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二章 別に生活に支障を感じなかった特異なリバーシ
1.聖
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気が付けば、俺は逃げていた。
‥後ろから
「え? ちょっと、待ってよ。話くらい‥」
って追ってくる男。
この男に、俺は認識がない。
はっきりいって、この状況自体が良く分からない。
だといっても、急に逃げ出すことは無かった。
余計に話がややこしくなる。
取り敢えず男の話を聞いて
「人違いです。それは俺ではありません」
って言えば、普通にあの男も納得しただろう。
だけど‥
「‥あんたが、スリーピングビューティーか」
すれ違いざま、急に知らない男にそんなこと言われた男が咄嗟にとった行動として、‥おかしいものでも無いだろう。
スリーピングビューティーって‥眠り姫だよね??
「はあ、はあ。‥流石にあんた体力あるなあ」
肩で息をしながら男は言った。
止まったのは、
俺がその男に捕まったからだ。
「‥‥‥」
こんな体力ない奴に捕まるとは‥。
呆れ顔でため息をついた俺は、「体力があるから」息すら上がっていない。
現在俺は、その男に腕を掴まれて、拘束されている。
男として、情けない状況だ‥。
体育の授業だったら、長距離向き。そこそこのスピードでっていうんだったら、結構いつまでも走ってられる自信はある。なんなら、余った体力でラストスパートだって出来る。
そう、そこそこのスピードで、しかも、ゴールが決まっているなら、俺は負けないだろう。
だけど、追いかけっこは違う。
瞬発力がある奴には敵わない。
今俺の俺を掴んでいる男は、いわゆる、「細マッチョ」って奴だろうか。見た目はほっそりとしているが、筋肉はありそうだ。そして、見た目だけじゃなくって、力もありそうだ。腕力もあるんだろう。瞬発力と反射神経があって力が在る。体育会系って奴だな。
つまり、俺とは全く違うタイプの男。
‥最悪だ。勝負にならない。
しかし、こいつはさっき変なことを言わなかったか?
「流石に? 貴方は俺のこと知っているような口ぶりですけど、‥俺は貴方のことは知りません。失礼ですが貴方は誰ですか? 」
俺は、男を睨み付けながらなるべく冷静な声を出した。
男が、息を整えゆったりと笑った。
「ああ、俺もあんたに会うのは初めてですよ。‥正確には、起きて動いているあんたに会うのは初めてだな。だけどあんたは、あんたが会ったことないだけで、あんたのことを知っている奴はいっぱいいる、所謂有名人って奴だぞ」
やたらキラキラとした笑顔。モテそうだな、と瞬間に思ったが、別にひがんでいるわけではない。
顔がやけに整ったやつだ。
どこか懐かし気な表情で俺を見る奴は、奴が言う通りであったら、俺のことを知っている。否、正確には「起きて動いて」いない俺のことを知っている。
写真‥。
多分、写真かなんかで俺を知ったのだろう。否、今の時代だから、SNSだろう。ネットか何かに俺の画像が流出していた‥ってことなんだろう。
考えて、ぞっとした。
一方的に自分の顔を知っているってだけで、目の前の男はあたかも俺の知り合いかのように話しかけてきているってことだ。
‥ヤバイな。
今逃げても、問題は解決しない。
なぜか、俺は冷静に総判断し男の顔や仕草を観察した。(後に警察に被害届けを出す時のためだ)
純日本産って顔じゃない。ハーフって奴か? というか‥外国人か? 肌の色や髪の色がちょっと日本人とは違う気がする。
全体的に色素が薄い。
白い肌に、珍しいオリーブ色の瞳と同じくオリーブ色の髪。
艶のある髪は、生え際も同じ色。よっぽど上手く染めてるんじゃなかったら、地毛なんだろう。
だけど、純日本産の俺だって、初対面の奴には絶対「ハーフ? 」って聞かれるから、「まあよくある」範囲内なのかもしれない。
「‥? 何を言っているんです? 」
相手を刺激させないように、だけど、「相手にしない」のスタンスを崩さないように‥冷静な口調を心がける。
慌てない、相手の挑発に乗らない。興味を持たない。
何って、さっきから相手は俺に「思わせぶり」な口調と言い回しと視線をこれでもかって程送ってきている。
ここで挑発に乗ったら相手の思うつぼだ。
男は、ガチリって音がしそうなくらい、俺に視線を合わせて来る。
熱い視線、とかじゃない。睨んでいるわけではないが、喧嘩の様な視線だ。
目を逸らしたら、負け。
その目は無言でそう語っている。
冷静とは違う。だけど、温度が感じられる‥何か懐かしいものを見るような、優しい視線。
だけど、探るような‥視線も感じる。
観察しているとは違う‥何かを探すような‥?
と、次の瞬間
ふわっと、男が表情を和らげる。
「あ、‥あった。このブレスレットだ」
「え? 」
男の目線の先は、俺の手首に付けた細いシルバーのブレスレットだ。
女もんなのかもしれないけど、シンプルなデザインのそれは、男の俺がしていてもそう変じゃないはずだ。
男は、俺の腕を掴んでいるのとは反対の手でそれに触れ
「‥えらい強力な魔道具だな。こんなもん用意できる奴って一体‥。ん、取れない」
なにやらごそごそとブレスレットに触れている。
男の独り言から、どうやらそれを外そうとしているらしいことが分かる。
‥強盗?!
かっと頭に血が上り
「ちょっと! 何するんですか! それは、幼馴染がくれた‥」
ばっと全身の力を込めて腕を引っ張る。
そいつは相変わらずの馬鹿力だったが、何とか腕を相手から引き抜くことが出来た。
「幼馴染? 誰? 」
きょとんと、男が首を傾げる。
「あんたが知ってる人な訳がないだろ?! ってか、あんたホントに誰なんだよ! 」
さっきまで何とか保っていた「冷静な態度」は一瞬で忘れ去っていた。
それ程、このブレスレットは俺にとって大切なものだった。
「‥ん~。同類‥でしか、今は無いかな」
その向かいで男は相変わらず俺の右腕を掴んだまま、きょとんとして首を傾げている。
「同類?! 」
もう訳が分からない。
と、急にこの状況が改めて意識された。
男に腕を掴まれて、見つめられてる状況‥。これって、社会的にかなりヤバい状況じゃないか?
慌てて周りを見渡した俺は、
凍った。
‥周りが、‥
動いていない。
目を見開く俺を見て、男は満足そうに頷いて
「外野には邪魔されたくないんでね」
微笑んだ。
‥こいつは‥一体‥?
「だから、時間は気にしなくていいし、世間の目も気にしなくていい。俺もここにも籍がある身だ。世間の目だって当たり前に気になるしね」
「ここにも? 他にも所属するところがあるって口ぶりだな。俺も、って、何さらっと俺のこと巻き込んでるんだ。俺は、ここ以外には籍は無い‥。少なくとも、‥周りの時間を止めてしまう様な奴と一緒にはされたくない‥」
落ち着け。何を本気にしてるんだ。
この頃は視聴者を巻き込んだ悪趣味な「ドッキリ」番組もあるんだ。
どこかで、この状況をおもしろおかしく見ている奴がいると思うと、腹立たしい。
と、振り返り辺りの様子を素早く確認する。
背後には、街路樹。
その落ち葉すら‥
止まっていた。
‥っ!
「信用無いなあ。どうやったら話を聞いてもらえるのかなあ。時間はたっぷりあるって言っても、それは、「ここの空間」だけの話で、ふつうに「あっち」では時間は過ぎてるわけだから、あと2時間くらいにしてくれないかな~。あんたも、家に帰って布団には入りたいでしょ? それは、俺もおなじなんだよなあ」
‥何のことを言っているんだか、全く分からない。
「話は聞くから、兎に角腕を離してください。せめて、どこかで座りたい‥」
「ん~。わかった」
男は笑顔で快諾したものの、男は俺を全く信用していない。
近くのベンチに座る間、結局男が俺の腕を離すことは無かった。
「じゃあ、改めて自己紹介。俺は、ミチル。カタカナでミチル」
そして、今も。
‥隣同士で座ってる今も、俺の手はこの男に拘束されている。
腕を掴んでいたのが、手首に移動しただけって状態。
掴まれていた腕が、赤くなっている。
どんな力だ。
「はあ」
俺は、曖昧に返事した。
「俺は、聖です。聖書の、聖って書いて、ひじり」
「漢字、あるの? 」
「ああ、その拘束具だけじゃなくて、名前もか‥。見つかんないはずだ」
拘束具なんて物騒なこと言った時、奴の目が見ていたのは、やっぱり、ブレスレットだった。
さっきは魔道具とか言ってたな。
‥中二な超能力者かよ。
そんなこと頭の中でぐるぐる思ってるうちに、‥俺は急激に眠くなってきた。
俺は‥、夜12時には絶対布団に入って寝たいタイプなんだ‥。
見ると、男も欠伸を堪えている。
‥夜更かし苦手ってか? そんな風には見えないんだけど‥。どっちかというと、24時間働けるバリバリサラリーマンって顔だよね。
「無理‥。家に帰る時間もない‥。仕方ない、駅前のビジネスホテルにでも泊まるしかない‥。ったく、あんたがいけない‥。あんたが‥」
「? 」
「ほら! あんたも! 」
グイっともう一度強く男が俺の腕を引っ張る。
と、周りの音がいっぺんに耳に飛び込んできた。
‥時が戻った‥?!
男は俺を引っ張ったまま、近くのビジネスホテルに飛び込んで、俺を引っ張ったまま、ツインの部屋をチェックインして、無言で部屋の扉を開け、俺を押し込んだ。
‥何!?
そこで‥先に倒れたのは俺‥だったか、どうだか。
意識がなくなった俺には、確認することはできなかった。
‥後ろから
「え? ちょっと、待ってよ。話くらい‥」
って追ってくる男。
この男に、俺は認識がない。
はっきりいって、この状況自体が良く分からない。
だといっても、急に逃げ出すことは無かった。
余計に話がややこしくなる。
取り敢えず男の話を聞いて
「人違いです。それは俺ではありません」
って言えば、普通にあの男も納得しただろう。
だけど‥
「‥あんたが、スリーピングビューティーか」
すれ違いざま、急に知らない男にそんなこと言われた男が咄嗟にとった行動として、‥おかしいものでも無いだろう。
スリーピングビューティーって‥眠り姫だよね??
「はあ、はあ。‥流石にあんた体力あるなあ」
肩で息をしながら男は言った。
止まったのは、
俺がその男に捕まったからだ。
「‥‥‥」
こんな体力ない奴に捕まるとは‥。
呆れ顔でため息をついた俺は、「体力があるから」息すら上がっていない。
現在俺は、その男に腕を掴まれて、拘束されている。
男として、情けない状況だ‥。
体育の授業だったら、長距離向き。そこそこのスピードでっていうんだったら、結構いつまでも走ってられる自信はある。なんなら、余った体力でラストスパートだって出来る。
そう、そこそこのスピードで、しかも、ゴールが決まっているなら、俺は負けないだろう。
だけど、追いかけっこは違う。
瞬発力がある奴には敵わない。
今俺の俺を掴んでいる男は、いわゆる、「細マッチョ」って奴だろうか。見た目はほっそりとしているが、筋肉はありそうだ。そして、見た目だけじゃなくって、力もありそうだ。腕力もあるんだろう。瞬発力と反射神経があって力が在る。体育会系って奴だな。
つまり、俺とは全く違うタイプの男。
‥最悪だ。勝負にならない。
しかし、こいつはさっき変なことを言わなかったか?
「流石に? 貴方は俺のこと知っているような口ぶりですけど、‥俺は貴方のことは知りません。失礼ですが貴方は誰ですか? 」
俺は、男を睨み付けながらなるべく冷静な声を出した。
男が、息を整えゆったりと笑った。
「ああ、俺もあんたに会うのは初めてですよ。‥正確には、起きて動いているあんたに会うのは初めてだな。だけどあんたは、あんたが会ったことないだけで、あんたのことを知っている奴はいっぱいいる、所謂有名人って奴だぞ」
やたらキラキラとした笑顔。モテそうだな、と瞬間に思ったが、別にひがんでいるわけではない。
顔がやけに整ったやつだ。
どこか懐かし気な表情で俺を見る奴は、奴が言う通りであったら、俺のことを知っている。否、正確には「起きて動いて」いない俺のことを知っている。
写真‥。
多分、写真かなんかで俺を知ったのだろう。否、今の時代だから、SNSだろう。ネットか何かに俺の画像が流出していた‥ってことなんだろう。
考えて、ぞっとした。
一方的に自分の顔を知っているってだけで、目の前の男はあたかも俺の知り合いかのように話しかけてきているってことだ。
‥ヤバイな。
今逃げても、問題は解決しない。
なぜか、俺は冷静に総判断し男の顔や仕草を観察した。(後に警察に被害届けを出す時のためだ)
純日本産って顔じゃない。ハーフって奴か? というか‥外国人か? 肌の色や髪の色がちょっと日本人とは違う気がする。
全体的に色素が薄い。
白い肌に、珍しいオリーブ色の瞳と同じくオリーブ色の髪。
艶のある髪は、生え際も同じ色。よっぽど上手く染めてるんじゃなかったら、地毛なんだろう。
だけど、純日本産の俺だって、初対面の奴には絶対「ハーフ? 」って聞かれるから、「まあよくある」範囲内なのかもしれない。
「‥? 何を言っているんです? 」
相手を刺激させないように、だけど、「相手にしない」のスタンスを崩さないように‥冷静な口調を心がける。
慌てない、相手の挑発に乗らない。興味を持たない。
何って、さっきから相手は俺に「思わせぶり」な口調と言い回しと視線をこれでもかって程送ってきている。
ここで挑発に乗ったら相手の思うつぼだ。
男は、ガチリって音がしそうなくらい、俺に視線を合わせて来る。
熱い視線、とかじゃない。睨んでいるわけではないが、喧嘩の様な視線だ。
目を逸らしたら、負け。
その目は無言でそう語っている。
冷静とは違う。だけど、温度が感じられる‥何か懐かしいものを見るような、優しい視線。
だけど、探るような‥視線も感じる。
観察しているとは違う‥何かを探すような‥?
と、次の瞬間
ふわっと、男が表情を和らげる。
「あ、‥あった。このブレスレットだ」
「え? 」
男の目線の先は、俺の手首に付けた細いシルバーのブレスレットだ。
女もんなのかもしれないけど、シンプルなデザインのそれは、男の俺がしていてもそう変じゃないはずだ。
男は、俺の腕を掴んでいるのとは反対の手でそれに触れ
「‥えらい強力な魔道具だな。こんなもん用意できる奴って一体‥。ん、取れない」
なにやらごそごそとブレスレットに触れている。
男の独り言から、どうやらそれを外そうとしているらしいことが分かる。
‥強盗?!
かっと頭に血が上り
「ちょっと! 何するんですか! それは、幼馴染がくれた‥」
ばっと全身の力を込めて腕を引っ張る。
そいつは相変わらずの馬鹿力だったが、何とか腕を相手から引き抜くことが出来た。
「幼馴染? 誰? 」
きょとんと、男が首を傾げる。
「あんたが知ってる人な訳がないだろ?! ってか、あんたホントに誰なんだよ! 」
さっきまで何とか保っていた「冷静な態度」は一瞬で忘れ去っていた。
それ程、このブレスレットは俺にとって大切なものだった。
「‥ん~。同類‥でしか、今は無いかな」
その向かいで男は相変わらず俺の右腕を掴んだまま、きょとんとして首を傾げている。
「同類?! 」
もう訳が分からない。
と、急にこの状況が改めて意識された。
男に腕を掴まれて、見つめられてる状況‥。これって、社会的にかなりヤバい状況じゃないか?
慌てて周りを見渡した俺は、
凍った。
‥周りが、‥
動いていない。
目を見開く俺を見て、男は満足そうに頷いて
「外野には邪魔されたくないんでね」
微笑んだ。
‥こいつは‥一体‥?
「だから、時間は気にしなくていいし、世間の目も気にしなくていい。俺もここにも籍がある身だ。世間の目だって当たり前に気になるしね」
「ここにも? 他にも所属するところがあるって口ぶりだな。俺も、って、何さらっと俺のこと巻き込んでるんだ。俺は、ここ以外には籍は無い‥。少なくとも、‥周りの時間を止めてしまう様な奴と一緒にはされたくない‥」
落ち着け。何を本気にしてるんだ。
この頃は視聴者を巻き込んだ悪趣味な「ドッキリ」番組もあるんだ。
どこかで、この状況をおもしろおかしく見ている奴がいると思うと、腹立たしい。
と、振り返り辺りの様子を素早く確認する。
背後には、街路樹。
その落ち葉すら‥
止まっていた。
‥っ!
「信用無いなあ。どうやったら話を聞いてもらえるのかなあ。時間はたっぷりあるって言っても、それは、「ここの空間」だけの話で、ふつうに「あっち」では時間は過ぎてるわけだから、あと2時間くらいにしてくれないかな~。あんたも、家に帰って布団には入りたいでしょ? それは、俺もおなじなんだよなあ」
‥何のことを言っているんだか、全く分からない。
「話は聞くから、兎に角腕を離してください。せめて、どこかで座りたい‥」
「ん~。わかった」
男は笑顔で快諾したものの、男は俺を全く信用していない。
近くのベンチに座る間、結局男が俺の腕を離すことは無かった。
「じゃあ、改めて自己紹介。俺は、ミチル。カタカナでミチル」
そして、今も。
‥隣同士で座ってる今も、俺の手はこの男に拘束されている。
腕を掴んでいたのが、手首に移動しただけって状態。
掴まれていた腕が、赤くなっている。
どんな力だ。
「はあ」
俺は、曖昧に返事した。
「俺は、聖です。聖書の、聖って書いて、ひじり」
「漢字、あるの? 」
「ああ、その拘束具だけじゃなくて、名前もか‥。見つかんないはずだ」
拘束具なんて物騒なこと言った時、奴の目が見ていたのは、やっぱり、ブレスレットだった。
さっきは魔道具とか言ってたな。
‥中二な超能力者かよ。
そんなこと頭の中でぐるぐる思ってるうちに、‥俺は急激に眠くなってきた。
俺は‥、夜12時には絶対布団に入って寝たいタイプなんだ‥。
見ると、男も欠伸を堪えている。
‥夜更かし苦手ってか? そんな風には見えないんだけど‥。どっちかというと、24時間働けるバリバリサラリーマンって顔だよね。
「無理‥。家に帰る時間もない‥。仕方ない、駅前のビジネスホテルにでも泊まるしかない‥。ったく、あんたがいけない‥。あんたが‥」
「? 」
「ほら! あんたも! 」
グイっともう一度強く男が俺の腕を引っ張る。
と、周りの音がいっぺんに耳に飛び込んできた。
‥時が戻った‥?!
男は俺を引っ張ったまま、近くのビジネスホテルに飛び込んで、俺を引っ張ったまま、ツインの部屋をチェックインして、無言で部屋の扉を開け、俺を押し込んだ。
‥何!?
そこで‥先に倒れたのは俺‥だったか、どうだか。
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