リバーシ!

文月

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一章 スリーピングビューティー

2.運命の再会(← 一方的)って奴なのかもしれない。

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 ああそうそう。
 スリーピングビューティーの話だった。
 
 スリーピングビューティーに一目惚れした俺だったが、勿論何があるわけじゃないし、ずっと見てる‥ってことも勿論ない。
 むしろ、見たのはラルシュが紹介してくれたときだけだ。
 だけど、覚えてたんだろう。
 我ながら‥引くわ。
 執念深いっていうか‥なんていうかはよくわかんないけど。

 そういうの、手っ取り早くなんて言うか知ってる。
「運命」
 っていうんだ。
 便利な言葉だよ。
 運命に導かれたり、運命に弄ばれたり‥
 でも、確かにそういう科学的に証明できないようなことは存在する。
 それを、運命って言葉で片付けとけば、確かに便利だし、なんか「ロマンチック」だ。


 俺はあの時‥
 確かに分かったんだ。
 この子が、そうだって。だけどあれはなかった‥。
 気が付いたら‥

「‥あんたが、スリーピングビューティーか」
 ‥って声かけてた。

 足を止めて欲しかったにしても、他に言い様ってものが‥いや、ないな。どう声をかけても、変なナンパみたいになってしまうだろう。
「俺は、君を見たことがあるんだ。君は見たことはないだろうけど、俺は知ってる」
 ‥完璧な変質者だ。
 幸い俺は顔がいい。
 変質者丸出しにはならないだろう。(そんなわけあるか)

 だけど、ちょっと精神的にあれ、な感じ100%だ。

 ああ! でも、もう何でもいい‥
 変質者でもアブナイ奴認識でも何でもいいから‥

 足を止めてくれ!!
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