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義弟はちょっとセクハラ親父くさいかもしれない。

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うん、怖いわ。
フツーに怖いわ。

イケメン無罪の範囲を超えてるわ。

てか、もう10年も一緒にいるし、私にとっては、ほぼほぼ実の弟みたいなもんだから、余計怖いわ。

とはいえ、まあ、まだ明確な実害はないし(精神的なアレコレは除く)。
私が何かアクションを起こしたせいで、家族にヒビが入ることは避けたい(あの父に、バツイチとはいえあんな美人な妻が出来るなんて奇跡は二度はないだろうし…)。

まあ、ちょっと距離を置いて、ほとぼりが冷めれば、義弟も正気に戻るだろう(というか、戻ってくれ!!!)

義弟の性格に多少難があるとしても、幸いにして顔はイケメンである。
成績もスポーツもそれなりにできるのだから、周りの女子が放っておかないはずだ。

きっと、周りの女子とそれなりのお付き合いをして欲求不満が解消されれば、義弟も正気に戻り、手近な所で血迷ったりはしなくなるだろう。

という訳で、私は義弟からちょっと距離をとりつつ、義弟の周りの女子を応援した。

特に、義弟に気があるという噂の、義弟のクラスメイトの美少女、宮原さんを推しまくった。

さり気なく宮原さんを義弟の前で誉めつつ、宮原さんにはすれ違いざまに義弟の好みなどの情報を流した。
(宮原さんとは接点がなかったため、仕方なく、偶然を装って、すれ違いざまに友人と会話しつつ義弟の好みの話などをするハメになった。
突然前振りもなく義弟の好みを話し出すようになったせいで、私が友人にブラコン疑惑をかけられた。
名誉毀損も甚だしいうえ、精神的ダメージが半端なかった……。)

とにかく、家庭内平和のため、私の安全のため、私は出来るだけ頑張った。

だというのに、宮原さんは義弟にアッサリ振られたらしい。
結果、私のすり減ったメンタルと、友人からの不名誉な疑惑だけが残った。

解せぬ…………。

とはいえ、これだけならまだマシだった。

問題は、義弟と距離を置こうとした事によって起こった。

(………近い……)

私が義弟から一歩離れるようにしていたところ、何故か二歩詰め寄られるようになった。

その上、やたら「髪の毛が肩に~」とか、「ほこりが~」とか言いながら、髪やら肩やら腕やら背中やらに触れてくるのだ。

百万歩譲って、本当に付いていたのだとしても、そんなものはちょっと摘んでポイすれば済む話である。

髪の毛やらほこりやらを取るのに、なぜその場所をさわさわ撫でる必要があるのか。
少なくとも、「背中に何か付いてる」とか言いつつブラジャーの線を指でなぞる必要は絶対ないと断言できる。

(さすがに気持ち悪すぎて思わず殴った。
義弟にならって「ごめん蚊がいて~」とシラをきっておいた。)

私の義弟は、ちょっとセクハラ親父くさくなったかもしれない…。
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