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6 買い物※
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近頃、リネーは食材を買いに市場に向かうことが多いが、必ずクジマも着いてきた。
「ねえ、クジマ、もう道は覚えたから一人で来れるよ。それに外見ごまかす魔道具もあるし」
リネーは庶民が着るラフなチュニックとカーゴパンツ的なズボンを履いて、人相を誤魔化せる魔道具でもある帽子を深くかぶっていた。クジマと並んで市場に向かっているところだった。
「……リ、リネーくんは認識阻害の魔道具の帽子をしてても隠せない可愛さがあるから、まだ一人での買い物はだめだよ。変な人に拐われちゃう可能性がある」
「えぇ?なにそれ?僕、そんなに頼りないかな?」
過保護にも程があるとリネーは思うが、前世の記憶が人格に入ったとはいえリネーはまだ平民の生活に慣れていない部分がまだまだあるので、買い物に付き合ってくれるクジマには助かっている。それでも過保護だとは思うが。
「クジマ、僕に着てほしい服とかある?」
リネーはちょうど配信で着る新しい服か下着が欲しかった。近頃はコーデがワンパターンになりがちだったので、参考にクジマに聞いてみた。
「リネーくんは何を着ても似合うよ。」
「いや、そうじゃなくて、配信でどんな服を着てほしいかってこと」
「そっ、それなら……わっ、私とお揃いのローブを着てほしい」
「えぇー、ローブはいつも店番で着てるよ?」
「そっ、その、私とお揃いだとつい嬉しくなって……」
ローブは体の線が出ないので、配信視聴者のメッセージやコメントでは不評だった。不評といえば、竿役の喘ぎがうるさいとかうざい等、よくクレームがきていた。それらを読んだクジマはヘコんでいた。
「まあ、いいや。ちょっと新しく撮影用の服を買っていくよ。下着のほうがいいかな?」
「リネーくんの新しい撮影用の服に下着?!うっ、……考えただけで勃起しそう……」
「えっ、ここで?!難しい魔術式を考えるとかして精神を落ち着かせて」
「むっ、無理ッ……」
「仕方ないなあ……」
リネーは周囲を見回して、人が来なそうな路地にガチガチになっているクジマを引っ張り込む。多少すえたような匂いがするが背に腹は代えられないのでここですることにした。
「ここで抜くよ。あっ、魔導板持ってきてなかった。せっかくの路地裏なのに」
「携帯用の魔導板ならあるよ」
クジマは手のひらサイズの魔導板を取り出した。動画配信で得た資金でクジマが買ったのだ。最新式なので、小さいサイズだが性能はよくきれいに撮影できる。
(これっていわゆるスマホだよな。前世みたく一般市民には普及してないけど)
クジマが携帯用魔導板を撮影を始めると、リネーは上目遣いで見つめて語りかける。
「こんにちは。リーです。今日は外で撮影をします。初めての路地裏でのエッチな配信をしちゃいます。早速、オチンチンにご奉仕していきたいと思います。」
リーは配信の時に使用しているハンドルネームのようなものである。魔導板に向かって話した後、リネーはクジマの屹立した陰茎を指でそっと突いて揺らすと先端から先走りの汁がツゥーッと流れた。
「すごい!指先で触っただけでもとても熱くて硬いのがわかる。それにすごいオスの匂いがして……もう僕これだけで発情してきちゃった」
配信を見ている人を喜ばせようとして積極的に淫猥な発言をリネーは喋っていると、クジマの身体がガクガクと揺れ始めた。
「ああっ!リネーくんの可愛すぎる声でそんな卑猥なことを言われたらッ……!もっ、もう!でっ、でるっ!!」
「えっ?もうっ?!うわっ!!」
陰茎の先端から勢いよく白濁が放出され、飛び散った白い汁がリネーの顔にかかってしまう。
「あぁあっ!……リ、リネーくん……ごめん……もう出ちゃった」
「……ぅっ…早いよクジマ……しかもこんなにたくさん射精して……相変わらず凄い量だね……」
顔にかかった白濁を指で取り舌で舐め取ると、それを見たクジマは更に興奮したのか陰茎が再び硬度を取り戻し再び屹立した。
「リネーくんが私の精子を淫らに舐めるからまた勃っちゃったよ……ごめん……」
「回復力は本当にすごいよね、クジマって。じゃあこれからお掃除フェラするね」
「おっ、おっ、お掃除フェラ……お、お願いします……」
陰茎の側面に舌を這わしてペロペロと舐めながらクジマの方を見上げると、クジマは顔を紅潮させて緊張のせいか震えていた。
「クジマ、どう?気持ちいい?」
「うん、きっ、気持ち良すぎて、昇天しそうッ……寿命が縮まるぅッ!!うあぁっ!」
クジマとリネーはまだ本番行為をしたことはないが、クジマはいまだにフェラチオですらガチガチに緊張していた。最初よりはマシになったが、まったく慣れずいつも顔を羞恥に染めてリネーの動画撮影に付き合ってくれた。
「クジマのチンチン、太くて血管が浮き出ててビクビクしてすごい立派だよね。羨ましいな」
「そんなっ、私の薄汚れたチンチンより、リネーくんの可憐なチンチンのほうが絶対にいいよ!ううっ、そっそこはっ、弱いからだめぇ!!あぁ!!うんんっ……!」
リネーは亀頭を咥えて口内で舌で舐め回しながら、手で根本から上下に擦り奉仕をする。亀頭舐める音が路地裏に響き、淫猥な雰囲気に拍車をかける。
「ううっ、また出ちゃうぅっ!リネーくんッ!!」
クジマの陰茎がビクビクと痙攣しリネーの口内に熱い精子を放精した。リネーは出された精液を飲み込まず、魔導板に向けて口を開けて見せた。
「リッ、リネーくん!そんな汚いの吐き出して!」
慌ててクジマはリネーに言うが、リネーは構わず精子をコクンと飲み干した。リネーは魔導板に視線を合わせて、飲み込んだ感想を言い始めた。
「はぁっ……すっごく濃い精子で僕、飲んだだけで妊娠しちゃいそう……」
「ひいいっ!そんなっ!リネーくんが私の子を妊娠しそうだって?!そんなっ……ああっ、そんなこと言われたらまた……ううっ……」
クジマが興奮してしまったことで、また陰茎が屹立してしまいリネーは内心『また勃ってる』と思うが、文句も言わずに動画撮影に付き合ってくれるクジマとこの陰茎の回復力に感謝をしないとなと思い、陰茎の根本に舌を這わせた。
「クジマ、またまた勃っちゃったね。僕、頑張って抜くからしっかり撮影してね」
「はっ、はひぃっ!!わかったよリネーくん!それにしても私のバカチンチンがすぐ勃起して本当にごめん!お詫びに今度切り落とすよ!」
「それはしなくていいよ……」
物騒なことを言い始めるクジマの陰茎に奉仕を始めるが、完全に萎えるまで後三回ほど奉仕をすることになった。
+ + +
「ううっ、リネーくん…ごめん。私のせいでゆっくり買い物できなくて…」
「もう、謝らなくていいから。今度は食材買っていこうよ」
路地裏で奉仕をした後に、リネー達は服屋に行ったがリネーが服を合わせる度にクジマはまた勃ちそうと言い始めたので、適当に服を見繕い店を早く出た。
「私の愚かなチンチンがすぐ勃起するのがいけないんだ……やはり切り落とすべきか……」
「いや、そこまではいいから。あっ、あそこに屋台があるから何か食べようよ」
リネーは話題を変えようと、目に見えた肉の串焼きを売っている店を指さしてクジマに提案する。
「お腹もちょっと空いたし、休憩がてら食べようよ」
リネーは屋台まで走っていき店主に串焼きを注文し受け取り、近くのベンチに座り串焼きをクジマに渡す。
「熱いからゆっくり食べてね」
「……リネーくんは優しいね……」
渡された串焼きをじっと見ながらクジマは独り言のようにつぶやいた。
「そう?」
「……わ、私は友人もいないし、家族もいない。ついでにお金もないし、魔術師としても底辺。そんな何もない私をチンピラから助けてくれて、店番まで手伝ってくれたりして僕にとってリネーくんは天使……本当に感謝してるよ」
クジマにいきなり感謝されたが、家に居候させてもらったり動画撮影を手伝ってもらったりと、本当に感謝するのこちらの方だとリネーは思う。
「天使だなんて大袈裟だよ」
「お、大袈裟なんかじゃないよ。私は君に助けてもらえて本当によかったんだ。だから……動画を協力するよ。だから……その、お金が溜まったら……えー……」
「お金が溜まったら?」
「……お金が溜まったら……その時に言うよ」
「うん、わかった。あっ、串焼き冷めちゃうから早く食べようよ」
クジマが言いかけたことはリネーにはわからなかったが、動画を協力してくれるということでクジマといい関係が築けていると思ってちょっと嬉しくなった。リネーは目の前の串焼きを一口食べると、口の中に肉汁が広がり目を輝かせる。
「これ、おいしい!クジマも早く食べるといいよ」
クジマはゆっくりと串焼きに食べながら、串焼きを美味そうに頬張るリネーを見て微笑んだ。
「リネーくんは本当に美味しそうに食べるね。見てて飽きないよ」
「そう?この串焼きも美味しいけど、クジマの作る食事は美味しいくてつい食べ過ぎちゃうからなあ」
「あっ、ありがとう……。なんならずっと、私の作った食事をリネーくんに食べて……ほしい……」
最後の方は小さい声だったがクジマは恥ずかしそうに俯いてそう言うと、リネーのほうを見た。
「うん、いいよ。」
「え!?」
「でも居候しているの僕なのに申し訳ないな。僕も手伝うから料理を教えてよ」
「リネーくんならいくらでも教えるよ!うっ、嬉しい……」
顔を真っ赤にしてクジマは狼狽えながらも嬉しそうにリネーに答える。
「クジマ、顔赤いよ?また?」
「う、ううん!今は、勃ってないよ。これはその……違う恥ずかしさだから……」
なんだかよくわからないことをクジマは言う。あまりリネーは深く詮索せず、串焼きを食べ終わりベンチから立つ。
「じゃあ、早速今日から料理教えてよ」
「う、うん。じゃあ、帰ろうか。荷物は私が持つよ」
二人は大通りを歩き出すと、リネーはクジマの手を握るとギュッと力を入れ返された。
「リネーくんの手、温かくて気持ちいい」
「ふふ、前は手を握るだけで大変なことになってたのにクジマも成長したね」
「……あんまり言わないで……恥ずかしいよ……」
また恥ずかしがるクジマをからかうようにリネーは言うと、互いの視線が合いお互い笑ってしまう。
「ずっとこんな時間が続けばいいな……」
人通りの多い道で、隣のリネーにも聞こえない声でクジマはそっと呟いてリネーの手をさり気なく握り返した。
「ねえ、クジマ、もう道は覚えたから一人で来れるよ。それに外見ごまかす魔道具もあるし」
リネーは庶民が着るラフなチュニックとカーゴパンツ的なズボンを履いて、人相を誤魔化せる魔道具でもある帽子を深くかぶっていた。クジマと並んで市場に向かっているところだった。
「……リ、リネーくんは認識阻害の魔道具の帽子をしてても隠せない可愛さがあるから、まだ一人での買い物はだめだよ。変な人に拐われちゃう可能性がある」
「えぇ?なにそれ?僕、そんなに頼りないかな?」
過保護にも程があるとリネーは思うが、前世の記憶が人格に入ったとはいえリネーはまだ平民の生活に慣れていない部分がまだまだあるので、買い物に付き合ってくれるクジマには助かっている。それでも過保護だとは思うが。
「クジマ、僕に着てほしい服とかある?」
リネーはちょうど配信で着る新しい服か下着が欲しかった。近頃はコーデがワンパターンになりがちだったので、参考にクジマに聞いてみた。
「リネーくんは何を着ても似合うよ。」
「いや、そうじゃなくて、配信でどんな服を着てほしいかってこと」
「そっ、それなら……わっ、私とお揃いのローブを着てほしい」
「えぇー、ローブはいつも店番で着てるよ?」
「そっ、その、私とお揃いだとつい嬉しくなって……」
ローブは体の線が出ないので、配信視聴者のメッセージやコメントでは不評だった。不評といえば、竿役の喘ぎがうるさいとかうざい等、よくクレームがきていた。それらを読んだクジマはヘコんでいた。
「まあ、いいや。ちょっと新しく撮影用の服を買っていくよ。下着のほうがいいかな?」
「リネーくんの新しい撮影用の服に下着?!うっ、……考えただけで勃起しそう……」
「えっ、ここで?!難しい魔術式を考えるとかして精神を落ち着かせて」
「むっ、無理ッ……」
「仕方ないなあ……」
リネーは周囲を見回して、人が来なそうな路地にガチガチになっているクジマを引っ張り込む。多少すえたような匂いがするが背に腹は代えられないのでここですることにした。
「ここで抜くよ。あっ、魔導板持ってきてなかった。せっかくの路地裏なのに」
「携帯用の魔導板ならあるよ」
クジマは手のひらサイズの魔導板を取り出した。動画配信で得た資金でクジマが買ったのだ。最新式なので、小さいサイズだが性能はよくきれいに撮影できる。
(これっていわゆるスマホだよな。前世みたく一般市民には普及してないけど)
クジマが携帯用魔導板を撮影を始めると、リネーは上目遣いで見つめて語りかける。
「こんにちは。リーです。今日は外で撮影をします。初めての路地裏でのエッチな配信をしちゃいます。早速、オチンチンにご奉仕していきたいと思います。」
リーは配信の時に使用しているハンドルネームのようなものである。魔導板に向かって話した後、リネーはクジマの屹立した陰茎を指でそっと突いて揺らすと先端から先走りの汁がツゥーッと流れた。
「すごい!指先で触っただけでもとても熱くて硬いのがわかる。それにすごいオスの匂いがして……もう僕これだけで発情してきちゃった」
配信を見ている人を喜ばせようとして積極的に淫猥な発言をリネーは喋っていると、クジマの身体がガクガクと揺れ始めた。
「ああっ!リネーくんの可愛すぎる声でそんな卑猥なことを言われたらッ……!もっ、もう!でっ、でるっ!!」
「えっ?もうっ?!うわっ!!」
陰茎の先端から勢いよく白濁が放出され、飛び散った白い汁がリネーの顔にかかってしまう。
「あぁあっ!……リ、リネーくん……ごめん……もう出ちゃった」
「……ぅっ…早いよクジマ……しかもこんなにたくさん射精して……相変わらず凄い量だね……」
顔にかかった白濁を指で取り舌で舐め取ると、それを見たクジマは更に興奮したのか陰茎が再び硬度を取り戻し再び屹立した。
「リネーくんが私の精子を淫らに舐めるからまた勃っちゃったよ……ごめん……」
「回復力は本当にすごいよね、クジマって。じゃあこれからお掃除フェラするね」
「おっ、おっ、お掃除フェラ……お、お願いします……」
陰茎の側面に舌を這わしてペロペロと舐めながらクジマの方を見上げると、クジマは顔を紅潮させて緊張のせいか震えていた。
「クジマ、どう?気持ちいい?」
「うん、きっ、気持ち良すぎて、昇天しそうッ……寿命が縮まるぅッ!!うあぁっ!」
クジマとリネーはまだ本番行為をしたことはないが、クジマはいまだにフェラチオですらガチガチに緊張していた。最初よりはマシになったが、まったく慣れずいつも顔を羞恥に染めてリネーの動画撮影に付き合ってくれた。
「クジマのチンチン、太くて血管が浮き出ててビクビクしてすごい立派だよね。羨ましいな」
「そんなっ、私の薄汚れたチンチンより、リネーくんの可憐なチンチンのほうが絶対にいいよ!ううっ、そっそこはっ、弱いからだめぇ!!あぁ!!うんんっ……!」
リネーは亀頭を咥えて口内で舌で舐め回しながら、手で根本から上下に擦り奉仕をする。亀頭舐める音が路地裏に響き、淫猥な雰囲気に拍車をかける。
「ううっ、また出ちゃうぅっ!リネーくんッ!!」
クジマの陰茎がビクビクと痙攣しリネーの口内に熱い精子を放精した。リネーは出された精液を飲み込まず、魔導板に向けて口を開けて見せた。
「リッ、リネーくん!そんな汚いの吐き出して!」
慌ててクジマはリネーに言うが、リネーは構わず精子をコクンと飲み干した。リネーは魔導板に視線を合わせて、飲み込んだ感想を言い始めた。
「はぁっ……すっごく濃い精子で僕、飲んだだけで妊娠しちゃいそう……」
「ひいいっ!そんなっ!リネーくんが私の子を妊娠しそうだって?!そんなっ……ああっ、そんなこと言われたらまた……ううっ……」
クジマが興奮してしまったことで、また陰茎が屹立してしまいリネーは内心『また勃ってる』と思うが、文句も言わずに動画撮影に付き合ってくれるクジマとこの陰茎の回復力に感謝をしないとなと思い、陰茎の根本に舌を這わせた。
「クジマ、またまた勃っちゃったね。僕、頑張って抜くからしっかり撮影してね」
「はっ、はひぃっ!!わかったよリネーくん!それにしても私のバカチンチンがすぐ勃起して本当にごめん!お詫びに今度切り落とすよ!」
「それはしなくていいよ……」
物騒なことを言い始めるクジマの陰茎に奉仕を始めるが、完全に萎えるまで後三回ほど奉仕をすることになった。
+ + +
「ううっ、リネーくん…ごめん。私のせいでゆっくり買い物できなくて…」
「もう、謝らなくていいから。今度は食材買っていこうよ」
路地裏で奉仕をした後に、リネー達は服屋に行ったがリネーが服を合わせる度にクジマはまた勃ちそうと言い始めたので、適当に服を見繕い店を早く出た。
「私の愚かなチンチンがすぐ勃起するのがいけないんだ……やはり切り落とすべきか……」
「いや、そこまではいいから。あっ、あそこに屋台があるから何か食べようよ」
リネーは話題を変えようと、目に見えた肉の串焼きを売っている店を指さしてクジマに提案する。
「お腹もちょっと空いたし、休憩がてら食べようよ」
リネーは屋台まで走っていき店主に串焼きを注文し受け取り、近くのベンチに座り串焼きをクジマに渡す。
「熱いからゆっくり食べてね」
「……リネーくんは優しいね……」
渡された串焼きをじっと見ながらクジマは独り言のようにつぶやいた。
「そう?」
「……わ、私は友人もいないし、家族もいない。ついでにお金もないし、魔術師としても底辺。そんな何もない私をチンピラから助けてくれて、店番まで手伝ってくれたりして僕にとってリネーくんは天使……本当に感謝してるよ」
クジマにいきなり感謝されたが、家に居候させてもらったり動画撮影を手伝ってもらったりと、本当に感謝するのこちらの方だとリネーは思う。
「天使だなんて大袈裟だよ」
「お、大袈裟なんかじゃないよ。私は君に助けてもらえて本当によかったんだ。だから……動画を協力するよ。だから……その、お金が溜まったら……えー……」
「お金が溜まったら?」
「……お金が溜まったら……その時に言うよ」
「うん、わかった。あっ、串焼き冷めちゃうから早く食べようよ」
クジマが言いかけたことはリネーにはわからなかったが、動画を協力してくれるということでクジマといい関係が築けていると思ってちょっと嬉しくなった。リネーは目の前の串焼きを一口食べると、口の中に肉汁が広がり目を輝かせる。
「これ、おいしい!クジマも早く食べるといいよ」
クジマはゆっくりと串焼きに食べながら、串焼きを美味そうに頬張るリネーを見て微笑んだ。
「リネーくんは本当に美味しそうに食べるね。見てて飽きないよ」
「そう?この串焼きも美味しいけど、クジマの作る食事は美味しいくてつい食べ過ぎちゃうからなあ」
「あっ、ありがとう……。なんならずっと、私の作った食事をリネーくんに食べて……ほしい……」
最後の方は小さい声だったがクジマは恥ずかしそうに俯いてそう言うと、リネーのほうを見た。
「うん、いいよ。」
「え!?」
「でも居候しているの僕なのに申し訳ないな。僕も手伝うから料理を教えてよ」
「リネーくんならいくらでも教えるよ!うっ、嬉しい……」
顔を真っ赤にしてクジマは狼狽えながらも嬉しそうにリネーに答える。
「クジマ、顔赤いよ?また?」
「う、ううん!今は、勃ってないよ。これはその……違う恥ずかしさだから……」
なんだかよくわからないことをクジマは言う。あまりリネーは深く詮索せず、串焼きを食べ終わりベンチから立つ。
「じゃあ、早速今日から料理教えてよ」
「う、うん。じゃあ、帰ろうか。荷物は私が持つよ」
二人は大通りを歩き出すと、リネーはクジマの手を握るとギュッと力を入れ返された。
「リネーくんの手、温かくて気持ちいい」
「ふふ、前は手を握るだけで大変なことになってたのにクジマも成長したね」
「……あんまり言わないで……恥ずかしいよ……」
また恥ずかしがるクジマをからかうようにリネーは言うと、互いの視線が合いお互い笑ってしまう。
「ずっとこんな時間が続けばいいな……」
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