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第12話圧倒的抵抗力
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車からラン、セイギ、ストロンギストは出て、ジャイアントと面と向かって身構える。
「お前達、全員、殺す!」
「できるもんならやってみるっす」
「よく、言う。いいだろう。その挑発、受ける」
大剣を振りかぶり、霧に消える。
「そんな小細工、私には効かないっす」
警棒から手を離し、弾丸の様に念動力で後ろに飛ばす。
だが、敵はそんな単調ではなかった。
「その攻撃、すでに覚えた」
なんと真上からジャイアントが大剣を振り下ろし、ランに攻撃を仕掛けて来た。
「それがどうしたっす?」
念動力でジャイアントの動きを止め様とする。
「その言葉、そっくりそのまま、返してやる。それがどうした?」
落下スピードがまったく落ちない。
自分の能力が効かない事に動揺しながらも、念動力で体を浮かせ、高速で移動し、躱してみせる。
大剣がアスファルトに叩きつけられ、衝撃でジャイアントの腕に痺れが走る。
そこに乱入する様に切り裂きの殺人鬼達4人が現れ、剣で攻撃を仕掛けて来る。
「本当にしつこい奴らだ」
「どうやら俺達に消されたいらしい」
ストロンギストが猛スピードで加速すると、両手で敵2人の顔面を掴み上げ、アスファルトの道に叩きつける。
「破壊」
消滅して行く仲間を見て、うろたえながらも、霧に消え様とする。
だがセイギの右ストレート、回転蹴りが腹に命中し、2人は吹き飛ばされる。
一方は走行中の車に激突し、再び吹き飛ばされると、息を荒げながら、もう1度霧にとけ込もうとする。
「どこへ行く気だ?」
その声に驚くまもなく、セイギがストロンギストに向けて両手で投げ飛ばす。
するとストロンギストはベルトのスクリューから剣を取り出した。
「ブレイドゴールド」
破壊の力を剣であるブレイドゴールドに注ぎ込み、相手の心臓部を貫く。
消滅して行く敵の姿を見て、自分の力を実感する。
が、同時に恐怖を感じた。
(最強の俺に勝てる者などいない。分かっているはずなのに、なぜ今更負けるビジョンが頭に浮かぶんだ? この程度の敵になんの負ける要素がある? セイギもいる。トランスフォームもいる。なぜだ、なぜなんだ)
悩みながら叫びを上げ、高く飛び上がると、ドロップキックの体勢に入る。
白い羽をマントの様に靡かせ、悪を滅ぼす必殺の一撃。
「ジャスティスキック!」
切り裂きの殺人鬼達の1人が攻撃を避け様とするが、動けない。
まるで金縛りにでもあった様だ。
ストロンギストのドロップキックが命中し、激痛に叫びを上げながら、敵は消滅する。
「「次はお前だ」」
セイギとストロンギストの指差す方向は、ジャイアントを指している。
一気に加速し、敵に襲いかかる。
するとジャイアントが霧に消えた。
(またその能力か、さすがに見飽きたなぁ)
今まで戦って来た切り裂きの殺人鬼達の行動パターンと似ている。
そこから動きを見抜く事は簡単だ。
「見た目が違うだけで、考え方は同じみたいだなぁ! ストロンギスト、あいつの戦術を破壊しろ!」
「分かった」
ストロンギストは〈霧に消える〉を破壊しようとする。
しかし、破壊できたと言う実感が持てない。
「うん?」
「どうした?」
「しまった! 茶髪の彼女が危ない!」
ストロンギストの危機迫る叫び。
「ならば、スピード!」
トランスフォームの声に合わせて、セイギの姿が黒き姿から青き姿に変化し、猛スピードでランの背後で攻撃しようとしているジャイアントにジャンピングパンチを繰り出す。
「後ろに敵がいる。避けてくれ」
「えっ、マジすか!?」
いきなりの事にランは動揺しながらも、念動力で左に避ける。
片手で大剣を振りかぶる体勢に入っていたジャイアントの顔に拳が唸る。
凄まじい威力に対し、まったく動じず、大剣を振り下ろす、ジャイアント。
「なんだと!?」
「ディフェンス!」
間に合わない、そう感じたセイギは大剣に対して、紫のオーラを放出し、殴り壊しにかかる。
「うん?」
ジャイアントは大剣を振り下ろすのをやめ、バックステップで後ろに下がった。
「お前の能力、覚えた」
「それがどうした。それだけじゃあ俺を倒せないぞ」
「どうやら、俺の、能力を、なめている、ようだな、俺の能力を、みんな、こう言う、圧倒的抵抗力と」
「ふん、大層な名前だな」
「お前、やっぱり、甘く、見てる。俺の能力は、くらった攻撃、能力に対して抵抗力を得る。つまりお前達の、すべての、攻撃は、通じない」
「疑問が残る。なぜくらった事もないストロンギストと俺の攻撃に抵抗力があるんだ?」
「これから負ける相手に、これ以上の情報、無意味」
「ごまかしやがって。ストロンギスト、トランスフォーム、あいつを協力プレイで始末するぞ」
「ほいさっさ」
「分かった」
「私はどうすれば良いっすか?」
「俺達に任せて、君達は車を動かして逃げろ。女の子をちゃんと守ってやれよ」
「わっ、分かったっす」
ランは車の助手席に座ると、AIに指示を出し、車を動かすのだった。
「お前達、全員、殺す!」
「できるもんならやってみるっす」
「よく、言う。いいだろう。その挑発、受ける」
大剣を振りかぶり、霧に消える。
「そんな小細工、私には効かないっす」
警棒から手を離し、弾丸の様に念動力で後ろに飛ばす。
だが、敵はそんな単調ではなかった。
「その攻撃、すでに覚えた」
なんと真上からジャイアントが大剣を振り下ろし、ランに攻撃を仕掛けて来た。
「それがどうしたっす?」
念動力でジャイアントの動きを止め様とする。
「その言葉、そっくりそのまま、返してやる。それがどうした?」
落下スピードがまったく落ちない。
自分の能力が効かない事に動揺しながらも、念動力で体を浮かせ、高速で移動し、躱してみせる。
大剣がアスファルトに叩きつけられ、衝撃でジャイアントの腕に痺れが走る。
そこに乱入する様に切り裂きの殺人鬼達4人が現れ、剣で攻撃を仕掛けて来る。
「本当にしつこい奴らだ」
「どうやら俺達に消されたいらしい」
ストロンギストが猛スピードで加速すると、両手で敵2人の顔面を掴み上げ、アスファルトの道に叩きつける。
「破壊」
消滅して行く仲間を見て、うろたえながらも、霧に消え様とする。
だがセイギの右ストレート、回転蹴りが腹に命中し、2人は吹き飛ばされる。
一方は走行中の車に激突し、再び吹き飛ばされると、息を荒げながら、もう1度霧にとけ込もうとする。
「どこへ行く気だ?」
その声に驚くまもなく、セイギがストロンギストに向けて両手で投げ飛ばす。
するとストロンギストはベルトのスクリューから剣を取り出した。
「ブレイドゴールド」
破壊の力を剣であるブレイドゴールドに注ぎ込み、相手の心臓部を貫く。
消滅して行く敵の姿を見て、自分の力を実感する。
が、同時に恐怖を感じた。
(最強の俺に勝てる者などいない。分かっているはずなのに、なぜ今更負けるビジョンが頭に浮かぶんだ? この程度の敵になんの負ける要素がある? セイギもいる。トランスフォームもいる。なぜだ、なぜなんだ)
悩みながら叫びを上げ、高く飛び上がると、ドロップキックの体勢に入る。
白い羽をマントの様に靡かせ、悪を滅ぼす必殺の一撃。
「ジャスティスキック!」
切り裂きの殺人鬼達の1人が攻撃を避け様とするが、動けない。
まるで金縛りにでもあった様だ。
ストロンギストのドロップキックが命中し、激痛に叫びを上げながら、敵は消滅する。
「「次はお前だ」」
セイギとストロンギストの指差す方向は、ジャイアントを指している。
一気に加速し、敵に襲いかかる。
するとジャイアントが霧に消えた。
(またその能力か、さすがに見飽きたなぁ)
今まで戦って来た切り裂きの殺人鬼達の行動パターンと似ている。
そこから動きを見抜く事は簡単だ。
「見た目が違うだけで、考え方は同じみたいだなぁ! ストロンギスト、あいつの戦術を破壊しろ!」
「分かった」
ストロンギストは〈霧に消える〉を破壊しようとする。
しかし、破壊できたと言う実感が持てない。
「うん?」
「どうした?」
「しまった! 茶髪の彼女が危ない!」
ストロンギストの危機迫る叫び。
「ならば、スピード!」
トランスフォームの声に合わせて、セイギの姿が黒き姿から青き姿に変化し、猛スピードでランの背後で攻撃しようとしているジャイアントにジャンピングパンチを繰り出す。
「後ろに敵がいる。避けてくれ」
「えっ、マジすか!?」
いきなりの事にランは動揺しながらも、念動力で左に避ける。
片手で大剣を振りかぶる体勢に入っていたジャイアントの顔に拳が唸る。
凄まじい威力に対し、まったく動じず、大剣を振り下ろす、ジャイアント。
「なんだと!?」
「ディフェンス!」
間に合わない、そう感じたセイギは大剣に対して、紫のオーラを放出し、殴り壊しにかかる。
「うん?」
ジャイアントは大剣を振り下ろすのをやめ、バックステップで後ろに下がった。
「お前の能力、覚えた」
「それがどうした。それだけじゃあ俺を倒せないぞ」
「どうやら、俺の、能力を、なめている、ようだな、俺の能力を、みんな、こう言う、圧倒的抵抗力と」
「ふん、大層な名前だな」
「お前、やっぱり、甘く、見てる。俺の能力は、くらった攻撃、能力に対して抵抗力を得る。つまりお前達の、すべての、攻撃は、通じない」
「疑問が残る。なぜくらった事もないストロンギストと俺の攻撃に抵抗力があるんだ?」
「これから負ける相手に、これ以上の情報、無意味」
「ごまかしやがって。ストロンギスト、トランスフォーム、あいつを協力プレイで始末するぞ」
「ほいさっさ」
「分かった」
「私はどうすれば良いっすか?」
「俺達に任せて、君達は車を動かして逃げろ。女の子をちゃんと守ってやれよ」
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ランは車の助手席に座ると、AIに指示を出し、車を動かすのだった。
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