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リョンヤン王子
1日を終えて
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「ハヨン!お疲れ様、どうだった?専属護衛。」
今日割り当てられたリョンヤン王子の護衛を終えて、白虎の武道場に戻ると、ドマンが開口一番そう尋ねてきた。
「うーん、初日だからかリョンヤン王子の講義を受けておられる時間だけだったから、特にたいしたことは…。」
「なんか不服そうだな。」
「そりゃそうだよ!だってほぼリョンヤン様の講義を見学していたようなものだもの。」
ガンハンの言葉にハヨンはくってかかるように応える。
「でも最初の仕事はそんなものだよ。俺達が入隊したときは掃除ばっかりだったようにね。」
ドマンはまぁまぁ、となだめにかかった。ハヨンはふてくされながらも、周りをみると、この時間の割には人が多く、暇をもて余しているようにも見える。
「ねえ、今日何かあるの?」
「ああ、俺達新隊員は、少しの間、各領主のもとに行って、実地訓練するんだ。多分、既に専属護衛することになったハヨンは違うと思うけど。」
「…白虎って王族の専属護衛と、城内警備だよね?なんでまた地方に…。」
そんな話、誰からも聞いていなかった。もしかするとハヨンがリョンヤンの専属護衛となったために、各部隊の長などに報告するなどで慌ただしかったからかもしれない。
「将来護衛として王族の方と領主様のところに訪問する場合があるだろう?その時、反乱や他国が攻め入ったとき逃げるための経路を確認したり、そのついでにその地方の様子を伝えることになってるんだ。逃げるときには山道を使うとか、わかってる方が断然いいし、領主が人民に信頼されているかも知っといた方がいいからな。」
ガンハンが丁寧に教えてくれる。あまりにも淀みなく話すので、ハヨンは感心した。
「ガンハンって、滅多にない座学、結構楽しんでいるよね。もしかして役人の方が向いてるんじゃない?」
ドマンがそう言うと、ガンハンは馬鹿を言え、と返す。
「これは白虎に関係あるから覚えられるんだ。もし役人のあの難しい試験…なんだったっけ?」
「科挙。」
確かに軍関係はからきしらしい。ほぼ常識と言えるようなことを忘れていたので、ハヨンとドマンは呆れながら一緒に答えた。
「そう、それだ。それに受かる気もしないし、政治のことを難しく言われてもわかんねぇならなぁ。座学なら、やる気も出るんだけど…。」
「でももしかしたらガンハン、座学が強かったら、将来どこに衛兵の数を割くかとか考えるの強くなりそうだね。もしかしたら指揮官とかむいてるかもよ。」
ヘウォンの補佐をしながら共に作戦を練る彼の姿を思い浮かべる。
「指揮官ねぇ…」
ガンハンもまんざらではないようだ。
「でもまずはお前に追い付くことが先だな。」
「そうだよね、同期に先を越されるのは悔しい!」
ドマンも同意する。
「それに全然昇進できなかったら、2年目でも3年目でも研修に行くことになるからね。」
言われてみれば、ハヨンよりも年上の隊員が大半で、ハヨンが専属護衛となれたのは幸運だったことが改めて思い知らされた。
「いつか、一緒に護衛できる日が来たらいいな。」
「できるよ、ドマンなら。」
熱を込めて話すドマンに、ハヨンは頷いてみせた。ガンハンのように体格が恵まれている訳でもないが、器用なドマンは、体術、剣術に優れている。ハヨンは何度も彼が居残って練習している姿を見てきた。彼ならきっと、己の夢を叶えることができるだろう。
「みんな集まっているかー。」
その時、ヘウォンがガラリと武道場の戸を開けた。みな一斉に喋るのを止め、姿勢を正す。
「じゃあ一週間後の実地訓練について説明するぞ。」
みなは、ヘウォンの説明に聞き入り始めた。
今日割り当てられたリョンヤン王子の護衛を終えて、白虎の武道場に戻ると、ドマンが開口一番そう尋ねてきた。
「うーん、初日だからかリョンヤン王子の講義を受けておられる時間だけだったから、特にたいしたことは…。」
「なんか不服そうだな。」
「そりゃそうだよ!だってほぼリョンヤン様の講義を見学していたようなものだもの。」
ガンハンの言葉にハヨンはくってかかるように応える。
「でも最初の仕事はそんなものだよ。俺達が入隊したときは掃除ばっかりだったようにね。」
ドマンはまぁまぁ、となだめにかかった。ハヨンはふてくされながらも、周りをみると、この時間の割には人が多く、暇をもて余しているようにも見える。
「ねえ、今日何かあるの?」
「ああ、俺達新隊員は、少しの間、各領主のもとに行って、実地訓練するんだ。多分、既に専属護衛することになったハヨンは違うと思うけど。」
「…白虎って王族の専属護衛と、城内警備だよね?なんでまた地方に…。」
そんな話、誰からも聞いていなかった。もしかするとハヨンがリョンヤンの専属護衛となったために、各部隊の長などに報告するなどで慌ただしかったからかもしれない。
「将来護衛として王族の方と領主様のところに訪問する場合があるだろう?その時、反乱や他国が攻め入ったとき逃げるための経路を確認したり、そのついでにその地方の様子を伝えることになってるんだ。逃げるときには山道を使うとか、わかってる方が断然いいし、領主が人民に信頼されているかも知っといた方がいいからな。」
ガンハンが丁寧に教えてくれる。あまりにも淀みなく話すので、ハヨンは感心した。
「ガンハンって、滅多にない座学、結構楽しんでいるよね。もしかして役人の方が向いてるんじゃない?」
ドマンがそう言うと、ガンハンは馬鹿を言え、と返す。
「これは白虎に関係あるから覚えられるんだ。もし役人のあの難しい試験…なんだったっけ?」
「科挙。」
確かに軍関係はからきしらしい。ほぼ常識と言えるようなことを忘れていたので、ハヨンとドマンは呆れながら一緒に答えた。
「そう、それだ。それに受かる気もしないし、政治のことを難しく言われてもわかんねぇならなぁ。座学なら、やる気も出るんだけど…。」
「でももしかしたらガンハン、座学が強かったら、将来どこに衛兵の数を割くかとか考えるの強くなりそうだね。もしかしたら指揮官とかむいてるかもよ。」
ヘウォンの補佐をしながら共に作戦を練る彼の姿を思い浮かべる。
「指揮官ねぇ…」
ガンハンもまんざらではないようだ。
「でもまずはお前に追い付くことが先だな。」
「そうだよね、同期に先を越されるのは悔しい!」
ドマンも同意する。
「それに全然昇進できなかったら、2年目でも3年目でも研修に行くことになるからね。」
言われてみれば、ハヨンよりも年上の隊員が大半で、ハヨンが専属護衛となれたのは幸運だったことが改めて思い知らされた。
「いつか、一緒に護衛できる日が来たらいいな。」
「できるよ、ドマンなら。」
熱を込めて話すドマンに、ハヨンは頷いてみせた。ガンハンのように体格が恵まれている訳でもないが、器用なドマンは、体術、剣術に優れている。ハヨンは何度も彼が居残って練習している姿を見てきた。彼ならきっと、己の夢を叶えることができるだろう。
「みんな集まっているかー。」
その時、ヘウォンがガラリと武道場の戸を開けた。みな一斉に喋るのを止め、姿勢を正す。
「じゃあ一週間後の実地訓練について説明するぞ。」
みなは、ヘウォンの説明に聞き入り始めた。
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