竜姫からの招待状

星ふくろう

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第二章 失われた遺伝子

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「おい、起きろ!」 
 乱暴なその一撃が僕の静かな静かな。
 そう、それは平和な朝の安眠をぶち壊してくれた。
 ベッドに寝ている僕の腹部への、多分、松葉杖の一撃。
 犯人は確認するまでもない。
 そう我が母、新竹家の当主……。
 新竹麻友、36歳である。
 (一応、シングルマザー)
「母さん、なんでそう乱暴なのかな?」
 部屋の扉に鍵をかけることを、忘れていたようだ。
 ということは、隣にいるのがバレてるな。
 さっきのはそれに対する一撃か。
 なるほど。
「うるさい!
 まったく、16歳で女を連れ込もうなんて百万年早いんだよ!」
 と、再度、僕を小突こうとするからその先を掴んでやる。
「うるさいの、母さんでしょ?
 もう、僕たち夫婦なんだけど?」
 そう、隣には愛妻のエミュネスタが。
 あれ?
「ばーか。
 エミュネスタちゃんなら、昨日の夜、あんたが寝た後にあたしと寝たのよ」
 へえーー
 裏切ったな、我が妻よ。
「鍵開けたの、エミュネスタかよ……」
「そうそう。
 まだルシアンに勝てないあんたには、身体を預けたくないそうよ?」
「身体って!?
 そんなこと考えてないよ!」
「へーえ。
 さっきは夫婦だのなんだのと言ってたの誰だった?」
「いや、僕だけどさ。
 なんか、昨日の一件から僕の扱いひどくない?」
「そりゃそうでしょ。
 未成年者がしかも高校生で、親に無断で婚約するわ、国が特例認定したとはいっても入籍するわ。
 可愛いエミュネスタちゃん連れてくるわ……これは、まあ、いいわ。
 あたしの見せ場を勝手に潰してみなよ、これ」
 ほら、と腰まであった豊かな茶髪がボブ・ショートになったと見せつけてくる。
「いや、それしたの自分でしょ?」
「させたのあんたでしょ?
 しかも、親に手を挙げる始末……」
 虐待、という言葉は我が家には適用されないのだろうか?
「それは謝るけど。
 行き当たりばったりで、殺してくれ、とか言い出したの母さんだよね?」
 うっ、と目線を逸らす我が母。
「仕方なく、僕がない知恵振り絞って、エミュネスタを泣かせてまでどうにかしようとして。
 自分で髪の毛ぶった切ったんでしょ?
 ほとんど、勢いであの場を収めて、しかも……ルシアンに僕を売り渡してさ。
 で、僕がこんな朝を迎えなきゃいけないのかな?」
「でも、最初にあたしに言いに来るべきだよね?
 せめて、結婚させてください、とあちらから頭を下げにくるのが筋でしょ?」
 それは本当に、言い訳のしようがない。
 正論だ。
「ごめんなさい、とは言わないよ」
「何その傲慢な態度。
 由樹、あんたいつからそんなになったの?」
「傲慢じゃないよ……。
 母さんだって言ってたじゃないか。
 人類による人類の狩りが始まるって」
「そりゃ、言ったけどさー」
 母さんは面白くなさそうな顔をして、どっかとベッドに腰かけてくる。
「いつから、そのことを考え付いたのさ。
 まさか、エミュネスタちゃんに会った時から、とか言わないよね?」
 あんたそんなに頭が回る子じゃないとあたしは思ってたんだけど?
 そう母さんは言う。
 そりゃ、そうだよ、母さん。
 僕だけなら、こんな知恵なんて出ないよ。
「一晩」
「ん?」
「エミュネスタが来た日の夜に、一晩中考えた。 
 いままで使ったことのないくらいに、考えたよ。
 何もできないってのが、結論だった。
 僕には、何もできないってのが、さ」
「由樹ー?
 あんた何言ってるかわかってんの?
 何もできないってのがわかったのに、なんでエミュネスタちゃん受け入れたの?」
「断られたら、一族を追放されるなんて言われて、僕が断ると思う?
 それが逆にできるって母さん、言える?」
「そんな経緯だったんだ?」
「うんー」
「なら、追放されてから、受け要れたらよかったのに。
 あんた、馬鹿だねー」
「え……?」
 母さんは横に松葉杖を揃えて放り出すと、ベッドの上にあおむけに倒れこむ。
「痛いよ……」
 彼女の頭部が当るのは、僕の腹部だ……。
「全部無くした哀れな女を仕方なく引取りました、だったらあんたヒーローじゃん。
 大好きなラノベの主人公になれんじゃないの?」
「いや、それ悪役じゃない?」
「そうでもないでしょ?
 断って、追い返して、エミュネスタちゃんはあの王様夫婦から国外追放されて。
 行くとこ無くなって、あんたはあのルシアンに殴られてさ」
「いや、ちょっ……」
 何勝手に話作ってるんだよ……母さん。
「で、力でかなうわけ無いルシアンにぼっこぼこにされてるあんたを、侍女とか、そうねえ。
 ……幼なじみの同級生の女の子とかさ。
 こう、土砂降りの雨の中を行く当てもなくびしょ濡れになったエミュネスタちゃんをさ。
 その誰かが見つけてさ。あんたが大変なの、なんで縁談なんか持ち込んだのー!
 とか言って怒る訳さ。あたしの方が好きなのにって言わせるか、由樹君がルシアンに挑発されて戦ってる!!!
 そんな感じにセリフ言わせて」
「あのー母さん……」
「で、そこでエミュネスタちゃんがわたしのせいでーー
 みたいな感じで何でルシアンにあんたが殴られてるかを聞くわけよ。
 そしたら、その幼なじみがこういう訳さ。
 なんであんたを受け入れないで返したかわからないの?って」
「はいはい、それで?」
「幼なじみは涙と雨に濡れながらエミュネスタちゃんを責めるのよ。
 人間社会は醜いんだ、あんたを受け入れたら、幸せにしてあげれないからだって」
「ふーん……」
 母さんは、うつぶせに、僕の上になると続けて言う。
「差別と興味と恐怖の視線と、周りからの反応にー」
「反応に?」
「あなたを失望させたくなかった。
 人間を嫌いになって欲しくなかったから!
 だから‥‥‥由樹くんはっ!!!!」
「母さん……」
「あなたを返したのよ!
 でもあなたが追放されることがわかっていたから、その責任を取るためにいま殴られてるんだって。
 下手したら、命と引き換えにあなたを一族に戻させるって言ってるかもしれない!
 なんで、なんであんたなんか、来なきゃよかったのに!!!???」
 と、母さんは拳を握りしめて一人、独演会を始めてる……。
「はいはい、それで?」
「で、エミュネスタちゃんはそれを聞いて、竜に化けるか魔法使うかわからないけど。
 あんたとルシアンの元に行くのよ。
 そこで、幼なじみが言ったこととほとんど同じことを言うあんたを、影から見るわけさ」
「そこは本当にいい見せ場になると思うよ……」
 僕はもうボロ布みたいになってるだろうけどね。
 現実なら。
「で、ルシアンのセリフよ。
 なら、その命を賭けてみるかってさ」
「で、僕はこう言うんだろ?
 ああ、賭けてやるよ。
 だけど、彼女の一族への復帰が条件だって」
「そうそう、で、ルシアンの怒りを買うわけだ。
 お前が受け入れていたら、妹が悲しむことはなかったってさ」
「でも、僕は言わないんだろ?
 人類がどうこう、とかさ。
 ただ、約束しろ、くらいしか」
「まあ、あんたが好きな時代劇とかアメリカのあれ、何だっけ?
 SFのドラマの提督ならそうするんじゃない?」
 そこは少し違うよ、と僕は訂正する。
「時代劇の主役なら、多分そうするけど。
 提督たちなら……もっと言葉を選ぶだろうね。
 両種族のためになる言葉を。多分」
「ふーん……。
 で、あんたはルシアンの最後の一撃を受けそうになったところでー」
「エミュネスタが登場するんだろ?」
「そうそう。
 エミュネスタちゃんはー」
「お待ちください、お兄様。
 この方に、由樹様に手出しは許しません、ってわたしなら言います、お義母さま」
 とここで我がドラゴンプリンセスの登場。
 部屋の入口でセリフが流れ出す。
「お前」
「エミュネスタちゃん。こら、由樹。
 あんたは、まだお前なんてあの子を呼べる身じゃないだろ!」
 と、額に頭突きされる。
 なんでこう手が早いんだ、うちの母親は……。
「いいんです、お義母さま。
 わたしがだんな様にそう言って頂きたいのです」
 ベッドの傍にしゃがみ込む、僕のエミュネスタ。
「あらら、いまそんなに甘やかしてたら、後から大変だよ?
 この子、亭主関白になるから」
 意地悪く母さんが言う。
 だけど、うちの嫁はー。
「それで、わたしがいいんです。
 それでこそ、だんな様ですから」
 はあ……
 母さんは大きいため息をついた。
「で、さっきの続きは?」
 そうですねー、とエミュネスタは僕を見て少し考えてから。
「お兄様には到底かないませんけど。
 でも、身を張って戦いますかね……だんな様を守りたいから」
「それでさ。
 由樹が目覚めさせるんだよ。
 眠っていた先祖の力を」
「それは都合が良すぎでしょ、母さん」
「だって、今時のアニメとかならこんなもんでしょ?
 軽いノリで無双とか無敵に近い力を瞬間的に発動させてー」
「ルシアンお兄様は、敗北するわけですね?」
 そうそう、よくわかってんじゃん!
 と母さんはおおはしゃぎだ。
「でもだんな様は動けなくなってますから、わたしが抱きしめてあげてー」
 おい、ちょっと待て。
「え、僕が抱きしめる場面でしょ、そこ?」
 僕の抗議は二人に無視されて、母さんがまた主導権を握ろうと話出す。
「それでもいいかもしれないけど
 それでこう言うんだよ。こんな情けない男でも、嫁に来てくれるかい?
 幸せにできるかどうか、わからないけどって」
 あら、とエミュネスタは意外そうな顔をする。
「だんな様、そこは僕が必ず守ってみせるから。
 一緒に、御両親にご挨拶に行こうって」
「あらーエミュネスタちゃん。
 だめだって、こいつそこまで男気ないから」
 と、母さんが僕をコケ降ろす。
「そんなことないですよ、お義母さま!
 だんな様は必ずそう言って下さいます!」
「いやいや、そんなことないって。
 ねえ、由樹?」
 母さんが顔を近づけてきた。
 ああ、面倒くさい!
「そんなことありますよね、だんな様!?」
 お前もかよエミュネスタ!!!
 二人の大蛇に睨まれてる気分だよ、まったく……。
「僕は、どっちも言わない」
 そう言うと、二人は呆れた顔と悲しい顔を同時に浮かべた。
「えー!!!!
 あんたそんなセリフも言えない訳?!」
「ひどいですわ、だんな様!
 わたし、身を挺してお守りしたのに!!!」
 いや、それ物語の中の話でしょ……。
「僕なら、こう言う」
「へーなんて言うのさ」
「聞きたいです」
 本当に、反応のいい二人だよ。
 いつからそんなに仲良くなったのさ。
「すまなかった。
 最初は守ってやれる自信がなかったんだ。
 でも、これからは違う。
 謝るよ。こんな僕でも良ければ、結婚してくれないかってさ」
 精一杯、カッコつけてやった。
 だけど、二人の反応はまるっきり良くなかった。
「はあ?
 それアメリカ映画のラストじゃん。
 アニメやラノベじゃないでしょ!?」
「ラノベの主人公になった気はないよ」
「でもさあ、流行りってやつがーねえ、エミュネスタちゃん?」
 と、相槌を求めるように母さんはエミュネスタを見る。
「そうですねえ……。
 だんな様にはもっと男らしくなって頂きませんと」
「なら、あれだね」
 嫌な予感がする。
「はい、お兄様に今すぐにでも連絡をー」
 ほら来た。
 なんて固い女の結束。
「あーもう、いいよ。
 わかったから!!!
 母さんどいて!
 エミュネスター」
 と、僕は母さんをごろん、と押し退ける。
「はい、だんな様」
「とりあえず、朝ごはんにしようか」
 渋々と会話を終わらせられた母さんとエミュネスタはそれに従ってくれた。
 はあ……。
 僕はため息をつく。
 さっきの物語の内容なら、僕は最終話では命を失うか、孤独に全部を無くすか。
 どちらかしか選択肢がないのを、二人はまだ読めないんだろうな。
 どちらにせよ。
 その小姑、要注意につき、だね……。
 
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