デビルフェイス

ガトリングレックス

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ストロンギスト編

第1話バーサス フォー

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「さっさと終わらせる」
「やってみろ。スピードアップ」
ジャスティスは右サイドスイッチを押し、一気に加速する。
(その程度のスピードで俺を殺れるとでも思っているのか?)
ウェポンは〈物干し竿〉を左斜めに振り被り、〈和泉守藤原兼重〉を逆手に持ち、関節を伸ばし、独特な構えをとる。
「見様見真似、二刀流式、秘剣、燕返し!」
一瞬の出来事だった。
なんとジャスティスの体に6個の斬り傷ができ、血が吹き出したのだ。
「なんだ・・・今のは・・・」
「ふん。俺はただこの2本の刀で6連撃を繰り出した。それだけだ」
ウェポンの言葉に、セイギの中で動揺と混乱が混じり合う。
(ウソだ、俺には左で1回、右で1回、それを同時に行っていた様にしか見えなかった)
燕返しとは、かつて佐々木小次郎が遊びとしてツバメを落とすにはどうすれば良いか。
その答えはこうだ。
ものすごいスピードで3連撃を繰り出す、これが佐々木小次郎が導き出した答えだった。
単純だが、これができるのは現在ウェポンのみ。
さらに二刀流でこれを行う事で合計6連撃をくらわせる事ができる。
不可能に近い技だが、これを可能にしてしまうのがウェポンの技量である。
「なにをビビっている、こんな奴速やかに倒してしまえ」
「言われなくてもやってやるさ!」
トランスフォームに促され、セイギは高く飛び上がりドロップキックの体制に入る。
「オーリヤー!」
足に黒いオーラを纏わせ、さらにトランスフォームのスキル〈マイモーションカット〉を使用し、まるで録画した映像を30秒飛ばしボタンでCMを飛ばす様に距離が突然近くなり、蹴りがウェポンに入る。
あまりの攻撃力に大きく吹き飛ばされ、さらにソウルが召喚したライダーが乗っている車に轢かれた。
触手で体制を立て直し、轢かれた車を確認すると、後ろでバーストが破壊光線を放つ体制に入っていた。
「逃げろマスター!デビルの攻撃が来るぞー!」
ウェポンの叫びにアイシアは縦に首を振り、素早く対応、その場から逃げ出す。
「おいおい、俺を巻き込むきか!?」
ライダーは歩道に車体を移動させ、逃げる人間を轢き殺しながら破壊光線の範囲から離れる。
放たれる破壊光線。
これをくらえばいくらデビルでもひとたまりもない。
触手を電信柱に巻きつけ、範囲外に素早く移動するウェポン。
「スピード!」
「スピードアップ」
一気に加速し、破壊光線を躱すセイギとジャスティス。
その破壊力は凄まじく、道路のアスファルトが砕け散り、ショップのガラスが割れた。
とここで軍隊が到着し、全員攻撃体制に入る。
「変身」
シンは姿を変化させ、金色の姿になる。
スリープがサイドカーから降りると、ガルガはバイクに搭載されているタッチパネルを操作し、降りる。
すると殺人マシンに変形し始めた。
サイドカーがミサイルランチャーに変形、前部分が顔と体に、後ろ部分とタイヤが下半身と足に変形した。
殺人マシン〈ブラックランチャー〉はミサイルランチャーの銃口をセイギに向け、ミサイルを射出する。
「ディフェンス!」
フォームチェンジでミサイルを防ぎ、セイギは軍隊達の方を見る。
「俺は黒い鎧の奴を仕留める、ジャスティスはソウルを頼む」
「軍隊はどうする?」
「あいつらはジャスティスにとって正義なんだろ、なら無視していい」
「分かった。任せたぞ、セイギ」
〈ブレイドゴールド〉をスクリューに収納、右サイドスイッチを押し、ジャスティスは一気に加速、ソウルに襲いかかる。
ソウルは慌ててサモンから盾の暗示である少女のデビル、シールドにスイッチし、パンチを盾で防ぐが、あまりのパワーに吹き飛ばされる。
地面に叩きつけられ、激痛が走るが、すぐさま立ち上がり、シールドを解除し、ブレイクを憑依させようとする。
だがジャスティスは左手で首を絞め、持ち上げた。
「お前は罪人を復活させ、暴れさせた。その罪は実に重い。消えろ」
「・・・・・・・・!?」
叫びながらもがくが、逃れる事ができず、右拳で心臓部を貫かれた。
「これで後1人、いや、4人か、まったく厄介な事をしてくれる」
光り始めたソウルを放り投げ、残された3体の粛清に向かおうとする。
その時だった。
ソウルに管理されていたデビルの魂達がジャスティスに取り憑き始める。
あまりの膨大な量に悲鳴に近い叫びを上げ、悶える。
全身のアーマーが砕け散り、再構成される。
黒いアーマー。
頭部の真ん中に雷の様な白い傷。
バッタのような黒い角。
胸の真ん中部分に白くくすみヒビが入っている宝石。
誰もが恐怖する白い複眼。
背中にはバッタの様な白い羽。
牙の様な長いリミッターが搭載された足。
ヒビ割れた腕部分から霊気が放出している。
その姿は〈正義の殺人〉に出てくるラスボスのデザインを踏襲した様な禍々しい、まさに最強
と言っても過言ではないだろう。
強者の気配を察知したバーストは後ろを振り返ろうとする。
だがジャスティスは左手の甲から鋭い4本の吸血用のニードルを飛び出させ、足に突き刺す。
血が勢いよく吸引されていき、干からびながら命を落とすのだった。
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