返事は即答だった。
「これは、SMではございません、御主人様」
と。
「え?
違うの?
どう違うの???」
「これは商業的な目的と、それに感化された主従のストレスのはけ口かと思われます」
ストレスのはけ口?
「説明」
「はい、御主人様。
SMとは本来、秘密が大原則です」
「うん?
秘密?」
「はい、信頼と申しますか。
もし、社会人同士で主従関係を築く場合、根底には社会人としてのお互いの生活がありますので」
ああ、とゆきは理解する。
「それを守れないのはSMの定義から外れるってこと?」
「外れるとは申しませんが、危ういラインを踏むか踏まないかで。
ここに出ている主従関係の方々は危険を犯されております。
それも、御自身で。
ですので、秘密裡に二人だけの世界の中で背徳感を味わいながらーー」
ふーん、興味深い、とゆきは思う。
「それを共有しつつ、信頼を高め合い、奴隷は主人の喜びの為にすべてを捧げる。
それが本来のSMではないかと‥‥‥生意気を申しました。
申し訳ございません」
ポンポン、と片手で鞭をゆきが扱うから、怒りを買ったかとリオは誤解したらしい。
「いいのよ、まあ、それなりに理解できたから」
と、言うと、左乳首のまだつけて間もない名札に当たらないように、乳房を何度か鞭打ってやる。
「はっ、はぐうううう…‥!!!」
と嬉しいのか痛いのか。
悩むような声を出すが、下の口から愛液が漏れているところを見ると喜んでいるのだろう。
「ま、御褒美ね。
さて、じゃあ、お前はもういいわ。
今日の患者は、みき、カルテ」
と、リオを足置き代わりに踏みつけてゆきは言う。
奥の方で他のメス犬たちの会話がゆきの耳に入ってくる。
「最近、本当に女王様らしくなられましたね‥‥‥」
「ばか、次はわたしたちに来るわよ」
見た目は若いその二人は、高校生にしか見えない。
「さおり、りさ。
聞こえてるわよ?」
「はっはい」
「申し訳ございません‥‥‥」
「最近、あんたたちに目が向いてなかったっけ。
そういえば。
みきー」
と助手を呼ぶ。
「はい、御主人様」
と呼ばれたメス犬がやってくる。
ゆきは彼女に持っていた鞭を与えて指示を下す。
「これで適当に、名札に当たらないように‥‥‥めんどくさいな。
下あたり叩いておいて。
あークリトリスに当てないようにね。とれたら困るから」
と軽く言うその声が本当に女王様のように、さおりとりさには聞こえる。
みきもまた、多少はほかのメス犬を躾けるのが楽しそうな顔しておりーー
「ほら、手を頭の後ろ。
足、太もももっと開いて!!!」
と、言いながら数発では済まない数を叩いていく。
「みきーほどほどにやんなさいよ。
あとから、処置大変だからってあーあ‥‥‥」
さおりとりさのおしゃべりコンビは痛みに耐えかねて失禁し、しゃがみこんでいた。
「もー、この程度でこうなってどうすんのよ。
みき、その足元の片付けたら今度はお尻、好きにしていいわよ」
そんな、おしゃべりコンビが顔面蒼白になりそうな、ことをゆきは平気で言いつける。
「そっそんな、お待ちをーーー」
「お、お許しを、御主人様!?」
そう二匹が願い出ても、ゆきは素知らぬ顔をする。
「あんたたちの教育係はみきとさやかに任せるわ。
まあ、跡残さない程度にやんなさい。
わたしに服従するまでね」
と、ゆきは妖艶に微笑むのだった。
そして、二頭の苦悶の声を聞きながら、さやかに問いかける。
「ねえ、ならあれかな?
散歩はまた行くとしてーー」
その言葉にさやかは顔を輝かせる。
「この前の散歩の時にアナルに入れた、釣り針みたいなのあったわよね?
あれは内臓に悪そうだしなあ。
あ、これいいじゃん。
どう思う?」
と、示したのは通販のーー
「猫か犬の尾ですか。
しかもプラブとバイブレーション機能付き。中の長さ‥‥‥20cm」
「注文しといてね、1セットずつ。
来たら、それずっとつけさせるから」
笑顔で命じるゆきに、かしこまりました、とさやかは言うがーー
やはり、御主人様は進化なされている‥‥‥
と、笑顔の裏の狂気に、奴隷としての期待感を人間としての恐怖を感じずにはいられなかった。
翌週。
それらの品が届き、全員がグリスを塗ったものを挿入されていく。
そのまま夕方まで過ごした時、まともに立てていたのはメス豚リオだけだったーー
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