同期の御曹司様は浮気がお嫌い

秋葉なな

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同居の御曹司は甘やかすのがお好き

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「だからそれはタイミグがあって……今一緒に住んでる……そう、姉さんが無理矢理連れてきたんだ……」

悪いと思いつつも聞き耳を立ててしまう。だって私の話をしているようだから。

「泉さんは悪くないよ。姉さんを家から出したのが悪いんだ。そっちを怒るのが先だよね……うん、真剣だから……」

こっそり覗くとソファーに寝転んだ優磨くんは「あの話は断ってほしい」と電話の相手にお願いしているようだ。

「そのうちきちんと紹介する……だから本気なんだって……姉さんと一緒にしないでよ……うん。じゃあね」

通話を終えると溜め息をついた優磨くんに近づいた。

「優磨くん……なんかごめんね、今日やっぱり私が会社に行っちゃいけなかったよね……」

「違うよ。怒ったり困ったりしてるんじゃなくて……まあある意味大変なんだけど」

「ごめんなさい……」

「波瑠は悪くないよ。今日波瑠が会社に顔を出したっていうのが父の耳に入ったってだけ」

「何かまずかった?」

大事な跡取りの恋人が私では問題があるのだろうか。

「ううん、父に恋人がいることを言ってなかったから。泉さんにもまだ話さないでほしいってお願いしてたのは俺だし」

「やっぱり私が恋人だとは言いにくいよね……」

「違う! 俺が力不足なんだ」

「え?」

「波瑠おいで」

優磨くんがそばに来るように言うから近づくと、手を引かれ優磨くんの上に倒れるようにソファーに寝転ぶ。

「波瑠が恋人だって言い切れないほど俺がまだ力がないから……」

「そうなの? だって優磨くんは部長なんでしょ?」

この若さでそれだけの役職がつくのはすごいことなのではないだろうか。

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