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十六章 ミチル争奪戦!
100万のもしも(ミチルの独り言)
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地球に戻ってきたミチルは、仕事に行く前に今日もシャワーを浴びていた。
意図かあ‥。
ヒジリを「誰か」が「何かの」目的の為にメレディアと桔梗のことを知らせた。
その誰かが、メレディアであるという確率は「ない」ってナラフィスは言ったが、‥候補から外すのは時期尚早‥な気がする。
外すのはいつでもできる。
別に今消さなければいけない段階だとは思わない。
沢山「可能性のありそうな人」を挙げていって‥その後消去法で消せばいい。
そんなことを考えて、はっとした。
「あっちから帰ってきて、あっちの話をまだ考えてるってこと、俺は‥思えば初めてかもしれない」
あっちでの出来事は夢みたいなもので、「さ、切り替えて行こ」で日常生活を送る‥。
朝シャワーを浴びるのはその為の儀式みたいなものだ。
今まではそうだった。
そういえば‥
一人で考えることが珍しいだけで‥ヒジリの特訓に付き合ったりだとか‥ヒジリと一緒だったら‥あっちの話をすることも‥あったかも。
今まで‥以前はヒジリと俺の共通点はあっちの世界だけだったから。
でも、今は違う。
俺とヒジリは他にも沢山共通点が出来た。
同じ時間を過ごして、同じ食事をとって‥
時々、
ヒジリも俺と同じ気持ちを持ってくれてるんじゃ? って思うようなときもあったり‥だとか。
まるで奇跡みたいだって思う。
全く違う時間を過ごして来た二人が、出会い、親しくなる。
「もし」ヒジリが転勤になってなかったらこっちに来てかったら、俺とは一生会えなかっただろう。
だけど、同じ場所にいても「もし」俺が「スリーピングビューティー」に恋してなかったら、俺はヒジリに気付かなかっただろう。(それどころか、実は女だって事にも気付かなかっただろう)
普通にすれ違って‥俺はヒジリに声を掛けることなんてなかった。
‥「もし」俺がヒジリに気付かなかったら、ヒジリはこっちの世界に戻ってこれてなくて‥ヒジリの身体は衰弱して、あのまま死んでしまっていたかもしれない。(それを考えるとゾッとする)
もし‥もし‥
今のこの日常は100万のもしもでできている。
‥だから、それは偶然なんかじゃなくて、「神様の采配」なのかもしれない。
人生って、パズルみたいだ。もともと「こう」と決まってた絵(運命)がばらばらにされて散らばってるんだ。それがある日、‥奇跡や偶然の形を装って‥ピースがかちりかちりとはめられて喜劇や‥悲劇になっていく。
もしかしたら、元々(運命)とは違う絵になるかもしれない。
‥それはわからない。
神は直接我々にアドバイスなんかくれない。
出会うべくして出会う人の姿を借りて、また、偶然や奇跡の形を装って‥我々にちょっとしたヒントをくれる。
それに我々が気付くか気付かないか‥そこまでは彼のあずかり知らぬことだ。
優しい言葉で伝えられることも、
厳しい叱責として伝えられることも‥
どんな試練だ?! と思うような‥厳しさを持って伝えられることもある。
それらみんな、
彼の言葉なのだ。
起こるべくして起こること‥
無駄なことなんてないし、‥やり直しもきかない。
その人の人生はその人だけのものだけど、‥誰かの人生と時には重なって‥喧嘩になったり‥恋になったり。
「それをご縁という」
どうせなら‥ヒジリとは「良いご縁」であってほしい。
どうして出会ってしまったんだろう‥なんて後悔する出会いでは(お互いに)ないことを願う。
ヒジリにとっては、俺は「忘れていたらそれなりに平穏に過ごせていたのに‥」って事実を思い出させた極悪人かもしれないけど‥でも、俺と出会ったから魔道具が外せて‥結果死ななくて済んだんだからよしとして欲しい。
「さぁて! 今日も頑張って働こうっと! あっちで働きこっちでも働き‥。俺はなんて働き者なんだろう~」
ぱん、と一つ両手で頬を打ってシャワーを切る。
「ヒジリにメレディア王のことを知らせた「人物」そして、「その目的」か‥」
今日は張り手ぐらいで「気持ちの切り替え」が出来そうにないミチルだった。
意図かあ‥。
ヒジリを「誰か」が「何かの」目的の為にメレディアと桔梗のことを知らせた。
その誰かが、メレディアであるという確率は「ない」ってナラフィスは言ったが、‥候補から外すのは時期尚早‥な気がする。
外すのはいつでもできる。
別に今消さなければいけない段階だとは思わない。
沢山「可能性のありそうな人」を挙げていって‥その後消去法で消せばいい。
そんなことを考えて、はっとした。
「あっちから帰ってきて、あっちの話をまだ考えてるってこと、俺は‥思えば初めてかもしれない」
あっちでの出来事は夢みたいなもので、「さ、切り替えて行こ」で日常生活を送る‥。
朝シャワーを浴びるのはその為の儀式みたいなものだ。
今まではそうだった。
そういえば‥
一人で考えることが珍しいだけで‥ヒジリの特訓に付き合ったりだとか‥ヒジリと一緒だったら‥あっちの話をすることも‥あったかも。
今まで‥以前はヒジリと俺の共通点はあっちの世界だけだったから。
でも、今は違う。
俺とヒジリは他にも沢山共通点が出来た。
同じ時間を過ごして、同じ食事をとって‥
時々、
ヒジリも俺と同じ気持ちを持ってくれてるんじゃ? って思うようなときもあったり‥だとか。
まるで奇跡みたいだって思う。
全く違う時間を過ごして来た二人が、出会い、親しくなる。
「もし」ヒジリが転勤になってなかったらこっちに来てかったら、俺とは一生会えなかっただろう。
だけど、同じ場所にいても「もし」俺が「スリーピングビューティー」に恋してなかったら、俺はヒジリに気付かなかっただろう。(それどころか、実は女だって事にも気付かなかっただろう)
普通にすれ違って‥俺はヒジリに声を掛けることなんてなかった。
‥「もし」俺がヒジリに気付かなかったら、ヒジリはこっちの世界に戻ってこれてなくて‥ヒジリの身体は衰弱して、あのまま死んでしまっていたかもしれない。(それを考えるとゾッとする)
もし‥もし‥
今のこの日常は100万のもしもでできている。
‥だから、それは偶然なんかじゃなくて、「神様の采配」なのかもしれない。
人生って、パズルみたいだ。もともと「こう」と決まってた絵(運命)がばらばらにされて散らばってるんだ。それがある日、‥奇跡や偶然の形を装って‥ピースがかちりかちりとはめられて喜劇や‥悲劇になっていく。
もしかしたら、元々(運命)とは違う絵になるかもしれない。
‥それはわからない。
神は直接我々にアドバイスなんかくれない。
出会うべくして出会う人の姿を借りて、また、偶然や奇跡の形を装って‥我々にちょっとしたヒントをくれる。
それに我々が気付くか気付かないか‥そこまでは彼のあずかり知らぬことだ。
優しい言葉で伝えられることも、
厳しい叱責として伝えられることも‥
どんな試練だ?! と思うような‥厳しさを持って伝えられることもある。
それらみんな、
彼の言葉なのだ。
起こるべくして起こること‥
無駄なことなんてないし、‥やり直しもきかない。
その人の人生はその人だけのものだけど、‥誰かの人生と時には重なって‥喧嘩になったり‥恋になったり。
「それをご縁という」
どうせなら‥ヒジリとは「良いご縁」であってほしい。
どうして出会ってしまったんだろう‥なんて後悔する出会いでは(お互いに)ないことを願う。
ヒジリにとっては、俺は「忘れていたらそれなりに平穏に過ごせていたのに‥」って事実を思い出させた極悪人かもしれないけど‥でも、俺と出会ったから魔道具が外せて‥結果死ななくて済んだんだからよしとして欲しい。
「さぁて! 今日も頑張って働こうっと! あっちで働きこっちでも働き‥。俺はなんて働き者なんだろう~」
ぱん、と一つ両手で頬を打ってシャワーを切る。
「ヒジリにメレディア王のことを知らせた「人物」そして、「その目的」か‥」
今日は張り手ぐらいで「気持ちの切り替え」が出来そうにないミチルだった。
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