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第八章 エイジスの蒼い髪
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「無事に戻って来た、か‥‥‥」
それが竜王の第一声だった。
「良かった、何かあればどうしようかと。
ねえ、この子になにかされなかった!?」
それが、ナターシャとまだ意識の戻らない、アルフレッドを見た水の精霊女王の第一声だった。
「いえ、何も‥‥‥そんなことより、アルフレッドをーアリア様!!
彼をー‥‥‥助けて」
ナターシャは必死になってアリアにすがりついていた。
ここまで二人して戻れたのに、これでアルフレッドの意識が戻らないともなれば、自分は生きている意味はない。
そう、ナターシャは思い詰めていた。
「え、ええ‥‥‥大丈夫よ、ナターシャ。
イフリーテが出会った時に問題がないと診断しているから。
もうすぐ、目を覚ますはず」
あの炎の女神様が?
そんなそぶり、まったく見せなかったのに。
ナターシャは驚くと共に、竜王とアリア。
この二人がなぜそんなにイフリーテのことばかりを気にかけて、自分たちには素っ気ない一言だけなのか。
ナターシャは不満を通り越して苛立ちを隠せずにいた。
この神殿を通る決意をしたのはー竜王様なのに、と‥‥‥
「竜王様、アルフレッドを元に戻してください。
それとー‥‥‥もう、終わりにしましょう。
この旅路を」
「ナターシャ、何を言っている?
そなたが望むから連れてきたのだぞ?」
望んだ結果が、これですよ竜王様。
ナターシャは静かにアルフレッドを指差した。
「二度と戻らない未知の危険な旅に彼を誘いこんだのはわたしの罪です。
もう、誰も苦しめたくありません。
わたしは怨霊たちとの契約も含めて、周りを危険に巻き込む女なんです。
どうか‥‥‥彼を平穏な生活に戻してあげてください」
「しかし、ならば怨霊たちとの契約はどうする?
あの土地で起きた他の者たちの冤罪はー???」
その質問にナターシャは静かに答えた。
「‥‥‥ました」
「何だと?」
「終わりました!!
あの神殿の中で、どこまでも続く闇の中で彼等は死にたくないと。
竜王様とアリア様に消滅さされたくない、だけど、あの罠にかかり出口まで行っても‥‥‥彼等は消滅する運命でした。
だからー‥‥‥契約を履行できない代わりにわたしの中に眠るエルフの力とか言っていましたけど。
それを差し上げて、天に向かってもらいました。
安心して、死神様に出会えるように」
「だからか‥‥‥あの怨霊の大群が天に昇っていったのは」
竜王はそれを聞いてやはり、ナターシャにはエルフの血が流れていたかと呟いていた。
そして、彼はふと気づいたように問いかける。
「ナターシャ。
あの剣はどうした?」
と。
ナターシャは力なく首を振ってありません、そう言うしかなった。
あの地下での、いや墓所で出会った若い男性は静かに眠らせてくれ。
そう言っていた。
いつ封印が解けて目覚めるかわからない妻との短い逢瀬をどうか邪魔しないで欲しい。
誰にも言わないで欲しい、と。
ナターシャはその懇願を裏切る気になれなかった。
ミレイア、ラードリー、そして、英雄王。
英雄王ラードリー。
かつての神話の英雄たちをまとめ、魔族と戦い、そしてー‥‥‥神殺しとなった大罪人。
それが地下にいるとなれば、竜王とアリアはどういう反応をするだろうか。
ナターシャにはその結末が見えているような気がしていた。
炎の女神様を行かせて‥‥‥そして、また戦いが始まる。
そんな世界はもう懲り懲りだった。
「無いと言われてもそれでは、彼に‥‥‥示しがつかん」
彼?
竜王様の失ったあの親友?
彼なら――
「竜王様。
カーティスなら、竜王様に宜しく、と‥‥‥」
しかし、竜王は怪訝な顔をして首を傾げていた。
それが竜王の第一声だった。
「良かった、何かあればどうしようかと。
ねえ、この子になにかされなかった!?」
それが、ナターシャとまだ意識の戻らない、アルフレッドを見た水の精霊女王の第一声だった。
「いえ、何も‥‥‥そんなことより、アルフレッドをーアリア様!!
彼をー‥‥‥助けて」
ナターシャは必死になってアリアにすがりついていた。
ここまで二人して戻れたのに、これでアルフレッドの意識が戻らないともなれば、自分は生きている意味はない。
そう、ナターシャは思い詰めていた。
「え、ええ‥‥‥大丈夫よ、ナターシャ。
イフリーテが出会った時に問題がないと診断しているから。
もうすぐ、目を覚ますはず」
あの炎の女神様が?
そんなそぶり、まったく見せなかったのに。
ナターシャは驚くと共に、竜王とアリア。
この二人がなぜそんなにイフリーテのことばかりを気にかけて、自分たちには素っ気ない一言だけなのか。
ナターシャは不満を通り越して苛立ちを隠せずにいた。
この神殿を通る決意をしたのはー竜王様なのに、と‥‥‥
「竜王様、アルフレッドを元に戻してください。
それとー‥‥‥もう、終わりにしましょう。
この旅路を」
「ナターシャ、何を言っている?
そなたが望むから連れてきたのだぞ?」
望んだ結果が、これですよ竜王様。
ナターシャは静かにアルフレッドを指差した。
「二度と戻らない未知の危険な旅に彼を誘いこんだのはわたしの罪です。
もう、誰も苦しめたくありません。
わたしは怨霊たちとの契約も含めて、周りを危険に巻き込む女なんです。
どうか‥‥‥彼を平穏な生活に戻してあげてください」
「しかし、ならば怨霊たちとの契約はどうする?
あの土地で起きた他の者たちの冤罪はー???」
その質問にナターシャは静かに答えた。
「‥‥‥ました」
「何だと?」
「終わりました!!
あの神殿の中で、どこまでも続く闇の中で彼等は死にたくないと。
竜王様とアリア様に消滅さされたくない、だけど、あの罠にかかり出口まで行っても‥‥‥彼等は消滅する運命でした。
だからー‥‥‥契約を履行できない代わりにわたしの中に眠るエルフの力とか言っていましたけど。
それを差し上げて、天に向かってもらいました。
安心して、死神様に出会えるように」
「だからか‥‥‥あの怨霊の大群が天に昇っていったのは」
竜王はそれを聞いてやはり、ナターシャにはエルフの血が流れていたかと呟いていた。
そして、彼はふと気づいたように問いかける。
「ナターシャ。
あの剣はどうした?」
と。
ナターシャは力なく首を振ってありません、そう言うしかなった。
あの地下での、いや墓所で出会った若い男性は静かに眠らせてくれ。
そう言っていた。
いつ封印が解けて目覚めるかわからない妻との短い逢瀬をどうか邪魔しないで欲しい。
誰にも言わないで欲しい、と。
ナターシャはその懇願を裏切る気になれなかった。
ミレイア、ラードリー、そして、英雄王。
英雄王ラードリー。
かつての神話の英雄たちをまとめ、魔族と戦い、そしてー‥‥‥神殺しとなった大罪人。
それが地下にいるとなれば、竜王とアリアはどういう反応をするだろうか。
ナターシャにはその結末が見えているような気がしていた。
炎の女神様を行かせて‥‥‥そして、また戦いが始まる。
そんな世界はもう懲り懲りだった。
「無いと言われてもそれでは、彼に‥‥‥示しがつかん」
彼?
竜王様の失ったあの親友?
彼なら――
「竜王様。
カーティスなら、竜王様に宜しく、と‥‥‥」
しかし、竜王は怪訝な顔をして首を傾げていた。
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