37 / 90
第四章 カヌークの番人
2
しおりを挟む
「ところでさあ、アギスの旦那」
曲がりなりにもその広さから竜の湖畔と呼ばれている、ナターシャの監禁されている下流域の家屋を後にしようとしている時、アルフレッドは数組のカヌークを楽しんだ客人たちを馬車に乗せ、その後ろに上流域のカヌーク乗り場へと運ぶボートを台車に乗せながら、客人の相手をしているアギスに声をかけた。
「なんだい、アルフレッド?
まだあと二組は来るぞ?」
あのねえ、あの子はどうするのさ。
もう忘れたのかい?
そんな顔でアルフレッドは呆れたように言った。
「あのねえ、旦那。
あれどうするのさ。
放置しといて逃げてもうちはまあ、鍵を直せば済むけど。
もし、さ」
「まあ、待て」
しばし、揺れますから。
そう言い、馬車に客が全員乗り込んだのを確認して、アギスは扉を閉める。
「御者席で話そう。
それなら、車輪の音で伝わらん」
「あそう‥‥‥」
忘れてたわけじゃなかったんだ。
ならいいんだけどね、そうアルフレッドは言い口を閉じた。
言われたように御者席に彼が上がるとアギスも続き、そしてアギスは、馬にムチをくれた。
しばらく続くなだらかな傾斜をゆっくりと道を曲がりながら馬車は道を登っていく。
車内ではカヌークの激しさとそのスピードの恐怖と絶叫を引き出すような面白さに取りつかれた客が、すこぶる上機嫌になり、大声で会話を交わしていた。
そろそろいいかな、とアギスはさきほどの話題を再度、始める。
「あのな、俺も忘れてるわけじゃないんだが。
あのまま逃がすと、国境を不法入国したことになるしなあ。
かと言って、罪人なら王国側に戻す可能性もある」
「そうだね、旦那。
寝姿を見た感じ、罪人には見えなかったけど勝手に不法侵入したのもまずいしなあ。
俺がいてよかったね?」
他の使用人だったら即、捕まえようと叫んでるよ多分。
アルフレッドはそう言い、思案顔のアギスを見た。
「で、どうするのさ?
引き渡すの?」
上に見えてきた、彼らの顧客を降ろすカヌークの乗り場。
一応、国の要人である貴族なども利用することから、専任の警護兵もいるそこは王国からの入国者が検閲を受ける国境監視所の機能も果たしていた。
「さて、どうするかな?
まあ、まずは降ろしてからだ」
建物に馬車を横づけすると、アギスはボートを台から斜めにして降ろし、川べりへと固定させる。
今日の監視所の担当者は‥‥‥?
ふと数人いる連邦の役人たちを眺め見るアギス。
そこにいたのは、
「レグル管理官、か‥‥‥」
融通の効かない国境監視所の主。
それと、もう一人は賄賂が大好きなファスト管理官。
「妙な組み合わせだな。
意見が割れて、よくてこの場で処刑、かな」
不法入国者が下流域で一晩を明かした事実を知れば‥‥‥
「レグルは責任追及と連邦の近場の城へ送るだろうなあ。
一晩も施設を占拠されたんだ、不法侵入の罪をまず問うだろう。
そうなると、もしあの子が亡命を望んでもそれは二の次になる。
ファストはどうするかな?
この後には子爵様や公爵様などの御子息がたがいらっしゃる。
その前で賄賂は通用しないだろう。
上級貴族が亡命を擁護するだろうか?
面白がって奴隷にするか、よくて死刑を楽しむか。
美しければ、持ち帰り生涯の妾程度にはするかもしれない」
ただ、問題なのはどちらの管理官もめんどうごとは嫌い、その点だ。
アルフレッドと共に、下りの坂道でアギスはそんなことを彼に話していた。
「じゃあどっちにしても、あの子の処遇はよくはないじゃないか」
「そうだな。
だから困っている。
黙って王国側に戻ってくれないか、頼むのが一番だろうな」
「だって、それが出来ないからあんな辺鄙なもう百年以上使われていない道を越えてきたんだろ?
まあ、その前に国境監視所の設置をしていない王国側にも問題はあるけどさ」
「あんな旧道、誰も使わないからな。
今では王家からの使者すらも来なくなったしな」
「王家の使者?
なにそれ?」
なんだ知らないのか?
アギスは呆れ、まあ仕方ないか。
そう思った。
あまりにも古い話だからだ。
「隣の王国の初代の国王は、海の向こうからの侵略者なのさ。
で、王国を建てたが土地はこの山向こうと同じ荒れた溪谷や砂地だった。
そこしかなかったんだ。空いてた土地がな。
侵略者とはいえ、もともとの国はそんなに裕福じゃなかったからな」
「へえ、でもいまは農業もだし、森林だってあんなにあるのに?」
アルフレッドはそう言い、山間に見える王国を指差す。
「ああ、だから土地をそうなるように借りたんだよ。
あの湖畔に住む、竜王様からな。
初代の国王は約束したのさ、毎年、必ず感謝の使者を寄越すと。
それが続いたのは二世紀前までだ。
あの道より、連邦側に通じる新しい道ができたからな。
だから、竜王様はお怒りでたまに昨日みたいな鉄砲水を放たれるんだよ」
「あー‥‥‥あれはそれで起きたんだ。
竜王様ってまだいらっしゃるの?
あの湖畔に?」
うーん‥‥‥アギスは返事に迷う。
会ったことはある。
しかし、言っていいものか。
いずれはアルフレッドも知らなくてはいけないことだしなあ。
「いるよ。
いるから、あのカヌークの安全があるんだ。
連邦は竜王様に約束した捧げものをきちんとしているからな。
カヌークは、まあおまけ。
そんなとこだよ。
たまにふらりと現れるしな‥‥‥」
「は‥‥‥?
嘘だろ、旦那?」
「いや本当だ。
お前も二度ほど会っているぞ。
あの銀髪に青い瞳、褐色の肌の背の高い貴族様。
たまにカヌークで遊んで帰るだろ?」
「それって、エバース大公‥‥‥?」
「そう、それだよ。
仮の姿だがな。
今日あたり来られると助かるんだが」
そううまくはいかないよなあ‥‥‥
二人はそうぼやきながら、ナターシャのいる小屋を目指して山を下りて行った。
曲がりなりにもその広さから竜の湖畔と呼ばれている、ナターシャの監禁されている下流域の家屋を後にしようとしている時、アルフレッドは数組のカヌークを楽しんだ客人たちを馬車に乗せ、その後ろに上流域のカヌーク乗り場へと運ぶボートを台車に乗せながら、客人の相手をしているアギスに声をかけた。
「なんだい、アルフレッド?
まだあと二組は来るぞ?」
あのねえ、あの子はどうするのさ。
もう忘れたのかい?
そんな顔でアルフレッドは呆れたように言った。
「あのねえ、旦那。
あれどうするのさ。
放置しといて逃げてもうちはまあ、鍵を直せば済むけど。
もし、さ」
「まあ、待て」
しばし、揺れますから。
そう言い、馬車に客が全員乗り込んだのを確認して、アギスは扉を閉める。
「御者席で話そう。
それなら、車輪の音で伝わらん」
「あそう‥‥‥」
忘れてたわけじゃなかったんだ。
ならいいんだけどね、そうアルフレッドは言い口を閉じた。
言われたように御者席に彼が上がるとアギスも続き、そしてアギスは、馬にムチをくれた。
しばらく続くなだらかな傾斜をゆっくりと道を曲がりながら馬車は道を登っていく。
車内ではカヌークの激しさとそのスピードの恐怖と絶叫を引き出すような面白さに取りつかれた客が、すこぶる上機嫌になり、大声で会話を交わしていた。
そろそろいいかな、とアギスはさきほどの話題を再度、始める。
「あのな、俺も忘れてるわけじゃないんだが。
あのまま逃がすと、国境を不法入国したことになるしなあ。
かと言って、罪人なら王国側に戻す可能性もある」
「そうだね、旦那。
寝姿を見た感じ、罪人には見えなかったけど勝手に不法侵入したのもまずいしなあ。
俺がいてよかったね?」
他の使用人だったら即、捕まえようと叫んでるよ多分。
アルフレッドはそう言い、思案顔のアギスを見た。
「で、どうするのさ?
引き渡すの?」
上に見えてきた、彼らの顧客を降ろすカヌークの乗り場。
一応、国の要人である貴族なども利用することから、専任の警護兵もいるそこは王国からの入国者が検閲を受ける国境監視所の機能も果たしていた。
「さて、どうするかな?
まあ、まずは降ろしてからだ」
建物に馬車を横づけすると、アギスはボートを台から斜めにして降ろし、川べりへと固定させる。
今日の監視所の担当者は‥‥‥?
ふと数人いる連邦の役人たちを眺め見るアギス。
そこにいたのは、
「レグル管理官、か‥‥‥」
融通の効かない国境監視所の主。
それと、もう一人は賄賂が大好きなファスト管理官。
「妙な組み合わせだな。
意見が割れて、よくてこの場で処刑、かな」
不法入国者が下流域で一晩を明かした事実を知れば‥‥‥
「レグルは責任追及と連邦の近場の城へ送るだろうなあ。
一晩も施設を占拠されたんだ、不法侵入の罪をまず問うだろう。
そうなると、もしあの子が亡命を望んでもそれは二の次になる。
ファストはどうするかな?
この後には子爵様や公爵様などの御子息がたがいらっしゃる。
その前で賄賂は通用しないだろう。
上級貴族が亡命を擁護するだろうか?
面白がって奴隷にするか、よくて死刑を楽しむか。
美しければ、持ち帰り生涯の妾程度にはするかもしれない」
ただ、問題なのはどちらの管理官もめんどうごとは嫌い、その点だ。
アルフレッドと共に、下りの坂道でアギスはそんなことを彼に話していた。
「じゃあどっちにしても、あの子の処遇はよくはないじゃないか」
「そうだな。
だから困っている。
黙って王国側に戻ってくれないか、頼むのが一番だろうな」
「だって、それが出来ないからあんな辺鄙なもう百年以上使われていない道を越えてきたんだろ?
まあ、その前に国境監視所の設置をしていない王国側にも問題はあるけどさ」
「あんな旧道、誰も使わないからな。
今では王家からの使者すらも来なくなったしな」
「王家の使者?
なにそれ?」
なんだ知らないのか?
アギスは呆れ、まあ仕方ないか。
そう思った。
あまりにも古い話だからだ。
「隣の王国の初代の国王は、海の向こうからの侵略者なのさ。
で、王国を建てたが土地はこの山向こうと同じ荒れた溪谷や砂地だった。
そこしかなかったんだ。空いてた土地がな。
侵略者とはいえ、もともとの国はそんなに裕福じゃなかったからな」
「へえ、でもいまは農業もだし、森林だってあんなにあるのに?」
アルフレッドはそう言い、山間に見える王国を指差す。
「ああ、だから土地をそうなるように借りたんだよ。
あの湖畔に住む、竜王様からな。
初代の国王は約束したのさ、毎年、必ず感謝の使者を寄越すと。
それが続いたのは二世紀前までだ。
あの道より、連邦側に通じる新しい道ができたからな。
だから、竜王様はお怒りでたまに昨日みたいな鉄砲水を放たれるんだよ」
「あー‥‥‥あれはそれで起きたんだ。
竜王様ってまだいらっしゃるの?
あの湖畔に?」
うーん‥‥‥アギスは返事に迷う。
会ったことはある。
しかし、言っていいものか。
いずれはアルフレッドも知らなくてはいけないことだしなあ。
「いるよ。
いるから、あのカヌークの安全があるんだ。
連邦は竜王様に約束した捧げものをきちんとしているからな。
カヌークは、まあおまけ。
そんなとこだよ。
たまにふらりと現れるしな‥‥‥」
「は‥‥‥?
嘘だろ、旦那?」
「いや本当だ。
お前も二度ほど会っているぞ。
あの銀髪に青い瞳、褐色の肌の背の高い貴族様。
たまにカヌークで遊んで帰るだろ?」
「それって、エバース大公‥‥‥?」
「そう、それだよ。
仮の姿だがな。
今日あたり来られると助かるんだが」
そううまくはいかないよなあ‥‥‥
二人はそうぼやきながら、ナターシャのいる小屋を目指して山を下りて行った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
『完璧すぎる令嬢は婚約破棄を歓迎します ~白い結婚のはずが、冷徹公爵に溺愛されるなんて聞いてません~』
鷹 綾
恋愛
「君は完璧すぎる」
その一言で、王太子アルトゥーラから婚約を破棄された令嬢エミーラ。
有能であるがゆえに疎まれ、努力も忠誠も正当に評価されなかった彼女は、
王都を離れ、辺境アンクレイブ公爵領へと向かう。
冷静沈着で冷徹と噂される公爵ゼファーとの関係は、
利害一致による“白い契約結婚”から始まったはずだった。
しかし――
役割を果たし、淡々と成果を積み重ねるエミーラは、
いつしか領政の中枢を支え、領民からも絶大な信頼を得ていく。
一方、
「可愛げ」を求めて彼女を切り捨てた元婚約者と、
癒しだけを与えられた王太子妃候補は、
王宮という現実の中で静かに行き詰まっていき……。
ざまぁは声高に叫ばれない。
復讐も、断罪もない。
あるのは、選ばなかった者が取り残され、
選び続けた者が自然と選ばれていく現実。
これは、
誰かに選ばれることで価値を証明する物語ではない。
自分の居場所を自分で選び、
その先で静かに幸福を掴んだ令嬢の物語。
「完璧すぎる」と捨てられた彼女は、
やがて――
“選ばれ続ける存在”になる。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる