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逃亡編
第3話リバイバルオブインフェルノ
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「なぜだ、お前はなぜその姿で最初の頃戦わなかった」
「あの頃は範囲が広すぎてマスターが燃え死ぬから制御していたが、今はそんなハンデはない、皮肉な事になぁ」
「お前はマスターの事をどう思っていた」
「マスターは好きだったよ、本当に好きだった。人間らしい醜さと純粋さを兼ね備えた素晴らしい存在だった。だが軍隊はマスターを殺した。許したくない。しかしそれは過ぎた話だ、と言いたいところだがブレイド、俺はお前に倒されたからマスターが死んだ、そうは思っていないが殺したいとは思っている、なぜなら俺はお前に殺された。それだけで復讐する理由になるんだよ」
その顔はドクロなので分からないが、声で分かる。
笑っている、復讐心をむき出しにしながら笑っている。
人間らしさを間違えて解釈した結果、火炎を纏ったデビルはブレイドがおかしいと思えるほど笑っている。
「燃える事に快楽を覚えろ」
ファイヤーはなんと口からガソリンを吐き、それを爆裂させ、光線の様にブレイドに攻撃する。
(これがこいつの隠しスキルか!?)
そう思った時には光線をくらい、吹き飛ばされ、キシタがいる車両に突っ込む。
その光景を見て、キシタは走り駆けつけ様とする。
「来るな!・・・・・・早く!・・・・・・逃げろ!」
ブレイドは体にムチを打ち、立ち上がる。
それから間もなくしてファイヤーが車両に入り込み、炎を安定しない赤い炎から出力が安定している青い炎に切り替える。
「言う事は聞いた方がいいぜ、その体を燃やしてほしいなら別だがなぁ」
そう言ってキシタに向かって自然発火を実行しようとする。
(終わりだ。マスター、あんたからすればやりたくなかった倒し方だろうが、悪く思うなよ。これはマスターのためなんだ)
勝利を確信したその時、指を鳴らす音が聞こえる。
そして動けなくなった。
「まさか!こんな時に!」
電車の中に入って来るかわいらしい少女。
この戦場に舞い降りたルールを守らせる悪魔、いや、天使と言って差し支えないだろう。
「そうだよ、ゲームマスターのデビル、アイドルちゃんここに降臨!ファイヤー、あなたはやっちゃいけない事をしてるんだよ、そこんとこ分かってる?」
「なんの事だ!俺はただブレイドと戦っているだけだ!固有結界を張るなら今すぐやれ!そして戦わせろ!」
「ふむふむ、名探偵アイドルちゃんは分かったぞい、も・し・か・し・て、ブレイドがリタイアした事を知らなかったのかな?」
「リタイア、だと?」
「そう、リタイア。手を組んでた3人はとっくにしてたんだよ、まああなたに他の私から報告がなかったのかな?それは完全に私達の責任、ごめんね」
キシタはこれで戦いが終わるはずがない、そう思う。
ファイヤーがはいそうですかで終わるデビルではない事は大体察しがつく。
ブレイドに復讐心を燃やしている彼がこの状況を受け入れられるのだろうか。
もし戦いを続行しようとすれば確実にアイドルに消される。
なにせゲームマスター用に作られたデビルだ。
金縛りの他にもスキルを持っているだろう。
「さあさあファイヤー、戦いはもうおしまい。ブレイドとそのマスターも家に帰してあげる、これでなにもかも解決だね」
殺意を爆発させ、叫びを上げるファイヤー。
すると次元の裂け目から消防士を思わせる拘束具が体と炎を抑え込み、リミッターを付けられた状態になる。
「ファイヤー、もしもなんだが、俺達と暮らす気はないか?」
哀れに思えたのか、キシタは提案を持ちかける。
「正気なのかブレイドのマスター。俺はお前を殺そうとしたんだぞ」
「そうだキシタ、こいつを家族にしようなんてバカげた考えはよせ」
「なんだよ、ならアイドル、俺をファイヤーのマスターにしてくれないか、君なら簡単にそれが可能なはずだ」
「そんな事ちょちょいのちょいだよ、デビルにはやっぱりマスターが必要不可欠だから」
「やっ、やめろー!」
ファイヤーの叫びも虚しく、〈炎の殺人〉が形成され、キシタの手に収まる。
「これでお前は俺の物だ」
「お前はなにを考えている、俺をどうしたいんだ」
「別に、お前はただお母さんの家事をして手伝ってほしいだけだ、お小遣いも出す、だから一応言っておく、これからよろしく」
笑みを浮かべている、家族になる者に、自分を殺そうとした者に。
「良いだろうマスター、お前の命令に従う」
こうしてキシタ達はアイドルのスキルで家までテレポートし、帰宅した。
3日後の朝。
「いつから家は保護施設になったわけ」
ヒグラシ家のデビルの人数、ヘルプのデビルを加えて7体。
まさしく動物園状態。
ミエカはため息を吐きながら朝ごはんを作ろうとする。
だがすでにファイヤーが割烹着を着てキッチンで朝ごはんを作り始めていた。
「おっ、お母さん、今ごはん作ってるから、くつろいでくれ」
「勝手にやらないでよ!早く家に馴染みたいのは分かるわよ、だけどねぇ、晩ご飯用の食材を使われると困るの!」
その後ファイヤーはガミガミとミエカに怒鳴られ、その光景にデビルトリオはうるさいと感じながら朝のニュースを見るのだった。
「あの頃は範囲が広すぎてマスターが燃え死ぬから制御していたが、今はそんなハンデはない、皮肉な事になぁ」
「お前はマスターの事をどう思っていた」
「マスターは好きだったよ、本当に好きだった。人間らしい醜さと純粋さを兼ね備えた素晴らしい存在だった。だが軍隊はマスターを殺した。許したくない。しかしそれは過ぎた話だ、と言いたいところだがブレイド、俺はお前に倒されたからマスターが死んだ、そうは思っていないが殺したいとは思っている、なぜなら俺はお前に殺された。それだけで復讐する理由になるんだよ」
その顔はドクロなので分からないが、声で分かる。
笑っている、復讐心をむき出しにしながら笑っている。
人間らしさを間違えて解釈した結果、火炎を纏ったデビルはブレイドがおかしいと思えるほど笑っている。
「燃える事に快楽を覚えろ」
ファイヤーはなんと口からガソリンを吐き、それを爆裂させ、光線の様にブレイドに攻撃する。
(これがこいつの隠しスキルか!?)
そう思った時には光線をくらい、吹き飛ばされ、キシタがいる車両に突っ込む。
その光景を見て、キシタは走り駆けつけ様とする。
「来るな!・・・・・・早く!・・・・・・逃げろ!」
ブレイドは体にムチを打ち、立ち上がる。
それから間もなくしてファイヤーが車両に入り込み、炎を安定しない赤い炎から出力が安定している青い炎に切り替える。
「言う事は聞いた方がいいぜ、その体を燃やしてほしいなら別だがなぁ」
そう言ってキシタに向かって自然発火を実行しようとする。
(終わりだ。マスター、あんたからすればやりたくなかった倒し方だろうが、悪く思うなよ。これはマスターのためなんだ)
勝利を確信したその時、指を鳴らす音が聞こえる。
そして動けなくなった。
「まさか!こんな時に!」
電車の中に入って来るかわいらしい少女。
この戦場に舞い降りたルールを守らせる悪魔、いや、天使と言って差し支えないだろう。
「そうだよ、ゲームマスターのデビル、アイドルちゃんここに降臨!ファイヤー、あなたはやっちゃいけない事をしてるんだよ、そこんとこ分かってる?」
「なんの事だ!俺はただブレイドと戦っているだけだ!固有結界を張るなら今すぐやれ!そして戦わせろ!」
「ふむふむ、名探偵アイドルちゃんは分かったぞい、も・し・か・し・て、ブレイドがリタイアした事を知らなかったのかな?」
「リタイア、だと?」
「そう、リタイア。手を組んでた3人はとっくにしてたんだよ、まああなたに他の私から報告がなかったのかな?それは完全に私達の責任、ごめんね」
キシタはこれで戦いが終わるはずがない、そう思う。
ファイヤーがはいそうですかで終わるデビルではない事は大体察しがつく。
ブレイドに復讐心を燃やしている彼がこの状況を受け入れられるのだろうか。
もし戦いを続行しようとすれば確実にアイドルに消される。
なにせゲームマスター用に作られたデビルだ。
金縛りの他にもスキルを持っているだろう。
「さあさあファイヤー、戦いはもうおしまい。ブレイドとそのマスターも家に帰してあげる、これでなにもかも解決だね」
殺意を爆発させ、叫びを上げるファイヤー。
すると次元の裂け目から消防士を思わせる拘束具が体と炎を抑え込み、リミッターを付けられた状態になる。
「ファイヤー、もしもなんだが、俺達と暮らす気はないか?」
哀れに思えたのか、キシタは提案を持ちかける。
「正気なのかブレイドのマスター。俺はお前を殺そうとしたんだぞ」
「そうだキシタ、こいつを家族にしようなんてバカげた考えはよせ」
「なんだよ、ならアイドル、俺をファイヤーのマスターにしてくれないか、君なら簡単にそれが可能なはずだ」
「そんな事ちょちょいのちょいだよ、デビルにはやっぱりマスターが必要不可欠だから」
「やっ、やめろー!」
ファイヤーの叫びも虚しく、〈炎の殺人〉が形成され、キシタの手に収まる。
「これでお前は俺の物だ」
「お前はなにを考えている、俺をどうしたいんだ」
「別に、お前はただお母さんの家事をして手伝ってほしいだけだ、お小遣いも出す、だから一応言っておく、これからよろしく」
笑みを浮かべている、家族になる者に、自分を殺そうとした者に。
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こうしてキシタ達はアイドルのスキルで家までテレポートし、帰宅した。
3日後の朝。
「いつから家は保護施設になったわけ」
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まさしく動物園状態。
ミエカはため息を吐きながら朝ごはんを作ろうとする。
だがすでにファイヤーが割烹着を着てキッチンで朝ごはんを作り始めていた。
「おっ、お母さん、今ごはん作ってるから、くつろいでくれ」
「勝手にやらないでよ!早く家に馴染みたいのは分かるわよ、だけどねぇ、晩ご飯用の食材を使われると困るの!」
その後ファイヤーはガミガミとミエカに怒鳴られ、その光景にデビルトリオはうるさいと感じながら朝のニュースを見るのだった。
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