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146.過去との決別って、君が言うなら。
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もう一度、ロナウに首を振って「僕は大丈夫だ」って念を押した。それから「‥ごめん」って謝っておく。
今まで、危険な目に合わせてたの‥気付かなくて‥気にしなくてごめん。
今まで、好意に気が付かないふりしてきて、ごめん。
‥今まで、バカにしたような態度取ってきて、ごめん。
いろいろひっくるめて「ごめん」だけど‥
「心配かけて、ごめん」
ってことにしておく。
‥いろいろ謝るの‥ちょっと‥無理。
ロナウは、「うん? 」って‥分かったのか分かってないのかわからないような顔でコリンの謝罪を受け取った。
ザッカやナナフル、アンバーも「どうした? 何かあったのか? 」ってコリンを振り返る。
だめだなあ。僕。「場を和ませる末っ子の役割」を「演じる」だけなはずなのに、ホントに末っ子みたいに心配かけちゃって‥。
コリンはふるふると首を振って「大丈夫です」っていうと、
アンバーの目を見て、微笑んだ。
「アンバーは無理してない? 」
「え? 」
アンバーが目を見開く。
何が? って顔だ。
「その‥魔薬の事だとか、悪の組織の事だとか‥関わりたくないことじゃない。‥だのに‥」
‥言葉に詰まる。
実際に口に出すと、ほんと、自分ってひどいな‥って思う。
アンバーは、ふふ、って‥ちょっと困ったように‥照れたような‥そんな「居心地が悪そうな」顔で笑った。
コリンが、急にそんなこと「改めて」言ったから、‥驚いたってのが一番大きい、かな?
‥「何? 急に」って話だし、「今はそんな話してるまじゃないだろ」って‥呆れたかもしれない。
呆れられても、しょうがない。でも、‥今言わないと、一生言えない気がするから、‥言っておこうって思ったんだ。
眉を寄せてアンバーを見上げるコリンに、
アンバーは
「いいさ。‥関係ない。
むしろ、自分の手で葬り去ることが、過去との決別になる‥って思う」
ふわり、と微笑んだ。
「そっか‥それなら‥いいんだ」
‥君がそういうなら、‥この話は、終わりだ。
君がどうこたえるか‥ってのが問題なんじゃない。‥皆に気付いてもらうことが、一番重要だったって言ってもいい。
‥気付かずに、アンバーの心に土足で踏み込んでいたのは、僕だけじゃないってことに。
皆もコリンの思ってることが伝わったらしく、「‥ごめん、アンバー」「すみません、私たちアンバー様のお気持ちを考えもしていなかったですわ‥」って口々に謝り始めた。
ちなみに、一番に謝ったのは、ロナウだった。次に謝ったのは、フタバ。新しく仲間になった組だ。
もう少し付き合いが長いナナフルたちは、ちょっと複雑な表情を浮かべている。
大きく深呼吸して自分で自分をビンタするみたいに、ぱん、と顔をはたいたのは、ザッカ。
きゅっと目を瞑って、勢いよく目を開けると、
「そうだな。派手に決別しようぜ。アンバー」
に、っとアンバーに笑いかけた。
謝らなかったけど、‥でも、謝罪の意思だけは伝わった。
彼の頬にくっきり残る、真っ赤な「紅葉」がその意思の表れってことだろう。
こころの中ではきっと「すまん!! アンバー! 俺って奴は!! 」ってなってるんだろう。でも、口に出したらアンバーも「いいよ」としか言えないってこと‥知ってるから言わない。
「ああ」
くす、っとアンバーが笑う。
まったく、何やってんだか、って顔で、赤く晴れたザッカの頬を見る。
なんか、男の友情って感じで、‥かっこいい。
ちょっとジェラシー。
僕もいつかは、そういう「大人の男」になって見せますから!! 末っ子の顔は演技だけで、明日にでも末っ子の仮面を外して、ニヒルで出来る大人の男になって、皆をぐいぐい引っ張っていきますからね‥っ!
なんて‥神妙な顔したコリンが考えてるのは、そういうことだったり。
「アンバー様‥かっこいい‥」
アンバーの横顔をフタバがぽーっとした顔で見つめる。
「まったく! フタバちゃん! 今は、真剣な話してるの! 」
「あら、私も真剣そのものですわ! 過去と向き合い、仲間とともに成長する美青年‥。そんな貴重な一場面を忘れないように目に収めているんですわ! ‥ああ、ちょっと心の声が外に漏れ出たかしら‥ごめんなさいね」
「イベントみたく言わないでくれない!? まったくフタバちゃんは! こんな性格だとは思わなかったよ! 学生時代は、氷みたいに冷たかったのに! 」
氷みたいに冷たかったのは、むしろコリンの方でしょ!
フタバは言いたいが、
機嫌がいいからやめておく。
アンバーはかっこいいし、初めてできた「いい仲間」との交流が楽しすぎて、‥ぶっちゃけコリンなんてどうでもいい。
お子様の相手は、ね。
だから
「人の心はね、水みたいなものなの。本質は同じでも、状況やら感情で、その状態‥対応も変わる。
普段は水の状態。何時もの対応ね。
つまらなかったら、凍ってしまうこともあるんでしょうねえ。‥学生時代はそうだったんでしょうねえ。心を閉ざしてるような対応になるわね。
反対に
熱くなりすぎたら、理性も飛ぶ。‥蒸発した水みたいにね」
お姉さんの顔で微笑んで「子供」に教えてあげる。
「‥うまいこと言わないでよ‥」
コリンは言葉に詰まったみたい。
‥まあ、もともと口がたつ方じゃないからね。
悔しいって顔してるけど、私に言わせれば、コリンなんて頭でっかちで魔法オバケの単細胞よ? (←散々な言い様)
ふう、ってフタバはコリンに見せるように‥大げさなため息をつく
「‥僕に対する心配‥とか気遣いは? この頃、‥扱い悪かったな~って反省とかしないの?? 心が痛くなったりとかは? 」
「ロナウ君に対する心配は‥勿論あるよ。
‥ロナウ君でちゃんとできるかな‥とか。心配しかない」
「コリン、そっくりそのままブーメランで貴方に帰ってきますわよ。それ」
「‥ひどいな。フタバちゃん」
「‥また漫才みたいになってるよ。ホントに三人は仲がいいんだね」
ほほえましいねって顔で微笑むのは、愛しの女神で「お母さま」なナナフルさん。
ホントに、いついかなる時でも優しいし、お美しいです!!
「お母さま」だけど、女性っぽいとかじゃない、尊敬できるお兄様。
お母さま属性のお兄様。
ザッカさんは‥「おとん属性のおとん」‥つまり、おとんだな!
穏やかな二人だけど‥過去にはいろいろあって‥悩んだり、泣いたり‥怒ったりして、今がある。
そして、それはザッカやシークさんも同じ。
僕らの、悩みなんてちっぽけだって思えちゃうほど、四人は今まで苦労してきた。
だけど、四人はそんなこと言わない。
苦しみや辛さをみんな優しさに変えて、僕らを見守ってくれる。‥僕らに手を貸してくれる。
「さ! 話をもどすぞ! 時間はないんだからな! 」
ぱんってアンバーが手を打つ。
「「「はい!! 」」」
思わず「いい返事」しちゃったのは、‥学生気分がちょっと抜けきってないらしい若者三人。
そんな三人に、大人な四人は微笑みかけるのだった。
今まで、危険な目に合わせてたの‥気付かなくて‥気にしなくてごめん。
今まで、好意に気が付かないふりしてきて、ごめん。
‥今まで、バカにしたような態度取ってきて、ごめん。
いろいろひっくるめて「ごめん」だけど‥
「心配かけて、ごめん」
ってことにしておく。
‥いろいろ謝るの‥ちょっと‥無理。
ロナウは、「うん? 」って‥分かったのか分かってないのかわからないような顔でコリンの謝罪を受け取った。
ザッカやナナフル、アンバーも「どうした? 何かあったのか? 」ってコリンを振り返る。
だめだなあ。僕。「場を和ませる末っ子の役割」を「演じる」だけなはずなのに、ホントに末っ子みたいに心配かけちゃって‥。
コリンはふるふると首を振って「大丈夫です」っていうと、
アンバーの目を見て、微笑んだ。
「アンバーは無理してない? 」
「え? 」
アンバーが目を見開く。
何が? って顔だ。
「その‥魔薬の事だとか、悪の組織の事だとか‥関わりたくないことじゃない。‥だのに‥」
‥言葉に詰まる。
実際に口に出すと、ほんと、自分ってひどいな‥って思う。
アンバーは、ふふ、って‥ちょっと困ったように‥照れたような‥そんな「居心地が悪そうな」顔で笑った。
コリンが、急にそんなこと「改めて」言ったから、‥驚いたってのが一番大きい、かな?
‥「何? 急に」って話だし、「今はそんな話してるまじゃないだろ」って‥呆れたかもしれない。
呆れられても、しょうがない。でも、‥今言わないと、一生言えない気がするから、‥言っておこうって思ったんだ。
眉を寄せてアンバーを見上げるコリンに、
アンバーは
「いいさ。‥関係ない。
むしろ、自分の手で葬り去ることが、過去との決別になる‥って思う」
ふわり、と微笑んだ。
「そっか‥それなら‥いいんだ」
‥君がそういうなら、‥この話は、終わりだ。
君がどうこたえるか‥ってのが問題なんじゃない。‥皆に気付いてもらうことが、一番重要だったって言ってもいい。
‥気付かずに、アンバーの心に土足で踏み込んでいたのは、僕だけじゃないってことに。
皆もコリンの思ってることが伝わったらしく、「‥ごめん、アンバー」「すみません、私たちアンバー様のお気持ちを考えもしていなかったですわ‥」って口々に謝り始めた。
ちなみに、一番に謝ったのは、ロナウだった。次に謝ったのは、フタバ。新しく仲間になった組だ。
もう少し付き合いが長いナナフルたちは、ちょっと複雑な表情を浮かべている。
大きく深呼吸して自分で自分をビンタするみたいに、ぱん、と顔をはたいたのは、ザッカ。
きゅっと目を瞑って、勢いよく目を開けると、
「そうだな。派手に決別しようぜ。アンバー」
に、っとアンバーに笑いかけた。
謝らなかったけど、‥でも、謝罪の意思だけは伝わった。
彼の頬にくっきり残る、真っ赤な「紅葉」がその意思の表れってことだろう。
こころの中ではきっと「すまん!! アンバー! 俺って奴は!! 」ってなってるんだろう。でも、口に出したらアンバーも「いいよ」としか言えないってこと‥知ってるから言わない。
「ああ」
くす、っとアンバーが笑う。
まったく、何やってんだか、って顔で、赤く晴れたザッカの頬を見る。
なんか、男の友情って感じで、‥かっこいい。
ちょっとジェラシー。
僕もいつかは、そういう「大人の男」になって見せますから!! 末っ子の顔は演技だけで、明日にでも末っ子の仮面を外して、ニヒルで出来る大人の男になって、皆をぐいぐい引っ張っていきますからね‥っ!
なんて‥神妙な顔したコリンが考えてるのは、そういうことだったり。
「アンバー様‥かっこいい‥」
アンバーの横顔をフタバがぽーっとした顔で見つめる。
「まったく! フタバちゃん! 今は、真剣な話してるの! 」
「あら、私も真剣そのものですわ! 過去と向き合い、仲間とともに成長する美青年‥。そんな貴重な一場面を忘れないように目に収めているんですわ! ‥ああ、ちょっと心の声が外に漏れ出たかしら‥ごめんなさいね」
「イベントみたく言わないでくれない!? まったくフタバちゃんは! こんな性格だとは思わなかったよ! 学生時代は、氷みたいに冷たかったのに! 」
氷みたいに冷たかったのは、むしろコリンの方でしょ!
フタバは言いたいが、
機嫌がいいからやめておく。
アンバーはかっこいいし、初めてできた「いい仲間」との交流が楽しすぎて、‥ぶっちゃけコリンなんてどうでもいい。
お子様の相手は、ね。
だから
「人の心はね、水みたいなものなの。本質は同じでも、状況やら感情で、その状態‥対応も変わる。
普段は水の状態。何時もの対応ね。
つまらなかったら、凍ってしまうこともあるんでしょうねえ。‥学生時代はそうだったんでしょうねえ。心を閉ざしてるような対応になるわね。
反対に
熱くなりすぎたら、理性も飛ぶ。‥蒸発した水みたいにね」
お姉さんの顔で微笑んで「子供」に教えてあげる。
「‥うまいこと言わないでよ‥」
コリンは言葉に詰まったみたい。
‥まあ、もともと口がたつ方じゃないからね。
悔しいって顔してるけど、私に言わせれば、コリンなんて頭でっかちで魔法オバケの単細胞よ? (←散々な言い様)
ふう、ってフタバはコリンに見せるように‥大げさなため息をつく
「‥僕に対する心配‥とか気遣いは? この頃、‥扱い悪かったな~って反省とかしないの?? 心が痛くなったりとかは? 」
「ロナウ君に対する心配は‥勿論あるよ。
‥ロナウ君でちゃんとできるかな‥とか。心配しかない」
「コリン、そっくりそのままブーメランで貴方に帰ってきますわよ。それ」
「‥ひどいな。フタバちゃん」
「‥また漫才みたいになってるよ。ホントに三人は仲がいいんだね」
ほほえましいねって顔で微笑むのは、愛しの女神で「お母さま」なナナフルさん。
ホントに、いついかなる時でも優しいし、お美しいです!!
「お母さま」だけど、女性っぽいとかじゃない、尊敬できるお兄様。
お母さま属性のお兄様。
ザッカさんは‥「おとん属性のおとん」‥つまり、おとんだな!
穏やかな二人だけど‥過去にはいろいろあって‥悩んだり、泣いたり‥怒ったりして、今がある。
そして、それはザッカやシークさんも同じ。
僕らの、悩みなんてちっぽけだって思えちゃうほど、四人は今まで苦労してきた。
だけど、四人はそんなこと言わない。
苦しみや辛さをみんな優しさに変えて、僕らを見守ってくれる。‥僕らに手を貸してくれる。
「さ! 話をもどすぞ! 時間はないんだからな! 」
ぱんってアンバーが手を打つ。
「「「はい!! 」」」
思わず「いい返事」しちゃったのは、‥学生気分がちょっと抜けきってないらしい若者三人。
そんな三人に、大人な四人は微笑みかけるのだった。
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