75 / 248
八章 未来と過去と
9.死ぬ気
しおりを挟む
(side ヒジリ)
どうせ、‥失敗したら死ぬのだ。
今のままだったら、遅かれ早かれ、俺は死ぬしか選択肢はないんだ。
遅くなるか早くなるかだけ。
‥もっとナツミを失望させるか、ナツミに一矢報いて‥彼女の心に傷跡をちょっとでも残せるか‥それっくらいの違いだ。
今の選択肢に、逃げ切るだの、勝って生き残るだのという選択肢は‥残念ながらない。
なら、男なら(男じゃないみたいだけど、‥心は男だ)せめて、あがいてあがいて‥ちょっとくらいはナツミの心に傷跡を付けたい。
「逃げて、結局見つかってボロ負けした情けない奴」
って、記憶しか残らないとか‥悲しすぎる。
好きなんだ。
愛情にしろ友情にしろ、‥俺はナツミの事好きなんだ。‥恨んで‥とか、憎んでって感情は持てない。
(好きだから)せめてナツミを道連れに‥なんて考えは、俺にはない。
俺のこと生きている限りずっと覚えてて‥って思う。
だけど、それは執着とは違う。
来世も一緒に居たい、とか一緒に死にたいっていう愛情って‥どんな愛情なんだろうな、って‥俺には分からない。それが真実の愛だっていうんだったら‥
‥俺のこの気持ちは愛じゃないんだろうな。って思う。
そもそも、‥俺に愛はきっと分からない。
ここはミチルの部屋だ。勝手知ったる‥って程ここに馴染んでいる自分がいる。
だけど、ここは俺にとって「ミチルの部屋」でそれ以外の何物でもない。
ありがちな「みんなのたまり場的な部屋」(俺たちの場合だったら「俺たちの部屋」とかになるのかな? )とかではない。
100%ミチルの部屋でしかない。
俺がいるから電気はついている。だけど、ミチルが眠っているから、この部屋は静かだ。
寝てるのに電気をつけるのもどうかって思うけど、‥消す方がどうかって思うだろう。それに、リバーシであるミチルはホントに「寝てる」わけじゃないから、ミチルにとって電気がついているってことは、関係が無い。
ただ、電気代がかかるって位だ(大問題)
台所で、蛇口に残っていた水が落ちる音がやけに大きく聞こえた。
水音を聞いて、何故か子供の頃、身体を抜け出して見た湖を思い出した。
‥静かで、することがないからとりとめもないことが頭に浮かんだに過ぎない。‥なんかの予兆でも「重大な発見」でもないし「深刻な見落とし」とかでもない。
俺に予知やらそういう能力はないんだ。
湖は、名前は知らないけれど大きな湖だった。どこの国だったかすら分からない。
静かに月あかりに照らされた湖。
底の見えない深さで、きっと柄杓でいくら掬っても、なくならない。(そりゃそうだ)
その湖を見てたら、よくある「引き込まれそう」って感覚に襲われて‥怖くなって逃げ出した。
俺の魔力を全部水にしたら‥きっとこんな風に成る。
見たら圧巻で‥圧倒されるけど、俺はその水を‥柄杓で掬うような攻撃しか知らない。
柄杓で掬って誰かに掛けたって、
「冷たいな! 」
ってだけだよね?
同じ量の水をナツミなら、せめて強力な‥凶悪な水鉄砲で放つ。
元々は同じ水だし、同じ量でも、それは、立派な攻撃だ。
つまり、そういうことだ。
あの時俺がナツミに放った水の龍では、‥柄杓で水をかけているに過ぎなかったってことだ。
精度や技術は今更‥今日明日で何とか出来るものでは無い。
ナツミと俺の違いは、その量すら量が出来る圧倒的な攻撃力だ。‥攻撃意欲って言い換えてもいいだろう。
ナツミは、水槽の水でだって、湖いっぱいの水を持つ俺に勝てるだろう。
俺は、この期に及んで同じ土俵‥技術で何とかしようとしていた。
でも、違うんだ。
さっき俺は答えを言っていたじゃないか‥。
圧倒されて、引き込まれそうな感覚に陥るって‥。
圧倒させて、引き込めればいいんだ。
ナツミ
遊ぼう。
本気で。
事情がちょっと変わっちゃって、お互いの命を懸けることになっちゃったけど、‥あの時みたいに、夢中で‥本気で遊ぼう。
子供の時みたいに、どろどろになって、鼻が出ようと、カッコ悪かろうと、‥リバーシがなんぼのもんだ。魔法使いがなんぼのもんだって、悔しさや憎らしさを全部力に変えて、本気で「八つ当たり」しよう。
ただの、友達同士。王家だの反対勢力だの、関係ない奴に邪魔されたりしない。
友達同士‥本気で、‥殺し合うつもりで、遊ぼう。
思えば、いつもナツミが仕掛けて来てた。手を変え品を変え。貪欲に知識を取り込み、足りない魔力を俺から奪ってだって、ナツミは俺に毎回え真剣勝負を挑んできてたんだ。
俺が憎かったわけでも、『自分の目的の為』とか俺を鍛えようとしてただとか‥そんな難しい理由でもなく、ただ、純粋にナツミは俺と遊んでくれていた。
ただ、楽しかった。
昔はいっつも勝てなかったけど(負けてもいない。負けてたら‥死んでたかもしれない)
今度は
「やるじゃないか! 」
「次は、負けないからな! 」
ってナツミに言わせて見せる。
次なんて、ないんだろうけど、そんな気持ちじゃ勝てないだろう。
危険も顧みず、命がけで、でも、死ぬ(負ける)気持ちでは喧嘩しない。
絶対、ナツミとなんて死んでやらない。
ナツミには、負けた悔しさをずっと引きずって生き続けてもらわなくちゃいけない。
生きててほしいのは、愛で、忘れさせてやらないってのは、‥憎しみ。
‥反対かも?。
「圧倒させて‥引き込むねえ‥今更ナツミが気持ちで俺に負けるかねえ‥」
ぽつり、と声に出して呟き、頭を抱える。
‥現実感ないな。
ふう、とため息を着きちょっと外の空気を吸いたくなって、ふらりとベランダに出た。
そうそう。ミチルの部屋にはベランダがあるんだ。洗濯物が干せる程度の。
男の一人暮らしだ。植木鉢に花が植わっているわけでもない。ただ、備え付けの選択竿が軒に掛けられているだけだ。
「星、綺麗だな。‥そう言えば、空なんて見ることない」
眠らなくなって、夜中じゅう起きてたって、有り余る時間を「贅沢」だって思ったことなんてない。
夜中じゅうしたいことがあるわけでもないし、人を求めて夜の街に行くこともない。
そもそも、昼夜の区別がこの身体にはない。
‥そりゃ俺にだって平等に、朝は来るし夜も来る。
日の出の空は明るいし、美しい。ひんやりとした空気も気持ちいい。昼間は忙しく仕事して、夕方帰宅する。でも、夜外に出ることはそうないし、出たとしても‥そういえば空を見上げたことはなかった。
‥こんなに星が綺麗だってのに、だ。
こんなに贅沢なことだったんだ。
色々、無駄をしてきたな‥って思う。
持ってるものを、悔やまず持て余さず、‥俺は、もっと有効利用するべきなんだ。
日々に流されてるだけじゃなく、周りに目を向けて‥さ。
ベランダの柵に腕を預けて、まず自分について考えた。
相手がそう見ているであろう自分。俺がこう見られたい自分。
分かってもらいたいって思う反面、知られたくないって思う気持ち‥。
「ないものを、在るって言う必要もないし、あるものをないって思い込む必要も、思わせる必要もない」
出来ないことを出来るフリ‥虚勢を張る必要もなければ、道化のフリ‥何も出来ない『お姫様』のフリをする必要もない。(それこそ、夜の国で俺に求められてるスタンスだね)
道化のフリも、お姫様のフリも‥英雄のフリも、聖女のフリも全部、他人の為だよね。
他人が望む姿‥。
その姿に、勝手に期待されたり、失望されたり。
でもね。
虚勢を張れって言われるより、持ってるものを隠さなくちゃいけないのは‥それを「誰かに」強要されるってのは‥俺にとって屈辱である以上に、「その他大勢の他人」を馬鹿にしてるよね。
その他大勢の人には、俺を受け入れるなんて、無理。
‥そう決めつけてるってことだよね? (まあ、‥大抵が受け入れてもらえないんだから、予防線張って自分を偽ってる方が無難なんだろうけどさ! )‥でもさあ‥。
「そういう‥誰かの目に見える自分とかじゃなくって‥」
自分については、まずは、持ってるものを‥考えよう。
持ってるって、‥意識していないけど、俺はもっと何かを持っているかもしれない。
少なくとも、ナツミの目に留まった、何かを。(魔力量だけだったら、ショックだけど)
ミチルの心をとらえた何かを。(‥顔だけだったらどうしよう)
‥ラルシュ様の好奇心を少なからずちょっとは捉えている(らしい)何かを。
‥ラルシュ様は、ああ見えて、計算高い。面白いって思わない事なんて、絶対やらない。国の為? ‥そうは見えない。あのひとの‥一番は‥多分。
そうじゃない。
あの人は‥多分‥もっと‥なんというか、‥奥が深い。単純じゃないって意味で、深い。俺はそれについて‥何かを知っている‥?
思い当たる色んな『手がかり』にさっきから、イライラが止まらないんだ‥。
どうせ、‥失敗したら死ぬのだ。
今のままだったら、遅かれ早かれ、俺は死ぬしか選択肢はないんだ。
遅くなるか早くなるかだけ。
‥もっとナツミを失望させるか、ナツミに一矢報いて‥彼女の心に傷跡をちょっとでも残せるか‥それっくらいの違いだ。
今の選択肢に、逃げ切るだの、勝って生き残るだのという選択肢は‥残念ながらない。
なら、男なら(男じゃないみたいだけど、‥心は男だ)せめて、あがいてあがいて‥ちょっとくらいはナツミの心に傷跡を付けたい。
「逃げて、結局見つかってボロ負けした情けない奴」
って、記憶しか残らないとか‥悲しすぎる。
好きなんだ。
愛情にしろ友情にしろ、‥俺はナツミの事好きなんだ。‥恨んで‥とか、憎んでって感情は持てない。
(好きだから)せめてナツミを道連れに‥なんて考えは、俺にはない。
俺のこと生きている限りずっと覚えてて‥って思う。
だけど、それは執着とは違う。
来世も一緒に居たい、とか一緒に死にたいっていう愛情って‥どんな愛情なんだろうな、って‥俺には分からない。それが真実の愛だっていうんだったら‥
‥俺のこの気持ちは愛じゃないんだろうな。って思う。
そもそも、‥俺に愛はきっと分からない。
ここはミチルの部屋だ。勝手知ったる‥って程ここに馴染んでいる自分がいる。
だけど、ここは俺にとって「ミチルの部屋」でそれ以外の何物でもない。
ありがちな「みんなのたまり場的な部屋」(俺たちの場合だったら「俺たちの部屋」とかになるのかな? )とかではない。
100%ミチルの部屋でしかない。
俺がいるから電気はついている。だけど、ミチルが眠っているから、この部屋は静かだ。
寝てるのに電気をつけるのもどうかって思うけど、‥消す方がどうかって思うだろう。それに、リバーシであるミチルはホントに「寝てる」わけじゃないから、ミチルにとって電気がついているってことは、関係が無い。
ただ、電気代がかかるって位だ(大問題)
台所で、蛇口に残っていた水が落ちる音がやけに大きく聞こえた。
水音を聞いて、何故か子供の頃、身体を抜け出して見た湖を思い出した。
‥静かで、することがないからとりとめもないことが頭に浮かんだに過ぎない。‥なんかの予兆でも「重大な発見」でもないし「深刻な見落とし」とかでもない。
俺に予知やらそういう能力はないんだ。
湖は、名前は知らないけれど大きな湖だった。どこの国だったかすら分からない。
静かに月あかりに照らされた湖。
底の見えない深さで、きっと柄杓でいくら掬っても、なくならない。(そりゃそうだ)
その湖を見てたら、よくある「引き込まれそう」って感覚に襲われて‥怖くなって逃げ出した。
俺の魔力を全部水にしたら‥きっとこんな風に成る。
見たら圧巻で‥圧倒されるけど、俺はその水を‥柄杓で掬うような攻撃しか知らない。
柄杓で掬って誰かに掛けたって、
「冷たいな! 」
ってだけだよね?
同じ量の水をナツミなら、せめて強力な‥凶悪な水鉄砲で放つ。
元々は同じ水だし、同じ量でも、それは、立派な攻撃だ。
つまり、そういうことだ。
あの時俺がナツミに放った水の龍では、‥柄杓で水をかけているに過ぎなかったってことだ。
精度や技術は今更‥今日明日で何とか出来るものでは無い。
ナツミと俺の違いは、その量すら量が出来る圧倒的な攻撃力だ。‥攻撃意欲って言い換えてもいいだろう。
ナツミは、水槽の水でだって、湖いっぱいの水を持つ俺に勝てるだろう。
俺は、この期に及んで同じ土俵‥技術で何とかしようとしていた。
でも、違うんだ。
さっき俺は答えを言っていたじゃないか‥。
圧倒されて、引き込まれそうな感覚に陥るって‥。
圧倒させて、引き込めればいいんだ。
ナツミ
遊ぼう。
本気で。
事情がちょっと変わっちゃって、お互いの命を懸けることになっちゃったけど、‥あの時みたいに、夢中で‥本気で遊ぼう。
子供の時みたいに、どろどろになって、鼻が出ようと、カッコ悪かろうと、‥リバーシがなんぼのもんだ。魔法使いがなんぼのもんだって、悔しさや憎らしさを全部力に変えて、本気で「八つ当たり」しよう。
ただの、友達同士。王家だの反対勢力だの、関係ない奴に邪魔されたりしない。
友達同士‥本気で、‥殺し合うつもりで、遊ぼう。
思えば、いつもナツミが仕掛けて来てた。手を変え品を変え。貪欲に知識を取り込み、足りない魔力を俺から奪ってだって、ナツミは俺に毎回え真剣勝負を挑んできてたんだ。
俺が憎かったわけでも、『自分の目的の為』とか俺を鍛えようとしてただとか‥そんな難しい理由でもなく、ただ、純粋にナツミは俺と遊んでくれていた。
ただ、楽しかった。
昔はいっつも勝てなかったけど(負けてもいない。負けてたら‥死んでたかもしれない)
今度は
「やるじゃないか! 」
「次は、負けないからな! 」
ってナツミに言わせて見せる。
次なんて、ないんだろうけど、そんな気持ちじゃ勝てないだろう。
危険も顧みず、命がけで、でも、死ぬ(負ける)気持ちでは喧嘩しない。
絶対、ナツミとなんて死んでやらない。
ナツミには、負けた悔しさをずっと引きずって生き続けてもらわなくちゃいけない。
生きててほしいのは、愛で、忘れさせてやらないってのは、‥憎しみ。
‥反対かも?。
「圧倒させて‥引き込むねえ‥今更ナツミが気持ちで俺に負けるかねえ‥」
ぽつり、と声に出して呟き、頭を抱える。
‥現実感ないな。
ふう、とため息を着きちょっと外の空気を吸いたくなって、ふらりとベランダに出た。
そうそう。ミチルの部屋にはベランダがあるんだ。洗濯物が干せる程度の。
男の一人暮らしだ。植木鉢に花が植わっているわけでもない。ただ、備え付けの選択竿が軒に掛けられているだけだ。
「星、綺麗だな。‥そう言えば、空なんて見ることない」
眠らなくなって、夜中じゅう起きてたって、有り余る時間を「贅沢」だって思ったことなんてない。
夜中じゅうしたいことがあるわけでもないし、人を求めて夜の街に行くこともない。
そもそも、昼夜の区別がこの身体にはない。
‥そりゃ俺にだって平等に、朝は来るし夜も来る。
日の出の空は明るいし、美しい。ひんやりとした空気も気持ちいい。昼間は忙しく仕事して、夕方帰宅する。でも、夜外に出ることはそうないし、出たとしても‥そういえば空を見上げたことはなかった。
‥こんなに星が綺麗だってのに、だ。
こんなに贅沢なことだったんだ。
色々、無駄をしてきたな‥って思う。
持ってるものを、悔やまず持て余さず、‥俺は、もっと有効利用するべきなんだ。
日々に流されてるだけじゃなく、周りに目を向けて‥さ。
ベランダの柵に腕を預けて、まず自分について考えた。
相手がそう見ているであろう自分。俺がこう見られたい自分。
分かってもらいたいって思う反面、知られたくないって思う気持ち‥。
「ないものを、在るって言う必要もないし、あるものをないって思い込む必要も、思わせる必要もない」
出来ないことを出来るフリ‥虚勢を張る必要もなければ、道化のフリ‥何も出来ない『お姫様』のフリをする必要もない。(それこそ、夜の国で俺に求められてるスタンスだね)
道化のフリも、お姫様のフリも‥英雄のフリも、聖女のフリも全部、他人の為だよね。
他人が望む姿‥。
その姿に、勝手に期待されたり、失望されたり。
でもね。
虚勢を張れって言われるより、持ってるものを隠さなくちゃいけないのは‥それを「誰かに」強要されるってのは‥俺にとって屈辱である以上に、「その他大勢の他人」を馬鹿にしてるよね。
その他大勢の人には、俺を受け入れるなんて、無理。
‥そう決めつけてるってことだよね? (まあ、‥大抵が受け入れてもらえないんだから、予防線張って自分を偽ってる方が無難なんだろうけどさ! )‥でもさあ‥。
「そういう‥誰かの目に見える自分とかじゃなくって‥」
自分については、まずは、持ってるものを‥考えよう。
持ってるって、‥意識していないけど、俺はもっと何かを持っているかもしれない。
少なくとも、ナツミの目に留まった、何かを。(魔力量だけだったら、ショックだけど)
ミチルの心をとらえた何かを。(‥顔だけだったらどうしよう)
‥ラルシュ様の好奇心を少なからずちょっとは捉えている(らしい)何かを。
‥ラルシュ様は、ああ見えて、計算高い。面白いって思わない事なんて、絶対やらない。国の為? ‥そうは見えない。あのひとの‥一番は‥多分。
そうじゃない。
あの人は‥多分‥もっと‥なんというか、‥奥が深い。単純じゃないって意味で、深い。俺はそれについて‥何かを知っている‥?
思い当たる色んな『手がかり』にさっきから、イライラが止まらないんだ‥。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?
玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。
ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。
これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。
そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ!
そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――?
おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!?
※小説家になろう・カクヨムにも掲載
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる