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逃亡編
第4話死神の悪夢
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最近、目覚めると刃物で斬られた様な傷が見つかる。
傷は浅く、大した痛みではない。
だが恐怖で身震いする、あの悪夢。
まるでVRの18禁スプラッターホラーゲームを思わせる悪夢。
人が目の前で死神に鎌で斬殺されると言う内容で、その人物は幼い子ども、様々な制服を着た学校の生徒、若い男女、中年、老人、歳をとわずその空間にいた。
その死神はまるでスプラッター映画に登場する殺人鬼の様に鎌で様々な殺し方をする。
そして殺す時にこう言うのだ。
「死神は笑う、人を殺せて、笑う、死ね」
その言葉が頭から離れない。
夢の内容が脳内に染み付いている。
しかもこの夢を見た後、夢でケガを負った箇所が実際にケガになっている。
あの頃だ、ヒグラシヒメが転校して来てから、この悪夢は始まった。
もしかしてヒグラシヒメがこの悪夢を引き起こしている根源?
いや、考えすぎか、とりあえず寝よう、そしてあの悪夢を生き残るんだ。
今回のエリアはアメリカを思わせるキャンプ場。
自分は人を助ける余裕などないので、死神が来ないであろう場所へ走って行く。
足音を鳴り響かせ、死神がいないか確認しながら古屋に入り、身を守れそうな物を探す。
そこは狩猟のために使われる道具が置いてある、自分にとって武器庫の様な場所だった。
入口付近にトラバサミを設置し、散弾銃を構える。
死神との戦いにはすでに慣れている。
あいつは知能が低く、殺せると思ったら決まったセリフを言うため隙ができる。
いわゆる油断をした状態だ。
それをついて散弾銃で殺す。
これしかない。
寝たのは戦いを短く済ませるため、夜更かしして4時ちょっと。起きるのは大体7時半、つまり2時間半ぐらいで片付ける必要がある。
殺してやる、そして終わらせてやる。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
死神の声だ。
ドアを鎌で破壊し、入って来る。
「死神は笑う・・・・・」
勝利を確信したセリフを言い始めたその時、トラバサミに引っかかり、動揺した隙に一気に距離を詰め、0距離で散弾銃を発砲した。
死神は吹き飛ばされ地面に叩きつけられ、倒れる。
やったか。
ようやく勝った。
目覚めるとそこは病室、まだ悪夢は終わっていない。
どうやらエリアが変わった様だ。
こう言う事は度々起きる事だ。
早く武器をみつけなければ。
と思ったがベルトで拘束され、動けない。
もしかしたら死神が自分を本気で殺すつもりなのだろう。
だがこれは悪夢、つまり妄想の世界。
だからこんな芸当もできる。
ベルトを強靭な力で引き裂き、病室を出る。
すると俺よりも幼い、白髪で片目を包帯で隠し、赤い瞳をした少女がナイフと拳銃を持って立っていた。
少女はいきなりこちらに銃口を向けて発砲する。
自分にとって銃弾を躱す事は容易だ。
そう、悪夢の世界なら。
銃弾を躱し、アサルトライフルを生成、発砲する。
少女は驚く様子もなく、銃弾を躱し、拳銃を鈍器の様に持ち替え、襲いかかって来る。
アサルトライフルを盾にして攻撃を防ぐが、ナイフの一刀で真っ二つになり、拳銃で頭を殴打され、頭蓋骨が壊れる感じを覚える。
自分は意識をなんとか保つが。
「死神は笑う、人を殺せて、笑う」
死神の声が聞こえる。
倒したはずの死神の声が。
「死ね!」
そこで強烈な痛みと共に、意識がなくなった。
『昨日の朝、大阪の〇〇市で高校2年生の男子が寝室で遺体として発見されました。遺体はズタスダに斬り裂かれ、頭蓋骨が陥没しており、警察は殺人事件、およびデビル事件として調査しています。
夕方のニュースで当たり前の様に流れる殺人事件。
ごはんを食べながら観ていたヒグラシ家はたわいもない会話をしていた。
次の日、ヒメが教室に入ると、自分のではない1人の席が目に入る。
誰も座っていない席。
気になって教師に聞いてみると、昨日そこの席の生徒が何者かに殺されたそうだ。
しかも他の生徒も次々に殺害されている。
(大阪でもこんな事が起きるなんて、なんでいつも私の周りの人達が死んでいくの?)
これは偶然か、それとも必然か。
そう思いながら授業を受けていると、呼び出しを受け、〈救いの殺人〉をポケットに入れ、相談室に向かう。
(私なにかしたかなぁ)
相談室に到着し、ため息を吐く。
「失礼します」
スライド式のドアを開けると、いきなり前から教師らしき人物にスタンガンをくらい気絶した。
目覚めると、そこは自分の部屋。
右を見て、左を見ると看病で疲れたのか、ヘルプが寝ている。
窓を確認するともう夕暮れになっていた。
いきなりスタンガンで襲われた恐怖。
それがぶり返し、ヘルプを強く抱きしめた。
傷は浅く、大した痛みではない。
だが恐怖で身震いする、あの悪夢。
まるでVRの18禁スプラッターホラーゲームを思わせる悪夢。
人が目の前で死神に鎌で斬殺されると言う内容で、その人物は幼い子ども、様々な制服を着た学校の生徒、若い男女、中年、老人、歳をとわずその空間にいた。
その死神はまるでスプラッター映画に登場する殺人鬼の様に鎌で様々な殺し方をする。
そして殺す時にこう言うのだ。
「死神は笑う、人を殺せて、笑う、死ね」
その言葉が頭から離れない。
夢の内容が脳内に染み付いている。
しかもこの夢を見た後、夢でケガを負った箇所が実際にケガになっている。
あの頃だ、ヒグラシヒメが転校して来てから、この悪夢は始まった。
もしかしてヒグラシヒメがこの悪夢を引き起こしている根源?
いや、考えすぎか、とりあえず寝よう、そしてあの悪夢を生き残るんだ。
今回のエリアはアメリカを思わせるキャンプ場。
自分は人を助ける余裕などないので、死神が来ないであろう場所へ走って行く。
足音を鳴り響かせ、死神がいないか確認しながら古屋に入り、身を守れそうな物を探す。
そこは狩猟のために使われる道具が置いてある、自分にとって武器庫の様な場所だった。
入口付近にトラバサミを設置し、散弾銃を構える。
死神との戦いにはすでに慣れている。
あいつは知能が低く、殺せると思ったら決まったセリフを言うため隙ができる。
いわゆる油断をした状態だ。
それをついて散弾銃で殺す。
これしかない。
寝たのは戦いを短く済ませるため、夜更かしして4時ちょっと。起きるのは大体7時半、つまり2時間半ぐらいで片付ける必要がある。
殺してやる、そして終わらせてやる。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
死神の声だ。
ドアを鎌で破壊し、入って来る。
「死神は笑う・・・・・」
勝利を確信したセリフを言い始めたその時、トラバサミに引っかかり、動揺した隙に一気に距離を詰め、0距離で散弾銃を発砲した。
死神は吹き飛ばされ地面に叩きつけられ、倒れる。
やったか。
ようやく勝った。
目覚めるとそこは病室、まだ悪夢は終わっていない。
どうやらエリアが変わった様だ。
こう言う事は度々起きる事だ。
早く武器をみつけなければ。
と思ったがベルトで拘束され、動けない。
もしかしたら死神が自分を本気で殺すつもりなのだろう。
だがこれは悪夢、つまり妄想の世界。
だからこんな芸当もできる。
ベルトを強靭な力で引き裂き、病室を出る。
すると俺よりも幼い、白髪で片目を包帯で隠し、赤い瞳をした少女がナイフと拳銃を持って立っていた。
少女はいきなりこちらに銃口を向けて発砲する。
自分にとって銃弾を躱す事は容易だ。
そう、悪夢の世界なら。
銃弾を躱し、アサルトライフルを生成、発砲する。
少女は驚く様子もなく、銃弾を躱し、拳銃を鈍器の様に持ち替え、襲いかかって来る。
アサルトライフルを盾にして攻撃を防ぐが、ナイフの一刀で真っ二つになり、拳銃で頭を殴打され、頭蓋骨が壊れる感じを覚える。
自分は意識をなんとか保つが。
「死神は笑う、人を殺せて、笑う」
死神の声が聞こえる。
倒したはずの死神の声が。
「死ね!」
そこで強烈な痛みと共に、意識がなくなった。
『昨日の朝、大阪の〇〇市で高校2年生の男子が寝室で遺体として発見されました。遺体はズタスダに斬り裂かれ、頭蓋骨が陥没しており、警察は殺人事件、およびデビル事件として調査しています。
夕方のニュースで当たり前の様に流れる殺人事件。
ごはんを食べながら観ていたヒグラシ家はたわいもない会話をしていた。
次の日、ヒメが教室に入ると、自分のではない1人の席が目に入る。
誰も座っていない席。
気になって教師に聞いてみると、昨日そこの席の生徒が何者かに殺されたそうだ。
しかも他の生徒も次々に殺害されている。
(大阪でもこんな事が起きるなんて、なんでいつも私の周りの人達が死んでいくの?)
これは偶然か、それとも必然か。
そう思いながら授業を受けていると、呼び出しを受け、〈救いの殺人〉をポケットに入れ、相談室に向かう。
(私なにかしたかなぁ)
相談室に到着し、ため息を吐く。
「失礼します」
スライド式のドアを開けると、いきなり前から教師らしき人物にスタンガンをくらい気絶した。
目覚めると、そこは自分の部屋。
右を見て、左を見ると看病で疲れたのか、ヘルプが寝ている。
窓を確認するともう夕暮れになっていた。
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それがぶり返し、ヘルプを強く抱きしめた。
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