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十章 ネルという特別な子供
1.頭の奥底に大事に眠っている‥優しい記憶。
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「‥運命の星が産まれた」
って幼少期のカタルが呟いた時、当時のリーダーは鉄板の上でピーナッツを炒っていた手を止めずに、カタルを振り向いた。
ひげもじゃの筋骨隆々な大男であるリーダーは‥だけど、こういう面倒な作業も根気強く続けられる忍耐力があった。
力も強いが、根気もあって、気が優しい。
「頭は良くないけどな」
って言って眩しい笑顔で笑うリーダーを組織の皆は親父の様に慕っていた。
今でこそ、政権交代を掲げて諜報戦、デモ活動もしている彼らだが、結成当時は、気が合う「変わり者」たちと拾ってきた子供(カタルの様に買われた子供も含む)たちの寄せ集まりに過ぎなかった。
彼らには、一緒に住む目的も、血縁関係も一切なかった。
男も女もいたが、恋愛関係を持って家族になるものも‥結成当時にはいなかった。
それ程、彼らは(一般にいう「家族」とは無縁だけど)「家族のような」集まりだった。
だけど、家族ではない者たちが集まって生活しているということは、この国にとっては異様なことで、(国家転覆等)何か良からぬことを考えているのではないか? ってこの頃から疑われていた。
それ程、この国の人間は皆保守的だった。
家族で細々と暮らしていくだけの素朴な生活。
言い換えれば
家族っていう小さなまとまりが一番大事で、家族が一番信用できる。‥他人は信用できない。
つまりそれは、国の法律も含めた制度が、「それ程」充実していなかったってことなんだけど、それを不満に思う者はいなかった。
「それ程」この国の人間は国に多くを求めていなかったし、‥国を「それ程」信頼してなかった。
自己負担、自己責任を強いられる生活を家族っていうごく小さな「信頼できる」集まりで何とか(税金を払い、また文句なく問題なく)過ごしている「善良な国民」に対し国が最低限の保証をするって感じ。
手厚い保証は無いけど、悪意ある搾取もないって感じ。
国はそう豊かでもなかったから、国民もそこは納得してたって感じかな。
無いものは望んでも仕方ないわなって諦めてたって感じ?
そんな感じで「いい国」でもなかったけど、「悪い国」でもなかったんだ。
突出した金持ちもいないけど、路上で夜露を凌がなければいけない、悪事に手を染めないと今日の飯が食えないって程の極貧もいない。
家族が平均的な生活を送れるだけの社会。
それが普通で、それで満足って思ってるような国民性。
家族とは日々の暮らしを「ただ」平和に過ごすために協力する一番小さく、そして基本となる単位であり、この国において「個人」は同時に(常に)「家族の一員」だった。
成人する前の個人(未成年)は、家族・子供であり、成人した「個人」は家を出て独立し、新しい家族・親になるために、「新しい家族」を作ることが「当たり前」だった。
(同性婚を含め)子供がいない家族が養子をとるのは一般的だったが、家族ではない個人が一緒に住んでいるってことはあり得ない。‥だって、養子は家族だが、家族ではない個人同士の集まりは家族でないからだ。
家族じゃない = 信用できない。
って考えるってこと。
因みに成人して独立した子供世代が親世代の面倒を見るっていう考えも彼らにはない。なぜなら、「彼らの常識」は親として子供を独立させて、家から出すってことだから。
核家族って奴だな。
じいちゃんばあちゃんが一緒に住んで孫の面倒を見て、若い夫婦は共働きってのもない。
共働きする家族・親っていうのは多かったが、初等部に子供を預けてからっていうのが一般的だった。
地球みたいに教育格差ってのもない。初等部は村毎に一つしかないし、初等部で一般常識を教わった後、更なる教育を受けるのに必要なのは資金ではなく、子供自身の「魔法使いの資格」だ。
つまり、更なる教育の必要性があるのは魔法使いだけってことだな。
進学に資金は必要だがそもそも子供に魔法使いの素質が無ければ(たとえ資金があっても)進学の資格もないよってこと。
魔法使いじゃない子供たちは、初等部卒業後就職する。
親方に弟子入りするために住み込みでの働き口を探す者やら、親の後を継ぐために修行する者‥その後の進路はそれぞれだ。
そうして家族・子供(未成年)は、成人して働いて、誰かと出会って‥そんな彼らがそのうち家族・親になる。
そういう繰り返しが、この国の「当たり前」らしい。
この国は
成人している = 結婚して(同性婚も含め)家族を作っている
ってのが、「当たり前」で、それ以外の選択肢に対してあまりにも寛容ではない社会だった。
個人の所属をはっきりさせたい‥ってことなんだろう。
所属: 家族
一緒にいる目的: 生活する為
自身が何か悪いことをしたら、家族に迷惑が掛かるぞ‥的な脅しの意味もある。(そういうのは、江戸時代の隣組制度とも似てるね)
確かな「身元」と明解で単純な「目的」。家族という‥お互いを監視する連帯責任者。
そんな社会だったから、複数の「個人(未婚)」が養子でもない「個人(未成年)」を養育する団体は、異質に見えた。
所属: ??
一緒にいる目的: ??
つまり、
「家族をつくる意思の無い」社会的に「一人前じゃない」個人(成年)たちが、一般的な仕事につかず、共同生活している。しかも、一緒にいる子供は養子ではない。その境遇はこの子供にとっていい境遇ではない。家族としての「当たり前の法的支援」も受けられないし、所属のはっきりしないという事実は今後彼(未成年の子供)が新たに家族を作る際にも支障をきたす。
そう言った理由から彼らは
自身(成年)の生活の状況、子供(未成年)の養育状況も劣悪な、「非社会的な思想を持った」酷い集団。
っていう風にみられるていた。
偏った考え方だ。
一つの考えに固執し、他の生き方を否定する。‥この国はそれほど「未成熟な社会」だったんだ。
そんなことお構いなしに彼らは実に平和的な共同生活を送っていた。
金や土地を出し合い、家を建て、畑を耕す。
畑で育てた豆やら芋、カボチャが彼らの主な食糧だった。
ピーナッツを植えてみようっていったのはリーダーだった。
「油が採れるらしい」
ってどこかで聞いてたらしいが、結局うまくいかなかった。
‥子供のおやつに晩酌のお伴に大人気なナッツだ。加工する前に皆食べてしまうのだ。
嫌われ者の彼らの物々交換に応じる「一般の国民」はいなかったから、彼らは彼らが作って採取したものがすべてだったんだ。
だけど、それでも彼らは毎日楽しかった。
そうやって昔からみんな仲良く暮らしてたんだ。
「運命の星? 」
リーダーが聞きなれない言葉に首を傾げて、炒り終わったピーナッツを皿の上に移すと、カタルの口にピーナッツを放り込んだ。
今さっきまで炒っていた分ではなく、冷ましておいた分だ。カタルはそれをもぐもぐしながらコクコクと頷いた。
「星が産まれる‥はは~ん。カタル坊お得意の予言だな。しかも運命の‥って言うんだから、大事件の予言だな」
リーダーは面白そうだ、っ目をキラキラさせ、自分もピーナッツを一つ口に入れる。
面白いことも大好きな彼は、ちょっと子供っぽいところがある。
「どんなことが起こりそうなんだ? 」
髭面をぐいってカタルに近付ける。
カタルが「それは分からない」って首をぷるぷると振ると、リーダーは、ははって笑ってカタルの柔らかい頬に髭面をじょりじょりと押し付けた。
リーダーの得意技「地獄の頬擦り」って奴だ。
「イタイイタイ! 」
涙目で逃げるカタルを優しい笑顔で見守るリーダー。大笑いしながらその光景を見る大人たち。
‥カタルにとって一番楽しかった思い出だ。
そのままでよかったんだ。
‥運命の星に関わり合いになって‥万が一政治にでも関わるようにでもなったら‥きっと今のままではいられない。
「運命の星の誕生」を予言した時感じた、(何とも言えない)いやな予感。
関わりたくないっていう本心と、ほおっておいてはいけないっていう予言者としての義務感(好奇心もちょっとはあったかもしれない)。
「運命の星」を見つけなければいけない‥って思う気持ちと、‥見つからない方がいい‥って思う気持ち。
カタルは何とも言えない不安で‥不快な気持ちに、胸がむかむかするのを感じ‥ぎゅっと自身の腕を抱きしめた。
って幼少期のカタルが呟いた時、当時のリーダーは鉄板の上でピーナッツを炒っていた手を止めずに、カタルを振り向いた。
ひげもじゃの筋骨隆々な大男であるリーダーは‥だけど、こういう面倒な作業も根気強く続けられる忍耐力があった。
力も強いが、根気もあって、気が優しい。
「頭は良くないけどな」
って言って眩しい笑顔で笑うリーダーを組織の皆は親父の様に慕っていた。
今でこそ、政権交代を掲げて諜報戦、デモ活動もしている彼らだが、結成当時は、気が合う「変わり者」たちと拾ってきた子供(カタルの様に買われた子供も含む)たちの寄せ集まりに過ぎなかった。
彼らには、一緒に住む目的も、血縁関係も一切なかった。
男も女もいたが、恋愛関係を持って家族になるものも‥結成当時にはいなかった。
それ程、彼らは(一般にいう「家族」とは無縁だけど)「家族のような」集まりだった。
だけど、家族ではない者たちが集まって生活しているということは、この国にとっては異様なことで、(国家転覆等)何か良からぬことを考えているのではないか? ってこの頃から疑われていた。
それ程、この国の人間は皆保守的だった。
家族で細々と暮らしていくだけの素朴な生活。
言い換えれば
家族っていう小さなまとまりが一番大事で、家族が一番信用できる。‥他人は信用できない。
つまりそれは、国の法律も含めた制度が、「それ程」充実していなかったってことなんだけど、それを不満に思う者はいなかった。
「それ程」この国の人間は国に多くを求めていなかったし、‥国を「それ程」信頼してなかった。
自己負担、自己責任を強いられる生活を家族っていうごく小さな「信頼できる」集まりで何とか(税金を払い、また文句なく問題なく)過ごしている「善良な国民」に対し国が最低限の保証をするって感じ。
手厚い保証は無いけど、悪意ある搾取もないって感じ。
国はそう豊かでもなかったから、国民もそこは納得してたって感じかな。
無いものは望んでも仕方ないわなって諦めてたって感じ?
そんな感じで「いい国」でもなかったけど、「悪い国」でもなかったんだ。
突出した金持ちもいないけど、路上で夜露を凌がなければいけない、悪事に手を染めないと今日の飯が食えないって程の極貧もいない。
家族が平均的な生活を送れるだけの社会。
それが普通で、それで満足って思ってるような国民性。
家族とは日々の暮らしを「ただ」平和に過ごすために協力する一番小さく、そして基本となる単位であり、この国において「個人」は同時に(常に)「家族の一員」だった。
成人する前の個人(未成年)は、家族・子供であり、成人した「個人」は家を出て独立し、新しい家族・親になるために、「新しい家族」を作ることが「当たり前」だった。
(同性婚を含め)子供がいない家族が養子をとるのは一般的だったが、家族ではない個人が一緒に住んでいるってことはあり得ない。‥だって、養子は家族だが、家族ではない個人同士の集まりは家族でないからだ。
家族じゃない = 信用できない。
って考えるってこと。
因みに成人して独立した子供世代が親世代の面倒を見るっていう考えも彼らにはない。なぜなら、「彼らの常識」は親として子供を独立させて、家から出すってことだから。
核家族って奴だな。
じいちゃんばあちゃんが一緒に住んで孫の面倒を見て、若い夫婦は共働きってのもない。
共働きする家族・親っていうのは多かったが、初等部に子供を預けてからっていうのが一般的だった。
地球みたいに教育格差ってのもない。初等部は村毎に一つしかないし、初等部で一般常識を教わった後、更なる教育を受けるのに必要なのは資金ではなく、子供自身の「魔法使いの資格」だ。
つまり、更なる教育の必要性があるのは魔法使いだけってことだな。
進学に資金は必要だがそもそも子供に魔法使いの素質が無ければ(たとえ資金があっても)進学の資格もないよってこと。
魔法使いじゃない子供たちは、初等部卒業後就職する。
親方に弟子入りするために住み込みでの働き口を探す者やら、親の後を継ぐために修行する者‥その後の進路はそれぞれだ。
そうして家族・子供(未成年)は、成人して働いて、誰かと出会って‥そんな彼らがそのうち家族・親になる。
そういう繰り返しが、この国の「当たり前」らしい。
この国は
成人している = 結婚して(同性婚も含め)家族を作っている
ってのが、「当たり前」で、それ以外の選択肢に対してあまりにも寛容ではない社会だった。
個人の所属をはっきりさせたい‥ってことなんだろう。
所属: 家族
一緒にいる目的: 生活する為
自身が何か悪いことをしたら、家族に迷惑が掛かるぞ‥的な脅しの意味もある。(そういうのは、江戸時代の隣組制度とも似てるね)
確かな「身元」と明解で単純な「目的」。家族という‥お互いを監視する連帯責任者。
そんな社会だったから、複数の「個人(未婚)」が養子でもない「個人(未成年)」を養育する団体は、異質に見えた。
所属: ??
一緒にいる目的: ??
つまり、
「家族をつくる意思の無い」社会的に「一人前じゃない」個人(成年)たちが、一般的な仕事につかず、共同生活している。しかも、一緒にいる子供は養子ではない。その境遇はこの子供にとっていい境遇ではない。家族としての「当たり前の法的支援」も受けられないし、所属のはっきりしないという事実は今後彼(未成年の子供)が新たに家族を作る際にも支障をきたす。
そう言った理由から彼らは
自身(成年)の生活の状況、子供(未成年)の養育状況も劣悪な、「非社会的な思想を持った」酷い集団。
っていう風にみられるていた。
偏った考え方だ。
一つの考えに固執し、他の生き方を否定する。‥この国はそれほど「未成熟な社会」だったんだ。
そんなことお構いなしに彼らは実に平和的な共同生活を送っていた。
金や土地を出し合い、家を建て、畑を耕す。
畑で育てた豆やら芋、カボチャが彼らの主な食糧だった。
ピーナッツを植えてみようっていったのはリーダーだった。
「油が採れるらしい」
ってどこかで聞いてたらしいが、結局うまくいかなかった。
‥子供のおやつに晩酌のお伴に大人気なナッツだ。加工する前に皆食べてしまうのだ。
嫌われ者の彼らの物々交換に応じる「一般の国民」はいなかったから、彼らは彼らが作って採取したものがすべてだったんだ。
だけど、それでも彼らは毎日楽しかった。
そうやって昔からみんな仲良く暮らしてたんだ。
「運命の星? 」
リーダーが聞きなれない言葉に首を傾げて、炒り終わったピーナッツを皿の上に移すと、カタルの口にピーナッツを放り込んだ。
今さっきまで炒っていた分ではなく、冷ましておいた分だ。カタルはそれをもぐもぐしながらコクコクと頷いた。
「星が産まれる‥はは~ん。カタル坊お得意の予言だな。しかも運命の‥って言うんだから、大事件の予言だな」
リーダーは面白そうだ、っ目をキラキラさせ、自分もピーナッツを一つ口に入れる。
面白いことも大好きな彼は、ちょっと子供っぽいところがある。
「どんなことが起こりそうなんだ? 」
髭面をぐいってカタルに近付ける。
カタルが「それは分からない」って首をぷるぷると振ると、リーダーは、ははって笑ってカタルの柔らかい頬に髭面をじょりじょりと押し付けた。
リーダーの得意技「地獄の頬擦り」って奴だ。
「イタイイタイ! 」
涙目で逃げるカタルを優しい笑顔で見守るリーダー。大笑いしながらその光景を見る大人たち。
‥カタルにとって一番楽しかった思い出だ。
そのままでよかったんだ。
‥運命の星に関わり合いになって‥万が一政治にでも関わるようにでもなったら‥きっと今のままではいられない。
「運命の星の誕生」を予言した時感じた、(何とも言えない)いやな予感。
関わりたくないっていう本心と、ほおっておいてはいけないっていう予言者としての義務感(好奇心もちょっとはあったかもしれない)。
「運命の星」を見つけなければいけない‥って思う気持ちと、‥見つからない方がいい‥って思う気持ち。
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