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逃亡編
第1話ヒグラシ家 大阪に引っ越す
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「ヒグラシさん、転勤するって本当ですか」
「そうだ、転勤場所は大阪。どうやら俺はお払い箱らしい」
「なにを言ってるんですか。ヒグラシさんはドライバーとして優れた人材です。もしかしたら大阪の人はそれを認めて来てほしいと言ったんじゃ?」
「俺は今年で49だ、会社からすればこんな歳の奴がいたらイメージダウンにつながる。だから本社じゃないところに送りつける。まったく、いやな時代になったもんだ」
ヤクオは後輩にそう告げると、ヘルメットを被り、バイクに乗り込む。
「じゃあな、またここに転勤する事になったらよろしく」
そう言い残し、シールドを下ろし、バイクを駐車場から出し、走らせた。
夜なのにまだ明るい道路を走って行き、家に到着し、ヘルメットを脱ぐ。
次の瞬間体が動かなくなり、ヤクオは(あいつが来た)と思う。
あいつとはゲームマスターのデビル、アイドルだ。
「はーい、おはこんばんにちはー。ちょっとー、転勤して逃げるつもりなのかなー。まーあ良いんだけどー。それを他のデビルとか軍隊が許してくれるかなぁー」
「お前達はなにがしたいんだ、遺産などとっくに遺族に相続されている事ぐらいは分かっている。こんな戦いさっさと終わらせて普通の生活をさせてくれ。もちろんヘルプ、ブレイド、スパークと一緒にな」
「ふーん、あなた達はそう言う考えに行き着くのかー」
「たとえ遺産が本当に残っていたとしても、お前はあの3人を殺し合わせる。それなら戦わない方が幸せだ」
「じゃあ遺産はいらないんだね」
「金持ちになるつもりはもうない。今更だがこの戦いに参加した事を後悔している」
「分かった。マスターにはリタイアしたって報告しておくね」
「そうしてくれ」
「うんうん、懸命な判断だよ。だって生き残ったのは強い奴ばかりだもん。じゃあ最後に言っておくね、今までよく戦ったね。はい、あなた達にこれあげる」
そう言って手を鳴らしヤクオの金縛りを解除し、アイドルが次元の裂け目から取り出したのは、8人分のお菓子の詰め合わせだった。
「リタイアしたマスターにはこれをあげてるの、みんなで仲良く食べてねー」
「あっ、ありがとう」
お菓子の詰め合わせをアイドルから貰い、ヤクオはバックからカギを開ける。
後ろを振り返ると、そこにアイドルはいなかった。
それから3ヶ月。
到着した大阪の生活にヒグラシ家が慣れた頃。夜にガスマスクを装着したあのデビルが海を渡ってブレイドを殺しにやって来た。
「マスター、あんたは人が良すぎた。だがそれで良い、なのに一瞬でもマスターを恨んだ。そんな俺が許せねぇ。本来は軍隊に復讐するのが良いのかもしれない。だが悪いなマスター。俺はもう一度、もう一度だけあの女と戦いたいんだ」
滴り落ちる海水。
階段を上り、橋を渡って行く。
すると外国人達にパシャリパシャリとスマホで写真を撮られる。
おそらくコスプレイヤーと勘違いされたのだろう。
この後、火だるまにされる事を知らずに。
一方その頃キシタは仕事の資料を家のパソコンで制作していた。
「精が出るなキシタ」
パジャマを着ているブレイドはアイスコーヒーが入ったコップをコースターに乗せてデスクに置く。
「ありがとうブレイド」
アイスコーヒーを口に流し込み、眠気を吹き飛ばす。
「新しい仕事はどうだ?」
「正直前よりしんどいかな、給料は良いけどその分ブラックなんだよ」
「そうか、私にはキシタのつらさはわからない、だがこう言う事はできる」
そう言うと、キシタをベッドに無理やり運び、馬乗りになる。
「ブレイド、これはなんのマネだ?」
「いや。男はこうされると喜ぶとマンガに描いてあった。だからやってみた」
「確かに普通の男ならこれだけでエッチな気分になる。だけどなぁ、俺は仕事をしているんだ、その邪魔を・・・・・・」
その続きを言おうとした瞬間、ブレイドがキスをして来た。
「うっ」
引き剥がそうとするが力が強く、さらに体がだんだんと麻痺していく。
「キシタ、お前は仕事をしすぎだ。だから私はそれに対して欲求を爆発させる。真面目すぎるお前は私を愛そうとしてくれない、騎士道に反する事は承知の上だ。私を嫁にしろ」
真面目な顔でスラスラと言葉を言って再びキスをされる。
(欲求不満になるなんてブレイドらしくない。いや、俺がそうさせてしまったんだ。ブレイドを嫁にする、そうだな、長年の付き合いだ。絶対に幸せにする)
そう思いながらキシタはブレイドに体を委ねた。
「どこだブレイド、気配は近いはずだが」
ブレイドの気配を辿り、ここまで来たデビルだったが、居場所が分からず、さらに慣れない地域のため行き止まりや、警察に見つかりかけたりなど、人間系のデビル達が本当に羨ましいと思うのだった。
「そうだ、転勤場所は大阪。どうやら俺はお払い箱らしい」
「なにを言ってるんですか。ヒグラシさんはドライバーとして優れた人材です。もしかしたら大阪の人はそれを認めて来てほしいと言ったんじゃ?」
「俺は今年で49だ、会社からすればこんな歳の奴がいたらイメージダウンにつながる。だから本社じゃないところに送りつける。まったく、いやな時代になったもんだ」
ヤクオは後輩にそう告げると、ヘルメットを被り、バイクに乗り込む。
「じゃあな、またここに転勤する事になったらよろしく」
そう言い残し、シールドを下ろし、バイクを駐車場から出し、走らせた。
夜なのにまだ明るい道路を走って行き、家に到着し、ヘルメットを脱ぐ。
次の瞬間体が動かなくなり、ヤクオは(あいつが来た)と思う。
あいつとはゲームマスターのデビル、アイドルだ。
「はーい、おはこんばんにちはー。ちょっとー、転勤して逃げるつもりなのかなー。まーあ良いんだけどー。それを他のデビルとか軍隊が許してくれるかなぁー」
「お前達はなにがしたいんだ、遺産などとっくに遺族に相続されている事ぐらいは分かっている。こんな戦いさっさと終わらせて普通の生活をさせてくれ。もちろんヘルプ、ブレイド、スパークと一緒にな」
「ふーん、あなた達はそう言う考えに行き着くのかー」
「たとえ遺産が本当に残っていたとしても、お前はあの3人を殺し合わせる。それなら戦わない方が幸せだ」
「じゃあ遺産はいらないんだね」
「金持ちになるつもりはもうない。今更だがこの戦いに参加した事を後悔している」
「分かった。マスターにはリタイアしたって報告しておくね」
「そうしてくれ」
「うんうん、懸命な判断だよ。だって生き残ったのは強い奴ばかりだもん。じゃあ最後に言っておくね、今までよく戦ったね。はい、あなた達にこれあげる」
そう言って手を鳴らしヤクオの金縛りを解除し、アイドルが次元の裂け目から取り出したのは、8人分のお菓子の詰め合わせだった。
「リタイアしたマスターにはこれをあげてるの、みんなで仲良く食べてねー」
「あっ、ありがとう」
お菓子の詰め合わせをアイドルから貰い、ヤクオはバックからカギを開ける。
後ろを振り返ると、そこにアイドルはいなかった。
それから3ヶ月。
到着した大阪の生活にヒグラシ家が慣れた頃。夜にガスマスクを装着したあのデビルが海を渡ってブレイドを殺しにやって来た。
「マスター、あんたは人が良すぎた。だがそれで良い、なのに一瞬でもマスターを恨んだ。そんな俺が許せねぇ。本来は軍隊に復讐するのが良いのかもしれない。だが悪いなマスター。俺はもう一度、もう一度だけあの女と戦いたいんだ」
滴り落ちる海水。
階段を上り、橋を渡って行く。
すると外国人達にパシャリパシャリとスマホで写真を撮られる。
おそらくコスプレイヤーと勘違いされたのだろう。
この後、火だるまにされる事を知らずに。
一方その頃キシタは仕事の資料を家のパソコンで制作していた。
「精が出るなキシタ」
パジャマを着ているブレイドはアイスコーヒーが入ったコップをコースターに乗せてデスクに置く。
「ありがとうブレイド」
アイスコーヒーを口に流し込み、眠気を吹き飛ばす。
「新しい仕事はどうだ?」
「正直前よりしんどいかな、給料は良いけどその分ブラックなんだよ」
「そうか、私にはキシタのつらさはわからない、だがこう言う事はできる」
そう言うと、キシタをベッドに無理やり運び、馬乗りになる。
「ブレイド、これはなんのマネだ?」
「いや。男はこうされると喜ぶとマンガに描いてあった。だからやってみた」
「確かに普通の男ならこれだけでエッチな気分になる。だけどなぁ、俺は仕事をしているんだ、その邪魔を・・・・・・」
その続きを言おうとした瞬間、ブレイドがキスをして来た。
「うっ」
引き剥がそうとするが力が強く、さらに体がだんだんと麻痺していく。
「キシタ、お前は仕事をしすぎだ。だから私はそれに対して欲求を爆発させる。真面目すぎるお前は私を愛そうとしてくれない、騎士道に反する事は承知の上だ。私を嫁にしろ」
真面目な顔でスラスラと言葉を言って再びキスをされる。
(欲求不満になるなんてブレイドらしくない。いや、俺がそうさせてしまったんだ。ブレイドを嫁にする、そうだな、長年の付き合いだ。絶対に幸せにする)
そう思いながらキシタはブレイドに体を委ねた。
「どこだブレイド、気配は近いはずだが」
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