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十三章 乙女ゲームじゃなくって‥
4.勘違いしてるのは、ヒジリだけじゃない。
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(side サラージ)
‥あ~、やっちまった。
ラル兄の婚約者抱きしめてしまうとか‥ない。
ここには、勿論だけど護衛も、俺の侍従も(気配を消して潜んでるから、ぱっとめには見えないだけで)いるのに‥。
ああ‥もしかしたら、ラル兄の密偵とかいるかもな。
なのに‥
俺は‥
とか思ってたけど、‥一番に思ったけど!
ヒジリは、護衛も俺の侍従も‥ラル兄の密偵も気付いたうえで!
「内緒話ですか? 」
って‥そっちに気を回すんだ‥!
いや、‥急にそのタイミングで内緒話とか‥ないだろう。
‥まあね、俺は「俺はヒジリが好き」って自覚したから、他の奴を褒めるヒジリを見て嫉妬して‥思わず抱きしめてしまった‥んだけど、「俺はヒジリが好き」ってことが「絶対に気付けない」「超絶ウルトラ鈍感な」ヒジリには「どうした、急になんだ」→「そうか! (ここには人がたくさんいるから)内緒話をするために近づいたって訳か! 」って思った‥ってことなんだろう。
いや
「‥内緒話なら、結界を張って喋る。お前‥、警戒心なさすぎるぞ。王子の婚約者だのに、そんなにあっさり他の奴に抱きしめられたりするなよ‥」
俺はため息をつきながら言った。
正確に言うと、結界ではない。結界は魔法だから、リバーシである俺は使えない。時と風の属性のスキルで「時間と空間を周りと切り離す」んだ。(← ミチルが得意な奴)
空間と風、時の属性の俺はそれらを組み合わせることで多くのスキルや状態異常を開発してきた。
俺もラル兄のこと言えない位「スキルオタク」なんだ。(ラル兄は魔法オタク)
「いや、だって、サラージ様はそんなんじゃないでしょ? ハニートラップって言うんですかね‥俺のことたらしこんでラルシュ様の情報盗むとか役職につくための「取り計らい」を要望するとか‥」
「‥利用される‥とか以外にもあるだろ? 純粋にヒジリに恋焦がれて‥婚約者がいると分かっててもその気持ち止められない‥とか」
「成程‥「この顔」は魅力的ですからね~。でも、俺の性格を知らない奴ならまだしも‥俺のこの‥ドン引きで残念な性格も知ってる人ならそんなことにはならないかと‥。
俺の性格を知らない‥つまりあんまり知らない奴だったら、俺も近づかれた瞬間殴りますよ! 大丈夫です!
でも、そうですよね。俺も気をつけないといけないですよね。
考える切っ掛けをくださってありがとうございました! 」
いや、俺は別にヒジリを「お前、隙がありすぎだぜ! 」って試したわけじゃないんですけど‥。
思わず肩を落として落ち込んでいるとヒジリは、目を見開いて「あ! 」って顔をした。
‥流石に‥気付いた‥よな‥。
あ~、俺のメンタルって‥こんなにしょぼかったんだ‥。
ちらっと視線だけでヒジリをみると‥
「それとも‥サラージ様。‥俺が目の前で他の奴褒めたから、嫉妬した‥んですか? 」
ヒジリが
‥なんか、キラキラした目で俺を見ていた。
‥期待なんかしないぞ。期待なんかするからいけないんだ。これは、「嫉妬してくれた! 嬉しい! わたしもサラージ様が好き! 」じゃ‥ない。きっとない。
そうだったらいいな~って期待なんか持ってない。
「ヒジリ‥」
持ってないけど‥
心なしか顔が熱くなってきた。
俺はヒジリをじっと見つめて、ヒジリの次の言葉を待つ。
「‥嬉しいです。あなたは俺を‥」
嬉しいのか! そうか‥!
俺も‥
「‥‥」
ごくりと唾を飲み込んで、ヒジリを見つめる。
ヒジリの目はキラキラしているし、顔も真っ赤だ。
こ‥これは‥!
ヒジリは‥俺のこと‥好きだったんだ‥!
すまん! ラル兄!
もともと、婚約者の話は、俺かラル兄って話だったんだから、俺でも構わないよね!
ヒジリの気持ちは分かった! それ以上は言わないでくれ! そういうのは男から言うもんだ!
好きな女に恥ずかしい思いさせるのは、男のすることじゃない!
「大丈夫だ! ヒジリ! その後は俺に言わせてくれ! でも、ちょっと待ってくれ。準備を整えてから、だ! 」
俺は!
きちっとラル兄と話をつけて来る!
きちんと話をつけて、正々堂々とヒジリに告白‥いや、プロポーズする!
あとは、ヒジリの返事も聞かずに走り去るサラージだった。
‥あ~、やっちまった。
ラル兄の婚約者抱きしめてしまうとか‥ない。
ここには、勿論だけど護衛も、俺の侍従も(気配を消して潜んでるから、ぱっとめには見えないだけで)いるのに‥。
ああ‥もしかしたら、ラル兄の密偵とかいるかもな。
なのに‥
俺は‥
とか思ってたけど、‥一番に思ったけど!
ヒジリは、護衛も俺の侍従も‥ラル兄の密偵も気付いたうえで!
「内緒話ですか? 」
って‥そっちに気を回すんだ‥!
いや、‥急にそのタイミングで内緒話とか‥ないだろう。
‥まあね、俺は「俺はヒジリが好き」って自覚したから、他の奴を褒めるヒジリを見て嫉妬して‥思わず抱きしめてしまった‥んだけど、「俺はヒジリが好き」ってことが「絶対に気付けない」「超絶ウルトラ鈍感な」ヒジリには「どうした、急になんだ」→「そうか! (ここには人がたくさんいるから)内緒話をするために近づいたって訳か! 」って思った‥ってことなんだろう。
いや
「‥内緒話なら、結界を張って喋る。お前‥、警戒心なさすぎるぞ。王子の婚約者だのに、そんなにあっさり他の奴に抱きしめられたりするなよ‥」
俺はため息をつきながら言った。
正確に言うと、結界ではない。結界は魔法だから、リバーシである俺は使えない。時と風の属性のスキルで「時間と空間を周りと切り離す」んだ。(← ミチルが得意な奴)
空間と風、時の属性の俺はそれらを組み合わせることで多くのスキルや状態異常を開発してきた。
俺もラル兄のこと言えない位「スキルオタク」なんだ。(ラル兄は魔法オタク)
「いや、だって、サラージ様はそんなんじゃないでしょ? ハニートラップって言うんですかね‥俺のことたらしこんでラルシュ様の情報盗むとか役職につくための「取り計らい」を要望するとか‥」
「‥利用される‥とか以外にもあるだろ? 純粋にヒジリに恋焦がれて‥婚約者がいると分かっててもその気持ち止められない‥とか」
「成程‥「この顔」は魅力的ですからね~。でも、俺の性格を知らない奴ならまだしも‥俺のこの‥ドン引きで残念な性格も知ってる人ならそんなことにはならないかと‥。
俺の性格を知らない‥つまりあんまり知らない奴だったら、俺も近づかれた瞬間殴りますよ! 大丈夫です!
でも、そうですよね。俺も気をつけないといけないですよね。
考える切っ掛けをくださってありがとうございました! 」
いや、俺は別にヒジリを「お前、隙がありすぎだぜ! 」って試したわけじゃないんですけど‥。
思わず肩を落として落ち込んでいるとヒジリは、目を見開いて「あ! 」って顔をした。
‥流石に‥気付いた‥よな‥。
あ~、俺のメンタルって‥こんなにしょぼかったんだ‥。
ちらっと視線だけでヒジリをみると‥
「それとも‥サラージ様。‥俺が目の前で他の奴褒めたから、嫉妬した‥んですか? 」
ヒジリが
‥なんか、キラキラした目で俺を見ていた。
‥期待なんかしないぞ。期待なんかするからいけないんだ。これは、「嫉妬してくれた! 嬉しい! わたしもサラージ様が好き! 」じゃ‥ない。きっとない。
そうだったらいいな~って期待なんか持ってない。
「ヒジリ‥」
持ってないけど‥
心なしか顔が熱くなってきた。
俺はヒジリをじっと見つめて、ヒジリの次の言葉を待つ。
「‥嬉しいです。あなたは俺を‥」
嬉しいのか! そうか‥!
俺も‥
「‥‥」
ごくりと唾を飲み込んで、ヒジリを見つめる。
ヒジリの目はキラキラしているし、顔も真っ赤だ。
こ‥これは‥!
ヒジリは‥俺のこと‥好きだったんだ‥!
すまん! ラル兄!
もともと、婚約者の話は、俺かラル兄って話だったんだから、俺でも構わないよね!
ヒジリの気持ちは分かった! それ以上は言わないでくれ! そういうのは男から言うもんだ!
好きな女に恥ずかしい思いさせるのは、男のすることじゃない!
「大丈夫だ! ヒジリ! その後は俺に言わせてくれ! でも、ちょっと待ってくれ。準備を整えてから、だ! 」
俺は!
きちっとラル兄と話をつけて来る!
きちんと話をつけて、正々堂々とヒジリに告白‥いや、プロポーズする!
あとは、ヒジリの返事も聞かずに走り去るサラージだった。
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