デビルフェイス

ガトリングレックス

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ダークサイド編

第5話ソウルのマスター

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「マスター、お前の願い、必ず叶えてやる」
フヨフヨと浮いているマスターの魂。
どうしてソウルのマスターが死んだのか。

それは3年前の事。
2年も戦い続けたソウルとそのマスターのレッガツバサと言う男性はラーメンを食い、テレビを観て笑いあっていた。
「ハハハ、この番組面白いなぁ」
「そうだろソウル、やっぱりお笑いは最高だ」
人間とデビルが食事を共にするのはかなり珍しい。
デビルは食事を摂らずとも生きていける。
だが味覚があるため、一緒に食べている。
「絶対に遺産手に入れような」
「あぁ、必ず手に入れてやる。そのためには他のデビルに争ってもらわないとな」
改めてソウルのスキルを説明すると、デビルが死亡した場合光になって消滅する。その際、魂と言う形でソウルのもとにやってくる。そして魂を憑依させる事で姿、スキルをそのまんまになる事ができる。
しかも自由に憑依も解除もできる。
さらに記憶まで覗き込め、声を真似る事ができる。
「ソウルのスキル的にやられてもらわないとなぁ」
「できればオオアタリにはご退場願いたいぜ。そうじゃなきゃ俺のスキルを発揮できない」
数が減ればそれだけ強くなる。
逆に言ってしまえば数が減らなければずっと弱いまま。
なので基本オオアタリかアタリがやられるまで普通の生活を送る事にしていた。
ラーメンを食べ終えたところで、流しに2人は丼を持って行くと、インターホンが鳴る。
「こんな時間になんだ?」
ツバサは玄関に向かい、開ける。
そこにいたのは、トカゲの様な目をしたガンマンだった。
サイレンサー付きのハンドガンの銃口を心臓部に向けて発砲され、倒れ込む。
そしてガンマンは薄ら笑いをしながら、ブックエスケープを使用して、その場を逃走した。
ツバサが死亡した事により、ソウルの体が光り始める。
「ツバサが死んだ?まさかインターホンの主はデビルだったのか?」
急いでツバサのところに向かう。
そこにはツバサの遺体があった。
「すまない、俺がいながら他の人間が来ると思って一緒に行けなかった。だが、マスターの願いは叶えてやる」
ソウルのもう1つのスキル、デビル、生物の魂を保管する、通称〈魂の保管リスト〉と言う物を持つ。
デビルが消えるのはマスターの魂が冥界に送られた時なので、ソウルがその前にツバサの魂を保管する事で生存できる。
光が消え、自分が生存している事を確認し、手をグーパーさせ、次元の裂け目にツバサの遺品を詰めて行く。
そしてツバサが高校の時に付けていた応援団の赤いハチマキを頭に巻く。
「マスター、あんたのために俺は戦う。そのために争ってもらうぜ、デビル達よぉー」

現代に戻り、ソウルはため息を吐き、敵を睨みつける。
「お前を殺すのは最初にしたかったぜ、ジャスティス」
それを聞いて、近づいて来るジャスティスとセイギは驚き、足を止めた。
「お前とは初対面のはずだが」
「お前が倒した奴から聞いたんだよ。例えば、そう、スキルとかなぁ」
「それが事実なら、お前の能力は目星がつく」
「どうかな、あんたの考えてる俺のスキルと実際のスキルを今ここで見るか?」
「いいだろう、勝負してやる」
ジャスティスは右のサイドボタンを叩く。
一気に加速し、ソウルに襲いかかる。
「ジャスティスパンチ!」
勢いのまま拳をくらわせようとする。
すると、ソウルの姿が〈番犬の暗示〉ドッグになり、まるで操り人形の様な動きで攻撃を躱す。
(なに、姿が変わった? しかも俺が倒した奴じゃないか)
不思議に思っていると、今度は〈秒速の暗示〉マッハに姿を変える。
(また変わった。なるほど、ここまで生き残った事はある)
ソウルのスキルを理解し、さらに加速する。
だがソウルはそれ以上のスピードでジャスティスの顔をその爪で引き裂く。
傷から血が流れ出し、思わず口をクラッシャーオープンさせ、叫びながらも拳をソウルの腹に叩き込む。
あまりの力に、吹き飛ばされ、憑依を解除、今度は〈破壊の暗示〉ブレイクにチェンジする。
「こいつはオオアタリの分類だ、果たしてお前は俺を倒せるかな」
「お前は少し勘違いをしている。俺はそのデビルのスキルを把握している」
「なに?」
動揺しながらも、スキルを使おうとする。
だがジャスティスは高く飛び上がり、スキルの範囲を抜け出す。
そしてベルトのスクリューから〈シューティングシルバー〉を取り出し、上からビームの雨を降らせる。
ビームを破壊しようとするが、間に合わず、攻撃を受ける。
怯んでいる間にドロップキックをくらい、踏み台にされる。
「反転キッークー!」
急落下してくるジャスティスをソウルは〈バランスを保つ〉を破壊し、バランスを崩させる。
「なに!?」
プラプラとなった体を制御できない状態で落下してくるジャスティス。
(俺の勝ちだ)
次の瞬間、後ろからいきなりドロップキックをくらった。
「ぐをー!?」
「シゲル!」
ドロップキックを繰り出した奴の正体は〈変身の暗示〉のデビル、トランスフォームで変身したシゲルだった。
「ジャスティス、助けに来たぜ」
「感謝するぞ、シゲル、トランスフォーム」
感謝の言葉を述べつつ、息を荒げ、元の姿に戻ったソウルを見て手を拳にし、ジャスティスはソウルに襲いかかった。
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