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序章 死霊術師、追放される
地下世界の英雄と消えた最高神
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その言葉を聞き、武と炎の神となった男は、崩落した地下世界へと降り立った。
地下は魔の世界。
魔族の力の源である瘴気を産み出す魔素が蔓延し、もと住んでいた多くの亜人たちを苦しめていた。
彼は、聖なる炎でその瘴気を焼き、以前よりも神に近い能力をえて人々を襲う魔族を、武神として守り抜いた。
人々は彼に問いかける。
「あなた様はどなたさまですか?」
「なぜ、われらをお救い下さるのですか?」
「我等にどうせよといわれるのですか?」
そして。彼らは口を揃えて言った。
「どうか、我等の守護神になってください」
と。青い鎧を着たその男は苦笑いをしながら答えた。
「もう神はいらんのだ。それよりもみなで街を作り、国を作り、武器をもって戦おう。それが、本当の自由だ」
そうして最果ての地にいくつもの国ができ、それらは独自の文化を持つようになる。
なかには王を名乗る者もいれば、英雄や皇帝を名乗る者もいた。
彼はそれには口出しをしなかった。
ただ、彼が最果ての地の張り巡らせた結界をまたいでこようとする凶暴になった魔族とのみ戦い、その世界を守り抜いた。
そんな中だ。
死神の言う通り、地上世界からはらせん状の塔が降りてきた。
それは上に行けばいくほど狭く、下にいけば行くほど。
最果ての地に到達した時には最も、広いように設計されていた。
『新しい神々が産まれ、そして英雄や勇者を地下世界へと送るだろう』
死神のあの言葉が彼の脳裏によみがえった。
「来たか‥‥‥」
地上と地下を含めて最も最古の神の一人になっていた彼は、塔が降りてくるその光景をおぞましいと感じた。
まるであの時と同じだ。
かつての主が犯した罪。人間をまとめ魔族の大地であった‥‥‥いまはこの最果ての地と呼ばれる土地に侵略した時とよく似ていたからだ。
そして、彼の嫌な予感は的中する。
地上世界の神々は、その力の源泉が眠る、地下世界を欲しがった。
聖戦と称して、多くの亜人や人類をその軍勢を送り込んできた。
「わたしが張った結界ではこれを食い止めることはできない。かといって‥‥‥この、蛮行の再来を見逃すわけにはいかない」
地下世界の守り手として彼は、地上世界の軍勢をその塔の入り口で退けた。
何年も、何十年も、何百年も、気の遠くなるほどの時間を戦い抜いた。
ただ、あの言葉を信じて。
アリス・ターナー。
その存在が降りてくることを信じて。
アリスが降りてくる前。
地上世界の神々が、地下世界の古代神に興味を示した。
中には武神という彼の地位を試そうとする神が、数神いた。
神の力は無限ではなく、その奇跡も無限ではない。
神と神が争えば、その力は削がれて行く。
炎と武の神は失いつつある力の代わりを探した。
大きく、大量にあり、そして力の源になるもの。
いまいる亜人や人間たちを苦しめるもの。
それは・・・・・・瘴気。
ならば、その瘴気をその身に抱き、神を捨てよう。
魔と人の間にいる者として。
魔人として、愛しき仲間を守ろう。
こうして、彼は魔人となった。
地上世界の神々を防ぐ魔人。
その名は、地上世界に轟き、多くの勇者や英雄が彼に戦いを挑んだ。
何度も何度もその槍の先で、ほんとうであれば仲間と呼べる者たちを殺すことを彼は悲しんだ。
その涙は奇跡と呼び、魔素を通さない鉱石を産み出した。
地上世界にも地下世界にも産まれたその鉱石の名を、アスティラ鉱石という。
一切の神の力も魔の力も通さない、幻の鉱石。
その鉱脈を狙い、地上世界はさらに侵略を行った。
そのような光景が千年も続けられたある日。
地上世界の神々はこのゲームに飽きてしまう。
もういいではないか。
大いなる力を持つ英雄を送り込み、あの魔人をほふろう。
それですべては終わる。
こうして、アリス・ターナーは産み出された。
過去に滅んだ、最後の地上世界で死んだ最高位の魔王の魂と勇者の力を持つ聖女。
闇色の髪に、菫色の瞳。
その容姿を見て、魔人はようやく来た。
そう確信した。
この愚かな侵略戦争にも、終止符が打てる。
その考えは、アリスの中にあった最後の魔王の記憶を知ったアリスも賛同した。
そして、地下世界には大きな結界が、魔人の作りだした結界の上に作られた。
地下世界はいつしか棄てられた大地。
魔界と呼ばれることとなる。
この世界を守り抜いた魔人。
アリス・ターナーとともに魔界を守り抜いた英雄。
その名を、オルブ・ギータ。
彼が愛した主の名は、カイネ・チェネブ。
二人の過ごした懐かしき騎士団の名を、青の三日月団という――
地下は魔の世界。
魔族の力の源である瘴気を産み出す魔素が蔓延し、もと住んでいた多くの亜人たちを苦しめていた。
彼は、聖なる炎でその瘴気を焼き、以前よりも神に近い能力をえて人々を襲う魔族を、武神として守り抜いた。
人々は彼に問いかける。
「あなた様はどなたさまですか?」
「なぜ、われらをお救い下さるのですか?」
「我等にどうせよといわれるのですか?」
そして。彼らは口を揃えて言った。
「どうか、我等の守護神になってください」
と。青い鎧を着たその男は苦笑いをしながら答えた。
「もう神はいらんのだ。それよりもみなで街を作り、国を作り、武器をもって戦おう。それが、本当の自由だ」
そうして最果ての地にいくつもの国ができ、それらは独自の文化を持つようになる。
なかには王を名乗る者もいれば、英雄や皇帝を名乗る者もいた。
彼はそれには口出しをしなかった。
ただ、彼が最果ての地の張り巡らせた結界をまたいでこようとする凶暴になった魔族とのみ戦い、その世界を守り抜いた。
そんな中だ。
死神の言う通り、地上世界からはらせん状の塔が降りてきた。
それは上に行けばいくほど狭く、下にいけば行くほど。
最果ての地に到達した時には最も、広いように設計されていた。
『新しい神々が産まれ、そして英雄や勇者を地下世界へと送るだろう』
死神のあの言葉が彼の脳裏によみがえった。
「来たか‥‥‥」
地上と地下を含めて最も最古の神の一人になっていた彼は、塔が降りてくるその光景をおぞましいと感じた。
まるであの時と同じだ。
かつての主が犯した罪。人間をまとめ魔族の大地であった‥‥‥いまはこの最果ての地と呼ばれる土地に侵略した時とよく似ていたからだ。
そして、彼の嫌な予感は的中する。
地上世界の神々は、その力の源泉が眠る、地下世界を欲しがった。
聖戦と称して、多くの亜人や人類をその軍勢を送り込んできた。
「わたしが張った結界ではこれを食い止めることはできない。かといって‥‥‥この、蛮行の再来を見逃すわけにはいかない」
地下世界の守り手として彼は、地上世界の軍勢をその塔の入り口で退けた。
何年も、何十年も、何百年も、気の遠くなるほどの時間を戦い抜いた。
ただ、あの言葉を信じて。
アリス・ターナー。
その存在が降りてくることを信じて。
アリスが降りてくる前。
地上世界の神々が、地下世界の古代神に興味を示した。
中には武神という彼の地位を試そうとする神が、数神いた。
神の力は無限ではなく、その奇跡も無限ではない。
神と神が争えば、その力は削がれて行く。
炎と武の神は失いつつある力の代わりを探した。
大きく、大量にあり、そして力の源になるもの。
いまいる亜人や人間たちを苦しめるもの。
それは・・・・・・瘴気。
ならば、その瘴気をその身に抱き、神を捨てよう。
魔と人の間にいる者として。
魔人として、愛しき仲間を守ろう。
こうして、彼は魔人となった。
地上世界の神々を防ぐ魔人。
その名は、地上世界に轟き、多くの勇者や英雄が彼に戦いを挑んだ。
何度も何度もその槍の先で、ほんとうであれば仲間と呼べる者たちを殺すことを彼は悲しんだ。
その涙は奇跡と呼び、魔素を通さない鉱石を産み出した。
地上世界にも地下世界にも産まれたその鉱石の名を、アスティラ鉱石という。
一切の神の力も魔の力も通さない、幻の鉱石。
その鉱脈を狙い、地上世界はさらに侵略を行った。
そのような光景が千年も続けられたある日。
地上世界の神々はこのゲームに飽きてしまう。
もういいではないか。
大いなる力を持つ英雄を送り込み、あの魔人をほふろう。
それですべては終わる。
こうして、アリス・ターナーは産み出された。
過去に滅んだ、最後の地上世界で死んだ最高位の魔王の魂と勇者の力を持つ聖女。
闇色の髪に、菫色の瞳。
その容姿を見て、魔人はようやく来た。
そう確信した。
この愚かな侵略戦争にも、終止符が打てる。
その考えは、アリスの中にあった最後の魔王の記憶を知ったアリスも賛同した。
そして、地下世界には大きな結界が、魔人の作りだした結界の上に作られた。
地下世界はいつしか棄てられた大地。
魔界と呼ばれることとなる。
この世界を守り抜いた魔人。
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