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守護英雄の村編
守護英雄の村
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ぐぅ~~~
大きなおなかの音が、雰囲気を壊す。エイムはお腹を抱えて、ひどく赤面しながらつぶやいた。
「…そういえば、お腹空いてたんだった…!!」
「ピィー…」
「あら、お腹が空いてる子がいるみたいね。それじゃあ、何か作りましょうか。」
部屋の奥から、中年の女性が微笑みながら出てきた。
「母さん、エイムはハンバーグが好きらしい!作ってくれる?」
シラセが問いかける。
「もちろんよ、任せなさい!さて、あなたエイムさんっていうのね。シラセの母です、よろしくね。」
「あ、よろしくお願いします…」
初対面の人にお腹の音を聞かれて赤面のエイムだったが、シラセの母の柔和な雰囲気に恥ずかしさは少し和らいだようだ。
「じゃあ、ハンバーグを作るから、ちょっとまっててね!」
「いいんですか!?やったー!」
「ピィー!」
エイムとピーちゃんは、飛び跳ねて喜んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エイムたちは食卓を囲みながら、この村のことについて話をしていた。
「エイムさん、守護英雄の昔話は知っている様子だったね」
村長が尋ねる。
「はい。昔々、人々が魔獣に脅かされていたころ、多くの魔獣をやっつけて人類に平和をもたらした英雄のお話ですよね?
でも私、これはおとぎ話だって思ってました…」
「そうだね。もう200年程も前の話になるし、この話が本当にあったかどうかさえ、今となっては定かでない。
ただ、この村はその守護英雄のふるさとで、魔獣討伐の後もこの村で暮らしたとされているんだ。」
「絶対に実在したさ!うちにはその証拠がある!エイム、ちょっとこっちに来てみろよ!」
シラセが興奮した様子で手招く。
「え、うん。」
エイムとシラセは、奥の部屋へと入った。するとそこには、深い藍色に輝く堂々たる鎧が、まるでその威厳を誇るかのように静かに飾られていた。使い込まれており傷だらけだが、丁寧に手入れされている様子で、ところどころに黄金の飾りがあしらわれている。思わず見入ってしまう美しさだった。
「…すごい…!」
エイムは目を見開きながら、感嘆の声を漏らした。
「すごいだろ?これは守護英雄様が実際に使った鎧なんだぜ!
うちはその守り手として、代々この鎧を守ってきたんだ。」
「す、すごいね!こんなにきれいで、迫力のあるもの、初めて見たよ!」
エイムも興奮した様子で言う。
「はは、そういってもらえると、わが村としても鼻が高いよ。」
後ろから村長がにこやかに言う。
「俺は、絶対に守護英雄様がいたって思ってる。この鎧だってもちろん本物だ!」
「そうだね!私もこれを見て、本当にいたんだって思ったよ!」
「だろ!だから俺、守護英雄様みたいになりたいんだ!俺には絶対に守護英雄様の血が流れていて、きっと俺もそうなれるって信じてんだよ!」
「あーんた何言ってんだい。この平和な世界で、一体何から人々を守るっていうの。」
シラセの母は少しあきれながらも、微笑みながら言う。
「今は平和でも、これからどうなるかわからないだろ!俺はその時のために、ちゃんと毎日鍛えてんだよ!」
「全く、物騒なことはやめておくれよ。それに今は、化け物より病気の方がよっぽど怖いさね…」
「それは、まあ…そうだけど…」
少し雰囲気が暗くなったが、エイムが言う。
「大丈夫です。私が絶対に何とかして見せます!
明日の朝、すぐに調査に出発します。絶対に誰も犠牲にさせない…。」
エイムの眼には、並々ならぬ決意の炎が宿っており、シラセは少し気圧された。
「…エイム、俺がお前をしっかり守る!だから、絶対にこの村を何とかしよう!」
「うん!でも、私だって結構強いんだよ?」
エイムは笑いながら答える。
そうして、この村にとっては久しぶりに、その夜はにぎやかに更けていったのだった。
大きなおなかの音が、雰囲気を壊す。エイムはお腹を抱えて、ひどく赤面しながらつぶやいた。
「…そういえば、お腹空いてたんだった…!!」
「ピィー…」
「あら、お腹が空いてる子がいるみたいね。それじゃあ、何か作りましょうか。」
部屋の奥から、中年の女性が微笑みながら出てきた。
「母さん、エイムはハンバーグが好きらしい!作ってくれる?」
シラセが問いかける。
「もちろんよ、任せなさい!さて、あなたエイムさんっていうのね。シラセの母です、よろしくね。」
「あ、よろしくお願いします…」
初対面の人にお腹の音を聞かれて赤面のエイムだったが、シラセの母の柔和な雰囲気に恥ずかしさは少し和らいだようだ。
「じゃあ、ハンバーグを作るから、ちょっとまっててね!」
「いいんですか!?やったー!」
「ピィー!」
エイムとピーちゃんは、飛び跳ねて喜んだ。
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エイムたちは食卓を囲みながら、この村のことについて話をしていた。
「エイムさん、守護英雄の昔話は知っている様子だったね」
村長が尋ねる。
「はい。昔々、人々が魔獣に脅かされていたころ、多くの魔獣をやっつけて人類に平和をもたらした英雄のお話ですよね?
でも私、これはおとぎ話だって思ってました…」
「そうだね。もう200年程も前の話になるし、この話が本当にあったかどうかさえ、今となっては定かでない。
ただ、この村はその守護英雄のふるさとで、魔獣討伐の後もこの村で暮らしたとされているんだ。」
「絶対に実在したさ!うちにはその証拠がある!エイム、ちょっとこっちに来てみろよ!」
シラセが興奮した様子で手招く。
「え、うん。」
エイムとシラセは、奥の部屋へと入った。するとそこには、深い藍色に輝く堂々たる鎧が、まるでその威厳を誇るかのように静かに飾られていた。使い込まれており傷だらけだが、丁寧に手入れされている様子で、ところどころに黄金の飾りがあしらわれている。思わず見入ってしまう美しさだった。
「…すごい…!」
エイムは目を見開きながら、感嘆の声を漏らした。
「すごいだろ?これは守護英雄様が実際に使った鎧なんだぜ!
うちはその守り手として、代々この鎧を守ってきたんだ。」
「す、すごいね!こんなにきれいで、迫力のあるもの、初めて見たよ!」
エイムも興奮した様子で言う。
「はは、そういってもらえると、わが村としても鼻が高いよ。」
後ろから村長がにこやかに言う。
「俺は、絶対に守護英雄様がいたって思ってる。この鎧だってもちろん本物だ!」
「そうだね!私もこれを見て、本当にいたんだって思ったよ!」
「だろ!だから俺、守護英雄様みたいになりたいんだ!俺には絶対に守護英雄様の血が流れていて、きっと俺もそうなれるって信じてんだよ!」
「あーんた何言ってんだい。この平和な世界で、一体何から人々を守るっていうの。」
シラセの母は少しあきれながらも、微笑みながら言う。
「今は平和でも、これからどうなるかわからないだろ!俺はその時のために、ちゃんと毎日鍛えてんだよ!」
「全く、物騒なことはやめておくれよ。それに今は、化け物より病気の方がよっぽど怖いさね…」
「それは、まあ…そうだけど…」
少し雰囲気が暗くなったが、エイムが言う。
「大丈夫です。私が絶対に何とかして見せます!
明日の朝、すぐに調査に出発します。絶対に誰も犠牲にさせない…。」
エイムの眼には、並々ならぬ決意の炎が宿っており、シラセは少し気圧された。
「…エイム、俺がお前をしっかり守る!だから、絶対にこの村を何とかしよう!」
「うん!でも、私だって結構強いんだよ?」
エイムは笑いながら答える。
そうして、この村にとっては久しぶりに、その夜はにぎやかに更けていったのだった。
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