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プロローグ
少年と竜姫と亭主関白
しおりを挟む「はあ……。
不勉強な未熟物を寄越すとは僕も舐められたものだな」
あまりにも上から目線の威丈高な発言だった。
それを聞くとエミュネスタははっとこちらを伺い見て身体をこわばらせた。
まるで仕置きを受ける前の囚人の様なそんな雰囲気だった。
「まあいい、帰る。
付き合え」
「はい……」
先ほどとは打って変わって、蚊の鳴くような声で彼女は僕の数歩後ろを歩いてくる。
これじゃ、まるで昔の時代劇だよ。
そう思いながら図書館を出て数歩歩いたところで後ろを振り返ってみる。
エミュネスタはなにかとんでもないことをしでかしてしまった、とでもいうかのように暗い顔をしていた。
「何が飲める?」
人間の飲料は知っているのだろうか?
まさか、ジュースの自動販売機を知らないとかなんてないよな?
それくらいの文化教育は……受けてなかったらどうしよう。
冷や汗がでて止まらないのは僕の方なんだけどな。
もし彼女の親とかの怒りを買う羽目になったら。
日本は終わるだろうな。
自分の冷静な心の返事に、僕は僕自身に恐怖した。
「いえ、そのような……」
ああ、もう。めんどくさいな。
遠慮されても困るんだって。
「僕はだんな様なんだろ?
それってさ、日本語で正確に聞きたいんだけど」
ちょっとイライラして語尾が強くなる。
エミュネスタは更に顔を伏せてしまう。
「だんな様って幾つか意味があるんだ。
結婚した夫婦の妻から夫を呼ぶとき、雇われた使用人が主を呼ぶとき。
それに‥‥‥買われた奴隷が所有者、ご主人様を呼ぶとき。ほかにもあるけど、とりあえず、どれなの?」
「わたしはー」
エミュネスタは少しばかり怒ったような顔をする。
「使用人でも卑しい奴隷でもありません。
妻という意味でしたら、だんな様の所有物ではありますけど……」
恥じらいながらそう言う彼女は確かに可愛かった。だけど、これではっきりした。
彼女たち竜族の夫婦感がどんなものかが。
「はあ……。
僕の名前は、新竹由樹って言うんだ。
女の子みたいな名前だけどね。男だよ」
本当に困った。どう伝えればいいんだこの状況。
悪いけど、僕はチーレムなんて作って喜ぶようなーー
自己中心的な野心家のライトノベルの主人公じゃないんだよ……
彼らなら、喜んで家に持って帰っていろんなお風呂覗き見たりとかのハプニングがあるんだろうけどさ。
君には、僕はカーク提督やピカード艦長や長谷川平蔵みたいに理性的で人間臭い会話がしたいんだ……
「では、由樹様」
「由樹!」
エミュネスタは僕のちょっと大きくしすぎた声に身を震わせる。
でも、ここで謝ったらまたかしずくんだろうなあ……
「何が飲める?」
仕方ないから振り出しに戻すことにした。
「あ、はい、その……コーヒーが」
「ブラック?」
おずおずとエミュネスタは左端の微糖を指差す。
僕はそれと自分のを買うと、もう遠慮しても仕方ないと思って彼女の手を引いた。
「あっ」
慌てて手を払われてしまう。
「手がいい? 羽がいい? 尾がいい? それとも角か? 髪でも掴まれるたいか?」
もちろんそんなことをする気はないけど。
この距離感をどうにかしたかった。
もちろん、彼女から返事はない。
「なら……これ掴んでいいから。着いてきて」
仕方ないから、Tシャツの裾を引かせてみる。これには素直に従った。
「座って」
日よけの休憩席がある場所で、彼女に椅子を薦める。
もちろん、さっきと同じで地面に膝をつこうとする。やっぱりだ。
「あっ!」
僕は彼女が膝をつく前に、地面に掌を置いてやった。
アスファルトの焼けた感触がするけど、そんなことはどうでもいい。
「そこじゃなくて。椅子に。
妻なんだったら、ここ。日本じゃ、夫と対等だから。
そんなことされたら、僕の不名誉になるんだ」
不名誉。この言葉は効いた。それはいけないとでもいうかのように、さっと椅子に座る彼女。
初めからこうしておけばよかった。
同じ高さの椅子に座ると、改めてエミュネスタは僕より少し背が高いことがわかる。
170センチはあるんだけどな……。少し、自尊心が傷ついた気もするけど、そんなことはどうでもいい。
「はい、どうぞ」
微糖のコーヒーを開けて手渡す。
「この暑さの中にその黒の服じゃ、暑いでしょ? まあ、人間なら暑いんだけど。
やっぱり……竜族。なんだよね、エミュネスタさんは」
と、さんをつけると少し睨まれた。
「エミュネスタは……」
視線が緩む。どうにも扱いにくい。
彼女たちの文化とか思想がさっぱりわからない。
「ありがとうございます……」
まあ、礼儀正しいのだけは伝わるんだけど。
「あのー」
「え?」
「お言葉を返しても宜しいでしょうか?」
宜しいでしょうかって、どうぞどうぞって言うしかないよ。
とりあえず、威厳があるふりがどうも大事な気がしたから、ゆっくりと上から目線で頷いてみた。
ああ、やっぱりだ。
どうもこの竜族の美少女? 年齢が分からないけど。
男性を立てるべし、みたいな教育を受けてきたような気がしてならない。
いつの時代だよ。
それともふりをしているのか。
これが日本人の基準だと教えられているのかもしれない。
聞くとしたら、まずはそこかもしれない。
「なぜ、由樹さー」
僕は思いっきりにらんでやる。
「由樹は、わたしを同格に扱うのですか」
僕は表情を普通の顔に戻して、でも心の中はため息だらけだった。
「エミュネスタさ。
その思想というか……、考え方というか。
それは竜族の礼節なの? それとも日本文化を勉強したからそうなったの?」
ここは大事だった。後者だったらいくらでも補正が効くからだ。
だけどーー
「竜族のと、いいますか。
王家に生まれた女としての心得です」
あー……来たよ、最終兵器より扱いづらいやつだ。
決定的に僕らは、主観が違いすぎるやつだ。
「あ、そう、か……」
もう頭の中が真っ白だった。
おーいどこいった僕の英雄たち。
誰かおしえてやってくれよ、とんでもない時代錯誤だって。二世紀はズレてるって。
「それは、僕が嫌だと言っても続けるの?」
あ、しまった。
現状受け入れます発言してるし。まだ何も聞いてないのに!!!!
「由樹が、日本のことを学べとおっしゃるのでしたら、そう致します」
あれ? ちょっとだけ流れが変わったかもしれない。
なんとなくそんな気がした。
「そっか。
じゃあ、んー……。なんで僕なのか、説明してくれない?」
そう僕に言われてエミュネスタは不思議そうな顔をする。
「何もお聞きになられていないのですか?」
お聞きにって。聞いたのはニュースくらいで。
うちは母子家庭だし。母さんは、いま入院してるし。
誰から聞くんだろ?
とりあえず、僕は自分のことを話すことにした。
「聞いてないかって言われたら、何も聞いていない。本当に。
というかね、もしだけど」
「はい」
「僕の両親を通じて、とかなら無理なんだ。
父親はもう死んでるし。母親は先週、交通事故で片足折っていま病院。
昨日は病院行ってないから、誰からも何も聞いてない。
ニュースは聞いたよ? 竜族の王族の結婚相手を選んで結婚させるってのは」
「あ、いえ……」
いえ?
なにを否定したんだろ?
「させる、ではなく。
どうか貰って頂きたい、が上様。つまり私たち竜族の王のご意思です」
貰って頂きたい? お菓子やおもちゃじゃだろ。
「なんで僕なの?」
と聞くと、いそいそとエミュネスタは何かを取り出す。
「何それ?」
「竜珠、と言いまして……」
なんで日本語なんだろう? というか、どこで日本語を覚えたんだろう?
疑問だらけだ。
「あ、待って。
なんで日本語がそんなに上手なの?」
それは、とまたもやおずおずと腰辺りにある物入れから何かを取り出す。
「まさか、翻訳機とか?」
「いえ、その土地の言語体系を収集して直接脳内に送り込む装置です」
なんだか物騒なものがでてきたな。
「あ、ってことは。図書館が大好きって噂は……」
「はい、そうです、ね」
竜族は知識が大好きじゃなくてーー
その星に順応・適応する速度を飛躍的に高める為に図書館を利用してたんだ……
「呆れた」
「え?」
「僕は歴史とか過去から学ぶのが大好きなんだ。
偉人たちの知恵とか経験とか。歴史がなぜそうなったかを知りたいのに。だから図書館が大好きなんだ。
でも君たちときたらその惑星に順応するために利用してるじゃないか。
それを悪いとは言わないけど」
「好きですよ」
「え?」
「学ぶことは大好きです。
でも、数千年したらすぐに次の場所へいくんです。
その間に、仲良くなった友人たちはみんないなくなっていくんです。
私たちは生きる時間が長いから……」
「あ……」
迂闊だった。
彼女たちは知識を盗む必要なんてない程に強力で、長寿だった。
友を亡くす悲しさを一番知っているのは彼女たちだったんだ。
だから、少しでも早く仲良くなれるようにー。
「エミュネスタ」
「はい」
うつむいていた彼女はびっくりしたように顔をあけてこっちを見た。
「王家の伝統がそうなら、守るべきだ。
でも、僕にも僕たちの文化がある」
「はい、由樹」
「日本人はよく謝るし、自分を出さない。
それは臆病じゃなくて、相手との関係を壊したくないからでもあるんだ」
「はい」
「それでも、人前でしないならかしづいたり、それ以外の僕の知らないー」
はあ、迷うなあ。これ言うの。
でも、もう言うしかないよね。
「僕の嫌なことでもしてもいい。でももし、変えてもいいと思ったら変えて欲しい。
それは強制するものじゃないと僕は思うから。あと、お互いに失礼になることは共有するべきだと思う。
それと、僕は亭主関白だよ」
もうこうなったら江戸時代&令和方式で行くしかないよ……。
「亭主関白?」
「いずれわかるよ。で、なんで僕を選んだの?」
「あ、はい由樹。それはですね……」
エミュネスタの話はこうだった。
前回、竜族が地球を去った際にやはり発展していた文明があったらしい。
そして、竜族はその文明とも異種族婚姻をしていた。
その時の遺伝子を濃く受け継いでいるのが、今回の選抜された人間側の代表者だと。
「でもさ、竜族と人間って遺伝子からして違うと思うんだけど。
どうやって子孫を残す訳?」
「それはつまり……。
どうやって行為を行う、という趣旨の……?」
とエミュネスタが頬を赤らめて言う。
「違うから。はあ……。遺伝子というか。種族そのものが違うかったら、遺伝子レベルで子供なんてできないでしょ?」
僕はとりあえず頭の中の知識を総動員して話を進めていく。
「ああ、それはですね。
竜族はこの宇宙全ての遺伝子を持っていますので。
どの種族とも交配可能なのです」
‥‥‥呆れた。なんて恐ろしい種族だよ。
「そっか。わかった。
で、他の日本の三人はもう話まとまったの?」
え?
とエミュネスタは僕をじっと見つめる。
「私でいいんですか?」
「良いも何も、まだ結婚できる年齢じゃないから。
あと四年は僕を見てからそれで決めてよ。
それまでは友達」
「ええ……」
「嫌なら帰れ」
「そんな」
「何?帰ったらなんかあるの?」
「ここで承諾頂かなければ、一族を追放になります」
おいおい、そりゃないよ。なんて脅し文句だよ。
「はあ……。わかった。でも、結婚は四年後な?」
「はい。何十年でもお待ちします、だんな様」
「由樹、だから」
「はい、由樹」
もう疲れた。
帰りたい。僕はへとへとだった。
「あ、それでさ。
他の3組は決まったの?」
「多分」
「なら、お祝いを贈るのが日本の礼儀なんだ」
「それは竜族もです」
「なら、お前。
もう、お前って呼ぶからな」
「はい、だんな様」
だめだ。自動的にだんな様が確定しちゃった……
「で、お前はどれくらいが相場だと思ってるの?」
そうですねえ、とエミュネスタは親指大の金塊を出して見せる。
「その三組の中にお前の家族はいるの?」
「兄がおります」
そっか。お義兄様がいるのか。
「なら、その倍のやつを贈っておきなさい。
お前のご兄弟なんだから」
え? と不思議そうな顔をするエミュネスタ。
「そのような便宜を図っていただけるのですか?」
「言っただろ。
これが、亭主関白だよ」
今一つ分からなさそうだが、僕が彼女の兄妹を大事に思う気持ちは伝わったらしい。
「はい、だんな様」
笑顔は本当に女神の様に綺麗だ。
母さんになんて話そう……
僕の受難はこうして始まったのだった。
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