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第五章 アリアと闇の妖精たち
見知らぬ来客
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あれから、数か月が経過した。
異世界の神様たちや、旦那様の友人どもの面倒くさい襲撃に、たまに遭遇したけれど。
まあ、それも笑って許せる範囲のことだったから、あまり気に病むこともなく人生は好転しかけたかなー、と思っていた矢先。
ある日――彼女たちはやって来た。
「奥様――!」
「はい、どうしたのニーエさん?」
どこか遠慮がちになりながら、侍女長の風の精霊、ニーエさんが声をかけてくる。
その時、わたしは城内の図書館に入り浸っている時期で、水の精霊王に関する歴史を調べている真っ只中だった。
「奥様、お勉強の最中に大変申し訳ないのですが、来客がいらしておりまして」
「来客? 旦那様はどうしたの」
エバース。彼はどうしたのだろう。
城の大広間で家臣たちとともに『公務』とやらに励んでいるはずなんだけど。
少し嫌味を込めて心の中でそう呟く。
多分この心の声は、旦那様の元に届いているはずなので、遠慮なく言ってみた。
同時に、ニーエさんもある程度は聞こえるということを知っていたわたしは、目の前で苦笑する彼女に意地悪く微笑んで見せる。
「精霊王様は、西の大陸の魔王様と歓談中ですので」
「西の大陸? へえ‥‥‥西とは真反対にある北の大陸の、更に北端にある我が国までいらっしゃるなんて……」
「先代の魔王様がお亡くなりになられて、新しく魔王を襲名をされたとか」
「それならあまり変なことを風にのせて伝えない方が……いいかもしれないわね」
「ええ、そうですね」
苦笑するニーエさん。
結婚の披露宴に異世界から神々や魔王たちが訪問された。
しかし、この世界の魔王たちの多くは地下の魔界に住んでいて、使者がいらした覚えがある。
神様の結婚式に敵対勢力である魔族の王が祝いの使者を遣わす、なんて唖然としたものだけれど、彼等の世界ではそういったこだわりは特にないらしい。
元人間だったわたしには、なかなか馴染みがない文化だなって、その時は思ったの。
そして、ニーエさんは来客を待たせるわけにもいかず、代理としてわたしに伺いを立てにきたらしい。
「旦那様がそれだったら仕方ないわね。それで、どんなお客様なんですか?」
「奥様、私に丁寧な言葉は使われても困ります……」
「あっ……ごめんなさい。人間だった時の感覚がまだ抜けなくて」
「いえ、謝っていただくようなことでは……。お早く慣れていただければ助かるのですが」
「善処します。それでお客様は?」
「ああ、はい。西の大陸の北部にあります、ティトの大森林にお住いの妖精族なのですが……」
「南の大陸に続いて西の大陸からも来られたんだ。今日は不思議な日ね、その大森林のことをわたしは知らないのだけど」
「旦那様の友人でいらっしゃる、森の妖精王シュノーベルズ様の御領地ですね、奥様」
もっと詳しく知りたければこの場で検索をなされると良いと思います、と勧めてくれるニーエさん。
旦那様曰く、この図書館は『万能の聖典』とかいう、世界のすべてを網羅した辞書のようなものにつながっているのだとか。
「神様が多すぎて覚えきれないわ。でもまあ……探してみることにします。で、ご用件は何ですか、ニーエさん」
「端的に申しますと、庇護を求めていらっしゃっております」
「庇護? 妖精王様の民なのに?」
「そこは直接、お聞きになられた方がよろしいかと」
「うーん。神様にも縄張りとかあるような気がして怖いわね。問題にならないといいのだけれど」
「では、ご遠慮願いますか?」
「それもそれでエバースを頼って来たのなら、無下にできないから――会うだけはしてみようかな。話だけでも聞いてみましょうか。その前に――森の妖精王様……、と」
わたしは検索を開始する。
この図書館で知識を仕入れるやり方簡単で、自分の知りたい情報や対象となるものを頭の中に念じるだけで必要となるものが提示されていく。
わざわざ本のページをめくったり、別の紙に書き写したりという手間暇を必要としない点はとても便利だった。
そうはいっても、頭の中に直接、情報が入ってくるのは実は、とても怖い。
森の妖精王様、ティトの大森林、西の大陸北部は……エクスロー地方の様々な歴史や文化、そこに住む種族の事に至るまで――わたしはそれほど時間をかけずに知ることが出来た。
「それでは行きましょうか」
「気が重いですか?」
「……ちょっとだけ。エバースがわたしのことを思って色々と助言をしてくれてるのわかってるんですけどね」
「ご旅行の最中に言われるのは、精霊王様にも問題があったかもしれませんね」
苦笑、というより失笑して、わたしたちはその部屋を後にする。
そうなの。
彼があんなにいい雰囲気のなかに、爆弾を放り込むから――わたしはここにいる間、すこしばかり不機嫌なの。
あれは新婚旅行を兼ねて人間界に足を運んだ時の事。
甘えん坊の旦那様の相手をしながら食事を作ったり、彼と一緒の時間を楽しんだり、時には人間界へと足を運び、お忍びで新婚旅行のようなデートを楽しんでいたわたしたち。
わたしにとっては何もかもが初めての経験で、すべてが目新しく映り楽しくて新鮮な時間が過ぎていく。
これから彼と永遠に生きることができるのだと思うと心の底が熱くなるような、そんな素晴らしい体験を過ごしていたのに。
エバースと来たら、ある程度甘えて退屈を知るようになったのか、妙なことを言い出した。
「お前も水の精霊女王になったのだ。いずれは城や、守護するべき土地や、そこに住む民を持つことになるだろうから、歴史を読み解いて学ぶがいい」
「はあ……。勉強、ですか……」
「無理にしろとは言わない。しかし、知ろうとしないことは罪かもしれないね」
「そうですねえ……勉強……」
「やってみて損はないだろう? わたしもそろそろ、公務に戻る必要があるしな」
「数百年規模でパーティーを行う神々に公務なんてあるのかしら?」
「……それは」
「どうかなさいましたか、旦那様」
「いや。最近、言葉に辛辣さが増したのではないかと思ってな」
「お仲間の方々とはいつでも楽しく会話なさっているのに、アリアとの時間を楽しむのはたった数ヶ月で終わりですか」
「そんなことはないと言っているではないか。わたしにとって大事なのお前だけだと――」
「聞き及んだところによりますと、殿方はいつもそう言われるそうですから」
「いや、本当にそんなことはない」
「いえいえ、聞き及んだだけですから。旦那様が妻よりも友人を取るとおっしゃるのなら、それは否定しませんよ。妻ですから」
「アリア、言い過ぎだ。わたしはお前に立派な精霊女王となって欲しいため、苦言を呈している」
などと、もったいぶった口調でエバースがそう言い、私の眷属であるリクウスもそうだそうだと後ろでうなずいていた。
そんな周りの無言の圧力もあり、旦那様の城の中にある図書館へと足を運んだ。
神々の知識というものは人間が想像できるような規模のものではなくて、一体どこまであるのかな? と上を見上げれば天井はなく、下を見下ろせば最下層が見えない、そんな場所。
知識の泉という言葉があるけれど、ここは書籍の泉というか……。
最果てを知ることが出来ない空間だった。
……とまあ、これがさっきまでいた図書館で不機嫌な理由なのでした。
そして、やってきた来客。
彼らは俗に闇の妖精とか、黒き森人とか、邪悪なる森の民とか異名を取る存在。
三人のダークエルフの男女だった。
異世界の神様たちや、旦那様の友人どもの面倒くさい襲撃に、たまに遭遇したけれど。
まあ、それも笑って許せる範囲のことだったから、あまり気に病むこともなく人生は好転しかけたかなー、と思っていた矢先。
ある日――彼女たちはやって来た。
「奥様――!」
「はい、どうしたのニーエさん?」
どこか遠慮がちになりながら、侍女長の風の精霊、ニーエさんが声をかけてくる。
その時、わたしは城内の図書館に入り浸っている時期で、水の精霊王に関する歴史を調べている真っ只中だった。
「奥様、お勉強の最中に大変申し訳ないのですが、来客がいらしておりまして」
「来客? 旦那様はどうしたの」
エバース。彼はどうしたのだろう。
城の大広間で家臣たちとともに『公務』とやらに励んでいるはずなんだけど。
少し嫌味を込めて心の中でそう呟く。
多分この心の声は、旦那様の元に届いているはずなので、遠慮なく言ってみた。
同時に、ニーエさんもある程度は聞こえるということを知っていたわたしは、目の前で苦笑する彼女に意地悪く微笑んで見せる。
「精霊王様は、西の大陸の魔王様と歓談中ですので」
「西の大陸? へえ‥‥‥西とは真反対にある北の大陸の、更に北端にある我が国までいらっしゃるなんて……」
「先代の魔王様がお亡くなりになられて、新しく魔王を襲名をされたとか」
「それならあまり変なことを風にのせて伝えない方が……いいかもしれないわね」
「ええ、そうですね」
苦笑するニーエさん。
結婚の披露宴に異世界から神々や魔王たちが訪問された。
しかし、この世界の魔王たちの多くは地下の魔界に住んでいて、使者がいらした覚えがある。
神様の結婚式に敵対勢力である魔族の王が祝いの使者を遣わす、なんて唖然としたものだけれど、彼等の世界ではそういったこだわりは特にないらしい。
元人間だったわたしには、なかなか馴染みがない文化だなって、その時は思ったの。
そして、ニーエさんは来客を待たせるわけにもいかず、代理としてわたしに伺いを立てにきたらしい。
「旦那様がそれだったら仕方ないわね。それで、どんなお客様なんですか?」
「奥様、私に丁寧な言葉は使われても困ります……」
「あっ……ごめんなさい。人間だった時の感覚がまだ抜けなくて」
「いえ、謝っていただくようなことでは……。お早く慣れていただければ助かるのですが」
「善処します。それでお客様は?」
「ああ、はい。西の大陸の北部にあります、ティトの大森林にお住いの妖精族なのですが……」
「南の大陸に続いて西の大陸からも来られたんだ。今日は不思議な日ね、その大森林のことをわたしは知らないのだけど」
「旦那様の友人でいらっしゃる、森の妖精王シュノーベルズ様の御領地ですね、奥様」
もっと詳しく知りたければこの場で検索をなされると良いと思います、と勧めてくれるニーエさん。
旦那様曰く、この図書館は『万能の聖典』とかいう、世界のすべてを網羅した辞書のようなものにつながっているのだとか。
「神様が多すぎて覚えきれないわ。でもまあ……探してみることにします。で、ご用件は何ですか、ニーエさん」
「端的に申しますと、庇護を求めていらっしゃっております」
「庇護? 妖精王様の民なのに?」
「そこは直接、お聞きになられた方がよろしいかと」
「うーん。神様にも縄張りとかあるような気がして怖いわね。問題にならないといいのだけれど」
「では、ご遠慮願いますか?」
「それもそれでエバースを頼って来たのなら、無下にできないから――会うだけはしてみようかな。話だけでも聞いてみましょうか。その前に――森の妖精王様……、と」
わたしは検索を開始する。
この図書館で知識を仕入れるやり方簡単で、自分の知りたい情報や対象となるものを頭の中に念じるだけで必要となるものが提示されていく。
わざわざ本のページをめくったり、別の紙に書き写したりという手間暇を必要としない点はとても便利だった。
そうはいっても、頭の中に直接、情報が入ってくるのは実は、とても怖い。
森の妖精王様、ティトの大森林、西の大陸北部は……エクスロー地方の様々な歴史や文化、そこに住む種族の事に至るまで――わたしはそれほど時間をかけずに知ることが出来た。
「それでは行きましょうか」
「気が重いですか?」
「……ちょっとだけ。エバースがわたしのことを思って色々と助言をしてくれてるのわかってるんですけどね」
「ご旅行の最中に言われるのは、精霊王様にも問題があったかもしれませんね」
苦笑、というより失笑して、わたしたちはその部屋を後にする。
そうなの。
彼があんなにいい雰囲気のなかに、爆弾を放り込むから――わたしはここにいる間、すこしばかり不機嫌なの。
あれは新婚旅行を兼ねて人間界に足を運んだ時の事。
甘えん坊の旦那様の相手をしながら食事を作ったり、彼と一緒の時間を楽しんだり、時には人間界へと足を運び、お忍びで新婚旅行のようなデートを楽しんでいたわたしたち。
わたしにとっては何もかもが初めての経験で、すべてが目新しく映り楽しくて新鮮な時間が過ぎていく。
これから彼と永遠に生きることができるのだと思うと心の底が熱くなるような、そんな素晴らしい体験を過ごしていたのに。
エバースと来たら、ある程度甘えて退屈を知るようになったのか、妙なことを言い出した。
「お前も水の精霊女王になったのだ。いずれは城や、守護するべき土地や、そこに住む民を持つことになるだろうから、歴史を読み解いて学ぶがいい」
「はあ……。勉強、ですか……」
「無理にしろとは言わない。しかし、知ろうとしないことは罪かもしれないね」
「そうですねえ……勉強……」
「やってみて損はないだろう? わたしもそろそろ、公務に戻る必要があるしな」
「数百年規模でパーティーを行う神々に公務なんてあるのかしら?」
「……それは」
「どうかなさいましたか、旦那様」
「いや。最近、言葉に辛辣さが増したのではないかと思ってな」
「お仲間の方々とはいつでも楽しく会話なさっているのに、アリアとの時間を楽しむのはたった数ヶ月で終わりですか」
「そんなことはないと言っているではないか。わたしにとって大事なのお前だけだと――」
「聞き及んだところによりますと、殿方はいつもそう言われるそうですから」
「いや、本当にそんなことはない」
「いえいえ、聞き及んだだけですから。旦那様が妻よりも友人を取るとおっしゃるのなら、それは否定しませんよ。妻ですから」
「アリア、言い過ぎだ。わたしはお前に立派な精霊女王となって欲しいため、苦言を呈している」
などと、もったいぶった口調でエバースがそう言い、私の眷属であるリクウスもそうだそうだと後ろでうなずいていた。
そんな周りの無言の圧力もあり、旦那様の城の中にある図書館へと足を運んだ。
神々の知識というものは人間が想像できるような規模のものではなくて、一体どこまであるのかな? と上を見上げれば天井はなく、下を見下ろせば最下層が見えない、そんな場所。
知識の泉という言葉があるけれど、ここは書籍の泉というか……。
最果てを知ることが出来ない空間だった。
……とまあ、これがさっきまでいた図書館で不機嫌な理由なのでした。
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