正しい魔眼の使い方

星ふくろう

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第一章 愛の奇跡

死神の来訪 4

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「あなたは、誰、です‥‥‥か???」

 何故だろう?
 弓羽は不思議に感じていた。
 なぜ、自分は敬語を使っているの?
 普段なら、怒鳴りつけるはずなのに、と。

「私かな?
 ああ、あまり怖がらないでおくれ。
 日本人のお嬢さん。私は君に危害を加えたりはしない。
 そうだね、私は君たちが言うところの、死神、かな?」

「しっ!?
 死神!??」

 やはり、身体は恐怖を隠せない。
 父親と弓羽の間にいるその白人男性は、これは困った。
 そんな顔をする。

「やはり、怖がられてしまうか。
 まあ、仕方ないね。でも、信じて欲しい。
 私は誰かを傷つけたりはしない。
 ただ、死せる者の魂をね。
 寿命まで生きたその偉大さに敬意を表して、あの世まで案内するだけなのだよ?
 まあ、いつもは私の分身がそれをしているのだけどね。
 私は全部の世界の死を管理しないといけないから。
 普段はこうして、どこかの世界に来ることは珍しいのだよ?」

「だっ、だって!!!
 わたしたちラハミームもフレイムスも、あのシープハンドと魔眼があるから‥‥‥!!!
 しーちゃんだってあれだけ頑張ったのに!!!
 なんで、なんで悪魔なんかに魂を狩られなきゃいけないの!!??
 それにお父さんと一緒に死ぬなら死にたかっただけなのに!!
 なんで、少しだけ待ってくれないの???」

 弓羽は泣いていた。
 なぜそうしたかではなく、泣くしかできなかった。
 恐怖や畏怖。
 そんな感情を越えて出せるのは、涙だけだったからーー

「うーん。
 でも、お嬢さん。
 お父さんの死ぬ時間を待ってもいいけどね?
 それをすると、君の魂が悪魔どもに食べられる瞬間を‥‥‥彼は目にすることになるよ?」

 まだ、お父さんを困らせるのかい?
 死神はそう言っていた。
 弓羽はそのことにまで、頭が回らず、言われて初めてその事実に気づいた。

「え‥‥‥?
 だって、魂になったら何も感じないんじゃあ???」

「いやいや、ちゃんと意思はあるよ。
 新しい輪廻の輪に入るまではね。その後に、また別の人生が始まるだけだ。
 どこの、誰になるのか。何になるのかまでは私も分からないが」

「ねえ、待って。
 なら、悪魔に食べられた魂はっ!!???」

 上級生で消えて行った数名を弓羽は知っている。
 死んだ彼らは‥‥‥どうなる???

「残念だが、君たちも食事をするだろう?
 その後には、ね?
 悪魔も同じだ。魂は転生はしない。その場で、彼らの食事になる。
 恐怖と怨念と、後悔と救いの声を上げながら食べられていく」

「そんな、そんな、やだ!!
 だって、しーちゃんだってあんなに頑張ったのに!!
 待って、ならラハミームのわたしは?
 どっちになるの???」

「それは難しい。
 もし、私の分身がいても守り切れないだろう。
 君たちはその瞳で、一部だが繋がっているからね」

 そう、死神は悲しそうに言う。

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