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第五章 アリアと闇の妖精たち
アリアと世界の扉
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「参ります!」
大きな声がはっりとした意志と共に叫ばれた。
そこには故郷を思う一人の少女の意志がありありと見て取れた。
王女とか地位とか名誉とか。
そんなものはどうでもいい。ただ自分の故郷を救ってくれると知って、これを逃したら二度と訪れないかもしれない。
手放してはならないチャンスを逃すまいと、彼女の表情は必死になっていた。
「そう、ではどうしますか?」
「それは……」
ライシャはチラリと後ろを振り返って、ルイを見ていた。
老爺はまだ反対する気だとわたしにもそれは見て取れて、どうやら妖精王様はこの老人を意見役としてライシャの旅に同行させたみたい。
でもねえ、とも思ってしまう。
王の娘と助けを呼ぼうとする使者がたった三人でやって来れるものなのかしら?
そんな当たり前の疑問すら湧き上がるほどだ。
「なりません、姫。我らが王は古代神の血筋。そのような新しき神の裾野に捕まるなど!」
「……捕まえてはいないけど。言葉の発音が間違えていますよあなた、ルイでしたか。翻訳する魔法もこの城のなかではうまく機能しないようですね。妖精王様のお力もここまではそうそう、届いては来ないというところでしょうか」
「何という不遜な!」
「不遜でもなんでも結構です。行くと決めたら行きますし、部下になるつもりが無いのなら、貴方たちは自分の力で戻ればよろしいでしょう。違いますか?」
「交換条件とは卑怯ではないですか! まさか風の精霊王は我が土地を陥れるおつもりか」
「陥れるって……はあ……あのですね、ルイ殿。わたしはライシャ様に話をしております。それに陥れるとは聞き捨てなりませんね。そちらから与える情報は少ない。こちらで調べが付くことも少なく、あの大広間にいた、神々の誰しもが先行き不安なこの案件に手を出したくない。だからこそ、わたしに問題を振ったことも理解しています。その中で配下に下るように命じたのが気に入りませんか。ならお好きになさい」
そこまで言ってわたしは席を立ち上がった。
陥れる?
よくもまあ言ってくれたものだ。
そんなふうに思われているのならもうこちらから協力する必要はない。
必要もないし、彼女たちを受け入れようとするのがそう見えるのなら。
何もわざわざこちらの中に取り込むこともないのだ。
妖精王の森の一部をわたしの土地にする……そこまでは考えてなかったなあ。なんてぼやきながら、その場を後にしようとすると追いすがるのは誰でもない。
ルイでもなく、もう一人の侍女でもない。
ダークエルフの王女がどうかご一考下さいと、その場に頭を伏せていた。
これはちょっとだけ意外だったかもしれない。
「お待ちください……我が女王……」
「? 女王? あなたの主は妖精王様だけだと、後ろのルイ殿はおっしゃっているようですよ」
「お願いですから、どうか……お怒りをお諫めください。我が……女王陛下」
「姫様!」
ライシャが覚悟を決めてそう漏らした途端、間に割って入ってくるのは小うるさい、老爺が一人。
自分の主がそうだと決めたのだから黙って従えばいいのに。
彼はまだ納得がいかないのか、自分の姫をなんとか説得しようと考えたのか。
そのまま立ち上がり、ライシャに向けて歩もうとする。
一歩進んだ時、なぜだろう。
どうにも嫌な予感がして、わたしは左手をさっとあげていた。
それは周りにいてわたしを警護している衛士に向かってだったけど。
彼らはわたしの合図を見て素早い動きで老ダークエルフの動きを制止する。
くっ、と小さく歯噛みしてルイはその場に佇んでいた。
「……妖精王の部下であるこのわしに、刃をむけなさるのか、水の精霊女王陛下」
「不思議ですねー。別にそうしようと思ったわけではありませんが、あなたからは怪しくて禍々しい気配が漂っているような気がします。ダークエルフとはそのような、負の瘴気をまとって存在するものだったでしょうか」
「ダークエルフにも様々な場所に住む者がおりますのでな。わしらにとってはこれが普通の姿でもあります」
「なるほど。光の世界ではなく闇の世界。魔に近い存在でも、妖精王様は自分の配下に加えたと。そういうことですか。もしそうなのであれば、聞こえてきた魔族や竜族との争いにも、大きな裏側があるような気がしますね。これはぜひ確かめなくても」
「……それを確かめてどうなさる? いずれ、ゆくゆくは領地を持たないあなた様の支配地になさるおつもりか」
「えー……」
ここで意外に質問されて素が出てしまった。
支配者という立場にどうにも慣れることができないのよね。
「返答はいかに」
「返答も何も、遠い土地の民が困っていて、しかし周りの神々はその一件に手を触れたくないと考えている。ついでに他の大陸の神すらもあなたたちのことには関わりたくないと言う。それは古い神々のしがらみがそうさせているのかも、しれませんね。そして最近。本当につい数ヶ月前。神になった新人の精霊女王がここにいて、たまたま助けを求める声を聞いて、その土地を奪ってやろうと考える、かあ……まあ、悪い判断ではないかも?」
「なんですと!」
「あのねーすぐにそうやって声を荒げるから、あなたのお姫様も、地位の低い者とか身分が低い者に対して高圧的に出るような生き方を、覚えたんじゃないんですか?」
「それは今、関係ないでしょう」
「関係ないんですけど、そんな目を向けられる方と仲良くしようとは思いませんよね。ついでに言うと、わたしの配下には、古代魔導帝国の最終兵器と呼ばれた異世界の炎の魔神イフリーテもいれば、金麦の竜王エバーグリーンも、その妻である炎の女神ラズ・シェイラ様も深い仲ではあるわけで。もっと簡単に言ってしまえば、武力によってあなた達の土地を助け、そのまま庇護という名目の侵略もできるわけですが」
「やはりそれを望んでおるではないか」
「いいからちょっと聞いてくださいよ。もう、口うるさいおじいちゃんは何でこう、人の話を聞かないかなあー」
ちらりと隣に立つ四本足の白馬を盗み見ると、彼は嫌な顔をしてわたしをにらんでいた。
こんなこと言わなくてもいいじゃないかと、そんな感じに見えた。
なんとなく面白いからこの話は後からまた後からことにしよう。
「と、年上に向かってなんと無礼なっ!」
「年配の方に向かって失礼なことを申し上げているのは理解しておりますけど、物騒な雰囲気を出すことはやめていただきたいと思いますね。自分の仕える姫を殺そうとする貴方を、アリアは恐ろしく感じます」
「な、何のことだか分かりませんが」
「別にいいのですよ。この場で拘束して、その懐中にお持ちの物を調べることも簡単なのです。ルイ殿、あなたについては色々と詳しく調べる必要があるようです。ですがその前にライシャ様。変な話ですが、共に来るのであれば早く決めてください。あちらについてから嫌だと言われても別には怒りはしません。故郷に戻りたければそれを手伝いましょう。全ては着いてから決められても結構ですよ」
「女王陛下……しかし、それでは何もかもがバラバラになってしまいます。この場での我が臣下、ルイの無礼な行いといい、先ほど陛下はおっしゃいました。臣下に加わるのであれば、連れて行く、と」
言ってることが無茶苦茶です。
たぶん彼女はそう言ったかった。たぶんそうだろう。そしてそれは間違ってない。
間違ってないけど、急がないと閉じてしまうのよね。
世界と世界をつないでいる、彼女たちの故郷に続く魔法の穴。
それが閉じてしまうのだ。
大きな声がはっりとした意志と共に叫ばれた。
そこには故郷を思う一人の少女の意志がありありと見て取れた。
王女とか地位とか名誉とか。
そんなものはどうでもいい。ただ自分の故郷を救ってくれると知って、これを逃したら二度と訪れないかもしれない。
手放してはならないチャンスを逃すまいと、彼女の表情は必死になっていた。
「そう、ではどうしますか?」
「それは……」
ライシャはチラリと後ろを振り返って、ルイを見ていた。
老爺はまだ反対する気だとわたしにもそれは見て取れて、どうやら妖精王様はこの老人を意見役としてライシャの旅に同行させたみたい。
でもねえ、とも思ってしまう。
王の娘と助けを呼ぼうとする使者がたった三人でやって来れるものなのかしら?
そんな当たり前の疑問すら湧き上がるほどだ。
「なりません、姫。我らが王は古代神の血筋。そのような新しき神の裾野に捕まるなど!」
「……捕まえてはいないけど。言葉の発音が間違えていますよあなた、ルイでしたか。翻訳する魔法もこの城のなかではうまく機能しないようですね。妖精王様のお力もここまではそうそう、届いては来ないというところでしょうか」
「何という不遜な!」
「不遜でもなんでも結構です。行くと決めたら行きますし、部下になるつもりが無いのなら、貴方たちは自分の力で戻ればよろしいでしょう。違いますか?」
「交換条件とは卑怯ではないですか! まさか風の精霊王は我が土地を陥れるおつもりか」
「陥れるって……はあ……あのですね、ルイ殿。わたしはライシャ様に話をしております。それに陥れるとは聞き捨てなりませんね。そちらから与える情報は少ない。こちらで調べが付くことも少なく、あの大広間にいた、神々の誰しもが先行き不安なこの案件に手を出したくない。だからこそ、わたしに問題を振ったことも理解しています。その中で配下に下るように命じたのが気に入りませんか。ならお好きになさい」
そこまで言ってわたしは席を立ち上がった。
陥れる?
よくもまあ言ってくれたものだ。
そんなふうに思われているのならもうこちらから協力する必要はない。
必要もないし、彼女たちを受け入れようとするのがそう見えるのなら。
何もわざわざこちらの中に取り込むこともないのだ。
妖精王の森の一部をわたしの土地にする……そこまでは考えてなかったなあ。なんてぼやきながら、その場を後にしようとすると追いすがるのは誰でもない。
ルイでもなく、もう一人の侍女でもない。
ダークエルフの王女がどうかご一考下さいと、その場に頭を伏せていた。
これはちょっとだけ意外だったかもしれない。
「お待ちください……我が女王……」
「? 女王? あなたの主は妖精王様だけだと、後ろのルイ殿はおっしゃっているようですよ」
「お願いですから、どうか……お怒りをお諫めください。我が……女王陛下」
「姫様!」
ライシャが覚悟を決めてそう漏らした途端、間に割って入ってくるのは小うるさい、老爺が一人。
自分の主がそうだと決めたのだから黙って従えばいいのに。
彼はまだ納得がいかないのか、自分の姫をなんとか説得しようと考えたのか。
そのまま立ち上がり、ライシャに向けて歩もうとする。
一歩進んだ時、なぜだろう。
どうにも嫌な予感がして、わたしは左手をさっとあげていた。
それは周りにいてわたしを警護している衛士に向かってだったけど。
彼らはわたしの合図を見て素早い動きで老ダークエルフの動きを制止する。
くっ、と小さく歯噛みしてルイはその場に佇んでいた。
「……妖精王の部下であるこのわしに、刃をむけなさるのか、水の精霊女王陛下」
「不思議ですねー。別にそうしようと思ったわけではありませんが、あなたからは怪しくて禍々しい気配が漂っているような気がします。ダークエルフとはそのような、負の瘴気をまとって存在するものだったでしょうか」
「ダークエルフにも様々な場所に住む者がおりますのでな。わしらにとってはこれが普通の姿でもあります」
「なるほど。光の世界ではなく闇の世界。魔に近い存在でも、妖精王様は自分の配下に加えたと。そういうことですか。もしそうなのであれば、聞こえてきた魔族や竜族との争いにも、大きな裏側があるような気がしますね。これはぜひ確かめなくても」
「……それを確かめてどうなさる? いずれ、ゆくゆくは領地を持たないあなた様の支配地になさるおつもりか」
「えー……」
ここで意外に質問されて素が出てしまった。
支配者という立場にどうにも慣れることができないのよね。
「返答はいかに」
「返答も何も、遠い土地の民が困っていて、しかし周りの神々はその一件に手を触れたくないと考えている。ついでに他の大陸の神すらもあなたたちのことには関わりたくないと言う。それは古い神々のしがらみがそうさせているのかも、しれませんね。そして最近。本当につい数ヶ月前。神になった新人の精霊女王がここにいて、たまたま助けを求める声を聞いて、その土地を奪ってやろうと考える、かあ……まあ、悪い判断ではないかも?」
「なんですと!」
「あのねーすぐにそうやって声を荒げるから、あなたのお姫様も、地位の低い者とか身分が低い者に対して高圧的に出るような生き方を、覚えたんじゃないんですか?」
「それは今、関係ないでしょう」
「関係ないんですけど、そんな目を向けられる方と仲良くしようとは思いませんよね。ついでに言うと、わたしの配下には、古代魔導帝国の最終兵器と呼ばれた異世界の炎の魔神イフリーテもいれば、金麦の竜王エバーグリーンも、その妻である炎の女神ラズ・シェイラ様も深い仲ではあるわけで。もっと簡単に言ってしまえば、武力によってあなた達の土地を助け、そのまま庇護という名目の侵略もできるわけですが」
「やはりそれを望んでおるではないか」
「いいからちょっと聞いてくださいよ。もう、口うるさいおじいちゃんは何でこう、人の話を聞かないかなあー」
ちらりと隣に立つ四本足の白馬を盗み見ると、彼は嫌な顔をしてわたしをにらんでいた。
こんなこと言わなくてもいいじゃないかと、そんな感じに見えた。
なんとなく面白いからこの話は後からまた後からことにしよう。
「と、年上に向かってなんと無礼なっ!」
「年配の方に向かって失礼なことを申し上げているのは理解しておりますけど、物騒な雰囲気を出すことはやめていただきたいと思いますね。自分の仕える姫を殺そうとする貴方を、アリアは恐ろしく感じます」
「な、何のことだか分かりませんが」
「別にいいのですよ。この場で拘束して、その懐中にお持ちの物を調べることも簡単なのです。ルイ殿、あなたについては色々と詳しく調べる必要があるようです。ですがその前にライシャ様。変な話ですが、共に来るのであれば早く決めてください。あちらについてから嫌だと言われても別には怒りはしません。故郷に戻りたければそれを手伝いましょう。全ては着いてから決められても結構ですよ」
「女王陛下……しかし、それでは何もかもがバラバラになってしまいます。この場での我が臣下、ルイの無礼な行いといい、先ほど陛下はおっしゃいました。臣下に加わるのであれば、連れて行く、と」
言ってることが無茶苦茶です。
たぶん彼女はそう言ったかった。たぶんそうだろう。そしてそれは間違ってない。
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