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第五章 アリアと闇の妖精たち
白銀の鷹
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◇
「先遣隊、ではありませんでしたかな?」
白馬がなにやらうめくように苦言を呈してきます。
「そうね。先遣隊、名ばかり?」
先遣隊とか言いながら共に来ているわたし。
ええ、じっとしているのが嫌いなの。
第一、人の王のように部下とあまり変わらない魔力とか防御の才覚をもつならともかく、最大の神力を持つ精霊王や精霊女王が、一番最初に現地に赴いて滅ぶようであれば……?
「陛下、自重というものが足らないかと」
「うるさいおじいちゃんは黙りなさい。わたしがここにきて滅ぶようならば、誰が来ても同じなのです」
「争いを起こすことを前提に行動しないで頂きたい!」
ああ、そうね。
それは正論で間違いない一言だけど。
先程あったことをもうお忘れですかと周囲の守りを固める部下たちが同様に渋い顔をする。
みんなで責めることないじゃない……。
なんとなく罪悪感をもってその場に立ち尽くしていたら、ほら行きますよとリクウスが背中を鼻先で押してくる。
その背中に乗せなさいよ、主人を!
「入口を開ける場所はここでよかったの?」
「それはあちらの二人に確認するべきかと」
「ああ、そうね」
と、ライシャとエステラに目をやると、二人はここで間違いないと頷いて返した。
ふーむ。
いま立っている場所はシェス大河と呼ばれる大陸を縦断する大河の支流の一部。その断崖絶壁の上にある岩山のほぼ山頂付近。
周囲には雲を突くような高山が広がっていて、眼下には大樹がこれでもかと生い茂り、その先端から根を生やす大地まではそれだけで数十メートルはあるように見て取れる。
これがティトの大森林、ね。
故郷の雪と氷に閉ざされた王国の光景からは想像もつかない、むせ返るような濃い大気と目を焼くような緑林が視界を一面に覆い尽くす。
そして何より、そこに広がる左一面を塗りつぶした灰色と黒の裾野。
あれはつまり……。
「ライシャ。もしかしてあれがあなたたちが言っていた、戦場?」
「……はい、陛下。さようでございます……」
ルイのことといい、戻ってみたら故郷はこんなに様変わりしている光景といい。
彼女とエステラにはこの場所に立って目にしたものが何よりも辛かったのだろう。
エステラは目を「森が、我らの大森林が……」、なんて悲し気に言うと泣き始めてしまったもの。
元々、どれほどに広い森林だったのか。
視界に広がる緑の裾野のうち、約二割程度が焦土と化していた。
前に立つリクウスも苦し気にこれぼどまでとは、なんて寂しそうに言っているし。
「ひどいの?」
「ひどいというほどではありませんが、しかし、森林の面積が目に見えて減っておりますな」
「それはいつと比べての話?」
「おおよそ、二千年……しかし、その時でもまだ、この倍は緑が残っていた」
「王国に焼かれたのです」
王国。
聞いたところによると、人の王国がその面積を広げてきたのだとか。
もちろん、図書館でそれなりの事前調査を済ませてきたし、その前に本当の先遣隊をすでに派遣して辺り一帯の安全は確認してある。
そうでもしなければ、あの心配性の旦那様が危険な敵地に妻を向かわせるはずがないのだ。
旦那様といえば、余計な方も、一人も付いてきているけれど……。
「レブナス、でしたかライシャ」
「はい、女王様」
「聞き及ばない国名ですな」
「リクウスは妖精の国に長くいすぎたのよ。更にその後ろにはこの二百年ほどの間に、西の大陸と東の大陸全土を接収するくらい巨大な勢力がいて……勉強したの? 資料は渡したでしょう」
「さて、なんのことやら」
自分には関係ない事とそっぽを向く白馬はまさしく自由気ままだ。
わたしに自重しろと苦言を呈しながら、自分から岩壁がないかのように先に先に中空を歩いていく。
と、いうか駆けていく。
人の王国がそれほどまでに強大なのかなーと思っていたら、いろいろと加勢する者たちがいた。
脳裏によみがえる資料では少なくともそうだ。
「蒼狼族の魔王の治める国、アルフライラ。人間の新興国レブナス王国、その後ろにはエルムド帝国、ね。なんとも厄介だわ」
「それだけではありません、竜の国ハイエルンも関与しておりますので」
「それねえ……」
さて、どうなんだろう、とわたしはちょっとこまった顔を浮かべて見せる。
黒のブランシェ様がこの大陸の竜族に探りを入れているからだ。
エバーグリーン経由で!
嫁に逃げられたと聞いたから心配していたけれど、意外と元気そうだと聞かされて内心はほっとしていますが。
彼とこの場所で合流するという約束なんだけど、予定している時刻はとうの昔に過ぎていて、第一番目の眷属が遅刻をするようでは困りますと、リクウスに嫌味を言われて渋い顔をする。
「西の大陸の竜たちの王にこれから会う予定なんだけれど」
「え? 竜の王にですか!」
そう言ってみたら、途端に顔を曇らせてもちろん訝しむライシャの反応は、もちろん理解できないことはなくて。
だけどあなたたちを売り渡すような、そんな真似をするわけでもないから少しは安心して欲しいのだけれど、二人の若いダークエルフはとても不安そうに辺りを警戒している。
「エバーグリーンに会うのって、ロアは千年ぶりかなー」
「はあ……」
厄介なというか、余計な一人。
天然なのかそれとものんびりとしているのか、もしくはわざとやっているのか。
同じ同性から見てもあまり賢そうには見えないロア様。
それでいてエバースから「あいつはそこいらの魔王よりも強い」、と言わせるのだから人は見た目には寄らないのだと思い知らされる。
ついでにもう一人呼びつけたのだけど、多分あの子はその辺りで迷っているのだろう。
水の精霊女王が従えるにはあまりにも滑稽すぎる相手だけれど、古代魔導帝国の遺産。
炎の魔神イフリーテは間違いなく、方向音痴にして天然のだめ女だ。あの子は今どこにいるのやら……下手に問題とか起こさないでくれていると助かるのだけれど。
「ロア様はリクウスと共にいてください。わたしはまだ呼んでいる眷属たちを待ちますので」
「はーい、はいはい。まあ、のんびりしましょうか」
「ええ……」
眷属、と聞いて理解はしてくれたらしい。
宙を駆けて妖精界への扉を探すリクウスに声をかけ、いつの間にか大きな白銀の鷹を自身の影から召喚してその背に乗り、大空に羽ばたいていくロア様。
鷹がちょこん、と通り過ぎるときに挨拶するのが目に入った。
なかなか義理堅い臣下らしいとこちらも軽く会釈をする。
そういえば、とわたしはいきなり現れた巨大な猛禽類に目を丸くして驚いているライシャに質問した。
「あなたたち、どうやってここから旅立ったの」
と。
「先遣隊、ではありませんでしたかな?」
白馬がなにやらうめくように苦言を呈してきます。
「そうね。先遣隊、名ばかり?」
先遣隊とか言いながら共に来ているわたし。
ええ、じっとしているのが嫌いなの。
第一、人の王のように部下とあまり変わらない魔力とか防御の才覚をもつならともかく、最大の神力を持つ精霊王や精霊女王が、一番最初に現地に赴いて滅ぶようであれば……?
「陛下、自重というものが足らないかと」
「うるさいおじいちゃんは黙りなさい。わたしがここにきて滅ぶようならば、誰が来ても同じなのです」
「争いを起こすことを前提に行動しないで頂きたい!」
ああ、そうね。
それは正論で間違いない一言だけど。
先程あったことをもうお忘れですかと周囲の守りを固める部下たちが同様に渋い顔をする。
みんなで責めることないじゃない……。
なんとなく罪悪感をもってその場に立ち尽くしていたら、ほら行きますよとリクウスが背中を鼻先で押してくる。
その背中に乗せなさいよ、主人を!
「入口を開ける場所はここでよかったの?」
「それはあちらの二人に確認するべきかと」
「ああ、そうね」
と、ライシャとエステラに目をやると、二人はここで間違いないと頷いて返した。
ふーむ。
いま立っている場所はシェス大河と呼ばれる大陸を縦断する大河の支流の一部。その断崖絶壁の上にある岩山のほぼ山頂付近。
周囲には雲を突くような高山が広がっていて、眼下には大樹がこれでもかと生い茂り、その先端から根を生やす大地まではそれだけで数十メートルはあるように見て取れる。
これがティトの大森林、ね。
故郷の雪と氷に閉ざされた王国の光景からは想像もつかない、むせ返るような濃い大気と目を焼くような緑林が視界を一面に覆い尽くす。
そして何より、そこに広がる左一面を塗りつぶした灰色と黒の裾野。
あれはつまり……。
「ライシャ。もしかしてあれがあなたたちが言っていた、戦場?」
「……はい、陛下。さようでございます……」
ルイのことといい、戻ってみたら故郷はこんなに様変わりしている光景といい。
彼女とエステラにはこの場所に立って目にしたものが何よりも辛かったのだろう。
エステラは目を「森が、我らの大森林が……」、なんて悲し気に言うと泣き始めてしまったもの。
元々、どれほどに広い森林だったのか。
視界に広がる緑の裾野のうち、約二割程度が焦土と化していた。
前に立つリクウスも苦し気にこれぼどまでとは、なんて寂しそうに言っているし。
「ひどいの?」
「ひどいというほどではありませんが、しかし、森林の面積が目に見えて減っておりますな」
「それはいつと比べての話?」
「おおよそ、二千年……しかし、その時でもまだ、この倍は緑が残っていた」
「王国に焼かれたのです」
王国。
聞いたところによると、人の王国がその面積を広げてきたのだとか。
もちろん、図書館でそれなりの事前調査を済ませてきたし、その前に本当の先遣隊をすでに派遣して辺り一帯の安全は確認してある。
そうでもしなければ、あの心配性の旦那様が危険な敵地に妻を向かわせるはずがないのだ。
旦那様といえば、余計な方も、一人も付いてきているけれど……。
「レブナス、でしたかライシャ」
「はい、女王様」
「聞き及ばない国名ですな」
「リクウスは妖精の国に長くいすぎたのよ。更にその後ろにはこの二百年ほどの間に、西の大陸と東の大陸全土を接収するくらい巨大な勢力がいて……勉強したの? 資料は渡したでしょう」
「さて、なんのことやら」
自分には関係ない事とそっぽを向く白馬はまさしく自由気ままだ。
わたしに自重しろと苦言を呈しながら、自分から岩壁がないかのように先に先に中空を歩いていく。
と、いうか駆けていく。
人の王国がそれほどまでに強大なのかなーと思っていたら、いろいろと加勢する者たちがいた。
脳裏によみがえる資料では少なくともそうだ。
「蒼狼族の魔王の治める国、アルフライラ。人間の新興国レブナス王国、その後ろにはエルムド帝国、ね。なんとも厄介だわ」
「それだけではありません、竜の国ハイエルンも関与しておりますので」
「それねえ……」
さて、どうなんだろう、とわたしはちょっとこまった顔を浮かべて見せる。
黒のブランシェ様がこの大陸の竜族に探りを入れているからだ。
エバーグリーン経由で!
嫁に逃げられたと聞いたから心配していたけれど、意外と元気そうだと聞かされて内心はほっとしていますが。
彼とこの場所で合流するという約束なんだけど、予定している時刻はとうの昔に過ぎていて、第一番目の眷属が遅刻をするようでは困りますと、リクウスに嫌味を言われて渋い顔をする。
「西の大陸の竜たちの王にこれから会う予定なんだけれど」
「え? 竜の王にですか!」
そう言ってみたら、途端に顔を曇らせてもちろん訝しむライシャの反応は、もちろん理解できないことはなくて。
だけどあなたたちを売り渡すような、そんな真似をするわけでもないから少しは安心して欲しいのだけれど、二人の若いダークエルフはとても不安そうに辺りを警戒している。
「エバーグリーンに会うのって、ロアは千年ぶりかなー」
「はあ……」
厄介なというか、余計な一人。
天然なのかそれとものんびりとしているのか、もしくはわざとやっているのか。
同じ同性から見てもあまり賢そうには見えないロア様。
それでいてエバースから「あいつはそこいらの魔王よりも強い」、と言わせるのだから人は見た目には寄らないのだと思い知らされる。
ついでにもう一人呼びつけたのだけど、多分あの子はその辺りで迷っているのだろう。
水の精霊女王が従えるにはあまりにも滑稽すぎる相手だけれど、古代魔導帝国の遺産。
炎の魔神イフリーテは間違いなく、方向音痴にして天然のだめ女だ。あの子は今どこにいるのやら……下手に問題とか起こさないでくれていると助かるのだけれど。
「ロア様はリクウスと共にいてください。わたしはまだ呼んでいる眷属たちを待ちますので」
「はーい、はいはい。まあ、のんびりしましょうか」
「ええ……」
眷属、と聞いて理解はしてくれたらしい。
宙を駆けて妖精界への扉を探すリクウスに声をかけ、いつの間にか大きな白銀の鷹を自身の影から召喚してその背に乗り、大空に羽ばたいていくロア様。
鷹がちょこん、と通り過ぎるときに挨拶するのが目に入った。
なかなか義理堅い臣下らしいとこちらも軽く会釈をする。
そういえば、とわたしはいきなり現れた巨大な猛禽類に目を丸くして驚いているライシャに質問した。
「あなたたち、どうやってここから旅立ったの」
と。
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