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第三章 たった一人の隣人
陰の実力者
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「ま、お前たちは‥‥‥あんな大人にはなるなよ? 分かったか?」
これもまた人間の性だな。
そう思いながら、イライアのすさまじさに圧倒されている双子に声をかけると、何故か二人だけでなくルカやその他の冒険者たちもこぞって首を縦に振っていた。
それを見て自分は悪くないと叫ぶハイエルフは足蹴にするのをやめたが、周囲からの彼女に対する眼差しは変わらない。
俺もこうはなったら駄目だよな。
反省するアーチャーだったが、さっきまでニーニャにしていた行為は同じものだと気づくと――自分も心に闇を巣食わせた愚か者だとわらうしかなかった。
「私はまだまともよ‥‥‥??」
「もう無理だよ、イライア。悪い噂が立たないようにって脅したりするなよ? 余計に悪い方向に話がこじれていくぞ?」
「うるさいっ! 知ってるわよそんなこと」
「ま、そんなことは置いといてだ。お前ら、ここから出て行け。ここから先は命に関わる話になるぞ?」
言われなくても出て行く、というよりは恐怖で動けなかったのだろう。
我先にと部屋をとびだしていく中に双子を見つけたアーチャーは、彼女たちの尾を踏んづけて押し止めた。
「ひどい、そんな――」
「ひっ、御主人様っ、嫌です――」
「間延びした声で言えるくらいだから、まだ大丈夫だな。お前らは残るんだ。で、イライア。誰がこの絵を描いたんだ? 俺への依頼、地下でのスケルドラゴンの発生、そして、今だ。聖騎士だの盗賊娘だの、果てにはフォンテーヌ教会の宣教師まで引き込んでなんのつもりだ??」
「怖がられてる‥‥‥なんだか、ショックだわ。何のつもりって言われても、ある程度の事象を見据えれて行動を起こせるなんて一握りの人間だけでしょう? 分からないの?」
何をどうやったのか。
青く染まっていた脚を靴先まで新品同様に綺麗にして、イライアはその辺りにあった何かの残骸――多分、書棚がひっくり返ったものだろう。
その上に腰を下ろすと脚を組んでいた。
床にはさっきまで彼女の暴力に耐えていたギルマスたちがいるが‥‥‥まあ、これは後からでも治癒は間に合うだろう。
アーチャーは背中に汗をかきながら、無残にもそこに倒れている彼らに同情せずにはいられなかった。
「惨いことするよなあ。あのな、分からないのじゃないんだよ。イライアが自分の部下を大事にするように、もうこいつら二人は俺の預かりになったんだ。意味が分かるか? 俺だって同じように怒りを感じてるってことだ。一握りの人間じゃなくて、たった一人の神様だろ? この裏にいるのは‥‥‥」
「――勘だけはいいのね。いつから?」
「スケルドラゴンの発生からだ。正確には古竜のスケルドラゴンの発生からだ。あんなレアなモンスター誰が操れる? おかげでこいつらは死んだ。神様だから何したっていいってことはないだろ‥‥‥王国の風の女神にしてもそうだ。あの判断も青の魔人様の差し金か?」
「それは分からないわね。大体、あの神託自体怪しいものがあるもの」
「待った。もうそんな理解を越えた話はどうでもいい。神様がどうだの、魔人様がどうだの、予想の話なんて何の役に立たない。それよりもこの二人のことだ。そして、肉屋の問題を解決したらさっさと消えろ、イライア。ここは俺の領地だ‥‥‥」
「はあ? 自分勝手なものねえ。人を呼び寄せておいて、手伝ったら消えろなんてそっちこそ、最初からそのつもりだったんでしょ? だからこんな分かりやすいやり方で、上から人手だけ下ろしたんでしょ? だから面白くないんじゃない」
その憂さ晴らしに蹴られては回復、蹴られては回復。
繰り返しやられた方は地獄を見たわけだ。
なんだかんだでこのハイエルフは美味しい所を持って行こうとする。
これも年の功なのか、それとも誰かの入れ知恵なのか。
「そのおもちゃで遊んで帰れば? 持って帰ってもいいぞ? どうせ、地下世界にいたら誰かから報復を受けるんだ。地上で匿ってもらえよ。なあ、ギルマスにその部下たち?」
「返事なんてできないわよ。そんな元気があるなら死ぬまでいたぶってやるわ」
「いやもういいから‥‥‥痛いぞ、そのキャラを被るの。種族間のいがみ合いは本当かもしれないが、ここで出すのは感心しない。更にエルフとオークの仲を悪くするだけだ。あのハイエルフがまたやらかしたって地上で噂になるぞ?」
どうせここでやらかしたこともあのマスター・ラーズに処理させるんだろ、イライア。
拷問に記憶の改ざん、違法行為のオンパレードだ。呆れてものも言えない。
「そんな心配ご無用だわ。あなたは何が欲しいの?」
「俺か? 簡単だ。この二人の魂を死神から取り返してくれ。あとは肉屋の展覧会をぶち壊す。付き合うだろ?」
「簡単に言うわね‥‥‥魂を取り戻す以前にどうやって死神様と交渉するつもりなの? 相手は至高神の一人なのよ? 風の女神と交渉するのとは、わけが違うわ‥‥‥」
「神話にあるじゃないか。青の魔人は死神からその能力を授かり、死人から神になったってさ。交渉するのは魔人様とだ。もちろん、それは――イライア。あなたの仕事だと思わないか? 王都ブルングドの副ギルマス?」
「!? あ、ルカね。あの子余計なことを‥‥‥」
「いいじゃないか、それくらい。あとあれだ。ラーズが義妹の警護に回ってくれるってな。それは礼を言うよ。まさか、マスタークラスの人間が就くなんて思ってなかった」
「あちらはあちらで思惑があるみたいだけど。それより、聖騎士とかはどうしたの?」
「ラーズが転送したようだったな。地上かどこかは分からないが‥‥‥?」
良かったの、そのまま戻して?
そう問いかけるイライアに、アーチャーは大丈夫だよ、としたり顔で返した。
「あの二人にもきっちりと首輪は嵌めさせてもらったからな。で、いつ話をつけるんだ?」
「あーあ‥‥‥損な役回りばっかりだわ‥‥‥」
これから行ってくるわよあの方の館に。そうイライアが言う館とは、この地下世界にアーチャーが降りて来た時に通りがかったあの館だろう。
魔装人形の少女たちが警護するという、青の魔人。
現世に存在する、本物の神がそこにいる。
神なら万能の能力で守ってくれよ。
アーチャーは不安そうな双子を抱き寄せながら、そう静かに呟いた。
これもまた人間の性だな。
そう思いながら、イライアのすさまじさに圧倒されている双子に声をかけると、何故か二人だけでなくルカやその他の冒険者たちもこぞって首を縦に振っていた。
それを見て自分は悪くないと叫ぶハイエルフは足蹴にするのをやめたが、周囲からの彼女に対する眼差しは変わらない。
俺もこうはなったら駄目だよな。
反省するアーチャーだったが、さっきまでニーニャにしていた行為は同じものだと気づくと――自分も心に闇を巣食わせた愚か者だとわらうしかなかった。
「私はまだまともよ‥‥‥??」
「もう無理だよ、イライア。悪い噂が立たないようにって脅したりするなよ? 余計に悪い方向に話がこじれていくぞ?」
「うるさいっ! 知ってるわよそんなこと」
「ま、そんなことは置いといてだ。お前ら、ここから出て行け。ここから先は命に関わる話になるぞ?」
言われなくても出て行く、というよりは恐怖で動けなかったのだろう。
我先にと部屋をとびだしていく中に双子を見つけたアーチャーは、彼女たちの尾を踏んづけて押し止めた。
「ひどい、そんな――」
「ひっ、御主人様っ、嫌です――」
「間延びした声で言えるくらいだから、まだ大丈夫だな。お前らは残るんだ。で、イライア。誰がこの絵を描いたんだ? 俺への依頼、地下でのスケルドラゴンの発生、そして、今だ。聖騎士だの盗賊娘だの、果てにはフォンテーヌ教会の宣教師まで引き込んでなんのつもりだ??」
「怖がられてる‥‥‥なんだか、ショックだわ。何のつもりって言われても、ある程度の事象を見据えれて行動を起こせるなんて一握りの人間だけでしょう? 分からないの?」
何をどうやったのか。
青く染まっていた脚を靴先まで新品同様に綺麗にして、イライアはその辺りにあった何かの残骸――多分、書棚がひっくり返ったものだろう。
その上に腰を下ろすと脚を組んでいた。
床にはさっきまで彼女の暴力に耐えていたギルマスたちがいるが‥‥‥まあ、これは後からでも治癒は間に合うだろう。
アーチャーは背中に汗をかきながら、無残にもそこに倒れている彼らに同情せずにはいられなかった。
「惨いことするよなあ。あのな、分からないのじゃないんだよ。イライアが自分の部下を大事にするように、もうこいつら二人は俺の預かりになったんだ。意味が分かるか? 俺だって同じように怒りを感じてるってことだ。一握りの人間じゃなくて、たった一人の神様だろ? この裏にいるのは‥‥‥」
「――勘だけはいいのね。いつから?」
「スケルドラゴンの発生からだ。正確には古竜のスケルドラゴンの発生からだ。あんなレアなモンスター誰が操れる? おかげでこいつらは死んだ。神様だから何したっていいってことはないだろ‥‥‥王国の風の女神にしてもそうだ。あの判断も青の魔人様の差し金か?」
「それは分からないわね。大体、あの神託自体怪しいものがあるもの」
「待った。もうそんな理解を越えた話はどうでもいい。神様がどうだの、魔人様がどうだの、予想の話なんて何の役に立たない。それよりもこの二人のことだ。そして、肉屋の問題を解決したらさっさと消えろ、イライア。ここは俺の領地だ‥‥‥」
「はあ? 自分勝手なものねえ。人を呼び寄せておいて、手伝ったら消えろなんてそっちこそ、最初からそのつもりだったんでしょ? だからこんな分かりやすいやり方で、上から人手だけ下ろしたんでしょ? だから面白くないんじゃない」
その憂さ晴らしに蹴られては回復、蹴られては回復。
繰り返しやられた方は地獄を見たわけだ。
なんだかんだでこのハイエルフは美味しい所を持って行こうとする。
これも年の功なのか、それとも誰かの入れ知恵なのか。
「そのおもちゃで遊んで帰れば? 持って帰ってもいいぞ? どうせ、地下世界にいたら誰かから報復を受けるんだ。地上で匿ってもらえよ。なあ、ギルマスにその部下たち?」
「返事なんてできないわよ。そんな元気があるなら死ぬまでいたぶってやるわ」
「いやもういいから‥‥‥痛いぞ、そのキャラを被るの。種族間のいがみ合いは本当かもしれないが、ここで出すのは感心しない。更にエルフとオークの仲を悪くするだけだ。あのハイエルフがまたやらかしたって地上で噂になるぞ?」
どうせここでやらかしたこともあのマスター・ラーズに処理させるんだろ、イライア。
拷問に記憶の改ざん、違法行為のオンパレードだ。呆れてものも言えない。
「そんな心配ご無用だわ。あなたは何が欲しいの?」
「俺か? 簡単だ。この二人の魂を死神から取り返してくれ。あとは肉屋の展覧会をぶち壊す。付き合うだろ?」
「簡単に言うわね‥‥‥魂を取り戻す以前にどうやって死神様と交渉するつもりなの? 相手は至高神の一人なのよ? 風の女神と交渉するのとは、わけが違うわ‥‥‥」
「神話にあるじゃないか。青の魔人は死神からその能力を授かり、死人から神になったってさ。交渉するのは魔人様とだ。もちろん、それは――イライア。あなたの仕事だと思わないか? 王都ブルングドの副ギルマス?」
「!? あ、ルカね。あの子余計なことを‥‥‥」
「いいじゃないか、それくらい。あとあれだ。ラーズが義妹の警護に回ってくれるってな。それは礼を言うよ。まさか、マスタークラスの人間が就くなんて思ってなかった」
「あちらはあちらで思惑があるみたいだけど。それより、聖騎士とかはどうしたの?」
「ラーズが転送したようだったな。地上かどこかは分からないが‥‥‥?」
良かったの、そのまま戻して?
そう問いかけるイライアに、アーチャーは大丈夫だよ、としたり顔で返した。
「あの二人にもきっちりと首輪は嵌めさせてもらったからな。で、いつ話をつけるんだ?」
「あーあ‥‥‥損な役回りばっかりだわ‥‥‥」
これから行ってくるわよあの方の館に。そうイライアが言う館とは、この地下世界にアーチャーが降りて来た時に通りがかったあの館だろう。
魔装人形の少女たちが警護するという、青の魔人。
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アーチャーは不安そうな双子を抱き寄せながら、そう静かに呟いた。
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