竜姫からの招待状

星ふくろう

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第四章 平穏な日常とドラゴンプリンセス

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 あのコタツ事件のあと、冬休みまでは数日あり、もう、クリスマス・イブ。
 そんな日の夜だった。
 母さんが恋人のたかしさん、という人を連れて僕たちの家を訪れたのは。
「え!?
 母さん、どうしたの??」
「あー……ごめん、ね?
 二人に紹介したくて、あたしのーー彼氏」
 という会話から、その夜は始まった。
 母さんがたかしさんを連呼するその男性。
 まだ二十代後半に見えるスーツ姿の社会人。
 よくよく名前を聞いてみると、瀬尾 隆せお たかしという名前だった。
 34歳の母さんよりも若い、28歳。
 仕事先で知り合ったというから、外務省関係の公務員なのかなと思って聞いてみたらそうだと言われた。
 母さんはこの西日本の地方都市の一角にある、パスポート発行をするセンターの事務員をしている。
 多分、そこで知り合ったのだろう。
 夕食を嬉しそうにつくる母の姿を見ていて、僕はちょっと複雑だった。
 母さんは足のケガの後遺症が残っている。
 常に片足をひきずるように歩いていて、それは見ていて悲しかった。
 エミュネスタはその怪我なら竜族の医療技術ならすぐ治る。
 そう、提案したけれども。母さんはそれをずっと拒否していた。
 理由は、自分が竜族の加護を受けた時ー‥‥‥。
 世間はただでさえ、竜族と結婚した人間に対して厳しい。
 良い視線もあれば、悪い視線もある。
 その多くが週刊誌なんかのゴシップネタに使われている。
 僕もエミュネスタも何度となく、隠し撮りや記者からの突撃取材を受けた。
 このマンションのことなんて、多くの人がもう知っていて、ある意味観光名所のようになった時期もある。
 母さんは、その特別待遇を嫌った。
「あたしが、竜族の特別待遇を受けるならさー、ねえ、リポータさん。
 もし受けるなら、人類全体が受けるべきだと。
 そう思わない???」
 そう、生放送で問われた時に毅然と答えていた。
 それは偽善だの、売名行為だのと騒がれたりもした。
 まあ、ご近所さんはおおむね好意的だし、僕たち二人の部屋と母さんのマンションの部屋。
 ここにはエミュネスタの実家。ホルブ王家直属の護衛が24時間態勢で警護してくれているらしい。
 妙な騒動に巻き込まれることは、少なかった。
 あるとすれば、この前、見事にエミュネスタを着物ってエサで釣り上げた高木さんくらい。
 あの時は、人間に物で釣られるドラゴンってどんなだよ。
 なんて気分になったけど。
 まあ、いざ配達されてきたものを、母さんに頼んで着付けをしてもらった妻はとても美しかった。
 僕の怒りというか、あの請求額を見て絶句した悲しみはそれでほとんどまかなわれた。
 さて‥‥‥僕はどうにもこの男性、母の恋人が苦手だった。
 いや、初対面から苦手っていうのも相手に対しては失礼かもしれない。
 でもなんていうかなあ‥‥‥。
 そう、虫が好かないというか。感性が合わないというか。
 普段は見せない僕のそんな一面をエミュネスタと母さんは理解していたみたい。
 二人とも微妙な顔つきをしていた。

 あの夜。
 テーブルにエミュネスタと母さんが作ってくれた料理が並び、それはとてもおいしそうだった。
 僕たちは最低限の挨拶だけ交わして食事を始める。
 母さんと隆さんはビールを。
 僕はジュースで、エミュネスタはどこから取り出したのかドラゴンエールを‥‥‥
「あ、お前。
 それ飲んだらまたーー」
 慌てて僕が止めようとすると、彼ー隆さんの制止が入る。
「まあ、いいじゃないか、由樹君、だっけ?
 奥様は竜族なんだし、人間の常識を押し付けなくてもーー」
 ようは未成年者の飲酒を僕が止めようとしたと勘違いしたらしい。
 だけど、そんな場合ではなかった。
 あれからドラゴンエールと僕が名付けた竜族の酒。
 ルシアン義兄さんが定期的に来ては置いて帰る置き土産。
 これはだめなんだ。エミュネスタは本当に、アルコールに弱い。
 ビール程度なら平気だけど。このドラゴンエールは周りが早い。
 なんども飲んで、何度も二日酔いになる。その前に、大体、笑いだしてからぶっ倒れる。
 翌朝には元に戻らない。目覚めてから、一時間程度のアルコールの消化時間が必要になる。
 酔っ払いを嫁にしたつもりはないから、僕は彼の制止を無視してさっさと妻のコップを取り上げた。
「あーーーーっ!?
 ひどい、旦那様!!
 エミュネスタのお酒とったーーー」
 たった一杯で普段の奥ゆかしい? 我がドラゴンプリンセスは何処に行ったのやら。
 そんな状態になってしまう。これを客人がいる前で止めない夫がいたら教えて欲しいものだ。
「おい、由樹君。
 それはないだろう、返してあげなさい」
 そう、隆さんは年上らしく言う。
 だが、これに僕はカチンと来た。
「だんな様、エミュネスタのーー
 返して下さいーー」
「だめ、だ。
 明日学校だろ?
 また、二日酔いで休みつもりか?
 僕はもう看病する気はないぞ」
 そう言って、瓶ごとそれを取り上げる。
「やれやれ、由樹君は本当に亭主関白なんだなあ。
 麻友さんから聞いていた通りだ。
 なかなかに頑固らしい‥‥‥」
 そう言いながら、自分はビールの二本目を開けて飲みだしている。
 ここは僕の家なんですけどね、隆さん。
 そう言いたいのを、ぼくはぐっと我慢した。
 母さんがこっちを心配そうに見ているからだ。
「ほら、水飲んで。
 はやく消化しなさい、そのアルコール。
 お客様の前で失礼だろう?」
 僕がそう言うと、妻もまだ理性は残っていたらしい。
 はーいー、とだらしなく返事をするとしばらく目を閉じてなにかを体内でしているようだった。
 やがて目を開けた時の彼女は普段の妻に戻っていた。
「すいません、だんな様。
 お客様の前で‥‥‥恥ずかしいところをーー」
 そうしおらしく謝るが僕はまだ不機嫌だった。
 ついつい、それが言葉に出てしまう。
「別にいいけどね、お前。
 最近、ちょっとお酒に遊ばれ過ぎじゃないか?」
 そう叱ると彼女は申し訳なさそうにうつむいてしまう。
 エミュネスタが酒に逃げるように飲む時は、決まってルシアン義兄さんがやってきた後、数日間だった。
 最初は義兄さんと僕の仲が良くなることに嫉妬でもしているのかな?
 そう思っていたが、どうもそうではないような気が、ここ最近の訪問を経験して僕にはしていた。
「お前、そう飲まなければいけないことでもなにかあるのか?」
 試しに聞いてみてもうちのドラゴンプリンセスは口を割らない。
 頑固さにかけては母さんや僕にも劣らないから彼女だ。
 しばらくして、この件問い詰めても無意味だと僕は悟るようになった。
「いいよ、今夜はビールにしておきなさい。
 隆さん、それ頂いてもいいですか?」
 そう、僕は彼に尋ねると、
「なら由樹君も飲めばいいじゃないか、夫婦仲良く、さ?」
 と、大人にあるまじき発言と共にビールの缶を二本寄越してくる。
 その常識のなさに僕は呆れそうになった。
 そして母さんを見る。
 本当にこんな人で、大丈夫なの? と。
 母さんは苦笑している。
 まあ、惚れやすい女性だから‥‥‥。
 責めても仕方ないんだけどね。
 でも、僕はもう我慢できなかったからついついと、言ってしまった。
「あの、隆さん。
 いえ、瀬尾さん。
 僕と家内はもう夫婦ですが、まだ未成年なんです。
 仮にも公務員ですよね?
 こういうの、やめてもらえませんか?」
  ついつい強い口調になってしまった。
 彼はおやおや、と面白そうに笑い、
「あー……確かにそれはそうだね。
 これは悪かった」
 そう言って、ビールを引き上げてくれた。
 まあ、エミュネスタは既に貰って開けていたけど。
 横目で睨みつけたらしまった、という顔をしていた。
 怒りがおさまらずその矛先はついついエミュネスタに向かってしまう。
「お前、最近、酒に酔いすぎだ。
 そんなにおぼれたいなら好きにしたらいい。
 それとも、ルシアン義兄さんが来るのが気に食わないなら。
 もう呼ばなくていいし、来てもらうこともないようにしよう。
 何が気に入らないかしらないが。
 僕に言えない何かがあって、酒に逃げるならしばらく実家に帰りなさい」
「そんな、だんな様。
 エミュネスタだってこんなことーー」
 慌てて、ビールから手を離してエミュネスタは僕を見る。
「こんなこと?
 何度注意したと思ってるんだ?
 あれだけ、ドラゴンエールはやめろって言ってあるのに。
 なんで、お客様の前で飲むような真似をするんだ?
 あんな情けない酔った姿を、他人には僕は見せたくないよ?」
 飲むなら僕と二人だけの時にしてくれ。
 そういう意味で言ったつもりだった。
 ところがこの時の妻には別の意味に聞こえたらしい。
 気に入らないなら出ていけーーと
「あーそうですか。
 わかりました。そう言われるならエミュネスタにも考えがあります」
「え?」
 この答えを予測していなかった僕は反応に遅れてしまった。
「実家に戻れと言うなら、戻らせて頂きます!!!
 不出来な嫁ですいませんでしたっ!!!」
 そういうと彼女の周囲に陣の様なものが展開される。
 あ、まずい。
 これは何度も見た、転送用の円陣だ。
 中にあるものを全部、別の場所に移動するやつーー
 竜族の技術に関して、母さんが僕をルシアン義兄さんに売り渡して以降‥‥‥
 僕は週に3日は王宮に呼ばれて、あちらの文化だの、歴史だの、技術だの、戦い方だのーー
 人間が肉弾戦で竜族にかなう訳ないのに、と思いながら叩き込まれてきたお陰だった。
 エミュネスタは椅子を円陣からだし、何も巻き込まない状態で消えようとしていた。
 この技術を起動し、効果が発動するまでにかかる所要時間はおよそ10秒。
 それを理解した時にはもう、残り5秒もなかった。
「母さん、ごめん!!!!」
 それだけ叫ぶと、僕は円陣からはみ出さないようにエミュネスタに抱き着いてやる。
「え、だんな様。
 やだーでてーー」
 多分、そこで母さんと隆さんが見て聞いた部分は途切れたはずだ。
 僕とエミュネスタはどこに向かうともしれない転送で、その場からかき消えたのだから。
 後から、部屋に設置して録音用機能防犯ビデオを再生してみた僕が聞いたその後の会話はーー
「えー‥‥‥麻友さん、消え、ちゃった‥‥‥よ???
 どうするの、これ」
 隆さんが驚きの余り、事態が把握できないと言うように母さんを見ている。
「まー大丈夫でしょ。
 ほっといても。
 ねーそれよりさ、たかし。
 今夜はもうあの二人も帰ってこないかもだしーー」
 隣室の母さんのマンションの部屋にそそくさと出ていく二人の姿と会話がそこにはあった。
 そして僕はというとーー



「わあああああ!!??
 なんだよ、これーーおーい、お前。
 どこ飛んでるのさ!??」
 いきなり移動した先は天空の一角。
 雲間に都会の灯りが見えるあたり、どうやら地上のどこからしい。
 そしてーー
「なにか文句ありますか、だんな様?
 いやなら、実家に戻られてもいいんですよ、エミュネスタは??」
 そんな怒りの声が足元から声が聞こえてくる。
 そう、我が妻は‥‥‥。
 ドラゴンプリンセスの名にふさわしくーー
 人間から本来の竜へと戻って、天の海を泳ぐように飛んでいた。
 西洋のドラゴンのような翼と姿を持ち、何よりも全身を覆ううろこは銀色に輝いていて。
 まさしく、竜族のお姫様にふさわしい光景だった。
 でも彼女は意地悪く、いきなりその飛ぶ角度を変えた。
 おかげで僕は天空に放り出されてしまう。
「ちょっと、僕はまだ飛べない――!!!」
 その悲鳴を上げた後だった。
 いきなり落下が止まった。
 ああ、これは妻の能力だね‥‥‥僕はそう理解した。
 そして、エミュネスタは静かに言う。
「だんな様。
 これがエミュネスタですよ。
 これでも、お嫌いですか?」
 --と。
 目を開けた僕の前には全長25メートルはあろうかという、巨大な銀色の翼竜。
 そして、僕の愛する、僕だけの竜姫様。
 彼女は寂しそうな顔をして言う。
「そんなわけないだろ?
 こっちにおいでよ」
 そういうと、エミュネスタは不満はありそうだったけど。
 そばに来てくれた。
 僕は彼女にそっと顔を近づけて、彼女の鼻先になるのかな?
 そこを抱きしめて、僕は長いキスを交わした。
 いつからか彼女は人間の姿に戻っていたけど。
「愛してるよ、僕だけのエミュネスタ」
「わたしもです、由樹」
 僕たちに余計な会話が要らなくなったのはこの頃かな。
 そしてーー
 あまりものその美しさと情景と、全てに酔った僕はついつい、許してしまった。
 転送で自宅のベッドに戻り、彼女がこれまで望んできたこと。

 二人だけの、肉体の繋がりを持つこと。
 それは人には言いたくない、僕らだけの秘密の夜。
 肉体を通じて得る愛情を言うものを、僕が初めて知った夜だったーー

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