22 / 29
第二部 消えた王国
1
しおりを挟む
「王都が‥‥‥ないわ。
こんなことって!?」
「見事にがれきのと廃墟と化した死の街だな、シェイラ。
見ろ、あの優美だった白亜の城の尖塔も、城壁も――アギトの神殿すら‥‥‥」
「あ、いえ、サク様。
それはこのシェイラめが壊しましたから――」
ああ、そうだった。
太陽神などと言ってはいるが、その実、黒狼は重力や空間・虚無を操る。
その能力を太陽からの授かりもののように似せて、他の聖女や神官には与えているだけで本質はそこにあった。
「お前が、中にいた全員を外に転送させ、過重をかけて圧殺したのだったな。
あの大司教を」
「いえ、叔父は生きていましたから。
まあ、身体の胸骨辺りを粉々にさせては頂きましたけど。
あれで、暗躍などできなくなったはず。
呪文が唱えれなければ、治癒魔導すら使えませんから――」
「お前は天性の拷問の才覚があるかもしれんな‥‥‥。
そういえば、あの王太子。
風の精霊と契約をしているような気配がしていたな」
「風?
ああ、リクトは精霊騎士でしたから。
でも、サク様の存在に怯えて消えてしまった精霊など、無価値でしょう?
それより、これはどういう惨状なのかしら???」
はるかな天空から、眼下に広がる大地を見下ろしてシェリルはサクの背中から疑問の声をあげる。
地上からは見えないようにとサクは雲間に姿を隠していたが、この高度なら王都上空を警備する飛竜師団が駆け付けつけてくるはずなのだが、なんの動きもない。
「さて、どうするか?
それほど、数は多くはないがまだ住んでいる者たちもいるようだが?」
「こんな高い場所からでも御分かりなんて、さすがですわ、サク様。
でも、降りて行っていたのがエリカやリクトだとあまりいい気分にはなりませんわね」
「それは間違いないな。
その腕の幻痛の代わりに、あの赤子を貰い受けてもいい気はするが‥‥‥」
「サク様。
子供に罪を求めないでくださいませ。
あなた様が言われるように、王侯貴族や特権階級が例え罪人の血筋だとしても、埋まれたばかりで判断のつかない赤子まで命を問われるのは‥‥‥」
シェイラは悲し気な顔色になっていた。
もし、あの子供がエリカではなく、自分の子供だったら?
リクトがエリカを捨てて自分だけを見ていてくれたら?
そんな思いはまだ心のどこかにあって、それは叔父への怒りという憎しみに形を変えていく。
人は誰でも、やりようのない怒りを何かに転化してぶつけては、消化するんだな。
そう、シェイラは学び始めていた。
「だが、あの場で命を奪わねば、もし、虚空の牢獄の中で誕生すればそれは人間ではない。
俺ですらも凌駕する復讐の鬼が生まれたかもしれんぞ?
何より、あのリクトがついつい漏らしていたではないか」
「大敵はあと二人、ですね。
はい、理解して‥‥‥おります。
サク様はこの国のあれから何年後に来られたのですか?」
単純に二十年後だと言われもにわかには信じがたい。
正確な年数を把握しておきたいシェイラだった。
「そんなに細かいことが必要か?
まあ、正確な年表はわからんが、星の位置からすれば十九年と数か月、か?
見えるか?」
星?
真昼のこの青空の下で?
シェイラは首を傾げる。
どうやら、元が人間である自分には感知できない何かがあるようだ。
「分からないか。
まあ、感覚を広げればすむ話だ」
「感覚‥‥‥え、待ってサク様!?
目がまわる‥‥‥何ですか、この視界は!?」
天空に位置する星々だけでなく、サクの言うところの時空の断裂や力の走る地脈、大気中に漂う連綿とした輝く何かの絨毯、そしてー‥‥‥。
「天使に、あれは魔族?
馬のような精霊まで。
これはサク様の視界ですか?」
てっきり、黒狼だけが見れる世界を仮に見せてくれたんだ。
そうシェイラは考えたが、サクは違うぞと否定する。
「それは、お前たち人間が進化すれば見れるモノだ。
まあ、まだかなり先の時代にはなるだろうが、いまシェイラが見るには問題ないだろう」
「なぜ、問題がない、と‥‥‥?」
サクは嫌味を込めて言った。
「俺にさらわれた王太子妃なのだろう?
せめて、この程度には力を開花してもらわねばな。
アギトに笑われてしまうわ」
ああ、そうだった。
アギト神がいたんだ。
シェイラはそれを思いだす。
「ならばサク様。
まずは枢軸連邦に。
アギト神のおられる法王庁管轄の神殿に向かいませんか?
あそこならばー‥‥‥」
「まあ、正確なことはわかるだろうな。
黒狼のヤンギガルブが人間をめとるなど、これでー‥‥‥」
「これで?」
「我らが姫は、弟のセッカという者の妻だ。
お前は二人目になるな」
へえ‥‥‥。
行方不明のお姫様。
会ってみたい気もするけど、優しくなければ嫌だなあ。
そして、シェイラはふと気づいた。
太陽神アギトに暗黒神ゲフェト。
それら二神の主、聖者がいる。
彼女はどうなのだろうか、と。
「サク様。
聖者様は妻やそんな存在ではないのですか?」
「‥‥‥あれは、より上位の神だ。
そういう対象ではない」
へえ、そうなんだ。
神様の世界もいろいろと複雑なのね。
まあ、とりあえず、法王庁だ。
見たことの無い、両親の故郷がある街。
シェイラの胸奥には少しだけ、希望が生まれていた。
自分でリクトとエリカ夫妻に王国を守れなかったという名目で、復讐の鉄槌を下せるかもしれない、と。
こんなことって!?」
「見事にがれきのと廃墟と化した死の街だな、シェイラ。
見ろ、あの優美だった白亜の城の尖塔も、城壁も――アギトの神殿すら‥‥‥」
「あ、いえ、サク様。
それはこのシェイラめが壊しましたから――」
ああ、そうだった。
太陽神などと言ってはいるが、その実、黒狼は重力や空間・虚無を操る。
その能力を太陽からの授かりもののように似せて、他の聖女や神官には与えているだけで本質はそこにあった。
「お前が、中にいた全員を外に転送させ、過重をかけて圧殺したのだったな。
あの大司教を」
「いえ、叔父は生きていましたから。
まあ、身体の胸骨辺りを粉々にさせては頂きましたけど。
あれで、暗躍などできなくなったはず。
呪文が唱えれなければ、治癒魔導すら使えませんから――」
「お前は天性の拷問の才覚があるかもしれんな‥‥‥。
そういえば、あの王太子。
風の精霊と契約をしているような気配がしていたな」
「風?
ああ、リクトは精霊騎士でしたから。
でも、サク様の存在に怯えて消えてしまった精霊など、無価値でしょう?
それより、これはどういう惨状なのかしら???」
はるかな天空から、眼下に広がる大地を見下ろしてシェリルはサクの背中から疑問の声をあげる。
地上からは見えないようにとサクは雲間に姿を隠していたが、この高度なら王都上空を警備する飛竜師団が駆け付けつけてくるはずなのだが、なんの動きもない。
「さて、どうするか?
それほど、数は多くはないがまだ住んでいる者たちもいるようだが?」
「こんな高い場所からでも御分かりなんて、さすがですわ、サク様。
でも、降りて行っていたのがエリカやリクトだとあまりいい気分にはなりませんわね」
「それは間違いないな。
その腕の幻痛の代わりに、あの赤子を貰い受けてもいい気はするが‥‥‥」
「サク様。
子供に罪を求めないでくださいませ。
あなた様が言われるように、王侯貴族や特権階級が例え罪人の血筋だとしても、埋まれたばかりで判断のつかない赤子まで命を問われるのは‥‥‥」
シェイラは悲し気な顔色になっていた。
もし、あの子供がエリカではなく、自分の子供だったら?
リクトがエリカを捨てて自分だけを見ていてくれたら?
そんな思いはまだ心のどこかにあって、それは叔父への怒りという憎しみに形を変えていく。
人は誰でも、やりようのない怒りを何かに転化してぶつけては、消化するんだな。
そう、シェイラは学び始めていた。
「だが、あの場で命を奪わねば、もし、虚空の牢獄の中で誕生すればそれは人間ではない。
俺ですらも凌駕する復讐の鬼が生まれたかもしれんぞ?
何より、あのリクトがついつい漏らしていたではないか」
「大敵はあと二人、ですね。
はい、理解して‥‥‥おります。
サク様はこの国のあれから何年後に来られたのですか?」
単純に二十年後だと言われもにわかには信じがたい。
正確な年数を把握しておきたいシェイラだった。
「そんなに細かいことが必要か?
まあ、正確な年表はわからんが、星の位置からすれば十九年と数か月、か?
見えるか?」
星?
真昼のこの青空の下で?
シェイラは首を傾げる。
どうやら、元が人間である自分には感知できない何かがあるようだ。
「分からないか。
まあ、感覚を広げればすむ話だ」
「感覚‥‥‥え、待ってサク様!?
目がまわる‥‥‥何ですか、この視界は!?」
天空に位置する星々だけでなく、サクの言うところの時空の断裂や力の走る地脈、大気中に漂う連綿とした輝く何かの絨毯、そしてー‥‥‥。
「天使に、あれは魔族?
馬のような精霊まで。
これはサク様の視界ですか?」
てっきり、黒狼だけが見れる世界を仮に見せてくれたんだ。
そうシェイラは考えたが、サクは違うぞと否定する。
「それは、お前たち人間が進化すれば見れるモノだ。
まあ、まだかなり先の時代にはなるだろうが、いまシェイラが見るには問題ないだろう」
「なぜ、問題がない、と‥‥‥?」
サクは嫌味を込めて言った。
「俺にさらわれた王太子妃なのだろう?
せめて、この程度には力を開花してもらわねばな。
アギトに笑われてしまうわ」
ああ、そうだった。
アギト神がいたんだ。
シェイラはそれを思いだす。
「ならばサク様。
まずは枢軸連邦に。
アギト神のおられる法王庁管轄の神殿に向かいませんか?
あそこならばー‥‥‥」
「まあ、正確なことはわかるだろうな。
黒狼のヤンギガルブが人間をめとるなど、これでー‥‥‥」
「これで?」
「我らが姫は、弟のセッカという者の妻だ。
お前は二人目になるな」
へえ‥‥‥。
行方不明のお姫様。
会ってみたい気もするけど、優しくなければ嫌だなあ。
そして、シェイラはふと気づいた。
太陽神アギトに暗黒神ゲフェト。
それら二神の主、聖者がいる。
彼女はどうなのだろうか、と。
「サク様。
聖者様は妻やそんな存在ではないのですか?」
「‥‥‥あれは、より上位の神だ。
そういう対象ではない」
へえ、そうなんだ。
神様の世界もいろいろと複雑なのね。
まあ、とりあえず、法王庁だ。
見たことの無い、両親の故郷がある街。
シェイラの胸奥には少しだけ、希望が生まれていた。
自分でリクトとエリカ夫妻に王国を守れなかったという名目で、復讐の鉄槌を下せるかもしれない、と。
1
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!
みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。
幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、
いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。
そして――年末の舞踏会の夜。
「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」
エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、
王国の均衡は揺らぎ始める。
誇りを捨てず、誠実を貫く娘。
政の闇に挑む父。
陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。
そして――再び立ち上がる若き王女。
――沈黙は逃げではなく、力の証。
公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。
――荘厳で静謐な政略ロマンス。
(本作品は小説家になろうにも掲載中です)
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?
神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。
(私って一体何なの)
朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。
そして――
「ここにいたのか」
目の前には記憶より若い伴侶の姿。
(……もしかして巻き戻った?)
今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!!
だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。
学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。
そして居るはずのない人物がもう一人。
……帝国の第二王子殿下?
彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。
一体何が起こっているの!?
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚
きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」
新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。
それもそのはず。
2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。
でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。
美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。
だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。
どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったオノールに、やがてクラウディオの心は……。
すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?
焦ったい恋と陰謀のラブファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる