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同居の御曹司は甘やかすのがお好き

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「波瑠」

「何?」

「愛してる」

初めて言われた言葉に体が固まる。

「…………」

「あのさ……黙られちゃうと結構不安なんだけど……」

「…………」

「波瑠?」

「私も……私も愛してる……」

そう答えると優磨くんが体を起こした。私の体を抱えて立ち上がらせるとキスをする。
角度を変えて何度も唇を重ねながらゆっくりと寝室まで移動していく。
私の膝の裏がベッドの端に当たりバランスを崩すと優磨くんが体を支えてゆっくり寝かされる。

「波瑠、絶対に守るよ」

熱っぽく見つめられ、私は目を潤ませながら頷く。
パジャマのボタンが外されていく。私は優磨くんのシャツを肩まで捲り脱がせた。

「優磨くん……愛してる」

首から鎖骨にかけてキスされながら言葉を絞り出す。

「もう一回言って」

「あっ……愛してる……」

指先で胸に触れられると体が小さく跳ねた。

「俺も、波瑠を愛してる」

体中に優しいキスを受けながら優磨くんの熱に溺れた。










裸のまま抱き合って寝て、目が覚めてからもまだ優磨くんの腕の中に納まっていることが幸せだと実感する。
会社でしか会うことのなかった人に「愛してる」と言われて「愛してる」と返す日が来るなんて人生何が起こるか分からないな、なんて思いながら寝顔を見ていると優磨くんも目を覚ました。

「おはよう」

声をかけるとまだ寝ぼけ顔の優磨くんは私にキスをして掠れた声で「おはよう」と囁いた。

先にシャワーを浴びると、続いて優磨くんが浴びている間に洗濯機をかける。朝食を作り終わると洗濯が終わった音が鳴る。

洗ったばかりの服を入れた洗濯カゴを持ってバルコニーに出て干す。
優磨くんの部屋は高い階にあるから、見下ろす人や車は全て小さく見える。最寄り駅に電車が到着したのが見えた。人がどっと電車から降りてまた乗っていく。
少し前の私はあの中の一人だった。今はこうやって毎日のんびり生活させてもらえてありがたい。

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