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魔界への招待状
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その頃ーー
シェリル家の古城に侵入を果たした影が数名。
人のようであって人でない。
この月明かりも薄い今夜の闇夜にあって、おのおのの瞳は爛々と輝いている。
亜人ーー
あの、もう片方の月の聖女ミレイアが送られたファイガ山脈の奥深くに住むと言われる獣と人の相の子たち。
月の女神フィオナの神殿ではもう何世紀も、この亜人たちを飼っていた。
何匹も子を産ませ、殺し合いをさせてその優秀な遺伝子だけを受け継がせる。
そうやって完成された暗殺者は、天才と呼べるほどに恐ろしいものだ
魔法を使い、暗器・武器に精通し、そして笑顔で獲物を狩る。
大神官はそろそろ笑顔で微笑んでいることだろう。
「あの大地母神の聖女に選ばれた親子に、安らかな眠りを与えたと。
そう、報告が入る頃ですーー」
そんなことを王様に語っているかもしれない。
その六人いる群れを統率するリーダーはそう考えると胸がときめいた。
また頭を撫でて頂ける。
あの、御主人様の笑顔こそが我等の最高の誇りーー
「いけ。
静かに、滅殺せよ‥‥‥」
その指示を受けて二頭の亜人が、西の尖塔の上から下階へと通じる外壁の上の通路を駆け抜けていく。
もう少しで城内に入る。
群れの頭、リーダーがそう思った時だ。
「フっ‥‥‥!?」
「ヴっーー」
鉛のような重たい悲鳴が聞こえた。
そして、知に伏せ落ちる二体の部下の音も。
--敵か!?
報告では、最初に頂いていか話ではこの古城には二人だけ。
あの娘とその父親だけだったはず。
剣のつかえないのろまな父親と、多少の才能はあるが小娘一人。
あの部下たちが一撃のもとに下されるなど‥‥‥信じがたい。
「面白いーー
愚鈍な父親は仮面だったか?」
女性のその声は、六人を統率する覆面から発せられたものだ。
その小さな呟きを耳にして、二人を叩き伏せた誰か、も興味を持ったらしい。
その姿を静かに、足音なく現した時。
残る四人は戦慄した。
「おやおや‥‥‥お姫様に一応、後始末を宜しくね。
そう願われたと思えばー‥‥‥。
来たのが悲しき、我等が和子だったかーー」
背丈がニメートルに達しようかというその姿。
形容するならば、服をきた‥‥‥巨大な狼。
純粋な魔族たる、人狼がそこにいた。
「魔族?
こんな場に!?」
はるかな祖先。
人と狼の魔族の間の子。
それが、いまの覆面たちの祖先の始まり。
「魔族でもこんな場には来るだろう?
俺たちも元は地上にいたのだから。
今宵の月は三日月。
残念だが、満月でなければ本気でやるには少しばかり調子が出なくてな?
さて、この城の主。
アンダーソン侯爵家より騎士の称号を賜ったこの俺。
緑の人狼のエルウィン。
死にたいのは‥‥‥どいつだ?」
見事に緑に染まった体毛を風になびかせながら彼は名乗りを上げた。
騎士だと‥‥‥?
笑わせる。
覆面の女当目はそう思った。
我ら暗殺者の天敵ではないか。
シェリル家の古城に侵入を果たした影が数名。
人のようであって人でない。
この月明かりも薄い今夜の闇夜にあって、おのおのの瞳は爛々と輝いている。
亜人ーー
あの、もう片方の月の聖女ミレイアが送られたファイガ山脈の奥深くに住むと言われる獣と人の相の子たち。
月の女神フィオナの神殿ではもう何世紀も、この亜人たちを飼っていた。
何匹も子を産ませ、殺し合いをさせてその優秀な遺伝子だけを受け継がせる。
そうやって完成された暗殺者は、天才と呼べるほどに恐ろしいものだ
魔法を使い、暗器・武器に精通し、そして笑顔で獲物を狩る。
大神官はそろそろ笑顔で微笑んでいることだろう。
「あの大地母神の聖女に選ばれた親子に、安らかな眠りを与えたと。
そう、報告が入る頃ですーー」
そんなことを王様に語っているかもしれない。
その六人いる群れを統率するリーダーはそう考えると胸がときめいた。
また頭を撫でて頂ける。
あの、御主人様の笑顔こそが我等の最高の誇りーー
「いけ。
静かに、滅殺せよ‥‥‥」
その指示を受けて二頭の亜人が、西の尖塔の上から下階へと通じる外壁の上の通路を駆け抜けていく。
もう少しで城内に入る。
群れの頭、リーダーがそう思った時だ。
「フっ‥‥‥!?」
「ヴっーー」
鉛のような重たい悲鳴が聞こえた。
そして、知に伏せ落ちる二体の部下の音も。
--敵か!?
報告では、最初に頂いていか話ではこの古城には二人だけ。
あの娘とその父親だけだったはず。
剣のつかえないのろまな父親と、多少の才能はあるが小娘一人。
あの部下たちが一撃のもとに下されるなど‥‥‥信じがたい。
「面白いーー
愚鈍な父親は仮面だったか?」
女性のその声は、六人を統率する覆面から発せられたものだ。
その小さな呟きを耳にして、二人を叩き伏せた誰か、も興味を持ったらしい。
その姿を静かに、足音なく現した時。
残る四人は戦慄した。
「おやおや‥‥‥お姫様に一応、後始末を宜しくね。
そう願われたと思えばー‥‥‥。
来たのが悲しき、我等が和子だったかーー」
背丈がニメートルに達しようかというその姿。
形容するならば、服をきた‥‥‥巨大な狼。
純粋な魔族たる、人狼がそこにいた。
「魔族?
こんな場に!?」
はるかな祖先。
人と狼の魔族の間の子。
それが、いまの覆面たちの祖先の始まり。
「魔族でもこんな場には来るだろう?
俺たちも元は地上にいたのだから。
今宵の月は三日月。
残念だが、満月でなければ本気でやるには少しばかり調子が出なくてな?
さて、この城の主。
アンダーソン侯爵家より騎士の称号を賜ったこの俺。
緑の人狼のエルウィン。
死にたいのは‥‥‥どいつだ?」
見事に緑に染まった体毛を風になびかせながら彼は名乗りを上げた。
騎士だと‥‥‥?
笑わせる。
覆面の女当目はそう思った。
我ら暗殺者の天敵ではないか。
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