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第二章 冒険する公爵令嬢
ハーレム希望者と遭遇
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服についたドロドロをどうにか魔術で綺麗にして乗合の馬車に乗った。
目指す目的地は魔法使いの国であるオズの国だ。
ガッタンゴットンと悪路なのか馬車は大きく揺れる。
「こんにには、おにちゃん」
「こんにちは、お嬢さん。どうかした?」
「おにちゃんのけ、おしょらみたいね」
「ありがとう、君も夕焼けみたいな髪で素敵だね」
隣に座った幼い女の子が目をまん丸にして私を見ていた。
女の子を膝の上に座らせている母親と目があい、会釈をされた。
馬車にはぎゅうぎゅうに人が乗っており座るだけのスペースしかない。当然荷物を置くスペースはほとんどない。
収納魔術って便利だわ……。
オズの国には、母方のお祖母様がいる。
まずは、お祖母様に会って逆行について聞いてみよう。
ついでに魔法なんかも使えるようにならないかな……なんてね。
この世界に魔法使いといわれる存在は7人しかいない。
一般的なのは魔術だし、アカデミーで学べるのも魔術だ。
魔法と魔術の違いは、基本的にはない。ただ規模が違うだけで事象の起こる原理は変わらない。
ただし魔法の場合は世界の改変すら可能になるという。
例えばこの世界での神話や伝説には魔法使いが現れる。
『かつて7人の魔法使いがいた。
1人が死んで2人は離れ離れ。
3人で新天地を創り、4人は国を建てた。
4人の魔法使いのうちの1人が建てた国こそがゼノ帝国なのである』
帝国の建国伝説を簡潔にするとこんな感じか。
文献にある、どの地域の神話や伝説にも魔法使いは7人だけだ。
それにどういう意味があるのか、未だに分かっていないけど、1つだけ明らかなのは国を建てた4人の魔法使いのうち存命なのはオズの国に住む女王だけだということ。
他にも教会の教皇も魔法使いだと噂されているけどあくまで噂レベルでしかない。
そもそも簡単な会える人ではないし確かめようもないのだ。
「もうすぐグラナット公国が見えてくるわよ」
「わーい、新しいおうちね!」
隣の親子が小声で笑い合っている。
オズの国に行くには、唯一国交を持つ帝国の北方にあるエル・デルスター王国へ向かわなければいけない。
エル・デルスター王国は深い森に囲まれているため、複数人で護衛やハンターをお金を出し合って雇うのが一般的な方法だった。
グラナット公国は帝国東の天元山脈の麓にあり、かなりの大回りになってしまう。
だがグラナット公国には大手のギルドが存在しているため、安全にエル・デルスター王国に向かいたいなら必要なことなのだ。
腕自慢なら実力者とパーティーを組んで少数で行ってしまうというのも手ではある。
アカデミーで習える程度の魔術なら知っているけど、そもそも私には魔物と戦う経験がない。
危ない橋は渡らないに限る。
顔を上げれば親子の言う通り、草原の先に小さくグラナット公国の城壁が見えてきていた。
王都とも違うオレンジ色のレンガの巨大な壁だ。
「グァアッ!!」
そのとき、すぐ近くで魔物の叫びがした。
かと思えば馬車が大きな衝撃があり視界がぐるりと一回転する。
──『衝撃緩和』
状況がわからないながら、どうにか馬車全体に衝撃緩和の魔術をかけた。
しかし馬車は横倒しになるのは避けられず他の乗客に押し潰されてしまう。
そのとき頭を打ったのかひどく後頭部が痛んだ。
おそらく魔物に体当たりをされてしまったんだろう。
馬のいななきに、魔物の威嚇声、それから乗客たちの悲鳴が重なって頭がグワングワンと揺れる。
「出でよ! ファイアボール!!」
ようやく馬車から這い出たとき、目の前を火球が通り過ぎて行った。
皮の防具に腰には剣、手には杖を握り締めた、いまいち何を目指しているのか分からない格好の少年が立っている。
「だから! それダサいからやめなさいってば! バカッ!」
「いーんだって! こういうのが王道なんだからさ!」
「ふふふ…もうっ、マサキ様ったら」
少年から少し離れた場所に桃色の髪の少女と三角帽子を被った少女が佇んでいる。
彼女たちの背後には他の乗客がおり、どうやら保護しているらしいと察する。
「もいっちょオマケに、出でよ! ファイアボール!」
火球が再び飛んでいく。
猪の姿に似た魔物は火に包まれて、足早に去っていった。
「キミ、大丈夫?」
少年がまだ倒れたままの私は手を差し出す。
その手を取ると少年は真っ白な歯を見せて笑顔を浮かべた。
「僕の名前は桂木正樹、……あ、こっちだとマサキ・カツラギって言った方がいいんだっけ?」
「…………ジョー・ジック」
「……あれ、キミもしかして男? ……なーんだ、助けて損したわ! あは、なんて嘘嘘!」
カツラギマサキという時点で色々と察するものがある。
そして隠しているつもりだろうけど「ハーレム要員じゃないのかぁ……」と小さく呟く声が聞こえているし。
お主、さては転移者か?
異世界転生に異世界聖女に逆行、そしてハーレム希望転移者なんて……どうなってるんだよ、この世界。
目指す目的地は魔法使いの国であるオズの国だ。
ガッタンゴットンと悪路なのか馬車は大きく揺れる。
「こんにには、おにちゃん」
「こんにちは、お嬢さん。どうかした?」
「おにちゃんのけ、おしょらみたいね」
「ありがとう、君も夕焼けみたいな髪で素敵だね」
隣に座った幼い女の子が目をまん丸にして私を見ていた。
女の子を膝の上に座らせている母親と目があい、会釈をされた。
馬車にはぎゅうぎゅうに人が乗っており座るだけのスペースしかない。当然荷物を置くスペースはほとんどない。
収納魔術って便利だわ……。
オズの国には、母方のお祖母様がいる。
まずは、お祖母様に会って逆行について聞いてみよう。
ついでに魔法なんかも使えるようにならないかな……なんてね。
この世界に魔法使いといわれる存在は7人しかいない。
一般的なのは魔術だし、アカデミーで学べるのも魔術だ。
魔法と魔術の違いは、基本的にはない。ただ規模が違うだけで事象の起こる原理は変わらない。
ただし魔法の場合は世界の改変すら可能になるという。
例えばこの世界での神話や伝説には魔法使いが現れる。
『かつて7人の魔法使いがいた。
1人が死んで2人は離れ離れ。
3人で新天地を創り、4人は国を建てた。
4人の魔法使いのうちの1人が建てた国こそがゼノ帝国なのである』
帝国の建国伝説を簡潔にするとこんな感じか。
文献にある、どの地域の神話や伝説にも魔法使いは7人だけだ。
それにどういう意味があるのか、未だに分かっていないけど、1つだけ明らかなのは国を建てた4人の魔法使いのうち存命なのはオズの国に住む女王だけだということ。
他にも教会の教皇も魔法使いだと噂されているけどあくまで噂レベルでしかない。
そもそも簡単な会える人ではないし確かめようもないのだ。
「もうすぐグラナット公国が見えてくるわよ」
「わーい、新しいおうちね!」
隣の親子が小声で笑い合っている。
オズの国に行くには、唯一国交を持つ帝国の北方にあるエル・デルスター王国へ向かわなければいけない。
エル・デルスター王国は深い森に囲まれているため、複数人で護衛やハンターをお金を出し合って雇うのが一般的な方法だった。
グラナット公国は帝国東の天元山脈の麓にあり、かなりの大回りになってしまう。
だがグラナット公国には大手のギルドが存在しているため、安全にエル・デルスター王国に向かいたいなら必要なことなのだ。
腕自慢なら実力者とパーティーを組んで少数で行ってしまうというのも手ではある。
アカデミーで習える程度の魔術なら知っているけど、そもそも私には魔物と戦う経験がない。
危ない橋は渡らないに限る。
顔を上げれば親子の言う通り、草原の先に小さくグラナット公国の城壁が見えてきていた。
王都とも違うオレンジ色のレンガの巨大な壁だ。
「グァアッ!!」
そのとき、すぐ近くで魔物の叫びがした。
かと思えば馬車が大きな衝撃があり視界がぐるりと一回転する。
──『衝撃緩和』
状況がわからないながら、どうにか馬車全体に衝撃緩和の魔術をかけた。
しかし馬車は横倒しになるのは避けられず他の乗客に押し潰されてしまう。
そのとき頭を打ったのかひどく後頭部が痛んだ。
おそらく魔物に体当たりをされてしまったんだろう。
馬のいななきに、魔物の威嚇声、それから乗客たちの悲鳴が重なって頭がグワングワンと揺れる。
「出でよ! ファイアボール!!」
ようやく馬車から這い出たとき、目の前を火球が通り過ぎて行った。
皮の防具に腰には剣、手には杖を握り締めた、いまいち何を目指しているのか分からない格好の少年が立っている。
「だから! それダサいからやめなさいってば! バカッ!」
「いーんだって! こういうのが王道なんだからさ!」
「ふふふ…もうっ、マサキ様ったら」
少年から少し離れた場所に桃色の髪の少女と三角帽子を被った少女が佇んでいる。
彼女たちの背後には他の乗客がおり、どうやら保護しているらしいと察する。
「もいっちょオマケに、出でよ! ファイアボール!」
火球が再び飛んでいく。
猪の姿に似た魔物は火に包まれて、足早に去っていった。
「キミ、大丈夫?」
少年がまだ倒れたままの私は手を差し出す。
その手を取ると少年は真っ白な歯を見せて笑顔を浮かべた。
「僕の名前は桂木正樹、……あ、こっちだとマサキ・カツラギって言った方がいいんだっけ?」
「…………ジョー・ジック」
「……あれ、キミもしかして男? ……なーんだ、助けて損したわ! あは、なんて嘘嘘!」
カツラギマサキという時点で色々と察するものがある。
そして隠しているつもりだろうけど「ハーレム要員じゃないのかぁ……」と小さく呟く声が聞こえているし。
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