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第三章 海を渡る公爵令嬢
オズへの旅路
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水を被ると体内の回線がショートしないように緊急停止するように設定されているらしい。
再起動に外部から魔力の衝撃が必要なことを除けば特に問題もないそうだ。
故障などではないようでひとまずは安心しておく。
「じゃあ解決ってことでバートレット、続けろ」
「ああ、ジョー。いてもいいがうら若き乙女がロボとは言え男の裸を見学するのはいかがなものかな」
「ロボじゃねえ! サイボーグだ!! 間違えんな!! つーか、は!? ソイツ女かよ!?」
ジョンにより控えめに退出の要請をされた。
そこへ縛られたアランが怒鳴り散らす。
ロボかサイボーグか、そこまで重要な話なのか。
唖然と口を開くアランを尻目に私は大人しく退出させてもらった。
これからアランを一旦裸にさせる予定ということらしい。
8割が機械の体……世界観がおかしいとはいえ見てみたい気もした。
「おー、ジョー。新入りのやつは無事そうだったか?」
「うん、一応ね。なんか、アイツサイボーグらしいよ」
「サイボーグぅ?」
状況を聞かれ、答えれば「何だそれ」と海賊たちは顔をしかめて首を傾げている。
うん、わかる。
30分ほどで、今度はホクホクと微笑むジョンが戻ってきた。
ディヴィスと見慣れない男がついて来ている。
真っ直ぐな黒い髪に目尻の吊り上がった同じく黒い瞳。
アジアンビューティーというのだろうか。
なるほどなかなかのイケメンである。
「おかえり~」
「やあ、待たせたね。皆の衆」
「今日から船に乗ることになった庵阿蘭若だ」
「なんて?」
「こっち風にいうとアランニャ・イオリか」
「アランでいいぜ。どうせお前にゃ発音できねえ」
すん、と身綺麗になった阿蘭若……アランがそっぽを向いた。
は~ん、なるほどなるほど。
極東の出身にしては名前がこちら風だと感じてはいたが通名だったわけか。
たしかに阿蘭若なんて発音は少し難しいかもしれない。
「……この船に乗るって、ディヴィス。次の目的地はオズ、なんだよね? そのことは話してあるの? というかそもそも、奴隷から解放したいんだけど」
手首に嵌ったままの金色のブレスレットに触れる。
流されたとはいえ奴隷はいらない。
奴隷がいると帝国に帰れない。捕まるから。
「おー、それについても説明済みだ。おら、自分で話せ」
「俺もオズに行きてえんだよ。俺の体を改造した魔法使いがオズにいてな、……めんどくせえがソイツにそろそろメンテして貰いてえのさ」
つまり、ディヴィスたちは冒険がしたい。
アランは体のメンテナンスでオズへ行きたい。
言わずもがな私は祖母に会いにオズを目指している。
三者の目的が一致しているということなのだらうか。
奴隷であっても命令なんてするつもりはないし、利害の一致があるなら分かりやすくて、なおかつ付き合わせてしまう罪悪感がなくていい。
「本当にディヴィスたちはそれでいいの? オズへ行く目的があるのならちゃんと聞いておきたいな」
その方が私も気楽で助かるのだが。
質問にディヴィスが頭を掻き始める。
「目的は、アレだ。やっぱテメエだよ。どうしてもテメエが仲間に欲しい。なら、テメエが頷くまでテメエの行き先に付き纏うしかねえじゃねえか」
「……つ、付き纏い……」
「こういうと人聞きが悪いか? つっても実際そうだろ。俺はテメエが欲しいからな、欲しいもん諦めるくらいなら多少の汚名ぐらい喜んで被るぜ。そもそも俺らは悪党だからな」
「そ、それは結局、私が君たちを旅に付き合わせてしまうってことで……」
なんだか悪い気がしてくる……と続けようとした。
バンッ!
「いた!」
背中を思い切りアランに叩かれた。
「アホが。お前もオズへ行きてえんだろうが、なら利用できるもん利用しねえで行く当てあんのかよ?」
「ないけど……」
「けどもカカシもあるかっての! お前は頭の足りねえカカシかよ? こっちに益があんなら大人しく利用しとけ。仲間になる気がねえならオズに着いたらさっさとオサラバしちまえばいいんだ」
アホくさと顔をしかめられている。
なんて酷い言い草なのか。
立場を振りかざすつもりはないけど、私は一応主人であるというのに。
「ハッ、おさらばなんてさせる気はねえよ。ジョーは俺らの仲間にするからな」
「ぅ、うぁ……気が重い……」
「まあ、アランの言葉にも一理はあるね。利用できるものは利用すればいいさ。この場合は私たちだが、もちろん嫌なら断り続ければいい」
「そのつもりは微塵もないがね」と瞳で言外に伝えてくるジョンである。
まだ出発をしていないのに今から胃が痛くなるやりとりはやめてもらっていいですか……。
「とりあえずはそういうことだ。ジョー、いいな?」
「うっ、はい」
「ヨォーシ!!! ひとまず話はついた! 野郎ども! 明朝に出航だ!!!」
遠巻きにしていた海賊たちにディヴィスが号令を出した。
道中紆余曲折は絶対にあるのだろうが……、それについて悩むのはひとまずはその時の私に任せてしまう。
今は冒険の予感にただ期待だけしておこうか……。
こうして、ようやくオズへと向かう旅が始まった。
再起動に外部から魔力の衝撃が必要なことを除けば特に問題もないそうだ。
故障などではないようでひとまずは安心しておく。
「じゃあ解決ってことでバートレット、続けろ」
「ああ、ジョー。いてもいいがうら若き乙女がロボとは言え男の裸を見学するのはいかがなものかな」
「ロボじゃねえ! サイボーグだ!! 間違えんな!! つーか、は!? ソイツ女かよ!?」
ジョンにより控えめに退出の要請をされた。
そこへ縛られたアランが怒鳴り散らす。
ロボかサイボーグか、そこまで重要な話なのか。
唖然と口を開くアランを尻目に私は大人しく退出させてもらった。
これからアランを一旦裸にさせる予定ということらしい。
8割が機械の体……世界観がおかしいとはいえ見てみたい気もした。
「おー、ジョー。新入りのやつは無事そうだったか?」
「うん、一応ね。なんか、アイツサイボーグらしいよ」
「サイボーグぅ?」
状況を聞かれ、答えれば「何だそれ」と海賊たちは顔をしかめて首を傾げている。
うん、わかる。
30分ほどで、今度はホクホクと微笑むジョンが戻ってきた。
ディヴィスと見慣れない男がついて来ている。
真っ直ぐな黒い髪に目尻の吊り上がった同じく黒い瞳。
アジアンビューティーというのだろうか。
なるほどなかなかのイケメンである。
「おかえり~」
「やあ、待たせたね。皆の衆」
「今日から船に乗ることになった庵阿蘭若だ」
「なんて?」
「こっち風にいうとアランニャ・イオリか」
「アランでいいぜ。どうせお前にゃ発音できねえ」
すん、と身綺麗になった阿蘭若……アランがそっぽを向いた。
は~ん、なるほどなるほど。
極東の出身にしては名前がこちら風だと感じてはいたが通名だったわけか。
たしかに阿蘭若なんて発音は少し難しいかもしれない。
「……この船に乗るって、ディヴィス。次の目的地はオズ、なんだよね? そのことは話してあるの? というかそもそも、奴隷から解放したいんだけど」
手首に嵌ったままの金色のブレスレットに触れる。
流されたとはいえ奴隷はいらない。
奴隷がいると帝国に帰れない。捕まるから。
「おー、それについても説明済みだ。おら、自分で話せ」
「俺もオズに行きてえんだよ。俺の体を改造した魔法使いがオズにいてな、……めんどくせえがソイツにそろそろメンテして貰いてえのさ」
つまり、ディヴィスたちは冒険がしたい。
アランは体のメンテナンスでオズへ行きたい。
言わずもがな私は祖母に会いにオズを目指している。
三者の目的が一致しているということなのだらうか。
奴隷であっても命令なんてするつもりはないし、利害の一致があるなら分かりやすくて、なおかつ付き合わせてしまう罪悪感がなくていい。
「本当にディヴィスたちはそれでいいの? オズへ行く目的があるのならちゃんと聞いておきたいな」
その方が私も気楽で助かるのだが。
質問にディヴィスが頭を掻き始める。
「目的は、アレだ。やっぱテメエだよ。どうしてもテメエが仲間に欲しい。なら、テメエが頷くまでテメエの行き先に付き纏うしかねえじゃねえか」
「……つ、付き纏い……」
「こういうと人聞きが悪いか? つっても実際そうだろ。俺はテメエが欲しいからな、欲しいもん諦めるくらいなら多少の汚名ぐらい喜んで被るぜ。そもそも俺らは悪党だからな」
「そ、それは結局、私が君たちを旅に付き合わせてしまうってことで……」
なんだか悪い気がしてくる……と続けようとした。
バンッ!
「いた!」
背中を思い切りアランに叩かれた。
「アホが。お前もオズへ行きてえんだろうが、なら利用できるもん利用しねえで行く当てあんのかよ?」
「ないけど……」
「けどもカカシもあるかっての! お前は頭の足りねえカカシかよ? こっちに益があんなら大人しく利用しとけ。仲間になる気がねえならオズに着いたらさっさとオサラバしちまえばいいんだ」
アホくさと顔をしかめられている。
なんて酷い言い草なのか。
立場を振りかざすつもりはないけど、私は一応主人であるというのに。
「ハッ、おさらばなんてさせる気はねえよ。ジョーは俺らの仲間にするからな」
「ぅ、うぁ……気が重い……」
「まあ、アランの言葉にも一理はあるね。利用できるものは利用すればいいさ。この場合は私たちだが、もちろん嫌なら断り続ければいい」
「そのつもりは微塵もないがね」と瞳で言外に伝えてくるジョンである。
まだ出発をしていないのに今から胃が痛くなるやりとりはやめてもらっていいですか……。
「とりあえずはそういうことだ。ジョー、いいな?」
「うっ、はい」
「ヨォーシ!!! ひとまず話はついた! 野郎ども! 明朝に出航だ!!!」
遠巻きにしていた海賊たちにディヴィスが号令を出した。
道中紆余曲折は絶対にあるのだろうが……、それについて悩むのはひとまずはその時の私に任せてしまう。
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