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救い編
第4話突然の登場
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ファイヤーを探すキシタだったが、見る影もなく、捜索をやめた。
駅に戻り、電車に乗り、仕事場に到着したのは1時頃だった。
「部長、申し訳ございません、電車の事故とは言え、遅れてしまって」
頭を下げ、謝る姿勢をとる。
「まあ事故なら仕方ないが、ヒグラシ、その分の仕事の遅れ、とってもらうからな」
「分かりました。全力でやらせていただきます」
「その意気で頼むよ」
「はい」
部長に返事をしてから、自分の席に座り、仕事を始める。
1時間後。
この6年で培ったキーボード力で3つの仕事を終わらせる。
保存を2、3回押し、体を伸ばす、
「よし、次はこいつだ」
自販機で買ったペットボトルのカフェオレを飲み、眠気を打ち消しながら、仕事を続ける。
さらに1時間後。
2つの仕事を終わらせ、ため息を吐き、カフェオレを飲む。
保存を押し、再び体を伸ばす。
「おっ、頑張ってるじゃないか、出遅れの後輩君」
そう言って来るのはキシタの先輩、バンダカズオだ。
「バンダさん良いんですか、席を立ち上がったら部長に怒られますよ」
「真面目だなヒグラシは。会議だよ会議。お前も一緒に来い、部長からは許可はもらってる」
「分かりました。ちょうど仕事を5つ終わったんで暇だったんですよ」
「ほぉー、後輩のくせに優秀だなぁ、少しイラッときたぜ」
「なんかすいません」
「なぜそこで謝る、冗談だよ冗談。イラッとなんてきてないから、なっ、さっさと営業行こうぜ」
「はい」
キシタは少し不安になりながら、カズオに連れられ、会議に出た。
今回の会議はなにも言わずに済んだので、ただただ緊張するだけの作業だった。
「まったく、お偉いさんも難問を押し付けて来るよな」
「本当ですよね、俺達をなんだと思ってるでしょう」
「こう言う時は酒だ。ヒグラシ、今日は飲みに行くぞ」
「良いですね、俺も飲みたい気分なんで、行きますか」
「よし、仕事が終わったら早速行こうぜ」
そう言うカズオと笑みを浮かべるキシタは会議室を出て、席に戻った。
とりあえずスマホで母にご飯は外で食べると伝え、 仕事を続ける。
時間は午後4時半、小腹がすく時間だ。
だが給料前なのでここはぐっとこらえる。
ため息を吐きながら、グラフ製作を続けた。
7時、勤務時間が終わり、皆帰って行く、
「よーしヒグラシ、飲みに行くぞ」
「はい!」
「良い返事だ。俺の行きつけの店があるんだ、そこで飲むぞ!」
カズオの笑顔に、キシタは苦笑いをした。
正直楽しみである事に間違いない。
始めての先輩との食事。
お断りなんてとんでもない。
(みんなは嫌がるけど、それがどうした。俺は存分に先輩との食事を楽しむぞ)
こうして2人は酒場で酒とそこで出される料理を楽しみ、時間があっという間に過ぎていった。
楽しい晩酌を終え、酔いが覚めぬうちに、代金を支払い、店を出る。
「カァー、美味かったな、ヒグラシまた来よう」
「はい、相談にものってもらっちゃて、今日はすごく楽しかったです」
「良いんだよ。さて、電車に乗って帰るとすっかな。ヒグラシ1人で帰れるか?」
「大丈夫ですよ、子どもじゃありませんから」
「そうか、なら」
カズオはバックから本を取り出す。
「地獄に行っても大丈夫だな」
この不敵な笑みと言葉は冗談ではない。
そう感じたキシタはあの名を叫ぶ。
「ブレイド!」
「ファイヤー!」
2人のマスターによって召喚されし2体のデビル。
ブレイドとファイヤー。
その戦いに水を差す様に突如もう1人のデビルらしき少女が現れる。
その姿はまさにアイドルの様な風貌で、人間と思えない白い肌、ツインテールにまとめた濃いベージュの髪、可愛いらしい水色の瞳、そんなデビルが指を鳴らす。
すると4人の体は動けなくなる。
「ストップストップ、あなた達、何回も人に迷惑かける戦いはNGなんだぞー」
「ゲームマスターのデビルであるアイドルか。いきなりなんのつもりだ」
ブレイドの知った様な口振りに、微笑むアイドル。
それに対してファイヤーはイラ立ちを覚える、
だがアイドルのステータスはオールA。
手出しなどもっての他だ。
「今回の戦闘で30人以上が死んだ。別にゲームマスターさんはその事については怒ってない。だけど軍隊が動いてる以上、ゲームとしてなんだかなぁって思ったみたいでね。だから今回から私の固有結界で戦ってもらいまーす」
「ちょっと待て、他のデビル達が戦闘していたらどうする。その場合軍隊がそっちに向かうじゃあないか?」
「その事については大丈夫。だってアイドルは48人いるんだから」
「A○B48か!」
カズオのツッコミはキシタも同感だった。
「さあバトルスタートだよ!」
アイドルのかけ声に固有結界が発動し、草原が広がる。
それと同時に4人の拘束が解ける。
「ブレイド、武器の生成は十分か?」
「キシタよ、言われるまでもない、私は戦いに備えて1000個の武器を生成、貯蔵している。だから心配するな、この戦い、絶対に勝つ」
そう言ってブレイドは次元の裂け目からアーサー王物語に登場したアーサーが使用したと言う聖剣エクスカリバーと、同じくアーサー王物語に登場したランスロットが使用した剣アロンダイトを取り出し、二刀流で挑む。
ファイヤーも火炎弾を作り、攻撃の準備を整える。
「行くぞファイヤー! ここで決着をつける」
「さっさと来な、お前を燃やし尽くしてやる」
こうして2体の戦いは始まるのだった。
駅に戻り、電車に乗り、仕事場に到着したのは1時頃だった。
「部長、申し訳ございません、電車の事故とは言え、遅れてしまって」
頭を下げ、謝る姿勢をとる。
「まあ事故なら仕方ないが、ヒグラシ、その分の仕事の遅れ、とってもらうからな」
「分かりました。全力でやらせていただきます」
「その意気で頼むよ」
「はい」
部長に返事をしてから、自分の席に座り、仕事を始める。
1時間後。
この6年で培ったキーボード力で3つの仕事を終わらせる。
保存を2、3回押し、体を伸ばす、
「よし、次はこいつだ」
自販機で買ったペットボトルのカフェオレを飲み、眠気を打ち消しながら、仕事を続ける。
さらに1時間後。
2つの仕事を終わらせ、ため息を吐き、カフェオレを飲む。
保存を押し、再び体を伸ばす。
「おっ、頑張ってるじゃないか、出遅れの後輩君」
そう言って来るのはキシタの先輩、バンダカズオだ。
「バンダさん良いんですか、席を立ち上がったら部長に怒られますよ」
「真面目だなヒグラシは。会議だよ会議。お前も一緒に来い、部長からは許可はもらってる」
「分かりました。ちょうど仕事を5つ終わったんで暇だったんですよ」
「ほぉー、後輩のくせに優秀だなぁ、少しイラッときたぜ」
「なんかすいません」
「なぜそこで謝る、冗談だよ冗談。イラッとなんてきてないから、なっ、さっさと営業行こうぜ」
「はい」
キシタは少し不安になりながら、カズオに連れられ、会議に出た。
今回の会議はなにも言わずに済んだので、ただただ緊張するだけの作業だった。
「まったく、お偉いさんも難問を押し付けて来るよな」
「本当ですよね、俺達をなんだと思ってるでしょう」
「こう言う時は酒だ。ヒグラシ、今日は飲みに行くぞ」
「良いですね、俺も飲みたい気分なんで、行きますか」
「よし、仕事が終わったら早速行こうぜ」
そう言うカズオと笑みを浮かべるキシタは会議室を出て、席に戻った。
とりあえずスマホで母にご飯は外で食べると伝え、 仕事を続ける。
時間は午後4時半、小腹がすく時間だ。
だが給料前なのでここはぐっとこらえる。
ため息を吐きながら、グラフ製作を続けた。
7時、勤務時間が終わり、皆帰って行く、
「よーしヒグラシ、飲みに行くぞ」
「はい!」
「良い返事だ。俺の行きつけの店があるんだ、そこで飲むぞ!」
カズオの笑顔に、キシタは苦笑いをした。
正直楽しみである事に間違いない。
始めての先輩との食事。
お断りなんてとんでもない。
(みんなは嫌がるけど、それがどうした。俺は存分に先輩との食事を楽しむぞ)
こうして2人は酒場で酒とそこで出される料理を楽しみ、時間があっという間に過ぎていった。
楽しい晩酌を終え、酔いが覚めぬうちに、代金を支払い、店を出る。
「カァー、美味かったな、ヒグラシまた来よう」
「はい、相談にものってもらっちゃて、今日はすごく楽しかったです」
「良いんだよ。さて、電車に乗って帰るとすっかな。ヒグラシ1人で帰れるか?」
「大丈夫ですよ、子どもじゃありませんから」
「そうか、なら」
カズオはバックから本を取り出す。
「地獄に行っても大丈夫だな」
この不敵な笑みと言葉は冗談ではない。
そう感じたキシタはあの名を叫ぶ。
「ブレイド!」
「ファイヤー!」
2人のマスターによって召喚されし2体のデビル。
ブレイドとファイヤー。
その戦いに水を差す様に突如もう1人のデビルらしき少女が現れる。
その姿はまさにアイドルの様な風貌で、人間と思えない白い肌、ツインテールにまとめた濃いベージュの髪、可愛いらしい水色の瞳、そんなデビルが指を鳴らす。
すると4人の体は動けなくなる。
「ストップストップ、あなた達、何回も人に迷惑かける戦いはNGなんだぞー」
「ゲームマスターのデビルであるアイドルか。いきなりなんのつもりだ」
ブレイドの知った様な口振りに、微笑むアイドル。
それに対してファイヤーはイラ立ちを覚える、
だがアイドルのステータスはオールA。
手出しなどもっての他だ。
「今回の戦闘で30人以上が死んだ。別にゲームマスターさんはその事については怒ってない。だけど軍隊が動いてる以上、ゲームとしてなんだかなぁって思ったみたいでね。だから今回から私の固有結界で戦ってもらいまーす」
「ちょっと待て、他のデビル達が戦闘していたらどうする。その場合軍隊がそっちに向かうじゃあないか?」
「その事については大丈夫。だってアイドルは48人いるんだから」
「A○B48か!」
カズオのツッコミはキシタも同感だった。
「さあバトルスタートだよ!」
アイドルのかけ声に固有結界が発動し、草原が広がる。
それと同時に4人の拘束が解ける。
「ブレイド、武器の生成は十分か?」
「キシタよ、言われるまでもない、私は戦いに備えて1000個の武器を生成、貯蔵している。だから心配するな、この戦い、絶対に勝つ」
そう言ってブレイドは次元の裂け目からアーサー王物語に登場したアーサーが使用したと言う聖剣エクスカリバーと、同じくアーサー王物語に登場したランスロットが使用した剣アロンダイトを取り出し、二刀流で挑む。
ファイヤーも火炎弾を作り、攻撃の準備を整える。
「行くぞファイヤー! ここで決着をつける」
「さっさと来な、お前を燃やし尽くしてやる」
こうして2体の戦いは始まるのだった。
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