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プロローグ 絶望の侯爵令嬢
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あごひげと他の四人がそれを聞き、胸に手を当てて彼女に一礼する。
死者に対するこの国のアーベイル神信徒の弔いの作法だ。
そして、ナターシャは馬車にその鎖の一部をつながれ動けなくされていた。
「どうだ、そっちは?」
いましがた連れて行かれた女たちが、なにやら喚き、大声で許しを乞う声が響き渡る。
闇夜にこだまするその声は死霊でも呼びよせることができるほどに、憎しみとあまりにも汚い罵詈雑言と神への怒り、侮蔑、神など滅んでしまえーーー!!!!
などど、多くのセリフが聞こえて来た。
「大丈夫だーー!!
括り付けた。
‥‥‥すぐ終わらせる」
明確な意思のある声が聞こえて来た。
殺人の意志ではない、処理を済ませる。
そう、枝を折ったり、作物を刈り取る。
そんな感じの、作業を済ませる。
そういう、意志を感じる声だった。
やがて、二つの鈍い音が辺りに響くと‥‥‥二人の女性囚人たちの罵詈雑言は収まった。
「これで、こっちはいい。
それはーーどうする?」
ひっ!?
ナターシャの心は叫んでいた。
二つの革袋におさめられたその重たそうなそれは・・・・・・明らかにさきほどの女性囚人たちのものだ。
(やはり‥‥‥ここは斬首刑場なんだ‥‥‥)
なら、なぜ自分だけはこのように繋がれているのか。
それが不思議でならなかった。
そして、それはどうする?
その問いは例の赤毛の少女の遺体に対してたけられた質問だとナターシャは知った。
「これか?
まあ、あの大穴に放り込んでおけばいい。
カラスだの、野ネズミだの。
まあ、なにかが処理してくれるだろう?」
あごひげがめんどくさそうに言うが、二つの首の入った革袋を手桶に入れた男はそうもいかん。
そう言った。
「なぜだ?
これの刑はそれでも、あの塔に入れることだからな?」
塔にいれる?
なにを話しているのだろう?
この周り、灯りが照らす範囲にはそのような巨大な建造物はないのに。
ナターシャの脳裏にある塔とは、王城にあるような尖塔のような巨大なものだったから仕方がない。
彼女はまだ、他にも塔があることを知らなかった。
そして、男は答える。
「そうだ、その女には死んだとはいえ、その前までは裁判を受ける権利があった。
亡くなった確証を出さねばならん‥‥‥」
そう言い、彼は赤毛の女をひざまづかせろ、そう、仲間に言う。
「その革袋をかけて、額を下から持て」
「おいおい、俺を斬るんじゃないぞ‥‥‥???」
あごひげが死体に革袋を頭からかけると、その場に伏せさせて額を持ちあげた。
背中から頭のさきまでまっすぐになった時、男の腰から剣が抜かれそれが静かにすみやかに振り下ろされた。
スーーー
そんな音がして、首と胴体が離れた。
それを目の端で見ていたナターシャは失禁しそうになる。
こんなにも簡単に。
なんの恐れも無く‥‥‥人の首をはねれるなんて。
ーー恐ろしい。
それだけの感情しか頭には浮かんでこなかった。
そして、ナターシャは忘れていた。
次は自分の番だという事を。
死者に対するこの国のアーベイル神信徒の弔いの作法だ。
そして、ナターシャは馬車にその鎖の一部をつながれ動けなくされていた。
「どうだ、そっちは?」
いましがた連れて行かれた女たちが、なにやら喚き、大声で許しを乞う声が響き渡る。
闇夜にこだまするその声は死霊でも呼びよせることができるほどに、憎しみとあまりにも汚い罵詈雑言と神への怒り、侮蔑、神など滅んでしまえーーー!!!!
などど、多くのセリフが聞こえて来た。
「大丈夫だーー!!
括り付けた。
‥‥‥すぐ終わらせる」
明確な意思のある声が聞こえて来た。
殺人の意志ではない、処理を済ませる。
そう、枝を折ったり、作物を刈り取る。
そんな感じの、作業を済ませる。
そういう、意志を感じる声だった。
やがて、二つの鈍い音が辺りに響くと‥‥‥二人の女性囚人たちの罵詈雑言は収まった。
「これで、こっちはいい。
それはーーどうする?」
ひっ!?
ナターシャの心は叫んでいた。
二つの革袋におさめられたその重たそうなそれは・・・・・・明らかにさきほどの女性囚人たちのものだ。
(やはり‥‥‥ここは斬首刑場なんだ‥‥‥)
なら、なぜ自分だけはこのように繋がれているのか。
それが不思議でならなかった。
そして、それはどうする?
その問いは例の赤毛の少女の遺体に対してたけられた質問だとナターシャは知った。
「これか?
まあ、あの大穴に放り込んでおけばいい。
カラスだの、野ネズミだの。
まあ、なにかが処理してくれるだろう?」
あごひげがめんどくさそうに言うが、二つの首の入った革袋を手桶に入れた男はそうもいかん。
そう言った。
「なぜだ?
これの刑はそれでも、あの塔に入れることだからな?」
塔にいれる?
なにを話しているのだろう?
この周り、灯りが照らす範囲にはそのような巨大な建造物はないのに。
ナターシャの脳裏にある塔とは、王城にあるような尖塔のような巨大なものだったから仕方がない。
彼女はまだ、他にも塔があることを知らなかった。
そして、男は答える。
「そうだ、その女には死んだとはいえ、その前までは裁判を受ける権利があった。
亡くなった確証を出さねばならん‥‥‥」
そう言い、彼は赤毛の女をひざまづかせろ、そう、仲間に言う。
「その革袋をかけて、額を下から持て」
「おいおい、俺を斬るんじゃないぞ‥‥‥???」
あごひげが死体に革袋を頭からかけると、その場に伏せさせて額を持ちあげた。
背中から頭のさきまでまっすぐになった時、男の腰から剣が抜かれそれが静かにすみやかに振り下ろされた。
スーーー
そんな音がして、首と胴体が離れた。
それを目の端で見ていたナターシャは失禁しそうになる。
こんなにも簡単に。
なんの恐れも無く‥‥‥人の首をはねれるなんて。
ーー恐ろしい。
それだけの感情しか頭には浮かんでこなかった。
そして、ナターシャは忘れていた。
次は自分の番だという事を。
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