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第四話 新世界
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「明日香ちゃーん。
お前なあ、なにもぶつことはないだろ?」
まだ頬が痛い。
紅葉とまではいかないが、そこそこ赤く腫れている。
洗面台の鏡で自分を写しながら遠矢はぼやいた。
「ごめん、とおクンーー」
「んんー?」
「だって起きないんだもん。
とおクンと初めての旅行なんだよ。
心配するじゃん?」
「まー‥‥‥それはすまん」
二つ年下の恋人に無用な心配をかけたことを詫びつつ、軽く頭を撫でようとする。
「それ、だめだからね」
途端、拒絶された。
「なんで?
女子って好きな男からされるの好きなんじゃね?」
「なんでって。
私、Мじゃないし。
犬みたいじゃん、そんなの」
扱いは対等にしろ、と赤い瞳が頭一つ分背の高い遠矢を見る。
まあ、確かに。
俺たちは親子じゃないしな。
「そうだな。すまんすまん。
明日香さま」
お詫びに抱きしめて礼を返してみた。
「うん。これならいいよ。
それにね、とうクン」
遠矢の胸に顔を埋めながら明日香は声を細めた。
「紅河(ホンハー)の女は、頭を撫でられるのはみんな嫌いなんだよ」
日本人の父と紅河の母をもつハーフの明日香は、同年代の日本人女子たちとは少し感性が違う。
紅河は女系社会で、常に女性優位だ。
「そうだな。
でも明日香は明日香じゃん。
俺は日本でも紅河でもどっちでもいいよ。
お前はお前。
それでいいと思うよ」
彼氏の国や生い立ちや文化というものに縛られない感覚に、明日香はいつも驚かされる。
自分のアイデンティティはどこに拠っているのかと悩んでいた頃に彼に出会った。
明日香が彼に惹かれたのも、その人柄によるところが大きかった。
ただ心配なのは‥‥‥
「とうクン。
それは私たちだからいいけど、みんなはそうじゃないよ。多分」
「うん、そうだな。
おばさんにもそこはよく言われるよ」
「シェニ(紅河語でいうところのお母さんという言葉)に言われたんだ?」
「ああ、よく言われるよ。
日本人の男性は優しくない、とか。
愛情が足りないとかーー」
明日香が母親のそう言った時の仕草を思い浮かべて笑い出す。
「シェニはとおクンが好きなんだよ。
嫌いなら、認めてくれないから。この旅行もね」
ああ、そうだった。
今日は二人がつきあって初めての遠出。
3泊4日の小旅行だった。
「で、なにがあったのとおクン」
明日香が涙のあとを指先でなぞるようにする。
心配してるぞ、とその仕草はまるで子犬が不安そうにする仕草によく似ているだが、それを言うとまた怒りだすだろう。
紅河の女はプライドが高い。
「そうだなー‥‥‥。
いま何時だっけ?」
宿泊してるホテルのベッド横に据え付けられたデジタル時計は、午前4時を指していた。
「俺の生い立ちって話したことないよな?」
明日香は新しい何かを知れる好奇心と、それ以上に重大な何かを告げられることを予感してーー
真面目な顔つきになる。
「うん、ないね。
でも、知りたいな。お父さんがいるのは知ってる。
浩紀さん。いい人だよね」
この三年間、ほとんど遠矢はの自宅に居着いているから良く分かる。
カフェを経営している父親は無口だが、その瞳は優しさをたたえていた。
「コーヒーも美味しかった」
「あーあの甘いベトナムコーヒーね。
まあ、オヤジはあんな感じなんだけど」
「うんうん」
「俺の母親が誰か、俺は知らないんだ」
「どういうこと?」
明日香は突然の告白に戸惑いを隠せない。
母親がいないことは知ってる。
知らないというのはどこまで知らないのだろう?
「とおクンは養子だったの?」
一応、思いついた可能性を口にしてみる。
「そうだな。
養子といえば養子になる」
「ふむふむ」
「オヤジと俺の母親は、結婚してないし。
俺、1月生まれだろ?」
「そうだね。
この前、誕生日だったもんね」
「18年前の1月のある日。若い女が俺を連れて店に来たらしいんだ。
学生服来てて、高校生だってわかったらしい」
女子高生が赤ん坊を連れてカフェに入ってくる。しかも制服で。
「それって、かなり変な光景だよね」
明日香は率直に言った。
「そうなんだよ。
んで、それからしばらくしてから同じ高校の制服を着た男子高生が来たらしい」
「待ち合わせ?」
「多分な。二人は注文だけして、しばらく喧嘩じゃないけど。
感情的になってたみたいだったって、オヤジは言ってた。
そしたら俺が泣きだして、口論は止んだらしいけど」
どうにも的を得ない。
「二人は何を話してたの?」
「これからどこに行くか。
俺をどうするか。そんな話がカウンター越しに聞こえたって、オヤジは話してくれた。
男のことを、タカヒロ、って母さんが呼んでたのもオヤジは聞いてた」
そいつが本当の父親かどうかは俺にはわからないけど、と遠矢は顔を曇らせた。
明日香はそんな遠矢の頭をよしよし、と撫でてやる。
「おいおい」
「私はいいのよ」
とおクン泣きそうだよ?
と抱きしめられる。
「すまん」
「男は泣いちゃだめだよ。
紅河の男は泣かないよ。強くなきゃ明日香を守れないでしょ?」
ちゃんとしてよね、と強く言われる。
そうだな、と思いなおして遠矢は話を続けた。
「まあ、本当の父親が誰かはどうでもいいんだ。
いまのオヤジが俺の父親だからさ。
で、母親なんだけど」
消えたらしいんだ。
と、遠矢は明日香に言う。
「オヤジが言うには、タカヒロって奴が硬貨か何かを指先で弾いたら、店内に光が広がって」
「何それ、紅河の魔道?」
代々、紅河国の宮廷魔導士の家系に生まれた明日香は魔法に詳しい。
彼女自身もいずれは家督を相続するだろう。
「いや、そこはわからない。
ただ、光が消えた時。
二人は店内からいなくなってた。
俺だけを残して、な」
「うーんーそんな魔術は聞いたことないなあ。
空間移動するにしても術式を組まないと出来ないし。
魔道ってそんなに簡単なもんじゃないしね」
さすが宮廷魔導士の娘。
「だから、俺にもわからないよ。
ただ、俺だけがそこにいてーー」
俺は母さんの俺を呼ぶ声も、泣いてる顔の一部も、必死に俺を連れていこうとしたことも。
裏切られたり、捨てられた。そんな恨みがましい感情とは別の何かを知ってる。
そう、遠矢は明日香に話した。
「とおクンはお母さんを恨んでないんだ?」
「ないよ。ないけど、あの光景が夢にでると泣いちまうんだ。
ごめんな、心配かけて」
「いいよ。
教えてくれてありがとう」
明日香はにっこりと微笑んだ。わだかまりが消えたような、やさしさに溢れたその笑みに俺はいつも救われている。遠矢は明日香を抱きしめた。
「んーーとおクンは複雑ですなあ」
笑われながら頭を撫でられた。
どっちが年上でどっちが年下なのか。
遠矢そう思いながら明日香とベッドに崩れこむ。
「とりあえず寝よう?まだ朝早いしな。チェックアウト11時だっただろ?」
「そうだねー寝ましょう。抱き枕になりなさい」
間延びしたいつもの明日香の声に、はいはいお姫様。
そう言って抱きしめられたまま、遠矢は目を閉じた。
いつかーー会いに行くよ、母さん。
そう思いながら、二人の夜はまたふけていくのだった。
そして、今。
昨夜の彼は普段の遠矢に戻り明日香の目の前にいる。
知りたい、わからない。
それだけでは真実は理解できないよ、と。
そう言っているようにも思えた。
「んー。確かに、な。
俺も浮かれてたのかもな。
明日香、どこまでなら話せるんだ?」
「うん。ちょっと待ってね」
明日香が、先程の兵士が肩に浮かせていた、球体の小型版を取り出した。
干渉する魔言を唱えると、数個の球が部屋の四方に散り、二人を覆う膜の様なものを形成する。
音と光の遮断?
学院で習った魔導の基礎からおおよその効果は予想できる。
でも、これは遠矢が修めたレベルをはるかに超える魔術だ。
「これはどういうことかな、ニィ・アンチェ(私の奥様)?
俺はこんな魔導を知らないぞ」
「うん。そうだと思う。
お母さんもまだ教えてない、高次魔導だから」
この母娘は何を考えて俺をここにやったのか。
一抹の不安を覚えながら、来てしまったものは仕方ないと深く考えるのをやめた。
「この中の会話は外には漏れない。多分、そう言う系の魔道だよな、これ?」
「そうそう。とおクンいい」
「じゃ、始めようか。
話せるだけでいいよ。教えてくれ。
どうせあれだろ?学院にいる時も、ホテルでも、誰かを警戒して言えなかった。
もしくは言うのを禁じられてたことがあるんだろ?」
「さすが、ニィ・イェイラ(私の旦那様)」
満足そうな顔にこちらはいろいろと、嫌味を言ってやりたいがそこは控えておく。
明日香の話は、紅河国の建国時代から始まった。
お前なあ、なにもぶつことはないだろ?」
まだ頬が痛い。
紅葉とまではいかないが、そこそこ赤く腫れている。
洗面台の鏡で自分を写しながら遠矢はぼやいた。
「ごめん、とおクンーー」
「んんー?」
「だって起きないんだもん。
とおクンと初めての旅行なんだよ。
心配するじゃん?」
「まー‥‥‥それはすまん」
二つ年下の恋人に無用な心配をかけたことを詫びつつ、軽く頭を撫でようとする。
「それ、だめだからね」
途端、拒絶された。
「なんで?
女子って好きな男からされるの好きなんじゃね?」
「なんでって。
私、Мじゃないし。
犬みたいじゃん、そんなの」
扱いは対等にしろ、と赤い瞳が頭一つ分背の高い遠矢を見る。
まあ、確かに。
俺たちは親子じゃないしな。
「そうだな。すまんすまん。
明日香さま」
お詫びに抱きしめて礼を返してみた。
「うん。これならいいよ。
それにね、とうクン」
遠矢の胸に顔を埋めながら明日香は声を細めた。
「紅河(ホンハー)の女は、頭を撫でられるのはみんな嫌いなんだよ」
日本人の父と紅河の母をもつハーフの明日香は、同年代の日本人女子たちとは少し感性が違う。
紅河は女系社会で、常に女性優位だ。
「そうだな。
でも明日香は明日香じゃん。
俺は日本でも紅河でもどっちでもいいよ。
お前はお前。
それでいいと思うよ」
彼氏の国や生い立ちや文化というものに縛られない感覚に、明日香はいつも驚かされる。
自分のアイデンティティはどこに拠っているのかと悩んでいた頃に彼に出会った。
明日香が彼に惹かれたのも、その人柄によるところが大きかった。
ただ心配なのは‥‥‥
「とうクン。
それは私たちだからいいけど、みんなはそうじゃないよ。多分」
「うん、そうだな。
おばさんにもそこはよく言われるよ」
「シェニ(紅河語でいうところのお母さんという言葉)に言われたんだ?」
「ああ、よく言われるよ。
日本人の男性は優しくない、とか。
愛情が足りないとかーー」
明日香が母親のそう言った時の仕草を思い浮かべて笑い出す。
「シェニはとおクンが好きなんだよ。
嫌いなら、認めてくれないから。この旅行もね」
ああ、そうだった。
今日は二人がつきあって初めての遠出。
3泊4日の小旅行だった。
「で、なにがあったのとおクン」
明日香が涙のあとを指先でなぞるようにする。
心配してるぞ、とその仕草はまるで子犬が不安そうにする仕草によく似ているだが、それを言うとまた怒りだすだろう。
紅河の女はプライドが高い。
「そうだなー‥‥‥。
いま何時だっけ?」
宿泊してるホテルのベッド横に据え付けられたデジタル時計は、午前4時を指していた。
「俺の生い立ちって話したことないよな?」
明日香は新しい何かを知れる好奇心と、それ以上に重大な何かを告げられることを予感してーー
真面目な顔つきになる。
「うん、ないね。
でも、知りたいな。お父さんがいるのは知ってる。
浩紀さん。いい人だよね」
この三年間、ほとんど遠矢はの自宅に居着いているから良く分かる。
カフェを経営している父親は無口だが、その瞳は優しさをたたえていた。
「コーヒーも美味しかった」
「あーあの甘いベトナムコーヒーね。
まあ、オヤジはあんな感じなんだけど」
「うんうん」
「俺の母親が誰か、俺は知らないんだ」
「どういうこと?」
明日香は突然の告白に戸惑いを隠せない。
母親がいないことは知ってる。
知らないというのはどこまで知らないのだろう?
「とおクンは養子だったの?」
一応、思いついた可能性を口にしてみる。
「そうだな。
養子といえば養子になる」
「ふむふむ」
「オヤジと俺の母親は、結婚してないし。
俺、1月生まれだろ?」
「そうだね。
この前、誕生日だったもんね」
「18年前の1月のある日。若い女が俺を連れて店に来たらしいんだ。
学生服来てて、高校生だってわかったらしい」
女子高生が赤ん坊を連れてカフェに入ってくる。しかも制服で。
「それって、かなり変な光景だよね」
明日香は率直に言った。
「そうなんだよ。
んで、それからしばらくしてから同じ高校の制服を着た男子高生が来たらしい」
「待ち合わせ?」
「多分な。二人は注文だけして、しばらく喧嘩じゃないけど。
感情的になってたみたいだったって、オヤジは言ってた。
そしたら俺が泣きだして、口論は止んだらしいけど」
どうにも的を得ない。
「二人は何を話してたの?」
「これからどこに行くか。
俺をどうするか。そんな話がカウンター越しに聞こえたって、オヤジは話してくれた。
男のことを、タカヒロ、って母さんが呼んでたのもオヤジは聞いてた」
そいつが本当の父親かどうかは俺にはわからないけど、と遠矢は顔を曇らせた。
明日香はそんな遠矢の頭をよしよし、と撫でてやる。
「おいおい」
「私はいいのよ」
とおクン泣きそうだよ?
と抱きしめられる。
「すまん」
「男は泣いちゃだめだよ。
紅河の男は泣かないよ。強くなきゃ明日香を守れないでしょ?」
ちゃんとしてよね、と強く言われる。
そうだな、と思いなおして遠矢は話を続けた。
「まあ、本当の父親が誰かはどうでもいいんだ。
いまのオヤジが俺の父親だからさ。
で、母親なんだけど」
消えたらしいんだ。
と、遠矢は明日香に言う。
「オヤジが言うには、タカヒロって奴が硬貨か何かを指先で弾いたら、店内に光が広がって」
「何それ、紅河の魔道?」
代々、紅河国の宮廷魔導士の家系に生まれた明日香は魔法に詳しい。
彼女自身もいずれは家督を相続するだろう。
「いや、そこはわからない。
ただ、光が消えた時。
二人は店内からいなくなってた。
俺だけを残して、な」
「うーんーそんな魔術は聞いたことないなあ。
空間移動するにしても術式を組まないと出来ないし。
魔道ってそんなに簡単なもんじゃないしね」
さすが宮廷魔導士の娘。
「だから、俺にもわからないよ。
ただ、俺だけがそこにいてーー」
俺は母さんの俺を呼ぶ声も、泣いてる顔の一部も、必死に俺を連れていこうとしたことも。
裏切られたり、捨てられた。そんな恨みがましい感情とは別の何かを知ってる。
そう、遠矢は明日香に話した。
「とおクンはお母さんを恨んでないんだ?」
「ないよ。ないけど、あの光景が夢にでると泣いちまうんだ。
ごめんな、心配かけて」
「いいよ。
教えてくれてありがとう」
明日香はにっこりと微笑んだ。わだかまりが消えたような、やさしさに溢れたその笑みに俺はいつも救われている。遠矢は明日香を抱きしめた。
「んーーとおクンは複雑ですなあ」
笑われながら頭を撫でられた。
どっちが年上でどっちが年下なのか。
遠矢そう思いながら明日香とベッドに崩れこむ。
「とりあえず寝よう?まだ朝早いしな。チェックアウト11時だっただろ?」
「そうだねー寝ましょう。抱き枕になりなさい」
間延びしたいつもの明日香の声に、はいはいお姫様。
そう言って抱きしめられたまま、遠矢は目を閉じた。
いつかーー会いに行くよ、母さん。
そう思いながら、二人の夜はまたふけていくのだった。
そして、今。
昨夜の彼は普段の遠矢に戻り明日香の目の前にいる。
知りたい、わからない。
それだけでは真実は理解できないよ、と。
そう言っているようにも思えた。
「んー。確かに、な。
俺も浮かれてたのかもな。
明日香、どこまでなら話せるんだ?」
「うん。ちょっと待ってね」
明日香が、先程の兵士が肩に浮かせていた、球体の小型版を取り出した。
干渉する魔言を唱えると、数個の球が部屋の四方に散り、二人を覆う膜の様なものを形成する。
音と光の遮断?
学院で習った魔導の基礎からおおよその効果は予想できる。
でも、これは遠矢が修めたレベルをはるかに超える魔術だ。
「これはどういうことかな、ニィ・アンチェ(私の奥様)?
俺はこんな魔導を知らないぞ」
「うん。そうだと思う。
お母さんもまだ教えてない、高次魔導だから」
この母娘は何を考えて俺をここにやったのか。
一抹の不安を覚えながら、来てしまったものは仕方ないと深く考えるのをやめた。
「この中の会話は外には漏れない。多分、そう言う系の魔道だよな、これ?」
「そうそう。とおクンいい」
「じゃ、始めようか。
話せるだけでいいよ。教えてくれ。
どうせあれだろ?学院にいる時も、ホテルでも、誰かを警戒して言えなかった。
もしくは言うのを禁じられてたことがあるんだろ?」
「さすが、ニィ・イェイラ(私の旦那様)」
満足そうな顔にこちらはいろいろと、嫌味を言ってやりたいがそこは控えておく。
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