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十一章 特別な人
閑話休題2 ミチルは私のヒーローだけど、ヒジリのヒーローにはしたくない。
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(side ラルシュ)
「ラルシュは間違ってる」
むかし、私が無理して自分一人で仕事を抱え込んでるとき‥ミチルに言われた。
「一人で無理していっぱいいっぱいになるのは、こころにも健康にもよくないし、効率も良くない」
曰く、
人間の集中力なんてたかが知れてる。その人の能力を超えた労働により疲労し、集中力も切れる。そうすると、効率も落ちる。
っていうんだ。
「そのためには、どうしても自分でしなければいけないこと以外は、人に頼んだ方が作業効率も上がるし、のちのち人材を育成することにつながる。すべての人がそれを出来る環境にはないかもしれないけど、ラルシュはそれが出来る立場にあると思うし、(人材育成やらの意味でも)それをすべきだと思う」
っていうんだ。
人に頼るのは苦手だから自分でやった方が早い‥って言いたかったが、(健康面やら作業効率が)‥今の状態だったら説得力がない。
頼るのは苦手とか言ってられない。
「だけど急に‥が無理だったら、まずは言いやすい俺に仕事を振ってみたら? そしたら、その分こころに余裕が出来る。そして、早く終われば、チェックに時間が回せる」
楽になる、ってミチルは言わない。
きっとそう言われたら「楽なんてできないでもいいから自分でやる」って私が言うって分かってたんだろう。
(ミチルが言うには)私は意地っ張りならしいから。
仕事の効率。
ミチルはよくこの言葉を口にする。
ミチルが「社会人」になって仕事し始めた前からだった。
私は生まれたときからこの国の王子で、王子としての仕事があった。だけど、そうではないミチルは他の人たち同様に、学生時代があって、就職して仕事に就いた。(それは異世界もこの国も変わらない)
ミチルは「やっぱ、仕事をするってのは大変だわ~。ラルシュは昔からホント、大変だったよね~。‥責任とか会社の中間管理職以上にあるわけだし」って‥よくわからないことを言って褒めてくれた。
「中間管理職」ってなんだろう。ミチルの話からすると‥商会の代表みたいな感じ‥かな? いや、代表は「社長」か。商会でも代表の下に役員は多分‥いるだろう‥そういう感じの役割?
そう考えたら、私はミチルの国の事以前に自分の国の事もよくわかっていないって気付かされる。(まあ、王子が普段会うのはきっと代表だけだろうしね)
「俺はね~、ちゃっちゃと仕事を終わらせてちゃっちゃと帰りたいの。残業して給料を多く貰いたい‥って奴もいるけど、時間内に出来ること、だらだらやって残業とか‥バカじゃないの? って思う。
‥真面目にやっても残業になるような仕事量平気で押し付けてくるようなブラックな会社も地球には五万とあるけど、幸い俺の会社はそんな種類の会社じゃないんだよね。
なら、その善良な会社が存続できるように、無駄な給料は払わせたくないって思うわけ」
ふ~ってため息をつく。
普通の人間なら「仕事してもうあとは寝るだけ、もうくたくた」って感じなんだろうけど、リバーシであるミチルは精神的に、寝ない。‥眠れないんじゃなくって、寝るって感覚がない。
疲れたりしないのかな。って思うけど、興味本位で聞くのはきっと「違う」って思うし、きっと聞いても分からない。
だけど、ミチルの話を聞いていると面白い。‥分からないところもあるけど、それも含めて面白いって思う。
「ミチルみたいな部下がいたら会社も安泰だね」
って言ったのは、本心。
仕事が出来るか‥ってのは分からないけど(でも、出来てそうな気はする)、真面目だし、忠誠心もある。
私がそういうと、ミチルは「へへ、まあね」って笑った。
「ミチルは黒寄りだよね」
って先日ナラフィスが言ったとき‥あの時は、なぜか「地球の身体に悪そうな食品」に結局話が移って有耶無耶になっちゃったんだけど‥からずっとそれが頭に残っていた。
ナラフィスに言われる以前から、私もそう思ってた。
ただ、自分以外が言う事によって「やっぱりそうだよね」って、確実なものになった‥って感じ。
白寄りが多いリバーシなのに、黒寄り‥
それは、珍しいことだ。
それは、ミチルが珍しい地球生まれのリバーシだから?
‥じゃあ、同じリバーシで地球での生活が長いヒジリはどうだろうか。
考えかけたけど、直ぐに首を振って自分の考えを否定した。「ヒジリは黒寄りじゃない」
ヒジリは、白寄りだ。‥白寄りっていうか‥多分白のインフルエンサーなんだろう。周りを白の思想に変えていく影響力というより‥自然と周りを惹きつけて、彼女に共感させて‥「感化させて」いっている。
彼女のおせっかいやら能天気は「周りに感染する」‥悪い意味じゃなくって、だ。
明るくって、優しくって、おせっかいで、平和主義者。
優れた容姿に憎めない性格、誰もが彼女の事を好きになる‥だのに彼女の自己評価は低い。周りの人間も正当に評価してないような気がする。‥そもそも、彼女のとらえ方の問題なのか、彼女の話を聞く限り、彼女の周りの人間の彼女に対する扱いって‥おかしいよね。
地球には彼女のインフルエンサーとしての能力が適用されないから‥もあるとは思うけど、それにしても「ひどい」って気がする‥。
僻みなんかが原因で疎まれているのだろうか。‥だとしたら、一刻も早く彼女をこっちに帰さないといけない。‥そこらへんは早急に調査しないといけない。
とにかく、そんな周りの対応の為にそうなったのか、はたまたそれ以外の理由があってか。
彼女の性格‥みんな一緒がよくって、自分だけいい待遇‥「目立つの」が嫌い。誰かの為に身を引くのが「当たり前」で、何よりも自分のせいで誰かが犠牲になるのが嫌っていう性格‥が彼女の元からの性格によるものなのか、もしくは周りからの悪影響の結果そうなった、後発的なものなのか。その見極めが急がれる。
‥彼女が周りのせいであんな「自分を抑えた性格」になったんだったら‥それは絶対に良くないから。
『競争心から最も遠い所にいる子』
「いい子だけど、競争社会を生き抜くのは難しい。だから、皆が守って上げたくなるんだけど、本人はそれを「是」としない。傷ついても、我慢して、誰も恨まず‥一人で生きようとしている」(ナラフィスによる分析)
って感じ。
‥痛々しいなあ。
効率悪く、自分で何もかも抱えて、自分一人で空回りしてた、‥昔の私みたい。
だけど、私はミチルに助けられた。
ミチルは、‥凄い。
優しくって強くって、効率よくって、正しくて‥。
ミチルならヒジリも助けられる‥
‥って思って、はっとした。
そしたら、ヒジリは女の子だから‥ミチルに恋してしまわない?
ミチルはあの通り容姿がいいし、私と違って愛想もいいし、明るい。性格もいい。
ミチルはインフルエンサーじゃない。「だから」一目会った瞬間から惹きつけられることも、周りに影響を及ぼすこともない「だけど」ミチルと話した者はきっとみんなミチルの事を好きになる。
それは、天性の才じゃなくって、人柄だ。
そして、その結果ヒジリがミチルに対して特別な感情を持つようになれば、それは「影響(インフルエンス)」じゃなくって、「恋」だ。
呑気に「ミチルなら彼女を」なんて言ってられない。
ヒジリにこれ以上ミチルの事好きになってほしくない。
私はヒジリへの恋心を自覚したし、‥別にそれを封印する気もない。
だけど、
ミチルとヒジリをめぐって恋の鞘当てをする気はない。だって、(そんなことしなくても)私はヒジリの婚約者だし、‥ミチルとだったら部が悪すぎるから。
だから、多少卑怯だと言われようとも‥自分の「ヒジリの婚約者である」というポジションをフラットにして正々堂々とミチルと戦う‥なんてことは絶対言わない。
ミチルに後出しで「私もヒジリのことが本気で好きになってしまった」‥なんて伝えない。
あえて一線を引いて
「国が決めたことだから」
「ヒジリと結婚すれば「いずれ」彼女の事を好きになるだろう」
って立場を貫くことが、ヒジリにとっても、ミチルにとっても、‥私にとっても一番いいって思ってる。
「ラルシュは間違ってる」
むかし、私が無理して自分一人で仕事を抱え込んでるとき‥ミチルに言われた。
「一人で無理していっぱいいっぱいになるのは、こころにも健康にもよくないし、効率も良くない」
曰く、
人間の集中力なんてたかが知れてる。その人の能力を超えた労働により疲労し、集中力も切れる。そうすると、効率も落ちる。
っていうんだ。
「そのためには、どうしても自分でしなければいけないこと以外は、人に頼んだ方が作業効率も上がるし、のちのち人材を育成することにつながる。すべての人がそれを出来る環境にはないかもしれないけど、ラルシュはそれが出来る立場にあると思うし、(人材育成やらの意味でも)それをすべきだと思う」
っていうんだ。
人に頼るのは苦手だから自分でやった方が早い‥って言いたかったが、(健康面やら作業効率が)‥今の状態だったら説得力がない。
頼るのは苦手とか言ってられない。
「だけど急に‥が無理だったら、まずは言いやすい俺に仕事を振ってみたら? そしたら、その分こころに余裕が出来る。そして、早く終われば、チェックに時間が回せる」
楽になる、ってミチルは言わない。
きっとそう言われたら「楽なんてできないでもいいから自分でやる」って私が言うって分かってたんだろう。
(ミチルが言うには)私は意地っ張りならしいから。
仕事の効率。
ミチルはよくこの言葉を口にする。
ミチルが「社会人」になって仕事し始めた前からだった。
私は生まれたときからこの国の王子で、王子としての仕事があった。だけど、そうではないミチルは他の人たち同様に、学生時代があって、就職して仕事に就いた。(それは異世界もこの国も変わらない)
ミチルは「やっぱ、仕事をするってのは大変だわ~。ラルシュは昔からホント、大変だったよね~。‥責任とか会社の中間管理職以上にあるわけだし」って‥よくわからないことを言って褒めてくれた。
「中間管理職」ってなんだろう。ミチルの話からすると‥商会の代表みたいな感じ‥かな? いや、代表は「社長」か。商会でも代表の下に役員は多分‥いるだろう‥そういう感じの役割?
そう考えたら、私はミチルの国の事以前に自分の国の事もよくわかっていないって気付かされる。(まあ、王子が普段会うのはきっと代表だけだろうしね)
「俺はね~、ちゃっちゃと仕事を終わらせてちゃっちゃと帰りたいの。残業して給料を多く貰いたい‥って奴もいるけど、時間内に出来ること、だらだらやって残業とか‥バカじゃないの? って思う。
‥真面目にやっても残業になるような仕事量平気で押し付けてくるようなブラックな会社も地球には五万とあるけど、幸い俺の会社はそんな種類の会社じゃないんだよね。
なら、その善良な会社が存続できるように、無駄な給料は払わせたくないって思うわけ」
ふ~ってため息をつく。
普通の人間なら「仕事してもうあとは寝るだけ、もうくたくた」って感じなんだろうけど、リバーシであるミチルは精神的に、寝ない。‥眠れないんじゃなくって、寝るって感覚がない。
疲れたりしないのかな。って思うけど、興味本位で聞くのはきっと「違う」って思うし、きっと聞いても分からない。
だけど、ミチルの話を聞いていると面白い。‥分からないところもあるけど、それも含めて面白いって思う。
「ミチルみたいな部下がいたら会社も安泰だね」
って言ったのは、本心。
仕事が出来るか‥ってのは分からないけど(でも、出来てそうな気はする)、真面目だし、忠誠心もある。
私がそういうと、ミチルは「へへ、まあね」って笑った。
「ミチルは黒寄りだよね」
って先日ナラフィスが言ったとき‥あの時は、なぜか「地球の身体に悪そうな食品」に結局話が移って有耶無耶になっちゃったんだけど‥からずっとそれが頭に残っていた。
ナラフィスに言われる以前から、私もそう思ってた。
ただ、自分以外が言う事によって「やっぱりそうだよね」って、確実なものになった‥って感じ。
白寄りが多いリバーシなのに、黒寄り‥
それは、珍しいことだ。
それは、ミチルが珍しい地球生まれのリバーシだから?
‥じゃあ、同じリバーシで地球での生活が長いヒジリはどうだろうか。
考えかけたけど、直ぐに首を振って自分の考えを否定した。「ヒジリは黒寄りじゃない」
ヒジリは、白寄りだ。‥白寄りっていうか‥多分白のインフルエンサーなんだろう。周りを白の思想に変えていく影響力というより‥自然と周りを惹きつけて、彼女に共感させて‥「感化させて」いっている。
彼女のおせっかいやら能天気は「周りに感染する」‥悪い意味じゃなくって、だ。
明るくって、優しくって、おせっかいで、平和主義者。
優れた容姿に憎めない性格、誰もが彼女の事を好きになる‥だのに彼女の自己評価は低い。周りの人間も正当に評価してないような気がする。‥そもそも、彼女のとらえ方の問題なのか、彼女の話を聞く限り、彼女の周りの人間の彼女に対する扱いって‥おかしいよね。
地球には彼女のインフルエンサーとしての能力が適用されないから‥もあるとは思うけど、それにしても「ひどい」って気がする‥。
僻みなんかが原因で疎まれているのだろうか。‥だとしたら、一刻も早く彼女をこっちに帰さないといけない。‥そこらへんは早急に調査しないといけない。
とにかく、そんな周りの対応の為にそうなったのか、はたまたそれ以外の理由があってか。
彼女の性格‥みんな一緒がよくって、自分だけいい待遇‥「目立つの」が嫌い。誰かの為に身を引くのが「当たり前」で、何よりも自分のせいで誰かが犠牲になるのが嫌っていう性格‥が彼女の元からの性格によるものなのか、もしくは周りからの悪影響の結果そうなった、後発的なものなのか。その見極めが急がれる。
‥彼女が周りのせいであんな「自分を抑えた性格」になったんだったら‥それは絶対に良くないから。
『競争心から最も遠い所にいる子』
「いい子だけど、競争社会を生き抜くのは難しい。だから、皆が守って上げたくなるんだけど、本人はそれを「是」としない。傷ついても、我慢して、誰も恨まず‥一人で生きようとしている」(ナラフィスによる分析)
って感じ。
‥痛々しいなあ。
効率悪く、自分で何もかも抱えて、自分一人で空回りしてた、‥昔の私みたい。
だけど、私はミチルに助けられた。
ミチルは、‥凄い。
優しくって強くって、効率よくって、正しくて‥。
ミチルならヒジリも助けられる‥
‥って思って、はっとした。
そしたら、ヒジリは女の子だから‥ミチルに恋してしまわない?
ミチルはあの通り容姿がいいし、私と違って愛想もいいし、明るい。性格もいい。
ミチルはインフルエンサーじゃない。「だから」一目会った瞬間から惹きつけられることも、周りに影響を及ぼすこともない「だけど」ミチルと話した者はきっとみんなミチルの事を好きになる。
それは、天性の才じゃなくって、人柄だ。
そして、その結果ヒジリがミチルに対して特別な感情を持つようになれば、それは「影響(インフルエンス)」じゃなくって、「恋」だ。
呑気に「ミチルなら彼女を」なんて言ってられない。
ヒジリにこれ以上ミチルの事好きになってほしくない。
私はヒジリへの恋心を自覚したし、‥別にそれを封印する気もない。
だけど、
ミチルとヒジリをめぐって恋の鞘当てをする気はない。だって、(そんなことしなくても)私はヒジリの婚約者だし、‥ミチルとだったら部が悪すぎるから。
だから、多少卑怯だと言われようとも‥自分の「ヒジリの婚約者である」というポジションをフラットにして正々堂々とミチルと戦う‥なんてことは絶対言わない。
ミチルに後出しで「私もヒジリのことが本気で好きになってしまった」‥なんて伝えない。
あえて一線を引いて
「国が決めたことだから」
「ヒジリと結婚すれば「いずれ」彼女の事を好きになるだろう」
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