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第一章 愛の奇跡
愛情のタイムリミット 3
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エンバー?
それはどんな存在だろう?
この私の仕事を邪魔するような真似をされては困るのだがな‥‥‥。
今日は驚くことばかりだ。
私に触れるどころか、視えて話ができる人間まで2人まで増えた。
こんなことはこれまでになかったことだ。
おまけに。
この二人の心の中にあるこの連帯感。
互いを思い合い、慈しむ心。
親子が死に別れる時や、出産の時の命を賭けた母親の強い感情に似ている。
なるほど、これが愛情、か。
死神は納得すると共に、迷ってもいた。
あと5分程度で、この弓羽はタイムリミットだ。
このまま話を長引かして、悪魔に魂をくれてやるのもいい。
しかしーー
「困ったね、お嬢さんたち。
まあ、先に挨拶をしておこう。
雫さんかな、私は死神。
そう呼ばれるものだ。
君たちに危害を加える気がないことは約束しておこう」
「あ、ど、どうも‥‥‥」
何気なく、左利きの雫は羊の刻印がついた左手を差し出してしまう。
死神が挨拶として握手をした時、弓羽はふと呟いた。
「あ、触った‥‥‥」
その一言が、死神に新しい問題をもたらした。
これは迂闊だった。
視えて、会話ができた上に触れてしまった。
この子にもーー
「ねえ、死神さん!!!
しーちゃんも触れたんだから!!
あるよね!?
権利!!!」
「へ?
弓羽、何言ってるの???」
「だからね、しーちゃん!!
死神ー、いえ死神様に触れたら、なんでも言う事かなえてくれるの!!!」
時計の時刻は10時13分。
それを耳にして、時計の時刻を見た雫が言ったのは迷いのない言葉。
「なら、私は死んでいいから。
弓羽を!!
この子を、最後まで幸せな状態で。魔眼とかフレイムスとかラハミームとかの呪いと解いてよ。
それで‥‥‥寿命まで死なせてあげて、死神様!!!
お願い!!!」
おや、これは参った。
片方は自分を捨てて相手の幸せを。
片方も同じ事を。
時刻は10時14分。
「やれやれ、君たちのその心が愛情というやつだね。
仕方ない、ではそれをかなえよう。
おめでとう、弓羽。
そして雫。
君たちは自由だ」
時刻は10時15分。
死神の一言で、雫の左手から羊の刻印が消えた。
死神の一言で、弓羽の片目から魔眼が消えた。
そしてーー
「弓羽‥‥‥」
「しーちゃん‥‥‥よかった」
抱き合い泣く二人を見て、死神は思う。
こんな結末もあってもよいのではないか。
では、私は去ろう。
そうした時だ。
「溶目さん!! 塩飽さん!!
どこにいるの!?
無事??」
杏が主霊の聖霊イブローズと飛び込んできたのは。
「杏ちゃん???」
「センセーなんでここに‥‥‥???」
杏は室内にいる不審人物=死神に明らかな敵意をむき出しにする。
だが、それはイブローズによって遮られた。
「杏、だめだ。
彼には逆らえない‥‥‥」
「え、ちょっと!?
聖霊が今更何言ってるのよ!!
ちゃんと出てきて戦いなさいよ!!!」
事態をのみこめない生徒二人は唖然とし、それまでなんとかして生徒を守ろう。
そう息巻いていた聖霊は姿を隠してしまう。
こんなことは今までなかったのに!?
杏の方が、イブローズの怯え方にびっくりしてしまう。
これまで何度か悪魔と戦ってきたこの炎の聖霊が、こんなに怯えるなんて。
「だめだよ、杏。
彼は‥‥‥虚無の支配者。滅亡の王。
最後に死せる最高の神の1神。
死神ー‥‥‥僕ではかなわない」
「え‥‥‥死神???」
このやりとりを見ていて頭を悩ました存在がいる。
そう死神だ。
また自分を視えた人間が増えた。
おまけに高位の聖霊まで従えてーー
「ああ、すまないが、御三方。
あまり話をしている暇はないようだけどね??
ここには、私にその聖霊。
闇に属するものが二つ。そして、やって来たようだよ。
諦めの悪い、堕天使がーー」
そう、部屋の隅から。
闇の中から蠢くようにして。
それは存在した。
銀色の美しい長髪を持つ、北欧系の女性。
「つまり、悪魔、ね‥‥‥」
イブローズは相変わらず怯えてでてこない。
そしてもう一つ。
「あら、珍しい。
精霊王まで来るなんて」
悪魔は死神と杏や弓羽の間から出てきたエンバー。
緑の羽を持つ、白人男性をそう呼んだ。
「なんて日だ。
こうも役者がそろうとは。
このままでは、私は帰れないな。それにーー」
死神は、杏に目をやる。
美しい。
外見だけでなく、聖霊を従え、怯えるイブローズを叱咤激励してまで何かに尽くそうとするその姿。
彼は、杏に恋心を抱いてしまっていた。
それはどんな存在だろう?
この私の仕事を邪魔するような真似をされては困るのだがな‥‥‥。
今日は驚くことばかりだ。
私に触れるどころか、視えて話ができる人間まで2人まで増えた。
こんなことはこれまでになかったことだ。
おまけに。
この二人の心の中にあるこの連帯感。
互いを思い合い、慈しむ心。
親子が死に別れる時や、出産の時の命を賭けた母親の強い感情に似ている。
なるほど、これが愛情、か。
死神は納得すると共に、迷ってもいた。
あと5分程度で、この弓羽はタイムリミットだ。
このまま話を長引かして、悪魔に魂をくれてやるのもいい。
しかしーー
「困ったね、お嬢さんたち。
まあ、先に挨拶をしておこう。
雫さんかな、私は死神。
そう呼ばれるものだ。
君たちに危害を加える気がないことは約束しておこう」
「あ、ど、どうも‥‥‥」
何気なく、左利きの雫は羊の刻印がついた左手を差し出してしまう。
死神が挨拶として握手をした時、弓羽はふと呟いた。
「あ、触った‥‥‥」
その一言が、死神に新しい問題をもたらした。
これは迂闊だった。
視えて、会話ができた上に触れてしまった。
この子にもーー
「ねえ、死神さん!!!
しーちゃんも触れたんだから!!
あるよね!?
権利!!!」
「へ?
弓羽、何言ってるの???」
「だからね、しーちゃん!!
死神ー、いえ死神様に触れたら、なんでも言う事かなえてくれるの!!!」
時計の時刻は10時13分。
それを耳にして、時計の時刻を見た雫が言ったのは迷いのない言葉。
「なら、私は死んでいいから。
弓羽を!!
この子を、最後まで幸せな状態で。魔眼とかフレイムスとかラハミームとかの呪いと解いてよ。
それで‥‥‥寿命まで死なせてあげて、死神様!!!
お願い!!!」
おや、これは参った。
片方は自分を捨てて相手の幸せを。
片方も同じ事を。
時刻は10時14分。
「やれやれ、君たちのその心が愛情というやつだね。
仕方ない、ではそれをかなえよう。
おめでとう、弓羽。
そして雫。
君たちは自由だ」
時刻は10時15分。
死神の一言で、雫の左手から羊の刻印が消えた。
死神の一言で、弓羽の片目から魔眼が消えた。
そしてーー
「弓羽‥‥‥」
「しーちゃん‥‥‥よかった」
抱き合い泣く二人を見て、死神は思う。
こんな結末もあってもよいのではないか。
では、私は去ろう。
そうした時だ。
「溶目さん!! 塩飽さん!!
どこにいるの!?
無事??」
杏が主霊の聖霊イブローズと飛び込んできたのは。
「杏ちゃん???」
「センセーなんでここに‥‥‥???」
杏は室内にいる不審人物=死神に明らかな敵意をむき出しにする。
だが、それはイブローズによって遮られた。
「杏、だめだ。
彼には逆らえない‥‥‥」
「え、ちょっと!?
聖霊が今更何言ってるのよ!!
ちゃんと出てきて戦いなさいよ!!!」
事態をのみこめない生徒二人は唖然とし、それまでなんとかして生徒を守ろう。
そう息巻いていた聖霊は姿を隠してしまう。
こんなことは今までなかったのに!?
杏の方が、イブローズの怯え方にびっくりしてしまう。
これまで何度か悪魔と戦ってきたこの炎の聖霊が、こんなに怯えるなんて。
「だめだよ、杏。
彼は‥‥‥虚無の支配者。滅亡の王。
最後に死せる最高の神の1神。
死神ー‥‥‥僕ではかなわない」
「え‥‥‥死神???」
このやりとりを見ていて頭を悩ました存在がいる。
そう死神だ。
また自分を視えた人間が増えた。
おまけに高位の聖霊まで従えてーー
「ああ、すまないが、御三方。
あまり話をしている暇はないようだけどね??
ここには、私にその聖霊。
闇に属するものが二つ。そして、やって来たようだよ。
諦めの悪い、堕天使がーー」
そう、部屋の隅から。
闇の中から蠢くようにして。
それは存在した。
銀色の美しい長髪を持つ、北欧系の女性。
「つまり、悪魔、ね‥‥‥」
イブローズは相変わらず怯えてでてこない。
そしてもう一つ。
「あら、珍しい。
精霊王まで来るなんて」
悪魔は死神と杏や弓羽の間から出てきたエンバー。
緑の羽を持つ、白人男性をそう呼んだ。
「なんて日だ。
こうも役者がそろうとは。
このままでは、私は帰れないな。それにーー」
死神は、杏に目をやる。
美しい。
外見だけでなく、聖霊を従え、怯えるイブローズを叱咤激励してまで何かに尽くそうとするその姿。
彼は、杏に恋心を抱いてしまっていた。
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