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十一章 特別な人
2.羨ましいのはお互い様。
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(side ヒジリ)
睡眠って普通の人にとって当たり前‥それこそ食事をとる、排泄する暗い‥の事なのに、随分研究されてきたことに驚く。
それでもまだ分からないことはあるし、まだまだ「研究の余地あり」な分野なんだって。
よい睡眠は「自動的に」その人の頭を整理してくれたり、身体を休めてくれたりする。
だけど、もっともっと‥
って地球の人は思うらしい。
睡眠そのものや、睡眠時の脳は未知で、計り知れない可能性を秘めている‥だから、研究して利用したい。
贅沢だよな、って思う。
眠ることが出来るってことだけで、どれ程恵まれてるかって思う。
でも利用云々は別としても、せっかく寝るんだったら
「‥寝た気がしない」
より
「あ~良く寝た~! 頭スッキリ~」
の方がいいに決まっている。
俺には縁が無い話なんだけどね‥。
だのに、俺はさっきからナラフィスという「三度の飯より研究が好き」っていう新手の変態から「リバーシと睡眠」という‥どうでもいい‥(否! )ありがたい講義を受けさせていただいている。
有名な学者様が学生でもない一個人に時間を割いてくださって、一個人の為だけに! 講義してくれるなんて貴重な経験、そうはないだろう。
だけど、
‥もう勘弁してほしい。
わかった。もう無理しないって誓うから‥ラルシュ様も「ヒジリは聞くべきです」って言って‥見捨てないで~。
笑顔が怖いです!!
分かってます。怒ってくださっているんですよね。嬉しいです。だけど‥
もう勘弁してくれ!!
「リバーシと睡眠」概要。
「リバーシは睡眠を必要としないとされてきたが実はそうではなくて、リバーシにも「睡眠的なもの」が必要なのだ。
普通の人にとっての睡眠の意味は身体を休めることと記憶なんかを整理するとい大切な意味がある。
リバーシにとっての「睡眠的なもの」の意味は、身体を休めることである。
意識が常に覚醒しているリバーシは、身体の疲れに鈍感になりやすい。「起きてるときは動く」タイプが多いのだ。だから、身体が一定期間精神と肉体を切り離すという時間を強制的につくるのだ。
乳児期のリバーシが一日中「起きて」一日中寝ないのは、寝所に寝たきりで活動しないから(だから、身体がつかれない)のと、時間という概念がまだ正常に身に着いていないから、そして、「意識が身体から離れるのを怖がる」からだろう」
これを説明しながら
「前回の僕や今回のキミの場合は、「極度の興奮状態その他で意識が身体から分離するのを拒絶した」異常状態だったってわけだ」
ってナラフィスさんが説明を付け加えた。
成程。‥確かにそういう感じだったかも。
俺が頷くと、ナラフィスさんは満足そうに頷いて講義を再開した。
講義は、まだしばらく睡眠の意味について語られ、ナラフィスさんはその中で
「睡眠は、心身のトレーナーとかコンサルタントみたいなもんで、自分でどうこう考えなくても自動的に考えその他をまとめてくれたり、整理してくれたりする‥。そんな優秀な秘書機能がついてる普通の人は羨ましい。僕たちは苦しい時も悲しい時も一人で考えないといけないからね」
って言った。
う~ん‥。俺は‥俺だけかもしれないけど、そう考えこまないんだよな~「ま、いっか」で済ませちゃうこと多いんだよな~。
だって、考え込んでたら、足が止まるじゃない。そういうの勿体ないじゃない。(っていうか‥勿体ないから止まらないっていうより、‥そもそもあんまり考え込んだりしないんだよな~。「どうしよう」「とにかく何からでもやってみるか。時間は沢山ある」ってなる‥っていうか‥。
そんなこと考えてたら、講義は
「睡眠欲は食欲・性欲と並ぶ「人が生きていく上に必要故に脳が体に欲することを要求する欲望」なはずなのに、リバーシにそれがないのはなぜだろうか」
と、「問い掛けの形で」締めくくられた。
なぜ? って‥
知らん。
知るわけがない。
だけど、ふと‥ふとね、その時思ったんだ。
「足りないってことを‥知るためですかね。だって、魔力ってここに住んでたら余計に思うんですけど、まあ、普通に生活する上では要らないですよね。
でも、睡眠は必要ですよね。
それに、「たくさんの人が研究している程」興味深いし、分かんないことが多いことですよね。
「心地よい睡眠取ってみたいな」って望みやら、「なんで俺たちは睡眠を取れないんだろう」っていう苦しみや悲しみ。
そういうのを「より容易に抱きやすい」ってことなのかな~」
って。
「俺たちにはそう必要が無い魔力が多いことは、魔法使いにとってリバーシは「羨ましい」し、「必要」って思わせる‥ため? 反対に、俺たちは魔法が使えない(使えてもそう大した魔法はつかえない)から、魔法が使える魔法使いが羨ましい。持ってるのに有効利用できないのがもどかしい。有効利用してくれるなら、してほしい、って思う。
そうやって、皆がちょっとずつ足りなくって、皆がお互いの事羨ましくって、‥認め合って、何となく世界はうまく回ってるのかな‥って」
って。
そういうと、ナラフィスさんは(意見が同じだったのか)満足そうに笑って、
ラルシュ様はちょっと‥
驚いた顔をした。
ん、まあ、考え方は人それぞれだからね。それに‥ナラフィスさんと俺はリバーシ同士通じる何かがあって、ラルシュ様は魔法使いだから考え方が違う、とかがあるのかもね。
睡眠って普通の人にとって当たり前‥それこそ食事をとる、排泄する暗い‥の事なのに、随分研究されてきたことに驚く。
それでもまだ分からないことはあるし、まだまだ「研究の余地あり」な分野なんだって。
よい睡眠は「自動的に」その人の頭を整理してくれたり、身体を休めてくれたりする。
だけど、もっともっと‥
って地球の人は思うらしい。
睡眠そのものや、睡眠時の脳は未知で、計り知れない可能性を秘めている‥だから、研究して利用したい。
贅沢だよな、って思う。
眠ることが出来るってことだけで、どれ程恵まれてるかって思う。
でも利用云々は別としても、せっかく寝るんだったら
「‥寝た気がしない」
より
「あ~良く寝た~! 頭スッキリ~」
の方がいいに決まっている。
俺には縁が無い話なんだけどね‥。
だのに、俺はさっきからナラフィスという「三度の飯より研究が好き」っていう新手の変態から「リバーシと睡眠」という‥どうでもいい‥(否! )ありがたい講義を受けさせていただいている。
有名な学者様が学生でもない一個人に時間を割いてくださって、一個人の為だけに! 講義してくれるなんて貴重な経験、そうはないだろう。
だけど、
‥もう勘弁してほしい。
わかった。もう無理しないって誓うから‥ラルシュ様も「ヒジリは聞くべきです」って言って‥見捨てないで~。
笑顔が怖いです!!
分かってます。怒ってくださっているんですよね。嬉しいです。だけど‥
もう勘弁してくれ!!
「リバーシと睡眠」概要。
「リバーシは睡眠を必要としないとされてきたが実はそうではなくて、リバーシにも「睡眠的なもの」が必要なのだ。
普通の人にとっての睡眠の意味は身体を休めることと記憶なんかを整理するとい大切な意味がある。
リバーシにとっての「睡眠的なもの」の意味は、身体を休めることである。
意識が常に覚醒しているリバーシは、身体の疲れに鈍感になりやすい。「起きてるときは動く」タイプが多いのだ。だから、身体が一定期間精神と肉体を切り離すという時間を強制的につくるのだ。
乳児期のリバーシが一日中「起きて」一日中寝ないのは、寝所に寝たきりで活動しないから(だから、身体がつかれない)のと、時間という概念がまだ正常に身に着いていないから、そして、「意識が身体から離れるのを怖がる」からだろう」
これを説明しながら
「前回の僕や今回のキミの場合は、「極度の興奮状態その他で意識が身体から分離するのを拒絶した」異常状態だったってわけだ」
ってナラフィスさんが説明を付け加えた。
成程。‥確かにそういう感じだったかも。
俺が頷くと、ナラフィスさんは満足そうに頷いて講義を再開した。
講義は、まだしばらく睡眠の意味について語られ、ナラフィスさんはその中で
「睡眠は、心身のトレーナーとかコンサルタントみたいなもんで、自分でどうこう考えなくても自動的に考えその他をまとめてくれたり、整理してくれたりする‥。そんな優秀な秘書機能がついてる普通の人は羨ましい。僕たちは苦しい時も悲しい時も一人で考えないといけないからね」
って言った。
う~ん‥。俺は‥俺だけかもしれないけど、そう考えこまないんだよな~「ま、いっか」で済ませちゃうこと多いんだよな~。
だって、考え込んでたら、足が止まるじゃない。そういうの勿体ないじゃない。(っていうか‥勿体ないから止まらないっていうより、‥そもそもあんまり考え込んだりしないんだよな~。「どうしよう」「とにかく何からでもやってみるか。時間は沢山ある」ってなる‥っていうか‥。
そんなこと考えてたら、講義は
「睡眠欲は食欲・性欲と並ぶ「人が生きていく上に必要故に脳が体に欲することを要求する欲望」なはずなのに、リバーシにそれがないのはなぜだろうか」
と、「問い掛けの形で」締めくくられた。
なぜ? って‥
知らん。
知るわけがない。
だけど、ふと‥ふとね、その時思ったんだ。
「足りないってことを‥知るためですかね。だって、魔力ってここに住んでたら余計に思うんですけど、まあ、普通に生活する上では要らないですよね。
でも、睡眠は必要ですよね。
それに、「たくさんの人が研究している程」興味深いし、分かんないことが多いことですよね。
「心地よい睡眠取ってみたいな」って望みやら、「なんで俺たちは睡眠を取れないんだろう」っていう苦しみや悲しみ。
そういうのを「より容易に抱きやすい」ってことなのかな~」
って。
「俺たちにはそう必要が無い魔力が多いことは、魔法使いにとってリバーシは「羨ましい」し、「必要」って思わせる‥ため? 反対に、俺たちは魔法が使えない(使えてもそう大した魔法はつかえない)から、魔法が使える魔法使いが羨ましい。持ってるのに有効利用できないのがもどかしい。有効利用してくれるなら、してほしい、って思う。
そうやって、皆がちょっとずつ足りなくって、皆がお互いの事羨ましくって、‥認め合って、何となく世界はうまく回ってるのかな‥って」
って。
そういうと、ナラフィスさんは(意見が同じだったのか)満足そうに笑って、
ラルシュ様はちょっと‥
驚いた顔をした。
ん、まあ、考え方は人それぞれだからね。それに‥ナラフィスさんと俺はリバーシ同士通じる何かがあって、ラルシュ様は魔法使いだから考え方が違う、とかがあるのかもね。
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