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幻覚? 幻覚じゃない?
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瑛麻が起きなくなってから数日が経過した。私はあれから毎日、学校がおわると瑛麻の家に通っている。
樹くんと苺くんは懲りないねえと肩を竦めながら、私をじっと観察している。そしてあの時間がくると、私は自分の家へと帰るというルーティンが出来上がっていた。
瑛麻が二人に犯されるところは見たくなかった。
それについてはもう薄情者と罵られることはなかったし、引き止められることもなかった。
私は日を重ねるにつれて憔悴しきっていた。
まるで二人に生気を吸われているみたいできもちがわるかった。
だけど私は通い続けていた。
だってそうしないと瑛麻が心配で仕方なかったから。
こうして夜ご飯を食べている間にも、瑛麻は二人と一緒にいる。瑛麻の命がどうなるかは、二人の気分次第といったところだろう。
完全に弱みを握られている。それにこのままじゃ何も変わらない。
なら、どうすれば瑛麻を助けることができるだろうか。
「伊織ならこういう時、どうするのかな」
ぽつりと吐いた弱音。伊織にも聞こえているはずなのに、ちっとも会いにきてくれないなんて。
伊織だってその気になれば画面から出てこれると思うのに、それをしないのはどうしてなんだろう。伊織は私に会いたくないのかな。私は伊織に会いたいよ。直に触れて、身体を重ねたいと思っている。
変だよね、私。私もきっと、頭がおかしくなってるんだ。
「伊織、会いたいよ。会いにきてよ。寂しいよ」
他力本願。本当に伊織に会いたいのなら、私がアプリを起動すればいいだけの話。
それなのに私はそうしなかった。画面越しではない、こちらにきてくれなきゃいやだ。そんなふうに思っていたからだ。
もうどのくらい会ってない?
最後に会ったのはいつだった?
そうだ、伊織とえっちしたって瑛麻に惚気けた時が最後だった。
いつまでもログインしない私を伊織はどう思っているのだろう。
あれから色々あったんだよ。本当に色々あった。伊織ももう知ってるよね。知ってるから会いにきてくれないの?
知ってるから怒ってるの?
そうだよね。私、苺くんと二回もえっちしちゃったし、私の顔なんて見たくもないよね。
それにしても今日は欠伸ばかりしてる。ちゃんと寝たはずなのに、目を閉じたらすぐに寝ちゃいそうで。
「……早くなんとかしないと、私まで瑛麻みたいになる」
私まで起きれなくなってしまったら、もう誰も瑛麻を助けられなくなってしまう。そうなる前になんとかしなきゃ。瑛麻を助けられるのは私だけなんだから。
眠たい目を擦りながら、重たい身体を引き摺って家を出た。
眠たい。
だめ、瞬きする度に意識が飛びそう。
こうなることをわかっていて、二人は何も言わなかったのかな。だとしたら悪質だし、最低だよ。私が倒れればいいって、自滅するのを待ってたんだ。
「瑛麻……まっててね……今、行くから……」
なんとか瑛麻の家に辿り着いた頃には、頭がクラクラしていた。いつもより重たいドアを開けて、なんとか玄関に入る。靴はちゃんと脱げてないかもしれない。とにかく瑛麻の部屋に行かないと。
「瑛麻……」
瑛麻はいつものように眠っていた。ベットの傍には樹くんと苺くんがいる。
『あれ、今日は顔色悪くない?』
『眠いなら眠ったらどうですか。私が特別に膝枕してさしあげますよ』
心配する素振りをするくせに、その顔は笑っている。
あんた達の思い通りになるもんか。
私は瑛麻の元までゆっくりと歩きだす。
「瑛麻、……っ、おはよう」
『聞いた? 苺。瑞穂が瑛麻におはようだって。こんなにふらふらになりながら挨拶してる』
『ええ、聞きました。まったく瑞穂さんもばかですね。ここにくる度に私達に生気を吸い取られているというのに。もう瑛麻のことなど忘れてしまえば、自分だけでも助かったかもしれないのに』
『瑞穂ってほんとばかー。でもばかな瑞穂も好きだよー。笑っちゃうくらい!』
私はふと、瑛麻の枕元にある二台のスマホが目に入った。
これって瑛麻のスマホだよね。
「……このスマホ、どっちが樹くんで、どっちが苺くん?」
『こっちがオレで、こっちが苺だよー』
私は片方のスマホを手にとると、アプリのアイコンを長押しする。
最初からこうすればよかった。何を躊躇っていたんだろう。瑛麻の命がかかってるんだから、迷う必要なんてなかったんだ。
『え、ちょっと、それオレのスマホ』
「あっは、……ばいばい、樹くん」
『や、やだ! 冗談だってばー。揶揄いすぎた! オレ謝るからさ! ね、瑞穂。頼むから消さないで――』
アプリをアンインストールしますか?
はい。
樹くんが消えた。あとは苺くんを消せばいい。
苺くんは驚いた様子で私を見ると、その王子様のような落ち着いた表情がぱっと消えた。
『貴女……なんてことをしてくれたんですか!』
「何って……樹くんを消したんだよ?」
『ははっ。どうせ消すなら私を消せばよかったのに、よりにもよって樹を消すなんてばかですね!』
「どう、して?」
眠たい。
『樹はものわかりがいいから一度消してしまえば戻ってこないんですよ! 私や伊織と違って優しい子なんです。その優しい性格を逆手にとるなんて、ほんと人間のクズですね!』
眠たい。
『早く貴女も眠ればいい。そうすれば私も穏やかに過ごせるのに、貴女がいるからいつまで経っても退屈で、くだらなくて、腹ただしい!』
眠たい。
『まだ意識があるんですか? 私が眠らせてあげましょうか?』
「うっ」
苺くんの両手が力いっぱい私の首を絞めてくる。苦しくて、息ができない。まさかこのまま私、死んじゃうんじゃ……。
そんなのいやだ。私は瑛麻を助けなきゃ。私が瑛麻を助けなきゃ。
いやだ、いやだいやだいやだ。
死にたくない、死にたくない。
あんなに眠たかった頭が死を意識して醒めていく。意識がどんどん鮮明になって、迫りくる死から抗おうとする。
「ううっ………………う………………」
『早く死ね、早く死ね、早く死ね、早く死ね』
私は必死で手を伸ばすと、瑛麻のスマホを掴んで苺くんの頭を殴った。
『いたっ』
一瞬の隙をついて苺くんから離れた私は、懸命に呼吸をする。
「はー……はー、はー、はー……」
『……ああなるほど、考えましたね。そんなにまだ生きていたいんですか。いいですよ、生きていても。どうせそのうち死にますから。ま、貴女よりも先に瑛麻が死ぬかもしれませんけど』
瑛麻が死ぬ。
それだけはなんとしてでも阻止したかった。
私はアプリのアイコンを長押しすると、苺くんを睨んだ。
『私のことも消すんですか? いいですよ。私を消したところで、瑛麻はもう起きませんから』
それに、と苺くんは言葉を付け足す。
『貴女の身体はきっと私をほしがりますよ。そういうふうに、できていますから』
「煩い、死ね!」
アプリをアンインストールしますか?
はい。
『したくなったらいつでも呼んでください』
静まり返る部屋の中で、私の呼吸だけが乱れていた。
今はもう、眠くない。私は急いで瑛麻の手を握ると、懸命に祈った。
「瑛麻! もう大丈夫だから……っ、あいつらいなくなったから……っ、私がいるから、お願いだから目を覚まして!」
瑛麻の手はまるで本当にただ眠っているように温かった。
まだ生きてる。
ただひとつ気になるのは、定期的にそういうことをしないと本当にだめなのかということ。
私にはついてないし、こんなこと頼める人はもういない。
「伊織……ううん、それはいや。でも、他に誰がいるの……」
やっぱり樹くんを消すんじゃなかったかな。樹くんなら、きっと瑛麻を助けてくれたかもしれないのに。
多分、普通の男の人じゃ意味がないんだよね。あの三人の中の誰かじゃないと意味がない。
なら、他のアプリ登録者の誰かを借りて……ううん、そんなの登録者が許してくれるはずがないし、私だっていやだ。
やっぱりここは伊織に頼んだ方がいいのかも。
命がかかってるんだもん。事情を話せばきっと伊織だってわかってくれる。
私は久しぶりにアプリを起動すると、伊織に助けを求めた。
「……ということなの」
『そうか、それは災難だったな』
なんとか状況は把握してもらえたらしい。あとは伊織にこっちにきてもらって、そういう行為をすればいいだけ。
『悪いが俺は力になれそうにないな』
「へ」
『俺はあいつらと違って、ここから出られないんだ』
「……嘘」
『そもそも俺がここから出られるなら、真っ先に瑞穂に会いに行くだろう。そうしないのはそれができないからだ』
てっきり、伊織も出られるものだと思っていた。これでは瑛麻を救えないじゃないか。
「ど、どうしよう。このままじゃ瑛麻が」
『なあ、本当にえっちしないとだめなのか?』
「え?」
『俺は聞いたことないけどな、そんな話。もしかしたらあいつらがやりたいだけで、瑞穂に嘘ついてるんじゃないか?』
それは考えたことなかったな。まさに目から鱗である。
「え、じゃあいくらその、中にしても妊娠しないっていうのは?」
『まあ、ありえない話ではないな。心配なら妊娠検査薬でも使ってみるか?』
「で、でもあれっておしっこかけないといけないんでしょう? あれ、そういえばおしっこってどうしてるんだろう。それに食事や水分も」
『なんだ、何も聞いてないのか?』
「ご、ごめん。私もそこまで気がまわらなくて」
『まあむりもないな。見た感じ、憔悴しきってる感じではなさそうだ。顔色がいい。身体も痩せほそってない。もしかしたら飲み食いしなくても平気なのかもしれないな。何も取り入れてないから何も出ないのかもしれないし、暫くは様子見した方がいいだろう』
流石伊織、頼りになる。勇気を出して起動してよかった。
「い、伊織」
『うん?』
「ありがとう。伊織がいてよかった」
『気にしなくていい。困った時は助け合わないとな』
伊織の優しさが身に染みる。それと同時に罪悪感が込み上げてくる。
「伊織はさ、……知ってる、よね」
『何を?』
「わ、私が今まで、何をしてたか」
伊織は優しいから何も言わないでくれているのかもしれないけど、私はそれが心苦しい。知らなくていいこともあると思っていたはずなのに、伊織の存在に救われている手前、黙っているのが苦痛に感じてしまう。
それに伊織は聞きたくないかもしれないし、私がすっきりしたいだけなんだと思う。それでも。
『……まあ、知ってるけど』
「な、なんで伊織は何も言わないの? 別に、怒ったり泣いたりしてもいいんだよ?」
素直に謝ればいいのに、私はまるで伊織を責めるような言い方をしてしまった。
『俺が怒れば何か変わるのか?』
「それは」
『俺がそれはやめてくれと懇願すれば、瑞穂はうんと言ったのか?』
傷口を抉られているみたいだった。即答ができない。だって、一度あの味を知ってしまったから。
『即答できないだろう。それが答えだよ。だから俺は何も言わないし、何も知らないでいるだけだ』
私、伊織のこと誤解してたみたい。伊織の方がずっと大人だった。人よりちょっと執着心の強い大人。
『ところでさ、あいつらほんとに画面から出てきたのか?』
「え、う、うん」
『本当か? 実は全部、瑞穂の幻覚だったりしないか?』
「げ、幻覚なんかじゃないよ。ちゃんと触ったし、その、入れてる感触もあったし、凄く痛かったんだから」
『だけどありえなくないか? 俺達はアプリのキャラクターだぜ? 二次元の住人が画面から出てくるなんて聞いたことないけど』
たしかにそうだ。現実ではありえない話だろう。
だけど瑛麻だって見てる。
……あれ、瑛麻は見てないんだっけ。
そうだ、見たのは私だけだった。だとしたら私だけが幻覚を見てた?
でも、あんな艶かしい感触、本当に幻覚なの?
わからない。
『これは俺の夢の話だが、瑞穂があいつとやった時、かなり喘いでいたのにも関わらず誰も気付いていなかっただろう』
夢の話……あっ、そうか。伊織は私を気遣ってくれているんだ。それなら私も話を合わせないと。
「い、言われてみればそうかもしれない」
『それもあいつとやったこと自体が幻覚だったとすれば、辻褄が合う』
もしかしたら、からもしかして、になった瞬間、私はその事実にぞっとした。
ありえない話ではない。
「と、とにかく今は瑛麻の傍にいないと」
『ああそうだな。それなら瑞穂がここに寝泊まりしたらどうだ? ここからの方が学校も近いだろう』
私はその日から瑛麻の家に寝泊まりすることにした。瑛麻の身体を濡れタオルで拭いてあげたり、飲み物を飲ませようとしたり、本を読み聞かせてあげたり。
何日か過ごしている間にわかったのは、飲んだり食べたりはできないこと。髪は洗ってあげた方がいいこと。おしっことかはでないこと。飲んだり食べたりしなくても身体は元気なこと。
「なんか介護してるみたい」
『そういえば生理はきてたな。どうやら妊娠はしてないらしい』
「パンツが真っ赤だった時は焦ったよ」
この生活にも随分慣れて、私の体調も落ち着きを取り戻していた。そういう行為をしなくても大丈夫みたいだし、ほっとした。
「私、お風呂入ってくるね」
『ああ、いってらっしゃい』
脱衣所で服を脱いでいると、金木犀の匂いがした。
同時に身体が強貼ると、いやな予感がして鏡を凝視する。
『いいですね、その表情。安心しきっていたところで絶望に変わる瞬間』
聞き覚えのある声。今、一番聞きたくなかった声。
きい、と背後のドアが開くと、やっぱり幻覚だとは思えなくて。
『さあ、足を開いて。私が貴女をきもちよくしてあげますから』
「あ……ああっ……」
『ふふっ、私が怖いですか? そんなに怯えなくたっていいですよ。この間のような乱暴はもうしませんので』
恐怖で身体が動かなかった。どうしてそのドアから出てくるの?
そこはお風呂場でしょう。
『ああ、まだ触れてもいないのにこんなに濡れて』
う、嘘でしょう。
苺くんが触れたところがびりびりと痺れてぞわぞわする。私のきもちとは裏腹に、身体はこんなにも苺くんを求めていた。
『ほら、ぬるぬるだ。これなら入れても痛くはないと思うけど、久しぶりなのでちゃんと舐めてあげますね』
苺くんの熱い舌が私の突起に触れる。すると私にもわかるほどに濡れてしまったようだ。
いやなのに声が出る。いやなのに濡れてしまう。いやなのにきもちがいい。
「ひうっ、あ……っ、んう、いや、だぁ……っ」
『きもちいいくせに。もういきそうなんでしょう?』
図星だった。舐められてからまだ数秒しか経っていないのに、もういきそうになっている。
「う、ぁ……んんん、~~~っく、ぃく、いくっ、いくっ、んんんうっ」
身体がいったと主張する。このいった感覚でさえも、私の幻覚だというのだろうか。
『かわいいな。つい乱暴をしたくなる』
苺くんは立ったまま私の片足を持ち上げると、勢いよく挿入をした。
思いきり声が出た。きっと伊織にも聞こえただろう。いや、伊織なら聞こえなくたってわかるのだ。それが伊織の固有能力なのだから。
ねえ、今、伊織はどんなきもちでいるの?
私はね、凄くいやなのにきもちいいの。ゴム付けてないけど大丈夫だよね。だって瑛麻も生理きたし。まさか妊娠するかどうかさえも操れるわけではないでしょう。そんなのまでできたらもう神様じゃん。
『ああほら、ここ。瑞穂はここが好きなんだよね』
激しくそこを擦られると、また漏れそうになってくる。
「あっ、ああっ、ああっ、だめぇ! それだめぇ! 出ちゃううううっ!」
蓋がなくなると途端に床が濡れてしまう。びちゃびちゃと音を立てて、そうですここを擦られるときもちよすぎて出ちゃうんですと主張する。
『伊織はまだ知らないもんね。瑞穂のきもちいいところ♡』
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」
『どうせなら見せてあげたいなあ。ねえ、伊織の目の前でしようよ。私に突かれていっぱい潮吹いちゃうところ、瑞穂も見てほしいよね?』
伊織には見られたくない。そう思うのに身体は苺くんを求めるように疼いている。
私、痴女になっちゃった。
苺くんとえっちするの、きもちいいって思ってる。
『ほら。瑞穂のまんこ、私のにぴったり。伊織のなんて入れたらスカスカで、入れたのに気付かないんじゃない?』
また深く捩じ込まれると、全身で喜んでしまう。
「あああああっ♡♡♡♡」
『私のじゃないともうきもちよくなれない瑞穂、かわいいね。本当、めちゃくちゃに壊したくなる』
ぱちゅぱちゅ、音が響いてだめ。そこもいいけどそこじゃない。もっと、さっきのいっぱいして。いっぱいきもちいいの出したいの。
「苺くうんっ♡ ああっ♡ さっきの、っ、さっきのきもちいのしてえっ♡」
『んん~~~~? さっきのって?』
「ああんっ♡ さっきのおっ♡ いっぱい床濡らしちゃうやつうううっ♡」
『ちゃんと言わなきゃわかんないな。ちゃんと言って、瑞穂』
「んんうううっ♡♡♡♡」
『早く』
「私のおおうっ、きもちいいとこ♡ お潮いっぱい出ちゃうとこっ♡ 苺くんの立派にゃおちんちんで、ああああん♡ ぱちゅぱちゅぱちゅってちゅいてえええんっ♡♡♡♡」
もう何度、潮を拭いただろうか。
床がびちょびちょで、足もガクガク。立っていられなくなってくる。
これが幻覚?
そんなわけない。これが現実だよ、伊織。
自分がこっちに出られないからって、僻んでるんじゃないの?
どのくらいやっていただろうか。私は床をバスタオルで拭いていた。
身体中の水分が持っていかれたみたいで立つのにも一苦労する。
お風呂に入りにきたはずなのに、何やってんだか。
ふらふらになりながらお風呂に入り、髪を乾かしていく。部屋に戻る前に水を飲んだ。
「ただいま」
伊織はきっと、かなり憤っていることだろう。
「おかえり」
「……え?」
返事をしたのは伊織ではなかった。
「……………………瑛麻」
瑛麻が目を覚ました。ずっとこの瞬間がくるのをまっていた。
「え、瑛麻ぁぁぁっ!」
私は瑛麻に抱きついた。本当によかった。本当に。
「もう! ずっと起きないと思ったんだから! ほんとにほんとに心配したんだから!」
「ごめんね瑞穂、ごめんね」
二人とも泣いていた。
やっぱり樹くんを消したのが大きかったのかもしれない。
真相はどうであれ、今はそう思うことにしよう。
もう二度とこんな思いはしたくない。
私は力いっぱい、瑛麻を抱き締めた。
樹くんと苺くんは懲りないねえと肩を竦めながら、私をじっと観察している。そしてあの時間がくると、私は自分の家へと帰るというルーティンが出来上がっていた。
瑛麻が二人に犯されるところは見たくなかった。
それについてはもう薄情者と罵られることはなかったし、引き止められることもなかった。
私は日を重ねるにつれて憔悴しきっていた。
まるで二人に生気を吸われているみたいできもちがわるかった。
だけど私は通い続けていた。
だってそうしないと瑛麻が心配で仕方なかったから。
こうして夜ご飯を食べている間にも、瑛麻は二人と一緒にいる。瑛麻の命がどうなるかは、二人の気分次第といったところだろう。
完全に弱みを握られている。それにこのままじゃ何も変わらない。
なら、どうすれば瑛麻を助けることができるだろうか。
「伊織ならこういう時、どうするのかな」
ぽつりと吐いた弱音。伊織にも聞こえているはずなのに、ちっとも会いにきてくれないなんて。
伊織だってその気になれば画面から出てこれると思うのに、それをしないのはどうしてなんだろう。伊織は私に会いたくないのかな。私は伊織に会いたいよ。直に触れて、身体を重ねたいと思っている。
変だよね、私。私もきっと、頭がおかしくなってるんだ。
「伊織、会いたいよ。会いにきてよ。寂しいよ」
他力本願。本当に伊織に会いたいのなら、私がアプリを起動すればいいだけの話。
それなのに私はそうしなかった。画面越しではない、こちらにきてくれなきゃいやだ。そんなふうに思っていたからだ。
もうどのくらい会ってない?
最後に会ったのはいつだった?
そうだ、伊織とえっちしたって瑛麻に惚気けた時が最後だった。
いつまでもログインしない私を伊織はどう思っているのだろう。
あれから色々あったんだよ。本当に色々あった。伊織ももう知ってるよね。知ってるから会いにきてくれないの?
知ってるから怒ってるの?
そうだよね。私、苺くんと二回もえっちしちゃったし、私の顔なんて見たくもないよね。
それにしても今日は欠伸ばかりしてる。ちゃんと寝たはずなのに、目を閉じたらすぐに寝ちゃいそうで。
「……早くなんとかしないと、私まで瑛麻みたいになる」
私まで起きれなくなってしまったら、もう誰も瑛麻を助けられなくなってしまう。そうなる前になんとかしなきゃ。瑛麻を助けられるのは私だけなんだから。
眠たい目を擦りながら、重たい身体を引き摺って家を出た。
眠たい。
だめ、瞬きする度に意識が飛びそう。
こうなることをわかっていて、二人は何も言わなかったのかな。だとしたら悪質だし、最低だよ。私が倒れればいいって、自滅するのを待ってたんだ。
「瑛麻……まっててね……今、行くから……」
なんとか瑛麻の家に辿り着いた頃には、頭がクラクラしていた。いつもより重たいドアを開けて、なんとか玄関に入る。靴はちゃんと脱げてないかもしれない。とにかく瑛麻の部屋に行かないと。
「瑛麻……」
瑛麻はいつものように眠っていた。ベットの傍には樹くんと苺くんがいる。
『あれ、今日は顔色悪くない?』
『眠いなら眠ったらどうですか。私が特別に膝枕してさしあげますよ』
心配する素振りをするくせに、その顔は笑っている。
あんた達の思い通りになるもんか。
私は瑛麻の元までゆっくりと歩きだす。
「瑛麻、……っ、おはよう」
『聞いた? 苺。瑞穂が瑛麻におはようだって。こんなにふらふらになりながら挨拶してる』
『ええ、聞きました。まったく瑞穂さんもばかですね。ここにくる度に私達に生気を吸い取られているというのに。もう瑛麻のことなど忘れてしまえば、自分だけでも助かったかもしれないのに』
『瑞穂ってほんとばかー。でもばかな瑞穂も好きだよー。笑っちゃうくらい!』
私はふと、瑛麻の枕元にある二台のスマホが目に入った。
これって瑛麻のスマホだよね。
「……このスマホ、どっちが樹くんで、どっちが苺くん?」
『こっちがオレで、こっちが苺だよー』
私は片方のスマホを手にとると、アプリのアイコンを長押しする。
最初からこうすればよかった。何を躊躇っていたんだろう。瑛麻の命がかかってるんだから、迷う必要なんてなかったんだ。
『え、ちょっと、それオレのスマホ』
「あっは、……ばいばい、樹くん」
『や、やだ! 冗談だってばー。揶揄いすぎた! オレ謝るからさ! ね、瑞穂。頼むから消さないで――』
アプリをアンインストールしますか?
はい。
樹くんが消えた。あとは苺くんを消せばいい。
苺くんは驚いた様子で私を見ると、その王子様のような落ち着いた表情がぱっと消えた。
『貴女……なんてことをしてくれたんですか!』
「何って……樹くんを消したんだよ?」
『ははっ。どうせ消すなら私を消せばよかったのに、よりにもよって樹を消すなんてばかですね!』
「どう、して?」
眠たい。
『樹はものわかりがいいから一度消してしまえば戻ってこないんですよ! 私や伊織と違って優しい子なんです。その優しい性格を逆手にとるなんて、ほんと人間のクズですね!』
眠たい。
『早く貴女も眠ればいい。そうすれば私も穏やかに過ごせるのに、貴女がいるからいつまで経っても退屈で、くだらなくて、腹ただしい!』
眠たい。
『まだ意識があるんですか? 私が眠らせてあげましょうか?』
「うっ」
苺くんの両手が力いっぱい私の首を絞めてくる。苦しくて、息ができない。まさかこのまま私、死んじゃうんじゃ……。
そんなのいやだ。私は瑛麻を助けなきゃ。私が瑛麻を助けなきゃ。
いやだ、いやだいやだいやだ。
死にたくない、死にたくない。
あんなに眠たかった頭が死を意識して醒めていく。意識がどんどん鮮明になって、迫りくる死から抗おうとする。
「ううっ………………う………………」
『早く死ね、早く死ね、早く死ね、早く死ね』
私は必死で手を伸ばすと、瑛麻のスマホを掴んで苺くんの頭を殴った。
『いたっ』
一瞬の隙をついて苺くんから離れた私は、懸命に呼吸をする。
「はー……はー、はー、はー……」
『……ああなるほど、考えましたね。そんなにまだ生きていたいんですか。いいですよ、生きていても。どうせそのうち死にますから。ま、貴女よりも先に瑛麻が死ぬかもしれませんけど』
瑛麻が死ぬ。
それだけはなんとしてでも阻止したかった。
私はアプリのアイコンを長押しすると、苺くんを睨んだ。
『私のことも消すんですか? いいですよ。私を消したところで、瑛麻はもう起きませんから』
それに、と苺くんは言葉を付け足す。
『貴女の身体はきっと私をほしがりますよ。そういうふうに、できていますから』
「煩い、死ね!」
アプリをアンインストールしますか?
はい。
『したくなったらいつでも呼んでください』
静まり返る部屋の中で、私の呼吸だけが乱れていた。
今はもう、眠くない。私は急いで瑛麻の手を握ると、懸命に祈った。
「瑛麻! もう大丈夫だから……っ、あいつらいなくなったから……っ、私がいるから、お願いだから目を覚まして!」
瑛麻の手はまるで本当にただ眠っているように温かった。
まだ生きてる。
ただひとつ気になるのは、定期的にそういうことをしないと本当にだめなのかということ。
私にはついてないし、こんなこと頼める人はもういない。
「伊織……ううん、それはいや。でも、他に誰がいるの……」
やっぱり樹くんを消すんじゃなかったかな。樹くんなら、きっと瑛麻を助けてくれたかもしれないのに。
多分、普通の男の人じゃ意味がないんだよね。あの三人の中の誰かじゃないと意味がない。
なら、他のアプリ登録者の誰かを借りて……ううん、そんなの登録者が許してくれるはずがないし、私だっていやだ。
やっぱりここは伊織に頼んだ方がいいのかも。
命がかかってるんだもん。事情を話せばきっと伊織だってわかってくれる。
私は久しぶりにアプリを起動すると、伊織に助けを求めた。
「……ということなの」
『そうか、それは災難だったな』
なんとか状況は把握してもらえたらしい。あとは伊織にこっちにきてもらって、そういう行為をすればいいだけ。
『悪いが俺は力になれそうにないな』
「へ」
『俺はあいつらと違って、ここから出られないんだ』
「……嘘」
『そもそも俺がここから出られるなら、真っ先に瑞穂に会いに行くだろう。そうしないのはそれができないからだ』
てっきり、伊織も出られるものだと思っていた。これでは瑛麻を救えないじゃないか。
「ど、どうしよう。このままじゃ瑛麻が」
『なあ、本当にえっちしないとだめなのか?』
「え?」
『俺は聞いたことないけどな、そんな話。もしかしたらあいつらがやりたいだけで、瑞穂に嘘ついてるんじゃないか?』
それは考えたことなかったな。まさに目から鱗である。
「え、じゃあいくらその、中にしても妊娠しないっていうのは?」
『まあ、ありえない話ではないな。心配なら妊娠検査薬でも使ってみるか?』
「で、でもあれっておしっこかけないといけないんでしょう? あれ、そういえばおしっこってどうしてるんだろう。それに食事や水分も」
『なんだ、何も聞いてないのか?』
「ご、ごめん。私もそこまで気がまわらなくて」
『まあむりもないな。見た感じ、憔悴しきってる感じではなさそうだ。顔色がいい。身体も痩せほそってない。もしかしたら飲み食いしなくても平気なのかもしれないな。何も取り入れてないから何も出ないのかもしれないし、暫くは様子見した方がいいだろう』
流石伊織、頼りになる。勇気を出して起動してよかった。
「い、伊織」
『うん?』
「ありがとう。伊織がいてよかった」
『気にしなくていい。困った時は助け合わないとな』
伊織の優しさが身に染みる。それと同時に罪悪感が込み上げてくる。
「伊織はさ、……知ってる、よね」
『何を?』
「わ、私が今まで、何をしてたか」
伊織は優しいから何も言わないでくれているのかもしれないけど、私はそれが心苦しい。知らなくていいこともあると思っていたはずなのに、伊織の存在に救われている手前、黙っているのが苦痛に感じてしまう。
それに伊織は聞きたくないかもしれないし、私がすっきりしたいだけなんだと思う。それでも。
『……まあ、知ってるけど』
「な、なんで伊織は何も言わないの? 別に、怒ったり泣いたりしてもいいんだよ?」
素直に謝ればいいのに、私はまるで伊織を責めるような言い方をしてしまった。
『俺が怒れば何か変わるのか?』
「それは」
『俺がそれはやめてくれと懇願すれば、瑞穂はうんと言ったのか?』
傷口を抉られているみたいだった。即答ができない。だって、一度あの味を知ってしまったから。
『即答できないだろう。それが答えだよ。だから俺は何も言わないし、何も知らないでいるだけだ』
私、伊織のこと誤解してたみたい。伊織の方がずっと大人だった。人よりちょっと執着心の強い大人。
『ところでさ、あいつらほんとに画面から出てきたのか?』
「え、う、うん」
『本当か? 実は全部、瑞穂の幻覚だったりしないか?』
「げ、幻覚なんかじゃないよ。ちゃんと触ったし、その、入れてる感触もあったし、凄く痛かったんだから」
『だけどありえなくないか? 俺達はアプリのキャラクターだぜ? 二次元の住人が画面から出てくるなんて聞いたことないけど』
たしかにそうだ。現実ではありえない話だろう。
だけど瑛麻だって見てる。
……あれ、瑛麻は見てないんだっけ。
そうだ、見たのは私だけだった。だとしたら私だけが幻覚を見てた?
でも、あんな艶かしい感触、本当に幻覚なの?
わからない。
『これは俺の夢の話だが、瑞穂があいつとやった時、かなり喘いでいたのにも関わらず誰も気付いていなかっただろう』
夢の話……あっ、そうか。伊織は私を気遣ってくれているんだ。それなら私も話を合わせないと。
「い、言われてみればそうかもしれない」
『それもあいつとやったこと自体が幻覚だったとすれば、辻褄が合う』
もしかしたら、からもしかして、になった瞬間、私はその事実にぞっとした。
ありえない話ではない。
「と、とにかく今は瑛麻の傍にいないと」
『ああそうだな。それなら瑞穂がここに寝泊まりしたらどうだ? ここからの方が学校も近いだろう』
私はその日から瑛麻の家に寝泊まりすることにした。瑛麻の身体を濡れタオルで拭いてあげたり、飲み物を飲ませようとしたり、本を読み聞かせてあげたり。
何日か過ごしている間にわかったのは、飲んだり食べたりはできないこと。髪は洗ってあげた方がいいこと。おしっことかはでないこと。飲んだり食べたりしなくても身体は元気なこと。
「なんか介護してるみたい」
『そういえば生理はきてたな。どうやら妊娠はしてないらしい』
「パンツが真っ赤だった時は焦ったよ」
この生活にも随分慣れて、私の体調も落ち着きを取り戻していた。そういう行為をしなくても大丈夫みたいだし、ほっとした。
「私、お風呂入ってくるね」
『ああ、いってらっしゃい』
脱衣所で服を脱いでいると、金木犀の匂いがした。
同時に身体が強貼ると、いやな予感がして鏡を凝視する。
『いいですね、その表情。安心しきっていたところで絶望に変わる瞬間』
聞き覚えのある声。今、一番聞きたくなかった声。
きい、と背後のドアが開くと、やっぱり幻覚だとは思えなくて。
『さあ、足を開いて。私が貴女をきもちよくしてあげますから』
「あ……ああっ……」
『ふふっ、私が怖いですか? そんなに怯えなくたっていいですよ。この間のような乱暴はもうしませんので』
恐怖で身体が動かなかった。どうしてそのドアから出てくるの?
そこはお風呂場でしょう。
『ああ、まだ触れてもいないのにこんなに濡れて』
う、嘘でしょう。
苺くんが触れたところがびりびりと痺れてぞわぞわする。私のきもちとは裏腹に、身体はこんなにも苺くんを求めていた。
『ほら、ぬるぬるだ。これなら入れても痛くはないと思うけど、久しぶりなのでちゃんと舐めてあげますね』
苺くんの熱い舌が私の突起に触れる。すると私にもわかるほどに濡れてしまったようだ。
いやなのに声が出る。いやなのに濡れてしまう。いやなのにきもちがいい。
「ひうっ、あ……っ、んう、いや、だぁ……っ」
『きもちいいくせに。もういきそうなんでしょう?』
図星だった。舐められてからまだ数秒しか経っていないのに、もういきそうになっている。
「う、ぁ……んんん、~~~っく、ぃく、いくっ、いくっ、んんんうっ」
身体がいったと主張する。このいった感覚でさえも、私の幻覚だというのだろうか。
『かわいいな。つい乱暴をしたくなる』
苺くんは立ったまま私の片足を持ち上げると、勢いよく挿入をした。
思いきり声が出た。きっと伊織にも聞こえただろう。いや、伊織なら聞こえなくたってわかるのだ。それが伊織の固有能力なのだから。
ねえ、今、伊織はどんなきもちでいるの?
私はね、凄くいやなのにきもちいいの。ゴム付けてないけど大丈夫だよね。だって瑛麻も生理きたし。まさか妊娠するかどうかさえも操れるわけではないでしょう。そんなのまでできたらもう神様じゃん。
『ああほら、ここ。瑞穂はここが好きなんだよね』
激しくそこを擦られると、また漏れそうになってくる。
「あっ、ああっ、ああっ、だめぇ! それだめぇ! 出ちゃううううっ!」
蓋がなくなると途端に床が濡れてしまう。びちゃびちゃと音を立てて、そうですここを擦られるときもちよすぎて出ちゃうんですと主張する。
『伊織はまだ知らないもんね。瑞穂のきもちいいところ♡』
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」
『どうせなら見せてあげたいなあ。ねえ、伊織の目の前でしようよ。私に突かれていっぱい潮吹いちゃうところ、瑞穂も見てほしいよね?』
伊織には見られたくない。そう思うのに身体は苺くんを求めるように疼いている。
私、痴女になっちゃった。
苺くんとえっちするの、きもちいいって思ってる。
『ほら。瑞穂のまんこ、私のにぴったり。伊織のなんて入れたらスカスカで、入れたのに気付かないんじゃない?』
また深く捩じ込まれると、全身で喜んでしまう。
「あああああっ♡♡♡♡」
『私のじゃないともうきもちよくなれない瑞穂、かわいいね。本当、めちゃくちゃに壊したくなる』
ぱちゅぱちゅ、音が響いてだめ。そこもいいけどそこじゃない。もっと、さっきのいっぱいして。いっぱいきもちいいの出したいの。
「苺くうんっ♡ ああっ♡ さっきの、っ、さっきのきもちいのしてえっ♡」
『んん~~~~? さっきのって?』
「ああんっ♡ さっきのおっ♡ いっぱい床濡らしちゃうやつうううっ♡」
『ちゃんと言わなきゃわかんないな。ちゃんと言って、瑞穂』
「んんうううっ♡♡♡♡」
『早く』
「私のおおうっ、きもちいいとこ♡ お潮いっぱい出ちゃうとこっ♡ 苺くんの立派にゃおちんちんで、ああああん♡ ぱちゅぱちゅぱちゅってちゅいてえええんっ♡♡♡♡」
もう何度、潮を拭いただろうか。
床がびちょびちょで、足もガクガク。立っていられなくなってくる。
これが幻覚?
そんなわけない。これが現実だよ、伊織。
自分がこっちに出られないからって、僻んでるんじゃないの?
どのくらいやっていただろうか。私は床をバスタオルで拭いていた。
身体中の水分が持っていかれたみたいで立つのにも一苦労する。
お風呂に入りにきたはずなのに、何やってんだか。
ふらふらになりながらお風呂に入り、髪を乾かしていく。部屋に戻る前に水を飲んだ。
「ただいま」
伊織はきっと、かなり憤っていることだろう。
「おかえり」
「……え?」
返事をしたのは伊織ではなかった。
「……………………瑛麻」
瑛麻が目を覚ました。ずっとこの瞬間がくるのをまっていた。
「え、瑛麻ぁぁぁっ!」
私は瑛麻に抱きついた。本当によかった。本当に。
「もう! ずっと起きないと思ったんだから! ほんとにほんとに心配したんだから!」
「ごめんね瑞穂、ごめんね」
二人とも泣いていた。
やっぱり樹くんを消したのが大きかったのかもしれない。
真相はどうであれ、今はそう思うことにしよう。
もう二度とこんな思いはしたくない。
私は力いっぱい、瑛麻を抱き締めた。
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